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記事 2件
  • 黒い月 #1

    2014-10-16 10:34  
    500pt
     昼下がりの太陽はいつも眠気を誘う。 特に古文の授業の時はいっそう、眠くなる。 教壇では古文のハセガワが古今集がどうとか紀貫之がどうとか喚いている。ほんと、意味が分からない。 いったいぜんたい、何百年も前に流行った流行歌を読んで何が面白いのか。現代語に翻訳されたものがいくらでもあるし、しかもそれはほとんどの場合、無料で読めるのだ。そもそもそれは歌なのか? にもかかわらず、なぜこの半ば義務教育に近い高等学校の授業で、古文なんぞが必須科目に入っているのか、理解に苦しむのだ。 授業中にこんなことを考えているのは、授業でやる内容なんかとっくに予習してマスターし終わっている優等生か、授業に全く興味の持てない劣等生かのどちらかで、石丸コウは、どちらかといえば後者の典型だった。高校二年生。16歳の健康優良児だが、スポーツには全く興味がない。ちょっとしたきっかけで軽音部に入ったが、入部一週間で幽霊部員にな

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  • [サイバーパンク #Ingress 小説] 『Ingressの狼』 〜地元弁慶編〜

    2014-07-21 00:52  
    「退屈……だな」
    オフィスのデスクに置かれたiPhone。
    その画面に表示される広大な緑色の支配地域を眺め、俺は紙コップについだカロリーゼロの炭酸飲料を少し舐める。
    人工甘味料とカフェインによる絶妙な味調整によって、あたかも350ミリリットルに角砂糖7個半の膨大な糖分を加えたジャンク炭酸飲料と同じような快楽が脳に与えられる。

    「石丸さん、またカロリーゼロですか?しかも2リットルのペットボトルで」
    眼鏡の奥から怪訝な目線を送り、ゴトーはオレに話しかけた。
    ゴトーは20代前半だろうか。痩せて華奢な体つきと、和風な顔立ち。
    映画モテキの主役は、こんな役者だった記憶がある。

    「ふん、効率がな……大事なんだよ……わかるか、ゴトー?
    プログラミングもゲームもな……みんな同じ事だ。
    効率を軽視すると長期的に滅びる確率が高くなるんだよ。
    だから飲み物は常に2リットルで買え。似た快楽ならカロリーゼロ。わ