• 求められている表現を予想する練習をしよう

    2021-01-27 01:12
    前回の続き。

    【初音ミク(40㍍)】 からくりピエロ Karakuri Pierrot【オリジナル】 - YouTube

    求められている表現を予想するってことはとても難しい。
    「こういう風に演技してください」「こういう風に歌ってください」と事前に誰かが言ってくれればそれをなぞればいいけどね。でもその指示なしにご自由に歌ってくださいと言われると、皆どうしたら良いものかわからなくなる。

    ボカロなんて特にそうだからね。初音ミクや鏡音リンは抑揚や感情をこめて歌ってくれるわけではないし、それに作者がどんな意図でこれをボカロに歌わせたのかという背景も考えないときちんと歌えない。例えば女の子が、ミクが歌っているのが可愛いからこの曲を歌ってみようと思って歌詞を見たら、バリバリの男臭い内容で私には合わないわみたいなこともあるからね。

    初音ミク が オリジナル曲を歌ってくれたよ「メルト」 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

    つまり「曲の作者が自分で歌うため発表した曲」なのか「「特定の人物が歌うことを想定し、あるいはボーカロイド自身をアーティストに見立て作った曲なのか」という話だ。

    そもそもボーカロイドというものは、ボーカルを探したいけど見つからないというDTMユーザーの需要に応えて生まれたものだ。

    つまり自分で音楽作ったら歌を入れて世間に発表したいんだけど、生憎歌ってくれる人が周りにいないし、かといって自分で歌っても上手くない。だから代わりに歌ってくれる人はいないか探していたところに、このボーカロイドという商品が生まれた。

    そしてそれにより音楽家たちは自身の作った音楽に歌を入れ発表することが出来るようになったわけだね。でも日が経つにつれ初音ミクや鏡音リンといったキャラクターは可愛いから、いっそ彼女達をアーティストに見立てて歌わせようという流れが強まった。「みくみくにしてあげる」や「メルト」などが代表例だ。

    【MV】 からくりピエロ/イナメトオル _ Karakuri Pierrot - Iname Toru(40mP) - YouTube

    なのでボカロを上手に歌うためには、その「誰のために書いた曲なのか」という点を自分でよく考えなければならない。曲を聞いてみてどういう声の人が歌いそうな曲かを頭に思い浮かべながら、更にはオケやサビの盛り上がり方や、歌うキーなんかも考えないといけない。例えばこの「からくりピエロ」だったら、原曲はいかにも男性アーティストが歌いそうな感じに聞こえるから、初音ミクは仮歌シンガー的な扱いなんだろうな、だったら女の私が歌ったら変かな、いや待てよ、でも歌詞を見ると繊細な感じがするから、私が歌っても変には聴こえないかなみたいなね。将来そんな風に考え判断できるようになったらいいよね。

    れなっち総選挙2017 (akb48.co.jp)

    演技も今の話と同じでね。
    多分偉い人はきちんと脚本を読めとか国語力つけろとか言ってると思うんだけど、でもどうせ大抵の役者は「俺バカなんでそんなこと言われてもわかんないんスよwww」とか言ってるだろうからね。本当に使える人は一握りだ。

    以前AKBグループでやった、劇団れなっちもそうだったからね。3年前にグループの中から演者を決めることになってオーディションやったけども、みんな誰一人として出来てなかったからね。だからもっと表現に耳や感覚を澄まして感じとる練習をしないといけない。

    この点その感覚を鍛えるためにAKBで朗読とか演技のコンテストするのはどうかな。作家に架空のある場面の脚本やナレーションの原稿を作ってもらってきて、それを声色を変えたり演技を交えながら読み上げる。その際にはさりげなくシチューエーションやキャラクターの特徴を示すような文言を入れてもらうといいかね。そして参加者に考えさせながら役作りをしてきてもらうんだ。

    これならOUCで出来るし、声優やお芝居のオーディションの予行演習にもなる。更には出来る子がいるとわかったら他から引き合いも来るからね。良いトレーニングも兼ねたイベントになると思ったんだけど。

  • 広告
  • 現状の芸能教育には不満があるという話

    2021-01-22 06:08
    前回の続き。

    2021/2/3 on sale SKE48 27th.Single c/w Black Pearl「Change Your World」Music Video - YouTube

    いつも自分は「歌詞と曲がズレている」「歌詞と曲が一致していない」などと言うわけだけど、この曲は音楽でも何となくわかるだろう。つまり聞くとわかるように、何となく近未来っぽい曲なんだけど、「周りの声なんて気にしないで行け」のように全く世界観と関係ないことが書いてあるだろう。だから歌詞と曲が一致していないと言えるわけだ。

    [今日は何の日?] 12月8日 今日は、AKB48劇場15周年 - YouTube
    
    感覚を鍛えないといけないんだよね。
    音楽で言うならば、曲を渡されたときに合う歌詞を書けるのかどうか。そして歌うのであればアドリブ等も含めて、曲の世界を適切に表現できるのかどうか。

