歌う人、聴く人が居てこそ。
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歌う人、聴く人が居てこそ。

2020-10-30 01:10
    今回の投稿は「廃校になった学校の校歌」であり
    合成音声作品としては今までにないジャンルになるかもね。


    まず先に合成音声をこの曲に使用した感触を述べる。
    手持ちの音源でCeVIOのさとうささらとONE、
    NEUTRINOの東北きりたんという具合に人選?は無難。
    しかしながら、調声作業は
    「上手に歌おうとする部分の排除」が僕の主な仕事になった。
    特にきりたんで顕著なのだが、
    可愛らしく、あるいはアイドルっぽく歌おうとしすぎる。
    きりたんの場合たとえば、
    フレーズの最後で音程が⤴︎になるのをフラットにしたり、
    ささら・ONEだと
    ロングトーンでdecresc.していくのを修正したり、
    標準で僅かに入っているビブラートを切ったり。
    多分唱歌をそれらしく歌わせる場合でも
    似たような作業が必要になると思う。
    きりたんは設定11歳だそうだが、
    だからと言ってこの曲を無調声の状態で
    それらしく歌えるかというと、それは違う。
    素朴なメロディーに、歌唱技巧としての
    可愛らしさの表現は時に邪魔になってしまうのである。
    これは別に中の人がいけない訳ではなく単に、
    「そのままではこういう曲に向かない」というだけだが、
    今後、童謡や唱歌系の曲を扱う場合は
    この点に注意しないといやらしくなるから
    気をつけたほうが良い、と言っておく。
    子どもの歌声は、
    子どもであるというだけで充分に可愛い。
    極論を言うならば、それ以外はいらない。

    さて、今回の選曲である。
    自分が卒業した小学校の校歌、しかも現存していない学校の。
    個人的には古風で平易な良い校歌だと思っているが、
    現存していればこの形で残す必要はなく、
    いつもの「自作アレンジ」...この場合は合唱曲になるかな?
    あるいはそもそも作品化しなかっただろうな。

    所在地について現在は島根県浜田市三隅町であるが
    閉校当時は「那賀郡三隅町」だったので曲タイトルは
    「浜田市立」とはせず当時のまま表記した。
    現在自分がこの地区に居住していないため
    曲そのものに関する情報は調査が充分にできておらず、
    作詞作曲者の詳しい情報や成立年代、ピアノ譜についても
    何も手元にない。
    特に、2番の歌詞がほとんど思い出せなかったため、
    比較的近くで暮らしている妹に調査をお願いして
    やっと歌詞全文がわかった、という次第である。
    これについては彼女によると
    現在の「浜田市立三隅小学校」にも資料はないそうで、
    もはや同名でも別の学校として存在しているようだ。
    しかしながらこの学校のHPには統廃合前を含めて
    100年以上の略歴が掲載されており、
    少しばかり「何それ?」と思っている。
    また、妹が見つけてくれた歌詞情報も、
    作詞者名が記念碑の記載とひと文字違っているなど、
    どこまで信用して良いのか、というレベルであったことも
    付け加えておく。
    ちなみに作詞者名は記念碑記載の文字のほうを動画に使用した。
    理由は「書物と違い改訂・修正できないモノだから」。
    ピアノについては、完全に記憶に頼るしかなかった。
    なるべく当時のままの形で出したいとは思っていたが
    こればかりはどうにもならず、
    「こんな感じだったかな?」と試行錯誤を繰り返して
    とりあえず「まあまあ似たかな」という程度にはなったかと。
    ただ、2番と3番の間の間奏はなかったかもしれないし、
    キーも違っているかもしれない。何十年も前の記憶である。


    統廃合決定時、校舎を残すか否かの議論はあったに違いないが
    災害と人口減に見舞われ、残すための維持費が
    工面できそうにないことは容易に想像がつく。
    学校の統廃合は過疎の進む田舎では
    やむを得ないことかも知れない。が、
    趣のある風景やそこにあった文化がなくなっていくのは
    良いこととは思わない。
    風景も文化も、そこに人が居て初めて価値を生むのだ。
    自分はそこではあまり良い思い出を持たないし
    それゆえにそこに住むことを選ばなかったが、
    木造の校舎も端正な校歌も失われてしまったのは
    実に残念である。
    だからこそ、残しておきたかった。
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