「テーブルを見渡して、誰がカモか分からなければ、誰がカモかは明らかだ」
上記は、有名なポーカーの格言である。(・・・TRPGの格言では無い)
そして今日は、サッカー日本代表を語ろうと思う。
ふだんは自身の備忘録だが、今回の記事はなかば鬱憤晴らし。
ただの一ファンの放言として見てくれれば十分だ。
しかし、『どうせお前もニワカだろ』との根拠無き批判には、断固として抗議する。
(筆者が小学生の頃、学校の工作の授業で作成。教師から、"赤い悪魔"との称号を賜る)
(イニシャルU・Tは、小学生らしくバッチリ間違えているので、安心してよい)
いまだニワカと言い張るお宅には、もれなく異端審問に伺う予定なので、覚悟するように。
(我がサポーターの正装。この色は、サポーターのクラブへの忠誠心を表している)
では、これから代表批判を行う。
ただし以降の文章においては、あいまいで優しい応援批評となることを避けるため、
『リズム』『ペース』や、『メンタル』『決定力』といった言葉をNGワードとする。
これらは紛れなくサッカーの重要な要素だが、定義や範囲があいまいすぎる。
加えて今回は、『愛』や『心』を語る時ではない。
この手のラブソングは、散々どこかで聴いたはずで、今後も歌うことになるのだし。
節
1.各試合の総評①②③
2.監督について
3.戦犯は誰か?
◆
1.各試合の総評
①コートジボアール戦
まず、良かった点を述べよう。
この戦いでの日本は、その全時間帯を通じて、最終ラインの裏を突かれたり、
バイタルエリアの枚数が足りなくなるような事態は、ほぼ回避できていた。
(しかし結果は1-2であった)
これは裏を返せば、日本はたとえ最終ラインを引いて、攻撃の枚数を減らし、
マイナスのクロスや、戻りながらのディフェンスのリスクを、可能な限り軽減しても、
虎の子の1点を守り切れないチームであることを示す。
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乱暴に言えば日本は、中盤を除く自陣エリア内では、サッカーができない。
(全フィールドの約4分の1は、日本のエリアではない)
最終ラインを押し上げ、前線からプレスをかけ続けて、相手を自ゴールから遠ざける。
・・・これは、常に泳ぎ回っていないと、酸欠になってしまうマグロのようなものだ。
そして実際、それは水揚げされたマグロだった。泳がないマグロはただのマグロだ。
◇
擁護したい点もある。
たしかにあの試合は、最終的に2点は取られてもおかしくない試合だった。
けれども、長谷部をはじめとする中盤で、序盤からあれだけパスミスが頻発し、
なお1点先制している状況なら、不本意ながらも各ポジションの持ち場を固めて、
流動性の低い試合運びをするのは、一定程度理解できる。
あの蒸し暑い気候条件も考えれば、相手が追いついた段階でギアを入れ直し、
本来の素早いプレスを取り戻すプランも、おそらく存在したであろう。
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日本にとって不幸だったのは、いつ取られても文句の言えなかったこの2点が、
試合の後半で、しかもちょうど立て続けに入ってしまったことだ。
戦略を立て直すヒマも無いまま、状況は一変した。
まもなく、日本は慣れないパワープレイに、その少ない残り時間を賭けることになる。
・・これは仮定の話であるが、もしハーフタイム以前に敵の1点が入っていれば、
日本はもう少し良い内容の試合をしていたはずだ。たとえ同じ1-2だとしても・・
よって、この試合のシュート本数や上げられたクロスの本数だけから、
『この実力の差は圧倒的だから、日本は絶対勝てなかった』とする意見には、
私はどうしても与することは出来ない。
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負ければ終わりのサッカーで、
結果でなく内容を、現実ではなく仮定を語るのは、全く愚かなことだ。
ましてや(番宣文句ではなく)絶対に負けられないW杯初戦である。
それでも、少なくともコートジボアールは、日本にとって格上の相手では無い。
意固地なサッカーファンの一人として、これは決して譲れない意見だ。
◇
戦術面。
ラムシ監督は、42歳と大変若い監督だ。(コロンビアGKモンドラゴンより若い!)
