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『展翅少女人形館』(瑞智士記・ハヤカワ文庫)読んだ。
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『展翅少女人形館』(瑞智士記・ハヤカワ文庫)読んだ。

2016-11-10 00:18

    もう感想文書くのに飽きてきた(早いよ!)
    こちらも発売は2011年8月25日とかなり前の作品。
    恐らく、もう絶版になってるんじゃないかなー。


    【読み終えた直後の感想】
     うむ。しかし、いい表紙だなぁ。

    特に言うことはないですね。
    あるべくしてあった、起こるべくして起こった、とまあそういう感じの物語で、
    しかしながら、パズルのピースがぴたりとはまるような快感もなし。
    決して面白くないわけじゃないですが、特段、心揺さぶられるわけでもなく、
    これを読むなら別の本でも良いかなあという感じ。

    ただそれは、私の読書体験がある程度豊富なせいでもあるので、
    その分を差し引いて考えるなら、もしかしたら若年層には刺さる部分もあるやもしれず…。
    ひょっとすると、高校生の頃に出会っていたら考察にどっぷり浸かったりして、
    私の人生を変えることになるような可能性もあったりなかったり?
    …多分ないな。
    私らの世代にはエヴァがあって、考察派はそっちに流れてたもん。

    【で、どんな話なの?】
     人類が球体関節人形を出産するようになった世界。最後の少女、ミラーナ、マリオン、フローリカの3人はピレネー山中の修道院に匿われていた。3人はそれぞれに愛憎ありながらも何不自由なく暮らしていたが、そこに4人目の少女が運び込まれて…。斯くして、彼女らの運命は回り始める。

    世界観設定と舞台設定は大変魅力的。
    緩やかな衰退から確実な滅びへと向かいつつある世界。
    無事に人間として産まれた少女たちを匿う、男子禁制の人里離れた古くさい修道院。
    少女たちはそれぞれに熱を抱え、心のどこかで認めつつも、同じ道は辿れない、辿らない。
    そして、それらを描き出す情景と心理の描写は、10年代の小説としては珍しく緻密。
    おお、これだけ聞くと面白そうだぞ!

    【良かった点】
     ・情景描写、心理描写が丁寧。
     ・バレエのシーンの躍動感。
     ・事件が起こったあとはするすると読める。
    【悪かった点】
     ・描写がしっかりしすぎているため想像の余地が少ない。
     ・描写に力が入っているので、なかなか物語が進まない。
     ・1章2章と3章で繋がりが薄く、ぶつ切り感がある。
     ・ほかの人物に比べ、ビアンカだけ一貫性がないように見える。
     ・一部、直前に提示された設定が直後に消化されるので、唐突に感じる。

    全体的な感想としては、丁寧さが過ぎる感じ。
    情景描写に関しては、細部に神が宿るのかも知れないけれど、
    心理描写を全部やってしまうと想像する楽しみを奪うんだなあと思わされた。
    また、丁寧さが過ぎるせいで本の半ばを過ぎるまで物語はほとんど進まない。
    けれど、ひとつの事件が起きたあとは、雪崩れるように進む。
    そのまま流れに乗って読み進められるのだけれど、残念なことに2章と3章にはある断絶が…。
    3章は展開が早いので、倦むことはないんだけど、
    今度はビアンカの性格があっち行ったりこっち行ったり…。
    とまあ、ちょっと難点も多めです。
    ただ、全体的に淡々とした描写の中、
    バレエのシーンと最後のシーンは迫力があってとても良かった。
    面倒くさがりの私が、実際のバレエを観てみたいと思ったからね。

    あと描写と言えば、シーンによって読点の打ち方が違う気がして、ものすごく気になった。
    音読のリズムで打ってるっぽいところと、普通の小説のリズムで打ってるっぽいところが…。

    とまあ、割と悪い点ばっかり書き連ねてますが、そんなに悪い作品だとは思ってません。
    ちょっとどころじゃなく、人を選びますが。

    嫌いじゃないですよ、私は。
    (途中までとあるキャラが男性なのではと深読みして爆死しましたが。)

    【追記】
    あ、忘れてた。
    百合要素アリです。ゆりんゆりん。


    暁・椎名(@akatsuki47)

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