けものフレンズ二次創作 『ジャパリフェス』
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けものフレンズ二次創作 『ジャパリフェス』

2019-11-18 10:54
    最初の記事で、ボツになった動画のアイデア等をこの場で供養すると言いましたが、その企画の記念すべき第一回は、上記のタイトルがついた設定資料と、それを元にしたストーリーです。
     
     色々なキャラクターの視点で物語が進み、時間軸も前後するくらい複雑な構造になってしまったのですが、時系列順で供養していきます。最初の触りから公開していきます。

     なお、ボツになった理由は「収拾がつかない」ためであり、それゆえに未完となっています。が、これを機にまた考えていってもいいかもしれない。


         ↓↓↓本編(?)↓↓↓


    けものフレンズ ジャパリフェス編


    舞台:アニメ版けものフレンズ1期


    ○全ての始まり


     みずべちほーの奥にある、とある施設の中を、コノハ博士、ミミ助手、ジャガーとカワウソが探索していた。コノハとミミは、この施設の利用目的を探るため、ジャガーとカワウソに報酬のジャパリまんを渡して、今回の探索の補助(もとい実行部隊)を依頼していた。

     その中で、ジャガウソの2人は、手のひらサイズのキラキラ光る円盤状の物体を大量に発見した。


     カ「なにこれー? キラキラしてるね!」


     ジャ「うーむ、わからん。これに収まりそうだけど……」


     ジャガーが円盤を、一緒に見つけた機械に入れると、機械から音楽が流れ始めた。


     カ「すっごーい! なにこれなにこれー!」


     ジャ「へぇー、綺麗な音だね」


     コ「なるほど、これはヒトの作った音楽を再生することのできる機械のようです」


     ミ「そうですね博士。このキラキラした丸いの全てに音楽が入っているとしたら、一体どれほどの音楽があるのでしょう?」


     カ「ねーねー、もっと色々と聞いてみようよ!」


     最終的に、4人は見つけた円盤と機械を、ありったけ抱えて図書館へと戻ってきた。館内の小部屋はそれらで埋め尽くされ、彼女らは音楽鑑賞に没頭した。その過程で、

     ・円盤の中には、幾つもの曲が入っていること

     ・何も入っていない、空の円盤があること

     ・それらの円盤に、曲を入れられること

    を知る。


     ミ「ふむ、空っぽのものもたくさんあるみたいです。これら全てに音楽を詰め込もうとしていたのでしょうか」


     ジャ「えぇ、ただでさえ音楽がたくさんあるのに、さらに入れる音楽があったの? ヒトって、たくさんの音楽を作っていたんだね」


     コ「それよりも、まず決めなければならないことがあるですよ」


     ミ「どうしたのです、博士?」


     コ「これの名前です。名前がないと不便なのです」


     ジャ「名前かぁ、何だろ? 丸くてキラキラしてるし、フツーに『キラキラ』でいいんじゃないかな」


     カ「キレーだよね。ほら、見てジャガー。私の顔が見えるよ!」


     コ「この丸い形、真ん中にあいた穴……。決めました。これの名前は『どーなつ』です!」


    3人「どーなつ?」


     コ「はい。前に本で見た、似たような形の料理にちなんで命名したです」


     コノハ、若干ゃ誇らしげである。


     ミ「なるほど、実に博士らしいですね」


     コ「今の私は気分がいい。助手の分を弁えない言動には、今回は目をつぶってあげるですよ」


     ジャガウソは、コノハとミミの様子を見てジャガーに小さな声で尋ねた。


     カ「ねえ、どういうこと?」

     

     ジャ「食い意地が張ってる、て言いたかったのさ」


     カ「なるほどね~。でも、それってミミちゃんもだよね?」


     ジャ「ハハ、違いない」


     コ「そこの2人、丸聞こえですよ」


     ミ「猛禽類の聴力ナメんな、です」


     コ「……とにかく、このドーナツを利用して、我々はヒトの文化を再現できるかもしれません」


     コノハ、ジャガウソに向き直る。


     コ「ジャガーにカワウソ、お前たちの報酬を3倍にするのです。代わりに、我々に協力するのです」

     