また現役時代も、大変賢い選手であったと聞く。
でもそこまでだ。こうした大きな大会で、彼はザックほどしたたかな戦い方はできない。
かの気難しいアフリカ勢相手に、チームをまとめるのが精一杯で、
各所属クラブでの選手のポテンシャルさえ引き出せれば御の字だろう・・と、思っていた。
・・・彼は日本に対し、あからさまにガッチリと、メタ戦術を組んできた。
ご存じの通り、日本自慢の左サイドは封じられ、アーリークロスから2失点を許した。
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サッカーにおいて、メタ戦術で勝つ方が高尚だとは全く思わない。
しかし少なくとも、まだ一度も戦ったことのない相手を想定し、対抗する戦術を立て、
11人もの個性豊かな選手に浸透させ、そして実際に一体となって機能させるのは、
そのプロセスを想像するだけでも大変だ。自分一人のジャンケンとは違うのだ。
何度も手合わせしてきたクラブのライバルチーム同士なら、それは分かる。
けれども初対戦、しかも重圧のかかる大一番で、リスク込のメタを実践するには、
監督自身の確固たる見識と、何より選手との信頼関係が不可欠だ。
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W杯開幕直前のNHK総合放送で、ラムシ監督はかの中田選手と、仲良く対談していた。
今にして思えば、それは日本を油断させる作戦の一環だったのかとさえ思えてしまう。
それぐらい私は新監督を見くびっていたし、それぐらい戦術はピッタリはまった。
(後日、それら戦術を完膚なきまでに裏付けたデータは、さらに私を打ちのめした)
◇
一方の日本代表。
コートジボアール戦の直前、日本はザンビアと練習試合を組み、4-3で勝った。
肩慣らしとは言え、仮想コートジボアール戦と言われたこの試合。
普段は(結果が芳しくなくても)選手をフォローするザッケローニが、
試合後インタビューで珍しく不満を露わにしたのが印象的であった。
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問題の失点シーンは、前半9分、前半28分、後半45分。
1点目は右サイド(日本から見ると左サイド)のアーリークロスからヘッドで。
2点目は右ショートコーナーから。3点目はロングシュートが味方に当たって。
3点目はさすがに不運だったかもしれない。
けれども1点目と2点目は、たとえ直接のミスでは無いにせよ、日本の弱さの結果だ。
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かのTVインタビューの様子から察するに、ザックがハーフタイムや試合終了後に、
それ相応の態度で課題や修正点を挙げたであろうことは、想像に難くない。
この失点のうち、とくに、サッカーで最も重要な、1点目の先制点を奪われるシーン。
これを繰り返さないための準備、避けるための準備が、日本は出来ていただろうか?
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・・コートジボアールが右サイド起点の攻撃練習を始めた時期を、私は調べていない。
しかし間違いなく、彼らはこの対ザンビア戦の視聴で、自らの確信を深めたことであろう。
『この戦術で行ける!』と。
この試合からより有益なイメージを引き出したのは、紛れもなくコートジボアールの方だ。
『中央で引き付け、フリーの右サイドに流し、アーリークロスを放りこみ、叩き入れる』
ほぼ1週間後、ほとんど同じ光景が、ブラジルの本会場で繰り返される。
・・これでは何のために、誰のために強化試合をやっているのか分からない。
◇
初戦敗退後『忘れて気持ちを切り替えるのが大事』と、多くの選手サポーターが合唱した。
サッカーの勝負は水モノだから、時にはそういうことも必要になる。
サッカーの点数に偶然の要素はツキモノで、全く冗談のような得点もたしかにある。
しかし、『1点取られたら2点取り返せばいい』といったドンブリ勘定が許されるのは、
それこそ格上のチームだけだ。(アジアが1勝も挙げられなかったのは偶然ではない)
たとえ結果は忘れても、一緒に失点まで忘れてはならない。失点はたいてい弱点の結果だ。
敵は当然そこを突いてくる。日本は明確に弱点を突かれた。
◆
②ギリシャ戦
2013年12月6日、グループリーグでの対戦相手が発表されたとき、
「これは久々の良いニュース」と小躍りしていたことを、まず私は告白する。
