宇宙に猫パンチ!
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宇宙に猫パンチ!

2018-04-22 20:57
    たまに動画投稿するためだけにプレミア更新するのもあれなので、ブログの記事もブロマガ転載して少しでも活用するなど。

    猫SF傑作選『猫は宇宙で丸くなる』を購入。


    猫を題材にしたSF小説10篇を地上編と宇宙編に分けて5作ずつ収録した猫アンソロジー。
    SFと銘打ってますが地上編のほうはファンタジー作品が2作ほどあります。
    以下簡易感想。

    ■パフ(ジェフリー・D・コイストラ)
    語り手の実験で賢い知性を得た猫が活躍するものの、犬に復讐するためなら飼い主さえ囮にするあたりは、猫が人間に完全な愛情を向けることはないことをあらわしているといえる。結果的に野犬は全滅したわけだが、ある種の恐ろしさも感じる。

    ■ピネロピへの贈りもの(ロバート・F・ヤング)
    未開惑星に干渉して地名などをちょっぴり歴史改竄する異星人たちのひとりが地球の猫と出会ったことで選んだ改竄の顛末。しずかでほっこりあたたかい小品。

    ■ベンジャミンの治癒(デニス・ダンヴァーズ)
    主人公の謎の力で蘇生して不老になった猫が達観した性格で味のあるいいキャラをしている。そして終盤が非常に切ない。本当に切ない。この猫は最後の最後まで飼い主の完全な友であった。

    ■化身(ナンシー・スプリンガー)
    数世紀ごとに目覚めて人間の女性の姿をとる神話存在が現代で不思議な男と出会う。テレパシーで会話していくうちに心を通わせていくふたりだが……。男の正体にはなるほどと思った。

    ■ヘリックス・ザ・キャット(シオドア・スタージョン)
    ちょっと宇宙的な出来事からあれよあれよと霊的かつ科学的に知性を得て誇り高き傲慢さを発揮する猫と語り手のやりとりや駆け引きが面白かった。人間を馬鹿にしまくった猫のセリフの数々に笑った。なんかすごいユーモアを読んだ気がする。

    ■宇宙に猫パンチ(ジョディ・リン・ナイ)
    邦題のインパクトがとにかくたまらんが、内容のほうも前向きで楽しく、なによりクライマックスの爽快さと読後感の良さ! 実にグッドな好短編である。この本の収録作ではこれがいちばんお気に入り。

    ■共謀者たち(ジェイムズ・ホワイト)
    主人公が猫で、その視点で他の動物が抽象的に描写されるため、ちょっとわかりにくかった。惑星の重力環境と太陽の放射線から遠く離れることで、動物も人間も精神進化することができる……ということになるのかな。深く読みいる作品だった。

    ■チックタックとわたし(ジェイムズ・H・シュミッツ)
    褐色の肌にショートパンツの15歳天才少女がワケありの猫とワケありの惑星をめぐる問題を解決することになる話。この少女を主役にしたシリーズを集めた『テルジーの冒険』(新潮文庫)があるようなのでそのうち図書館で借りたい。

    ■猫の世界は灰色(アンドレ・ノートン)
    いかにも昔のSFといった内容の短い話。古風な雰囲気はよい。

    ■影の船(フリッツ・ライバー)
    主人公の状態と視点で語られるため世界観の把握と文章描写の理解が難しくてわかりにくかった。最後でようやく判明するけど、長めの話のわりにカタルシスを感じるまでにはいかず消化不良気味。全体的に漂う気だるげな雰囲気は悪くないけど個人的にはいまひとつ。「アーカムそして星の彼方へ」は好きです。


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