永遠の路拓け。太平洋の女王『浅間丸』のススメ
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永遠の路拓け。太平洋の女王『浅間丸』のススメ

2019-12-11 00:17

    「あなたは浅間丸を知っていますか?」
    こう訊かれて「ああ、あの船の~」と答えられる人は、
    そこまで多くないのではないだろうか。

    浅間丸は戦前の日本を代表する客船(貨客船)で、
    日本からホノルル-サンフランシスコ間を結ぶ航路に就航していた。
    全長178メートルと、当時の海外の主力客船に比べると小さいのだが、
    その豪華さから「太平洋の女王」とも呼ばれた客船である。

    現在、日本郵船歴史博物館では、そんな浅間丸に関しての
    企画展『就航90周年記念 客船浅間丸 ~サンフランシスコ航路をゆく~』
    (開催期間:2019年10月5日(土)~2020年1月13日(月))
    が開催されている。(※月曜が休館日、月曜が祝日の場合翌日が休みとなる)

    この展示、ご先祖が戦前に浅間丸に船員として乗っており、
    今回の展示に期待していた身として、もうすでに何度か足を運んでいる。

    本記事では、展示を見た上での、この企画展におけるいくつかの見どころを
    紹介したいと思う。

    ひとつめ
    [戦前の映画]ファンにはたまらない(であろう)写真が展示

     常設展にも写真が出ているダグラス・フェアバンクスとメアリー・ピックフォードは、
    戦前の映画界では知らぬ者はいない有名俳優同士の夫婦。
    この二人に、フェアバンクスの映画で共演した上山草人を加えた貴重なショットが
    展示されている。
    興味深いのは、こちらの書籍『太平洋の女王 浅間丸』で、
    出向前の浅間丸に駆け付けた草人は「滴の落ちるラクダのオーバーをぬぐことも忘れて」
    フェアバンクス夫妻と会ったという描写がある。
    今回展示の写真はまさにこの時のものらしく、モノクロ写真でわかりづらくはあるが、
    草人の肩口が濡れているように見える。
    文字による記録と写真による記録とが合わさった面白い展示なのは間違いないだろう。


    ふたつめ
    客船のパンフレットなど、美麗なデザインを見ることが出来る

     扇形の美麗な客船の紹介ブックレットや、就航記念パンフレット、
    1ページめくるごとに船のデッキ情報が分かる輪切り冊子。
    そしてどれをとっても現在に通用しそうな表紙デザインの数々。
    創作活動をされている方やデザインを学んでいる方には格好の教材ではないだろうか。


    みっつめ
    初代船長コーナーが味わい深い


     今回の企画展では、座礁や浅間丸事件に始まる徴用戦としての悲しい最後ではなく、
    浅間丸の就航から華々しい活躍の頃を中心に展示しており、
    その活躍を支えた初代船長、四宮源三郎()氏の遺品の数々が展示されている。

    博物館内が撮影禁止ということもあるため、
    最近開設されたばかりの日本郵船オフィシャルツイッターアカウントの
    こちらのつぶやきをの写真を元に紹介していきたいと思う。
    船上でのサービスを学ぶために使われた旅行鞄(上記のつぶやきの2枚目の写真下)
    鞄の左上には、あの有名な悲劇の豪華客船タイタニックのホワイト・スター・ライン社の
    ライバルとして知られるキュナード・ライン社のラベルが。
    そして取っ手付近には日本郵船を示す二引きの旗マークのラベルも。

    初代船長の制服と帽子(上記のつぶやきの2枚目の写真)
    常設展では、ディナー用の夏と冬の制服が飾られているが、
    こちらは実際に初代船長が使用していたものらしい。
    帽子に縫い付けられた飾りがとてもカッコいい。

    きらびやかな勤功章(上記のつぶやきの2枚目の写真裏側に展示)
    前回の企画展『淡路丸船長の日記』で展示されていた勤功章をご覧になった方ならば、
    一目で違いが分かるだろう。
    重みのある印象の淡路丸船長のものに対し、こちらはこじんまりとしており、
    入っていた漆塗りの箱がとても美麗である。


    よっつめ
    これら企画の内容を網羅した図録がすごい

     中身を見たら「これは手間がかかっているな」とひとめでわかる、
    展示の内容がぎゅっと詰まったこの図録。
    巻末には、浅間丸の航海記録から設計図まで、
    ここまでやるのかと言いたくなるほどの内容である。
    企画展が始まった当初は印刷が間に合わなかったのかグッズコーナーにはなかった
    この図録だが、現在は普通に並んでいるので安心されたい。


    と、以上がおすすめしたい見どころだ。
    まだまだ書き足りないところもあるが、あとはご自身の目で確かめていただければと思う。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ()
    浅間丸処女航海時の四宮源三郎船長の様子が海外邦字新聞(日米タイムス)に
    書かれているので紹介(リンク)(3ページ目右上に浅間丸の記事がある)

    2020/1/4 追記訂正 タイタニック号はキュナード・ラインではなく、ホワイト・スター・ラインでした。お詫びして訂正いたします。


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