森下十冠王への道
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

森下十冠王への道

2014-12-03 17:24
    バラエティで言うところの「泣きの一回」ってやつでしょうね。



    とんねるずさんのリアル野球盤とかで、ゲストが勝負に負けてもう一回やらせて下さいって頼んだときに、タカさんが「人にもの頼むときにそんな態度じゃダメだよなあ~」って言って土下座させるっていうね。正に年末行われようとしているのはそういう企画なんだけど、でも申し訳ないけれども、森下さんが勝てるとはちょっとね……。

    やっぱりコンピュータの将棋を倒すためには、ソフトの評価関数の牙城を突き崩さないといけないですからね。いくら継ぎ盤を使ってソフトが指す手を予想できてポカも減ったとしても、肝心のその手に対しての評価がソフトに劣っていればダメなわけだから。そこが人間側の辛いところだと思うんですけどね。

    でも森下さんの、あの自信ぶりは不気味ですけどね。電王戦タッグマッチでソフトを使えば7冠獲れると言っていたのに、動画では継ぎ盤使えば十冠王になるとか言ってますからね。一体どんな計算してんだと思うんですけど。




    森下さんは、バラエティ向きかもしれないですね。
    面白いエピソードが沢山あるし、モリシタ集めのノリを見ても楽しいことが好きそうだし。普通あんなに吹いて回ったら、負けた後叩かれまくるもんですけど、でも森下さんのあのキャラクターだったら、それを上手く逆手にとって、笑いに変えられる気がするもんね。

    だからもしかすると、ひふみん以上のお茶の間の大スターになるかもしれないと、自分は思ってますけどね。もし対局後に「1手10分ということで今回は負けてしまったわけですけどね、ですがこれがもし1手1時間ということでしたらね……」と言い出すようなら、芸人としてプロの域だと思いますわ。

    ということでそろそろ話題を変えるとしまして。将棋については他にも色々発表がありましたね。まずはリアル車将棋だってさ。人間将棋っていうのが春にありますけど、その車バージョンみたいなもんですかね。そして対戦相手は羽生と豊島と。今や一番客を呼べるカードになってるかもしれないですね。どの動画見ても豊島さん出てるだけできゅんがきゅんがってみんなコメしてますからね。



    そして対戦カードの発表もありましたけど、このFINALは人間は何勝できそうですかね。
    さっき説明したように、人間が勝つにはソフトの読みの深さもさることながら、評価関数の正確さをも上回らないといけないので、かなり条件は厳しいと思いますけどね。

    しかもこのソフトに勝てたとしても、それをもって人間がソフトより強いことの証明にもなってないんですよね。だってソフトの事前貸し出しは可になっているし、使ってるパソコンだって市販のものなんですからね。スパコンが何台も束になって殺しにかかってきたら、人間はまず勝てないに違いない。

    だから実はこの電王戦は、人間とソフトのどちらが強いかを決める真剣な戦いというよりは、ソフトが強いとわかってる上で、いかに互角で戦っているように演出するかというエンターテイメント的な要素が、強いんではないかとも思うんですけどね。



    まあそれでも羽生さんだったら、現行の最強のコンピューターとソフト相手には勝てるんじゃないかという気もしますけどね。

    ということでその羽生さんが、元チェス王者カスパロフとチェスで対決するという歴史的イベントが先週あったわけですけど、皆さんはいかがでしたか? 自分は羽生さんが一本入れるかと思ったんですけどね。カスパロフは引退してブランクがあるし、羽生さんは言うまでもない将棋のトッププレーヤーで、チェスの実績もある。だから最悪一本入れられなくても、引き分けぐらいは行けるかと思ったんですけど。

    でも結果的には2戦ともカスパロフの勝利で終わった。見てて思いましたけど、やっぱりチェスと将棋とでは、見え方が違いますね。動画でカスパロフも言ってますけど、将棋は一騎打ちでチェスは砲撃戦ですよ。つまり将棋が足し算の攻めを使って一枚一枚駒を剥がし王様に迫るのに対して、チェスはルークやビショップ、クイーンと言った強力な駒たちが、常に相手の王様を睨みつけている感じ。