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強豪枠(ポット1)からはコロンビア。
"ほぼ"アフリカ枠(ポット2)からはコートジボアール。
アジア北中米枠(ポット3)の日本自身を省いて、
ヨーロッパ枠(ポット4)からはギリシャ。[各ポットに8カ国で計32カ国]
強豪枠はどうせ強いが、ブラジルドイツスペインとかに当たるよりマシだろう。
アフリカ勢は蓋をあけるまで分からないが、他の南米2カ国やイタリアよりはマシだ。
そして、ヨーロッパ枠からはギリシャである。
・・・要するに私は、この哀れなギリシャをカモに勝ち残れると踏んだのだ。
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サッカーは、足元を使うスポーツでもあるが、足許を見るスポーツでもある。
ギリシャは、相性だけでカモになるほど弱くはないけれど、初戦が強豪枠のコロンビアだ。
(少なくとも日本にとっては、強豪枠を3試合目に引き延ばせたのが何よりありがたい)
コロンビアに敗北して、自力突破のために、是が非にでも勝ちに行きたいギリシャは、
試合のどこかで守備的戦術を切り替え、慣れない攻撃的戦術に切り替えるだろう。
そこで日本は、足下を中心にパスやドリブルで空いたスペースを突いていけば勝てる。
個の強引な突破を苦手とする日本にとって、この展開は実に理に適った好機・・と思えた。
◇
前半38分、カツラニスがイエロー2枚で退場。
展開は全く思わぬ方向に転んだが、日本にとってより有利であることには変わり無い。
とうぜん、選手が一人居なくなれば、守備の穴を埋めるための交代枠も含めて、
ギリシャはより少ない人数でのマンマーク、スペース塞ぎを迫られる。
この気候条件の中、前半からそんな守備を続けていれば、スタミナをどこかで使い果たす。
日本はそこを・・やはり足下の技術とスピードで・・かわせば、勝てる。そう信じていた。
・・・ところがこの試合、その動きに疲れが見えたのは、むしろ日本の方だった。
日本はここで、グループリーグ全3試合のなかで、唯一の勝ち点1を挙げる。
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課題ならば修正できるが、この結果は、どちらかというと限界に属する。
最後の動きのキレ、瞬発力、創造性、意外性。これらは修正で身に付くものではない。
それらをコンディション調整の失敗という言葉で片付けることは、
サッカーの美しさそのものを否定するようなものだ・・実際に、日本は選手層が薄かった。
負けでこそなかったが、日本代表の今の限界が、この試合では最も露わになった。
日本には数々のお膳立てがあったが、地力で勝ち切れなかったのだ。
◆
③コロンビア戦
2軍相手に善戦(?)し1軍相手に完敗。内容的にも結果的にも。異論も慈悲も無い。
このコロンビア、2002年~2010年まで連続して南米予選で敗北している。
4大会ぶりのW杯出場ということで、経験面で何かしらの弱点が見つかるかと思ったが、
南米予選2位の実力は伊達ではなかった。
堅守のギリシャを、試合のはじめからスピードで圧倒してサイドを切り裂き、
守りは堅く、スキあらば迅速かつ効果的なカウンターで1点を奪い取る。
ブラジル、アルゼンチン以外の南米を、絵に描いたようなチームだった。
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それでもまだ、私はこの試合での勝利に望みをつないでいた。
2試合終了した時点で、コロンビアの勝ち点は6、得失点差+4。
2位のコートジボアールは勝ち点3、得失点差0。
コートジボアールはもはやどうにもならないが、
一位通過がほとんど確実なコロンビアは、手を抜く条件がそろっている。
そう・・我々にはまだ・・・カネが・・金があるじゃないか!
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・・・案の定、大量の金が動くこのW杯も、試合結果までは金で左右できなかった。
日本の出した放映権料400億は、オプション付では無かったようだ。
結局、勝利の女神がほほ笑んだのは、
実力に勝るコロンビアと、初戦コロンビアの貧乏クジなギリシャだ。(アーイイハナシダナー・・・)
そんなわけでグループ最終戦は、主に私の『メンタル』が真っ先に敗北した。
(NGワード1回で、もうやめてもいいですか?)