    坂口渚沙が動画内でやってたのは、ある意味そういう問題だったんだけどね。つまり彼女が歌っているのは尾崎豊の「15の夜」だけれども、この男性ボーカル、テノール音域の曲をアルト音域の坂口渚沙がきちんと歌うためにはどうすればいいのかという話だ。

    声域調査(高音用) - YouTube

    ここで音域について丁寧に説明しておくと、男性と女性では音域に微妙な違いがあるんだね。つまり男性で一般的と思われるテノール音域の場合、色々考え方はあるけれど、大体最高音域はピアノのカギの部分の「ド」からレミファソと上がって行って、「ラ」の部分にある。hiAとかA4とか言われる部分だ。

    一方女性で一般的と思われるアルト音域の場合は、そこからシドレと上がって大体「ミ」の部分に最高音域がある。音階でいうとhiEとかE5と呼ばれる部分だ。

    とこのように最高音域が男女によって異なるので、特に男性ボーカルの曲を女性が歌うと、聞こえ方が違ってくることがある。つまり15の夜のサビの「盗んだバイクで走り出す~」という部分は、テノールでは最高音域に近い部分なので声を張り上げて歌う。しかしアルト音域は最高音域ではないので声を張り上げることはないし、かといってアルトの子が1オクターブ上で歌うのは少々キツイ。ではこのサビの部分を坂口渚沙はどう歌うべきだったのか。

    [今日は何の日?] 12月8日 今日は、AKB48劇場15周年 - YouTube

    思うに表現者としての優劣を決めるのは、そういう対応力の部分ではないだろうか。
    「こう歌ってくれ」と歌えるのは当たり前。「こう演じてくれ」と言われて演技出来るのも当たり前。そんなの出来るのは腐るほどいる。
    
    しかし答えのない問題に対峙した時、あるいはこうやってくれと指示されなかった時に、適切に対応できる人間というものは数は限られるだろう。例えば15の夜に関して言うなら尾崎豊は男だし、女性が歌う際の指導をしたこともないだろうし、何より彼はもう死んでこの世にいないでしょう。最早答えなんか誰も教えてはくれないんだけど、でもそういう問題に敢えて挑戦し、適切に対応し、正しい表現を出来るかどうかが表現者としての差を決定的にするのではないだろうか。言い換えれば「予想する力」だね。

    信長の草履を秀吉が温めていた逸話 信憑性は極めて低い|NEWSポストセブン (news-postseven.com)

    いつも言うことなんだけど、「水をくれ」と言われてから水を差しだすのと、喉が渇いてそうな人に自ら水を差しだすのとでは、人間的な評価が全く違うでしょう。豊臣秀吉の話もそうだ。彼は主君織田信長のために、雪の降る中冷たくなっていた草履を抱きしめ温めていたという話があるんだけど、彼が評価されたのは信長に命令されてやったわけではないからだ。もし信長に「温めておけ」と言われてやっただけなら軽く感謝されて終わり。でも秀吉は信長に言われることなく自ら気配りすることが出来たから、あのような出世を果たすことが出来た。まあどうやらこの逸話は信憑性は低いらしいんだけど、でも似たようなことは絶対やっていたに違いない。

    第3回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦|音楽|TBS CS[TBSチャンネル]

    だからそういう「気配りの能力」とでもいうべきか、表現物や人が求めているものを自ら考え生み出すことが出来る能力を鍛えなければならない。

    しかし現状のAKB(というか芸能全体の話なんだけど)が、果たしてそのような体制になっていますでしょうかね。例えばTBSで放送されたAKBの歌唱力No.1決定戦の話なんだけど、いくら人が歌った曲を歌わせたところで大したことはないんだよ。ただ原曲のマネすればいいだけなんだからね。それこそ誰でも出来る話だ。

    むしろ音楽やってる人が確かめたいのは、坂口渚沙の15の夜の話で書いたような「歌ったことがないものを歌わせたときの対応力」ではないだろうか。だってアーティストとしてデビューしたら、書き下ろした曲を渡されてこれ歌ってよって言われるんだからね。その時にどういう表現をする能力を測っておくことの方が、単なる歌よりも重要なポイントに違いない。

    でも残念ながらあの歌唱力No1決定戦は、それを測れるものにはなっていなかったね。例えば優勝者の池田裕楽の歌唱を聞いて、彼女にその対応力があるか判断できましたか? 正直優勝はしなかったけど、岡田奈々に関してはそれがあると感じましたけどね。過去3回の放送を見るとわかると思いますが、彼女の歌唱はどれも、原曲のボーカルのマネはしていませんよね。つまり自身でどのようにすれば曲が生きるかを考えながら歌っていたわけで、はっきりいって池田裕楽よりも遥かにレベルが高いことをやっていたんですが、残念ながらその点が審査員には全く評価されていなかった。

    HKT48 #劇はじ これからどうなると?? 大決起会!! - YouTube

    即興劇が苦手でも大丈夫!アドリブ演技の正しい目的とやり方とは?台本のある演劇との違い・練習のコツ・エチュードのお題やネタも徹底解説! | しろくろ猫のおもむくまま (shirokuroneko.com)

    自分はそれが大変、大変、大変不満に感じましたがね。そして音楽のみならず演劇にも不満がありますね。例えばエチュードというのがあって、役者同士で即興劇をやらせると。そうすることで表現力が上がるとかアドリブ力が上がるとか言うんですけど、でもそれって何の意味があるんですか?