    それこそ一歩間違えればすぐに王様がお亡くなりするという緊張感ある盤面の中で、両者が高度な読み合いを繰り広げていたわけです。でも正直ソフトの評価値が出てましたけど、よく分からなかったですね。解説では+2ぐらいになるとはっきり有利になってくるって言ってたんですけど、どこがどう有利なのかが今一つわからない。形勢の判断が将棋以上に難しいのかなとも思いましたけどね。



    そして対局後には、これまた歴史的な対談が行われましたね。ちなみにこれ、通訳が悪いなと思ってたんですけど、これプロの通訳ではなくて日本のチェスチャンピォンの方だそうですね。多分専門用語が飛び交うので、普通の通訳では勤まらないだろうという配慮からだと思うのですが、でもそれにしてもテンポが少し悪かったのは残念でしたね。

    ……とまあ通訳の感想においてはさておいてですね、2人の対談に話を戻しますね。自分の感想としては対談に価値があるというよりは、羽生さんの思想に触れたことに価値があったかなという感じがしましたね。話ぶりみててもカスパロフは何か取り繕っているのか見栄を張っているのか、基本的に当たり障りの無い原則論を語っていたのに対して、羽生さんは物事に対してのはっきりと考えを持っているし踏み込みも鋭いので、聞いててわかりやすいし楽しかった。

    実際羽生さんは、色んなニュースや話題に詳しいらしいですね。カバンにはビジネス書が入ってるという話もありますし、そのような視野の広さが将棋の強さや、物事への洞察力や造詣の深さにに結びついてもいるんでしょうけど、その羽生さんが言うにはソフトと人間とは補いあえる関係にあるんだそうですね。つまり医療のセカンドオピニオンのように、足りないところがあれば互いに指摘して、各々が持つ欠点をカバーできると。自分は将来はソフトが席巻するんだろうと思っているんですけど、どうも羽生さんの話ぶりを聞く限りでは、ソフトは万能ではないということのようですね。

    そして対談の中ではチェスや将棋の研究をする際における、ソフトの有効性の話もありましたね。この点カスパロフはソフトは序盤に用いるのが有効だけれども、決して鵜呑みにしてはいけないよと、ソフトの奴隷にはなるなよと言っていますね。そしてソフトを使うと創造性が失われるんだと言うようなことも言っていた。

    自分はこの点に関してはある程度同意できますね。やっぱりソフトには「人外の手」って言うのがあるんですよね。どういうことかというと、対局後にソフトで棋譜を分析しますよね。するとこの手を指せばあなたは優勢になりましたよというのが、ものの数秒で出てくる。

    でもその「この手を指せば」というのが、どうも人間には理解しがたいというのが出てくる時がある。電王戦トーナメントもそうでしたよね。ソフトが指す手がわからずに解説の棋士が呆気に取られるシーンは多かったし、自分もやってて思いますもん。この手を指せば勝つってソフトは言ってるけど、自分の対局心理や棋力からしてこんなギリギリの手は指す気になれませんとなることがある。



    だからソフト使って検討する際には、「ベストの手の追求」もさることながら、「人間でも指せる手の追求」も必要なのかなと。確かにソフトは論理性を積み上げて検証した上で弾き出すわけなので、正確性についてはかなりの確度がある。でもそうだとしても、ある程度そのソフトの手を咀嚼した上で理解できる範疇にまで落とし込まないと、ただソフトの真似をするだけでは調子を崩してしまうような気がする。

    なので正に羽生さんが言うところの、ソフトと人間とが上手く補い合う関係を構築することが、これからは大事だということなんでしょうね。そしてそれこそが、森下十冠王への道でもあるんじゃないですかね。
    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。