◇
真面目な話に戻すと、この試合で見えたのは、アジアの越え難い壁だ。
前半戦のコロンビアは、日本がホームで行う親善試合のようなものだった。
たとえポット1の強豪国でも、親善大使が相手ならここまで善戦できる。
しかし後半、強豪国が意思を持って勝ちに来たら、内容でこれだけの差が出てしまう。
たとえ結果に目を瞑っても、これは格上であると認めざるを得ない。
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アジア予選の通過後、今後も日本はアジア以外との強化試合を通じて、
世界とアジアのギャップを埋めるトレーニングを行うことになるだろう。
ただし、多少金を積んで来てもらえるのは、せいぜい前半戦のコロンビアまでだ。
それは全身全霊の勝負ではない。金で本気を買うのは、冗談ではなく難しい。
W杯は(動く金額もふくめて)本当に世界最大の大会なのだ。
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理想としては、アジア全体の質が向上し、その中で、厳しい地区予選を勝ち抜くことだ。
それを実現するには、とても長い時間が必要だけれど・・
だからそれまでは、そのハンデを跳ね返す、効果的なシャドーボクシングが必要となる。
全く不本意ながら、今の日本は"自分との闘い"を避けられない。
そんなわけで、いくぶん遠い目をしながら、第1節を終える。
◆
2.監督について
「日本にはもったいない監督だった」ザッケローニへの感想を、一言で表すとこうなる。
少なくとも、ザックは日本サッカーで、総合的に最も優秀な代表監督であったと思う。
個々の采配など、言いたいことはたくさんある。
あそこで、斎藤とかの交代枠を使い切らなかったのはなぜなんだ?とか。
でもそれは、そこまで大きな話ではない。
彼は、監督として最も重要な選手との信頼関係や、チームとしての一体感、
ファンとの関係性も、この4年の間、極めて良好に保てていたと思う。
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守備の際の細かい体の入れ方などは、実際にレクチャーを受けていないので分からない。
はじめに試された変則的な3バックは、今大会における3バックの復権などをみると、
オルタナティブの一つとして、もう少し模索しても面白そうだったが、もう後の祭りだ。
(右DFに、槙野などを置く布陣)
振りかえってみれば、こうして戦術面での個性を捨て、堂々と王道を歩み、
現行の代表のポテンシャルを最大限引き出す道を選んだことは、
選手と監督の、そして協会とサポーターの総意であったと思う。
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あえて言えば、選手層を厚くするため、事前にもう少し色々な選手を試して欲しかったが、
本田や香川らエースの不調を、我々がはっきり認識したのはつい最近のことだ。
よって、我々が監督を批判する資格は無い。
総括すると、そうした選手層の固定化もひっくるめて、
彼は日本の意思を最大限尊重し、そのうえで最大限尽くしてくれた。ただ感謝あるのみだ。
◇
では、次の監督の話をしよう。
・・とは言っても、私はここで早急な監督の選定を主張したいわけではない。
(だいいち私は、適当そうな監督の固有名を知っているほどサッカーオタクでない)
---
このW杯で、現在の代表の限界は明らかになった。
一方これまでのように、地区予選に照準を合わせるレベルではないこともはっきりした。
トーナメントに照準を合わせられるような、強豪の域はまだ遠い。
けれどグループリーグに照準を合わせ、そこで順調に勝ち進むレベルは目指したい。
よってここは、目先の予選に囚われて代表監督を選ぶ理由は何一つない。
監督側からのオファーは以前より多くなったようだが、一定期間は代行で済ませて、
適切な方向性と適切な監督を、慎重に模索し続けてもよい位に思っている。
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もし現時点で、何かしらザックに無いものを持つ新監督を選ぶとしたら、
いまは、チャレンジャーにふさわしい戦い方ができる監督を選びたい。
別にこれは、奇抜な戦術を取って大会を驚かせるという意味ではない。
世界での日本の実力は、未だ試合をコントロールできるレベルに無いという意味だ。
・・まずなにより、屈強さが足りない。(あのスペインも中央は堅い)
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いつだったか、ザックを経営者に喩える記事があり、「なるほどな」と思わされた。
