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消費税増税やインフレと、駆け込み需要や買い控え、物価との関連性について
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消費税増税やインフレと、駆け込み需要や買い控え、物価との関連性について

2013-12-25 07:30

    前回前々回と行動経済学の視点から、人間にかかるストレスが経済にどのような影響を与えるかという話をしたけれども、今度は増税やインフレが与える「駆け込み需要」と「買い控え」についてのお話。

    まず一般的な前提として頭に入れなければならないのは、「人間は生活を変えることは難しい」という事実だね。皆さんもわかるように、人間はある程度の計画性を下に同じペースでお金を使い生活しているのであって、急に使えるお金が減ったり消費が増えたりしても、対応することが出来ない。

    でもだからといって収入を増やすために働くというのも、人間の本能的に苦しくてしんどいことなので、積極的にはやりたがらない。だから結果として人間は、増税の負担を株や不動産運用という形で儲けて、カバーすることを考えようとする。これは前回に少し触れた通りだね。

    そしてそれに関連して、「買い替えサイクル」というものも理解する必要がある。つまり人間は同じペースで生活しようとするために、それに合わせて生活用品を買っているね。シャンプーを買ったり、リンゴを買ったり、あるいはゲームを買ったり、車を買ったり……。これらはやはり生活のペースを守るために必要なものであるので、例えばシャンプーが切れれば買い換えるし、車などは基本は壊れたら修理に出したり買い換えたりしながら、人間は生きている。

    それではこの2点を頭に入れた上で話を進めていこうか。まずはインフレと駆け込み需要との関連性から。来年から消費税が上がりますというアナウンスがあるとするとき、人間は何をするか。人間は前述のように生活を切り詰めることは出来ないので、何とかして生活のペースを守るために、増税前に買いだめに走ろうとする。

    しかしながら物には駆け込みに適さないものがあるね。この辺はプレジデントさんの記事にも説明があるけれども生鮮食料品は買いだめしても腐ってしまうし、人間の身体の仕組み上冬眠や食いだめは出来ないから、1日で半年分の食事を取れば半年何も食べずに生きられるというわけにもならない。だから生鮮食料品においては駆け込み需要が起こるとは考えづらく、消費税増税後も、同じような消費活動が行われると考えられる。つまり消費税増税前にリンゴが
    5個売れていたら、消費税増税後も5個売れると考えて良い。

    同様に車やテレビなどの耐久消費財についても考えてみようか。車やテレビは生鮮食料品のように腐ったりすることはない物なので、生鮮食料品とは異なり駆け込み需要が発生し得る。この点車もテレビも、一度購入してしまえば壊れるまでは買い替えることはないものだね。だから一旦駆け込み需要が起きればその後は買う必要がないということで、一定程度売上の落ち込みが生じうる。

    しかしながら普通は買い替えの際には「捨てる」という行為が伴ってくるよね。もしまだ使えるにも関わらず新しいテレビを買ってしまったら、古いものは捨てるということで損が発生してしまうし、テレビや車の場合に関して言えば「技術革新」という要素があるからね。消費税増税前に買わずとも時間が経てば自然と値段は下がるし、新しいモデルも発売される。そう考えると、「買い替える」という消費行動を前提とする限りでは、駆け込み需要自体が発生するかは正直疑問ではある。

    一方もっと製品寿命の長いもの、つまりは土地や住宅となるとどうだろうか。土地は普通腐らないし住宅なんかも数十年以上は持ち、資産価値を持ち続ける。しかも「技術革新」という要素が余りなく、1つ買ってしまえば通常は2つと要らないものだね。つまりこの土地や住宅こそが、一番駆け込み需要とその後の落ち込みの影響を受けやすいものということになる。

    そして消費税増税やインフレ後の、物価と人間の問題について。通常増税やインフレが起きれば、普通はそれに吊られて価格が上がるはずだね。つまり100円の商品が5%インフレになれば、105円になる。

    しかしながら人間は5%も支出が増えても生活を切り詰めることは難しいので、何らかの手段を用いて対処すると思われるね。まず1つの手段としては株や不動産を購入すること。何度か説明したとおりインフレを嫌って株や不動産益で支出増をカバーしようとする人が増えるほど、効率的市場が前提とする合理的な判断という要素が失われることになるので、バブルが発生することになる。

    そしてもう1つは、見えない形で生活の質を落とすというこだね。例えば国産の野菜を中国産の野菜に変えれば支出を抑えることが出来るので、インフレ圧力に対処することが出来る。

    この点経済学者達は、この「生活の質のランクダウン」という点につき、過小評価していたのではないかと思われる。つまり今までの学者たちは「100円のリンゴが105円になっても、消費者は105円のリンゴを買い続けるはずだ」という前提で、議論をしていたように思われる。

    しかしながら実際は、庶民は「95円の価値があるリンゴを探してきて、100円で買っていた」のではないのか。この点消費者物価指数というもの自体が調査方法が曖昧であり、経済の状況を正しく反映していない可能性が、極めて高いと思われる。つまり店で100円のリンゴが105円で売られるようになった場合には消費者物価指数は5%アップとして評価されるが、店が100円のリンゴを仕入れるのを止めて、新しく95円のリンゴを100円で売るようにした場合には、実際には5%物価が上昇しているにも関わらず、消費者物価指数の上昇幅は0%と評価されるはずである

    同様に製造メーカーが内容量を減らした場合にも、似たような問題が発生する。200グラムのパンを200円で売っていたが、小麦粉の仕入れ価格が上がったので190グラムにして200円で売ったという場合には、実際には物価は上昇しているにも関わらず、消費者物価指数は0%と評価される。恐らく消費者物価指数の調査方法からするに、製品の質のランクダウンや内容量の変更までは、きちんとチェックしていないんじゃないかな。更には価格転嫁を避けるために、流通や製造業者が内部でコストカットなどをして価格を維持している可能性などもあわせて考えると、実際には消費者物価指数はデフレであるといいながら、実は見えないところでインフレになっているものと思われる


    だからインフレ基調や消費税増税になったからと言って、商品価格が上がるとも限らないということになるわけだね。それは言い換えれば、物価の上昇下落によって景気の良し悪しを図ること自体が、愚かなことということでもあるんだ。


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