    だって脚本は事前に準備されているんだし、本番でアドリブを披露するって必要も基本ないでしょう。だったらそんなムチャブリの練習なんかする前に、脚本を読み込む練習をさせた方が、よっぽど有意義ではないんでしょうか。つまり脚本に書かれた言葉遣いや話の流れを読み取って、登場人物はこういう姿かたちをしているんだろうなとか、こういう性格の人なんだろうなとかを想起させるべきだ。

    でもこんな間違った指導法がまかり通っているところを見るに、そういう正しい指導が演劇界全体でなされているとは、自分には全く思えないんですがね。

  • 自学自習に潜む「勘違い」

    2021-01-19 01:42
    前回の続き。

    性的画像問題 カメラに違和感、 声上げる現役選手 ビーチバレー坂口佳穂 連続インタビュー | 47NEWS (kiji.is)

    ビーチバレーなんて、はじめから競技性は捨ててる感じがするもんね。
    つまりどうやってもメジャーになりそうにはないものだから、ビキニを着せてイロモノ路線でやっていこうみたいな考えが、競技団体に見え隠れしてるように見える。実際Tシャツ着せてやったら人来ないだろうしね。

    だから性的な写真撮られるのって、競技を存続させるためには仕方ない面があるんだよ。
    食えないスポーツにとっての必要悪とすら言える。

    レッスンプロとして働くプロゴルファーの年収は?1,000万以上稼ぐ方法|ゴルフのココテラス (cocoteras-golf.com)

    ちなみに前回女性が食えるのはテニスとゴルフぐらいだと書いたけど、やっぱり男女問わず、スポーツとして食っていけるのはゴルフぐらいだろうな。
    激しい動きがあるスポーツは、加齢とともにパフォーマンスが落ちるからね。特に瞬発力や反射神経を求められるものが顕著で、すぐに使い物にならなくなる。

    しかしその点ゴルフは動きがゆったりとしているし、レッスンプロとして食っていく道も整備されているからね。選手寿命も長く一生モノの仕事として向いているんじゃないかな。

    みゅんごり!!対談動画vol.1 - YouTube

    ということで女性アスリートの性的画像問題の話終わり。
    前回も書いたけど、これはアイドルと共通してる話でね。やってることがくだらないと客は芸以外のもの(スカートの中など)を見に来て色々と危ないから、早く芸を見てもらえるようにしないといけないよ。この点HKTについては大分メンバーの成長がみられるようだ。まだ顔つきは緩いままだけど言ってることはかなり専門的になってきたようで、プロ意識の萌芽が見られるという感じかな。

    【NGT48】内容知らされずに放送開始!?(嗚呼!NGT48らーめん部 #01) - YouTube

    いつも言うことだけど、高い付加価値を生み出すためには頭を使うことだ。
    上から命令を受け働くだけのバイトや社畜では高い給料は貰えないだろう。でも上司や経営者のように自分で考え行動する立場の人は、高いお給料がもらえるようになる。だからアイドルも自分で行動を起こすことが必要。

    ゴタゴタが続き解散寸前のところまで行ったNGTも、ようやく成長へ向けて一歩を踏み出した感じかね。こうやって自分でカメラ構えて釈計算した上でラーメンを食う、見た目からして単なる低予算番組だけれども、でも最初はそんな感じでいいんでしょう。

    2021/2/3 on sale SKE48 27th.Single c/w Black Pearl「Change Your World」Music Video - YouTube

    アイドル達に考え行動させるというのを提唱したのは、多分俺だと思うんだけど。
    でも世間や運営達の間では、全部秋元康の手柄になってるんでしょうね。さすが秋元先生は天才だと、苦しい時に我々を救ってくださる神であると、そういう風に皆考えてるんだろうと思いますね。テレビ局もレコード会社も運営もアイドル達も、どうも彼に洗脳されているようなのでね。

    まあでも自分で考えてやりなさいっていうのは、正しいようには見えて同時に危険でもあるから、結局どこかで行き詰って来るとは思うんだよ。やっぱり何が良いか悪いかわからないと、間違った道を行ったまま突っ走ってしまうわけだから。このSKEの曲もそうだろう。確かこれは松井珠理奈が作詞したと聞いた気がするんだけど、基本的なことを知らないせいか歌詞と曲とがバラバラになっている。

    正にこれこそが自学自習の弊害なんだろう。きっと誰にも教えてもらわないまま(あるいは耳を貸さないまま)、間違いに気づかず走り続けているんだろうね。こういうのを直すには、指導者が必要だね。