完全競争と週休4日制
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完全競争と週休4日制

2014-08-04 22:12
    前回の続き。

    ネットで論争! マクドナルドより美味しいフライドポテトは存在するのか?

    http://getnews.jp/archives/636608

    一般的に物の価値というものは、「製品そのものの価値+ブランド料」なわけだね。つまりフライドポテトだったら、ポテトのそのものの価値に加えて、マクドナルドとかファーストキッチンといった看板代や、イメージを加えたものが商品の価値になるわけで、もしそれが価格を上回っているのであれば、実際に利益が出るかは別にして消費者から安いと評価され売れていくことになる。

    実際フライドポテトが出始めだったころは、きっとそのフライドポテトの価値は高かったんだろう。つまりポテトが200円だとして、消費者が300円ぐらいの価値があると評価していたものだから、それこそ飛ぶように売れていたに違いない。しかし時間が経って製法や技術などが世に広まれば、真似する業者が沢山現れることになる。一般的に物の価格が需給で決まるように、価値も需給で決まるわけだから。ポテトの供給量が増えて世に広まれば、その価値も下がっていくことになる。

    更にはフライドポテトが真似されることによって、会社によっての品質の差もなくなってくることにもなるよね。すると会社としてはこれ以上は品質で勝負は出来ないから、各自のブランドやイメージで勝負していくことになるわけだ。つまりポテトそのものの価値が150円であったのならば、如何にしてそれにブランド価値を上乗せできるかの争いになる。例えばマクドナルドのブランド料が5円でロッテリアのブランドが2円であれば、価格が同じであるならば、155円対152円でマクドナルドが差し引き3円だけ有利になる。

    このように物やサービスの価格の差がなくなったかわりに、各社がブランドやイメージなどで勝負するようになった状態のことを、独占的競争と呼ぶわけだね。実際フライドポテトもそういう状態なのかもしれない。確かにマックのポテトは美味しいとは言われるけれども、その味覚の差は価値ではなくて、ブランドイメージから来ているだけかもしれない。

    それどころかみんな内心では「どこのブランドだろうが関係ない。ポテトだったらどこの製品でもいいや」となっているのかもしれないな。こうなるとブランド価値によって差をつけることすら出来なくなるから、全員が横並び条件での競争を強いられる。そして得られる利益も極限まで下がって、フライドポテト市場には勝者がいなくなる。

    このように商品の技術や製法が普遍的になったせいで競争が限界まで達してしまい、全員が薄い利益の中で厳しい戦いを強いられる市場の状態を、完全競争市場と言うわけだよね。実際フライドポテト市場はどうなんだろう。この点ポテトやドリンクはセットメニューでのお得感を演出するために、わざと値段が高めに設定されているわけだよね。だからポテトだけで市場の状態を図るのは、実は正しくないのかもしれないな。

    「アイドル声優」時代の声優ビジネスの未来とは? スタイルキューブ社長インタビュー

    http://ddnavi.com/news/201348/

    声優業界も基本完全競争市場であるといえるだろう。特に新人声優や売れてない人の場合は他に代わりがいくらでもいることになるから、それこそ極めて安いギャラでの仕事を強いられることになる。

    ちなみにこの場合、完全競争から抜け出すには付加価値をつければ良いことになる。つまり他の人が真似できないことをやれば競争相手がいなくなるから高い価値を享受できるし、フライドポテトで説明したように質が全員同じで変わらなかったとしても、ブランドやイメージをつければ価値が上乗せされることになるから(独占的競争)、かろうじて底辺価格での競争は避けられることになる。アイドル声優などは、正にその上乗せされた例なんだろう。

    ……という具合に書いてみたわけだけれども、声優業界と他の業界では完全競争に陥った場合の労働者に与える影響が異なるわけだね。つまり一般の正社員である場合には完全競争に陥ると、前にも説明したように企業の仲にはブラック労働させてコストを引き下げようとするところが出てくるので、従業員の労働環境が悪化することが多いようだ。

    一方声優業界などの場合にはギャラが極限状態を超えて下がり始めると、労働者はアルバイトをしたりして食いつなぐ道を選択するようになる。これは将棋界や囲碁界などでもそうだよね。対局だけで食っていけないと思うと、みんな普及の方に力を入れたり別の仕事を始めたりする。要は声優も棋士も、拘束時間が短いが故に副業という選択肢が成り立つわけだ。

    「週休4日・月収15万」で健全な寄り道 ~新しい働き方の実験

    http://president.jp/articles/-/13086


    だから週休4日制というのは、完全競争市場における働き方としては優秀な仕組みなのかな。
    前述したようにフルタイムで労働する場合だと、完全競争以上の競争を強いられた場合に、ブラック労働という形でしわ寄せが行くわけだから。自身の身を守るためには多少給料が減っても週休4日でというのは、今後あり得る選択肢になるのかもしれない。

    もっともこの週休4日制というのは、記事にもあるとおりモラトリアムの見直しという面が強いわけど。やっぱり幾ら働いたとしても能力が上がらなければ給料も増えないわけだから、週休4日してスキルを磨く機会を作るというのは、自身のキャリアアップのためには良いことだと思うよ!!!

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