曲先歌詞の難しさ(ザ・コインロッカーズ「憂鬱な空が好きなんだ」より)
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曲先歌詞の難しさ(ザ・コインロッカーズ「憂鬱な空が好きなんだ」より)

2019-12-07 05:48
    前回の続き。

    ザ・コインロッカーズ / 憂鬱な空が好きなんだ Music Video

    https://www.youtube.com/watch?v=cD1KAsCtnwA

    詞先というのは先に歌詞を書く。
    だから作曲家は作詞家が書いた歌詞を見て、合うメロディーを考える必要がある。逆に言えば作詞家は気楽なもんだ。基本自由に書いていいからね。

    しかし曲先の場合はそうはいかない。
    つまり詞先の場合とは逆に、作曲家が作ってきたメロディーに合わせて、作詞家が合う歌詞を書かないといけないんだ。例えば寒そうな感じの曲だから冬の歌詞にしようとかね。寂しそうな感じだから別れの曲にしようとかね。

      憂鬱な空が好きなんだ   
                    ザ・コインロッカーズ

    YESかNOなのか問いかけられても
    ちょっと待って そんな簡単に答えを出せないよ
    どっちでもいい 誰かが言う
    その方が楽だって わかってるけど・・・
    校庭を何周走れば
    何かあきらめられるのか
    叫びたい 青空なんか 青空なんか好きじゃない
    どこまでも雲がないなんて嘘っぽい
    誰だって 憂鬱なこと 憂鬱なことあるだろう
    少しどんよりした はっきりとしない空が好きなんだ


    転がる空き缶を蹴飛ばしてみても
    思ったより 遠くへ飛ばなくてスカッとしないだろう
    イメージだけで決めつけてる
    青春は面倒で厄介なものだ
    水のないプールはいつから
    そこで黙っていたのかな
    眩しいよ 太陽なんか 太陽なんかいなくなれ
    いつまでも照らしてるなんて強情で
    時々は 逃げ出したい 逃げ出したい いけないのか?
    そんな強くはない だらしない曇り空が僕なんだ

    叫びたい 青空なんか 青空なんか好きじゃない
    どこまでも雲がないなんて嘘っぽい
    誰だって 憂鬱なこと 憂鬱なことあるだろう
    少しどんよりした はっきりとしない空が好きなんだ
    眩しいよ 太陽なんか 太陽なんかいなくなれ
    いつまでも照らしてるなんて強情で
    時々は 逃げ出したい 逃げ出したい いけないのか?
    そんな強くはない だらしない曇り空が僕なんだ


    でもこの秋元康が書いた歌詞を見る限り、それを考えた様子が見られないんだな。
    曲聞く限りとても爽やかな、真夏の青空をイメージしたような曲だ。少年が元気よく飛び出していきそうな、明るい解放感も感じるんだけど、何故か秋元康は「太陽なんかいなくなれ」だとか、「少しどんよりした はっきりとしない空が好きなんだ「だらしない曇り空が僕なんだ」などと暗いイメージの歌詞を書いてきている。

    これはどういうことだろう。

    普通に考えて真夏を題材にした憂鬱な曲なんておかしいし、TUBEが「俺はもう死にたい~」みたいな曲作ってきたらそれこそ変だとも思うんだけど、秋元康にはその感覚がないらしく。変だと思うことを何の躊躇いもなくやってくる。

    思うに自分は秋元康には、その流れて来る曲からイメージを掴み取る能力がないのだと思いましたね。これが夏の曲だとか、この漢字は恋愛の曲だとかを理解して、それを前提にイメージを膨らませて歌詞を書く能力がない。だからこんなマヌケな歌詞を書いて来る。

    そしてそれが、自分が秋元康がゴーストライターを使っていたと考えた根拠になります。曲先の作詞としての、基本的な技術がなっていない。そして更に技術的な点を指摘させてもらうと、1番の冒頭、青字で示した部分ですが、この部分の歌詞は実は2番の冒頭に持ってくるべき歌詞なんですわ。歌詞と構成として1番最初に持ってくるのはおかしい。

    でもそれも理解していないという点で、自分は秋元康の作詞能力に疑問を感じますけどね。

      群青

    静かな平野(へいや)から広がる景色を 
    自転車で駆け抜けて 触れる澄ました風の中
    降り注ぐ陽のその彼方は  ときめきや憧れを纏(まと)わせる色
    飛んでいく鳥の場所から 望む眺めが見えるかな

    あの影を 振り切った先の振り切った先の青空へ

    どこまでも雲はなく焼けた肩を出し
    高ぶってふざけはじめた浮気な夏を捕まえて
    晴れた天気の下 忘れていたものに会えたんだ

    2

    リアルな悩みとか乗り越えられたら
    言葉より大切な何かが分かって行くんだろう
    終わりもないこの旅路は いつだって複雑で難解な岐路だ
    運命と自由の狭間で  おどけ笑って見えた空

    健やかな日差しのような日差しのような眩しさで
    憂鬱やもやもやを消してしまえたら      
    いつまでも逃げ出さずに前を向いていられるかな
    きっと強くなれる そう願い過ごしていた夏の午後 
       
    もうすぐだ坂を上って坂を上って辿り着く
    広がった手つかずのままの花みどり
    際立った見晴らしの良い鳥のさえずる丘の上 
    澄んだ空気の下はっきりと僕の街が見えたんだ

    走り出せ 思い描いた思い描いたあの夢が

    すぐそこに手の届く場所で待っている     
    いつの日か煌めいてる頂(いただ)きまで 行(ゆ)きたいから
    ずっと笑顔でいよう 気持ち良いくらい晴れた夏の空!


    ということで何となく理解してもらえましたかね。
    メロディーに合わせて歌詞を並べるだけなら誰だって出来るんだけど、歌詞の前後の意味が上手くつながるように書くのは難しいし、更には曲が意図したテーマや風景を汲み取って書くのはもっと難しい。自分の書いた歌詞を見て、そんな作詞の大変さを少しでも理解してもらえたらうれしいんだけど。

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