グループで惨敗した今となっては、誰も納得してくれないかもしれないが、
彼は日本の攻撃的スタイルの肯定と、リスクマネジメントとを共存させていた。
(実際、アジアでは大変手堅く勝利を重ねた)
それが世界では通用しない。はやくも1試合目で、積み上げた城は崩された。
リスクマネジメントとは、要はリスクを分散させることだ。
飽和攻撃を受ければ、いくら分散させても耐えきれない。
私はドログバが、あの試合で特別大きな仕事をしたとは思わない。
(たとえウイイレでお世話になるぐらいにはいい選手であったとしても)
けれども、日本の城壁を破る、最後のトレビュシェットにはなっていたのも事実だ。
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日本は『自分たちのサッカー』という概念を捨ててはならない。日本の個性は隠せない。
けれどさすがに、自分たちのサッカーをさせてもらえるようなレベルもまだ遠い。
日本はやっと、自分たちのサッカーを仕掛ける側になったばかりだ。
そのような意味で、この「青き挑戦者」にふさわしいレベルの・・・
もう少し具体的に言えば、中堅クラブ、そして代表での経験が豊富な監督を招へいしたい。
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セリエAの3大クラブを渡り歩いてきたザックが、代表やサポーターに、
これまでどれだけ言いたいことを我慢してきたか分からない。
これは考え過ぎかもしれないが、W杯直前、ザンビアより弱い対戦相手を所望したのも、
日本の弱点を探られまいとする、ザックなりの最大限の配慮であったようにさえ思える。
そんなわけで「本当にありがとう」「本当にお疲れ様」のメッセージを添えて、
この第2節はおしまいにしたい。
◇
【追記】(協会宛ての不満で、読んで楽しいものではないです)
ご存じの通り、各紙の報道によれば、アギーレ氏が次期日本代表監督に内定とのこと。
サッカー市場に絶対は無いが、もし本当であれば、大変にめでたいことだ。
アギーレ氏が日本代表にフィットするかまでは定かでないが、
これまでのアギーレ氏の経歴や実績は、次期監督として申し分ない。
サッカーへの十分な見識も無い私如きが、こうした評価を下すこともおこがましく思うが、
仮に招へいが実現した場合、最大限の敬意をもってそれを歓迎したい。
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しかし、そうした人選と、今回のW杯の結果の総括は別の問題である。
今大会でベスト8を目標に掲げていた協会が、その十分な検証と総括を経ないまま、
この人選を公式に公にするつもりであれば、協会の存在意義さえ問われかねない事態だ。
今大会の勝ち点1という結果は、決して偶然や不運による結果ではなく、
むしろ組合せなど好条件に恵まれた上での結果であり、その土台からの検証が求められる。
たとえスポンサーや、協会内の現場の意向があるにせよ、
いまだ敗戦から1カ月も経たず、失敗を繰り返さぬための十分な反省も為されていない。
目先のエサに釣られ、今後の代表を決定付ける人選に、易々と手を付けるような協会が、
100年構想という崇高なスローガンを掲げるのなら、それは大変おぞましい皮肉である。
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まさか協会側が自分から、この勝ち点1という結果は"想定内"であり、次期監督の選定は、
それを"前提に"水面下で粛々と行ってきたとは、口が裂けても言えないはずだ。
なにせ(NHKをはじめとする)巨額の放映権料や、その他の国民の多大なサポートは、
あくまでベスト8を看板に、またはそれに準じる内容を"前提に"認められたものだからだ。
(勝ち点1で、400億円請求されるカモが、日本以外のどこに存在するのだ?)
今大会の代表は、内容面でもベスト8には程遠く、その実態と広報とのギャップは、
過失であってもあまりに楽観的に過ぎ、仮に故意であれば詐欺にも該当するものだ。
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私はとくに、協会における人員の刷新や看板の掛け替えを望むわけではない。
しかし、国民からの信用を根底から失いかねない、こうした広報の在り方に対して、
きちんとした見直しを行わなければ、今後のW杯放映の存続そのものが危ういものとなろう。
いま一度、100年構想の理念に立ち返り、サッカーファンや一般の視聴者とともに、
確かな一歩を踏み出す組織であることを、今大会の検証結果に誓って頂きたい。
そのあとに、次期監督の発表を正式に、心から歓迎したい。
【追記終わり】
次回【後半戦】・・・今週中に公開(内定)