近視眼的損失回避行動
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近視眼的損失回避行動

2014-01-20 00:18

    前回の続き。

    なぜ巨額の債務から目をそらすのか

    http://president.jp/articles/-/11366

    アベノミクスの正体というのは、この近視眼的損失回避行動ってことなんですよね。
    つまり大きな問題が遠くにあるにも関わらず、目先の利益や甘い言葉に引っかかってしまい、問題が先送りになってしまう。

    アベノミクスで言うならば、「円高で企業の業績が落ちる」というのを恐れて「目先の円安誘導を選択してしまった」というのが、これにあたります。でも実際考えてみると円安にするということは、輸出に有利になる反面輸入インフレによって国民全体が損失を被るわけですよね。例えば日本はGDPに占める外需の割合が10%で内需が90%ぐらいなわけだけど、その状態で円安にすれば、単純に考えて輸出で得る利益の9倍の損失を、国全体が被ることになる。

    だけどみんな「円安にしてもらわないと企業が持たない」などとギャーギャー騒ぐものだから、目先の利益のためとその口を封じるという理由から、手っ取り早く円安してしまった。でもそれでは一時的には幸せにはなれど、時間が経つにつれて苦しくなっていくわけです。実際上の例えにあるように、無理に円安にしなければ輸入インフレもおさまるので、時期に国民の元にお金が溜まっていくんですけどね。そうすれば国民の購買力も上がっていくので、日本企業は輸出に頼らずとも、日本人の持つ消費のパワーでやっていけるようになるんですけど、でもどいつもこいつもアホなので、その我慢も出来ませんでしたと。

    しかしながら、その「我慢出来ませんでした」という人がいるという現実も折り込んで行かないと、経済にせよ何にせよ上手くは行かないということでも、あるんですけどね。例えばプレジデントさんの上の記事にもあるように、巨額の債務から目を反らすなと言って消費税をあげても、やっぱり人間は目を反らそうとしてしまうもので、みんな負担が増えるのを嫌って株や不動産を買い始めたり、ギャンブルで一山当てようとしたり、あるいは脱税や詐欺商法に手を染めようとしたりする。

    そして結果として消費税増税というものが、却ってデメリットとして機能してしまうことになるというわけです。だから近視眼的損失回避行動を取ってはいけないけれども、近視眼的損失回避行動を採りたい人間がいるという現実も踏まえないといけないという、2つの相反する問題を抱えながらやっていかないといけないということなんでしょうね。



    以上の点を考えると、一番有効な経済政策はバラマキだということになると思われます。
    つまり緊縮財政や増税路線に走っても人間が目を反らしてしまうけれども、かといって円安に誘導してしまうだけでは却って成長を阻害することになる。

    だったらバラマキという形で国民にカネを広く行き渡らせれば良いだろうと。この点バラマキは前回話したように、競争を緩和してポラティリティを少なくするという意味合いがありますね。つまり国が公共投資等によって仕事の量を増やしてあげることになるので、その分みんなが仕事にありつけて、血で血を洗うサバイバルバトルが回避されると。

    ただしバラまく際にはテーマを決めないといけないわけですよね。つまり昔のような高度成長期においては、バラマキという形でインフラが整備されることで国際競争力の向上、言い換えれば「稼ぐ力」の向上に資したわけですけれども、現在のようにインフラが整備されている時代においては、それをやったところで国際競争力の向上にはつながりづらいというわけです。
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