マッチング理論の問題点
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マッチング理論の問題点

2017-06-02 12:39
    前回の続き。

    婚活市場で「奢らない」男の評価はこうも低い

    http://toyokeizai.net/articles/-/174219

    そうか、サーチコストがかかっているのか。
    つまり全ての需給が均衡しているといっても、実際マッチングする相手を探すのは大変な作業に違いない。就職先なら何十社も会社を回らないといけないし、結婚相手を探すにしても、出会いの場を求めて色んな場所に出かけないといけないし、実際付き合ってみたらみたらで、相手の悪いところが見えてきてもう付き合えないわとなる。そうなったら1からまたやり直しだ。

    しかも周りに素敵な人が多すぎて、どれを選んだら良いかわからないと言って悩むこともあったりもするし、年齢が上がってくると結婚適齢期を過ぎてしまって、賞味期限切れになってしまう。そうなると結局誰でもいいやとなって、くだらない相手と結婚してしまったりもする。

    このように就職や結婚相手探しといった、マッチングの際に生じる諸問題を説明した理論を、サーチ理論と呼ぶ。

    経済学で理想のパートナーを探そう!

    http://toyokeizai.net/articles/-/11584

    ではこのサーチ理論で語られる諸問題を解決するためには、どうすれば良いだろう。この点考えられることは、結婚したい当事者を一同に集めてしまうことだろう。要は統一教会方式ね。つまり参加者全員の性格やら好みを分析したうえで、誰かが不公平にならないように、主催者がマッチングしてやれば良い。

    つまりそれは言い換えるならば、マッチングについて生じるリスクを分散して平均化するということだ。例えば店で売られているリンゴの100個に1個が虫食いであるならば、全ての消費者が1%の割合で虫食いリンゴに遭遇するようにすれば良いし、夫が妻に対して不満を持っているとすれば、全ての家庭も妻に対して同じ程度の不満を持っているようにする。こうすれば万人が同じリスクや痛みを分け合うことになるので、マッチングに伴う不公平感は解消されることになる。

    このように、市場において生じるミスマッチの究極的な解決を目指した理論のことを、マッチング理論と呼ぶらしいよ。

    学生の囲い込み過熱=就活ヤマ場、既に内々定も

    http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060101156&g=eco

    マッチング理論によるならば、就職活動に伴う負担を減らすためには、学生と企業を全て一同に集めれば良いことになる。そして企業がどの学生が欲しいかを他の参加企業に開示し、反対に学生側もどの会社に行きたいかを開示した上で、マッチングを進める。そうすれば特定の学生や企業が割を食うこともなく、全ては丸く収まることになる。

    ノーベル賞学者 アルビン・ロスが説く「幸福の方程式」【1】

    http://president.jp/articles/-/11861

    ただしここで疑問が生じるのだが、本当にマッチング理論が志向するところの「不公平のないマッチング」という発想は正しいのか? という問題が出てくる。

    というのもマッチング理論は「相手が見つからないのは運が悪い」という前提に立っているはずなのだが、でも実際はそうとは限らないからだ。例えば就職活動をしている学生が2人いるとして、片方は30社回って内定を取ったが、もう片方が5社しか回らず内定を取れなかったという場合、内定を取れなかったのは就活を頑張らなかったからであって、運が悪かったからではないはずだ。

    同様にベストな結婚相手が見つからないのも、相手を見極める努力を怠っているのであって、運が悪かったのではないだろう。にも関わらずマッチング理論ではそれら努力は一切無視されて、強制的に職場や結婚相手が決められてしまう。でもそれでは頑張った人が報われないんじゃないか。不公平感をなくすためのマッチング理論というものは、実は一番不公平感に溢れているに違いない。

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