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『この世界の片隅に』観た。
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『この世界の片隅に』観た。

2016-12-05 20:01

    観たのは11/17なんですが、書きたいことが纏まらなくて先延ばしにした結果がこれだよ。


    さて。
    原作付きの映画というのは評するに窮するもので、作品の良し悪しは果たして映画なればこそのものなのか、それとも原作にその可不可を含み、それを映画が映し出しただけなのか、なんとも判じがたい。

    そもそも、原作が漫画であれ小説であれ、それを別メディアに翻訳する以上、多少の乖離は仕方なく、例えば漫画をアニメにする場合であるなら、キャラクターはアニメ映えするようにリ・デザインされるのは当然のことである。
    また、漫画には動きの表現はあるが動きはなく、音の表現もあるが音はない。これも当然であるが、映像化するにはそれらを補完する必要がある。

    そして、漫画にはもう一つ、極めて大きな欠落がある。それが「間」である。この欠落は、必ずしも欠点というわけではなく、コマとコマの間を各々読者が自由に設定できるという柔軟性を以て、漫画の表現力を豊かたらしめている。
    大きな欠落であり最大の魅力であるところの「間」、これこそが漫画の映像化を妨げている最大の要因でもあるのだ。


    さて、何故このような一般的で当然な話を書き連ねているのか。
    それは、私が観た『この世界の片隅に』という映画は、これら「漫画と映画は違わなければならない」という命題に真っ向から勝負を挑んだように思えたからだ。


    そもそも私は原作を持ってはいるが読んではいない。
    故にこの感想は、見当違いのものかもしれない。
    しかしながら、『夕凪の街 桜の国』でこうの史代さんを知り、心を鷲掴みにされた私だからこそ言える感想であるとも思う。

    「こうの史代さんの漫画が動いてる!」
    映画が始まった時に、心からそう思い、慄然とした。

    この映画は、執念の作品である。
    人物も背景も演技も音響も間も色も……『この世界の片隅に』という『漫画』を、一滴余さず『アニメーション映画』に翻訳しようとした、その執念が詰まった作品なのである。


    【で、どんな話なの?】
     ちょっとトロいすずが、嫁ぎ先の呉で、戦時下の日常を懸命に生きる話。

    本当にこれだけ。
    入念な取材に裏付けされているであろう戦時下の日常は一見の価値あり。
    本来的に他者の日常を垣間見るということはエンターテインメントなのだと再認識させてくれるという点でもいい作品でした。


    【良かった点】
     ・ほぼ全て
    【悪かった点】
     ・観に行った映画館

    のんさんの演技はどうなのかと割と心配してて、第一声を聴いた時は「あちゃー」と思いましたが、それも束の間、後半では全く気にならず、完全にすずと一体化してるように感じました。すごい。
    相手役の細谷さんも相変わらず素晴らしい演技でした。100点満点で150点はあったね。

    観に行った映画館は…なんかあそこのスクリーンいつもぼやけてる気がする。
    BDで観た方が綺麗なんじゃないかなと思った(失礼)


    あ、あと、あえて明言しておきますが、世間で言われてるほど万人向けではないと思います。
    先にも書いた「他者の日常を垣間見る」という点においては、広く容れられるエンターテインメント性を持ち合わせてるとは思いますが、それをわざわざ映画で、映画館で、と言われたら反論の余地はないはず。

    個人的には楽しめたし、こうの史代さんのファンなので満足なのですが、別に原作読むだけでも良いんじゃない?という気がしなくもないです。
    監督の執念を感じられるのならばいいのですが、本質的には原作の面白さから遠く離れてはいないと思います。
    (原作読んでないけど)

    あと、本なら読み返せるしね。自分のペースで。

    ……なんか色々言ってますが、今のところ今年のベスト映画はこれ。


    暁・椎名(@akatsuki47)

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