一人一価と五社協定
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一人一価と五社協定

2014-07-28 06:10
    前回の続き。

    一人一価の法則からすると、特定業種に属する限りはどの組織に属していても人間の金銭的評価は変わらないことになる。例えば日活の石原裕次郎が2億円もらっているのであれば、大映に行っても2億円がもらえるし、東宝に行っても2億円がもらえることになる。

    そしてそれは言い換えるならば、会社側は専属契約を継続する限りは2億円の支払い義務が発生し続けるということを意味する。つまり幾ら五社協定で引き抜きが禁止されていようが映画界の衰退によって経営が傾いていようが、石原裕次郎に2億円の評価額がついている限りは、日活は毎年2億円の支払いを続けなければならなかったわけであって、その支払いを怠ればいくら五社協定とはいえど、俳優に出て行かれるリスクを伴う。

    だからそう考えると、五社協定には引き抜き防止とか人件費の高騰を抑えたりする効果は、なかったということでいいのかな、確かに映画会社間の感情的な対立もあったし、飼い殺されて自殺した人も出たんだけど、説明したように俳優への賃金の支払い義務と、俳優の映画会社を辞める自由権利とがある以上は、幾ら引抜禁止とはいってもその効果は限定的だったと考えるべきだと思われる。

    むしろ五社協定が映画界の衰退を早めてしまった可能性すらあるかもしれないよね。よくキャストの固定化や台本のマンネリ化を招いたとも言われるし、通常経営不振に陥ればリストラしたり事業計画を見直して、赤字脱却とスリム化を図るべきなんだけど、他者からの引抜を気にするあまり、そのリストラが遅れた可能性がある。

    戦慄試算! 「残業代ゼロ」対象500万人で39歳は203万円収入ダウン

    http://president.jp/articles/-/13071

    ということで五社協定の話しは終わり。でもこの一人一価の法則っていうのは、わかりにくいものなのかな。つまり説明すると、給料というのはその人の能力に対応した分が支払われるわけだ。例えば500万円の能力があれば500万円が、1000万円の能力があれば1000万円が支払われるわけなんであって、一般的に残業代がゼロになったからといって、収入が減るというものではないんだよ。例えば残業代が減ったとしても、通常はその分は基本給や能力給として、上乗せされて支払われることになる。

    タバコ部屋の面々は「年35万の給料泥棒」許せるか

    http://president.jp/articles/-/12987

    同様に能力に対応して給料が支払われる以上は、タバコを吸おうが吸うまいが、企業が損を被ることもない。記事には吸う人と吸わない人で給料が一緒なのはおかしいとあるけれども、それは能力が一緒だからなのであって、吸う人が優遇されているからではないし、同様にタバコを吸うことで1日1000円の人件費がムダになっているという話もおかしい。

    「働かないオジサン」の境界線はどこにあるのか

    http://toyokeizai.net/articles/-/43176

    思うにこのような誤解が生まれてしまうのは、日本の給与形態の特殊さがあるからだよね。つまり。つまりアメリカでは年齢を問わず能力に対応して給料が支払われるのに対して、日本においては1時間いくらという発想や、年功序列制度があるものだから、他の人のやってることがいちいち気になるし、「アイツは働いてないのに給料が高い」的な誤解も、生まれやすくなっているんだろう。

    こんな働かないオジサンの例もそうだろう。一般的に働かないオジサンの給料が高いのは、若い頃の労働の対価分の給料が上乗せされているからだね。つまり日本においては若い頃は市場価値より低い給料が支払われているのに対して、中高年になると市場価値よりも高い給料が支払われることになるから、若い人からみると、働いていないように見えてしまう。

    でも生涯賃金として考えると、日本もアメリカも、能力に対応した給料が支払われていることには、変わりがないはずなんだよね。まあもっとも一部の例外として、能力と収入とが見合ってない人はいるのかもしれないけれども、でもそういう方は職場を変えていただければ、そのギャップは修正されていくかと思います。
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