ランチェスター戦略と雁行形態論第4モデル(一部修正)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

ランチェスター戦略と雁行形態論第4モデル(一部修正)

2014-07-18 03:31
    ※一部修正の上再掲します。

    前回の続き。

    開成高校野球部監督が語る 弱くても勝てる「弱小校の兵法」

    http://www.news-postseven.com/archives/20140716_265805.html

    例えば自分の国に敵が攻めてきたとして、その防衛手段を考えるとする。
    相手の戦力は6000人。そして彼らはその戦力を3つに均等に分けて、A地点、B地点、C地点に2000人ずつ襲い掛かってきたとしよう。対して自分達の戦力は4500だ。

    この時一番やってはいけないことは、相手に合わせて自分達も軍を3つに分けてしまうことだね。つまり戦争は数が多いと有利なので、4500人を3つに分けても1軍あたり1500人で、3地点全てにおいて、敵軍の戦力を下回る。なのですぐに負けてしまうだろう。

    そこで2つの地点を放棄して、1つだけに戦力を集中させるというのが、数が劣った側においては、防衛の最善の選択肢となるわけだ。つまりB地点C地点を放棄して、A地点に4500人を投入する。するとA地点の戦力は自分達が上回っているので戦局を優位にできるばかりでなく、一旦A地点を防衛してしまえば、相手の残存勢力は4000人に減るから、一転して勝機まで出てくることになる。

    あるいはそれに関連して、狭いところに引きずり出すというのも、良い方法だね。つまり切り立った崖に挟まれた小道のような狭い空間に敵を誘い出して、崖上から一斉射撃する。やっぱり幾ら敵が大軍を率いていようが、狭い小道では少数で縦長になって行軍せざるを得ないわけだから。防衛側が少数だとしても一時的には数的優位を作れるわけだ。よって効率良い防衛が可能になる。

    一方敵側とすれば、弱者の戦術の逆をやれば良いことになるね。つまり先が見通せるような広い場所に兵を集めて、一気に物量で押して行けば少数の相手に勝つことができるとなる。

    このように主に数的に劣った弱者が、大きな強者に立ち向かうための経営戦略、あるいは逆に数的に勝った強者が体の小さな弱者を圧倒するための方法論を、ランチェスター経営とかランチェスター戦略などと言うわけだね。ちなみにランチェスター戦略は、経営のみならずスポーツの場面でも利用可能である。例えばこの野球。練習時間が少なく戦力的に劣った野球部が、守備を捨て攻撃に特化することで他の高校の野球部よりも部分的優位を作り出している。

    この点どの野球部も、総合力を上げようとするからな。打撃練習をして投球練習をして守備練習をしてと、全てにおいて欠点のないチームを目指そうとするものだから、総合的には勝ってても部分的には攻撃に特化したチームに劣っているということがあり得るんだね。だからほんとの強豪高に勝つのは無理かもしれないけれども、中堅高ぐらいにならば一発が入り得る。

    主力事業が4年連続赤字で資金不足。増資するか

    http://president.jp/articles/-/12954

    そしてこれは経営の例。前述のように体の大きな企業に立ち向かうためには、どこかで部分的な優位を作らないと太刀打ちは出来ないわけだけど、あのハゲは他の企業を売り払ってブロードバンドに注力することによって、その優位性を確保することに成功したわけだ。

    まあ実際には銀行が貸してくれなかったという事情はあるんだけどね。とはいえブロードバンドに注力していなければ、今のソフトバンクはないだろう。




    更には音楽界にもランチェスター戦略は適用可能と思われるね。つまり他のメジャーバンドやレーベルに比べて、何か特化、優位性を確保できるものがあるならば、十分に地位を確保することは可能になる。一方強者側とすれば、カネに物を言わせて広告を打ったりして、多数の消費者に訴える戦略を取れば良いことになる。

    ただしこの点留意しなければならないのは、雁行形態論を見てもわかるように、以前は「特性」であり「優位性」を示すと考えられていた技術やスキルが、段々と普遍的なものになってきているということだね。例えば音楽で言えば以前に比べて歌の上手い子が沢山出てきたし、ダンスが得意な子も沢山いるし、音楽制作や動画制作などにおいても、その数が増えている。

    そういう状況下において、1つの特技を振りかざして優位性を確保しようとすることは、格段に難しくなっているし、かなり危険な方法ではないかと思われるね。だから音楽界においては雁行形態論の第4モデル的な、強者も弱者も歌やダンスなど複数の特技を組み合わせて、総合力で戦う時代がやってきてるのではないかと、自分は思うわけです。そしてそれは言い換えるならば、本当の強者は音楽界にはいないってことでもあるんだよね。
    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。