     ミ「何を考えているのです、博士?」


     コ「ヒトの文化の音楽的側面というのは、非常にレベルが高い。我々フレンズがいきなりそのレベルを再現するのは不可能。故に、まずヒトの模倣から始めるべきです」


     カ「もほー? まねっこってこと?」


     ジャ「ヒトが歌うみたいに歌う、てことかな」


     コ「お前たちは察しがいい。余計な説明をする手間が省けるのです」


     ミ「だからこそ、今回の探索に動員したのですよ」


     カ「それでそれで?」


     コ「はい。パーク中のフレンズがヒトの模倣をできるようにするために、どーなつを配って、歌を歌ってもらうのです。PPPみたいに」


     ジャ「はえぇ、なんだか面白そうだね」


     ミ「PPPみたいに、ステージで歌を披露する。ヒトも同じような催しをしたそうですね」


     コ「いつか本で読みましたね。多くのヒトや、その小さな群れが、代わる代わる歌を披露する。そんなイベントを『フェス』と、ヒトは呼んでいたそうです」


     カ「『ふぇす』かあ。ジャパリパークでやるふぇすだから、『ジャパリフェス』なんて名前はどうだろう?」


     ジャ「いいね! じゃあ、この『キラキラ』をみんなに渡せばいいんだね」


     ミ「大変よろしい。しかし、それらのキラキラはここに保管して、空のキラキラに音楽を複製して、それを使って運用するのです」


     3人が話を進める後ろで、コノハが独り、不機嫌な顔をしており、その目に涙をにじませていた。それは『どーなつ』という呼称が定着せず、話の主導権を取られたことからくるものだった。

     それに気づいたミミが、コノハに質問する。


     ミ「博士は何か加えて言うことはないですか?」


     コノハ、涙を袖で拭う。


     コ「……パークには、我々の声をパーク全体に伝えられる設備があるのです」


     ミ「そうですね。確かにありますね」


     コ「『スピーカー』と言いますが、それがあるのは、このとしょかんと、みずべちほーにあるいくつかの施設、ジャパリカフェ、その他、ヒトが作ったと思しき建物には大抵ついていて、ラッキービーストもスピーカーを備えています」


     ミ「そうですね。備えています」


     コ「我々がフェスを告知した後、スピーカーを使って音楽をみんなに聴いてもらう。そして歌いたい曲を見つけたフレンズはここまで来て、どー……キラキラを渡す。そしてフェスに備えて練習してもらう。という流れでいきましょう」


     ミ「そうですね。私も全く同じことを思っていました」


     カ「本当? てきとーに言ってない?」


     ミミ、バサッと羽を広げてカワウソに対して威嚇する。カワウソはヒッと声を上げてたじろぎ、それを見たジャガーはミミに対して威嚇した。そのあまりの迫力に、ミミだけでなくコノハも動転し、コノハは細くなってしまった。

     ジャガーは2人の様子を見て、威嚇の構えを解いた。


     ジャ「……それで、私たちは、曲を聴いてやって来た子たちのために、キラキラを作ればいいんだね」


     コ「そうです。が、それに加えて、パーク中に音楽を流す役もやってもらいたいのです。曲名を読み上げてから、その曲を流す。それが終わったら、同じようにして次の曲を流す……」


     コノハは、まだ細くなっている。


     ミ「簡単なお仕事なのです。これで報酬が3倍になるなら安いものです。どうするですか? やるですか? やらないですか?」


     ジャ「いいよー」


     カ「面白そう! やるやるー!』





    ○最初の告知 


     さばんなちほーのある木陰で、サーバルとかばんがくつろいでいる。


     サ「パークのいろんな場所を回れて、楽しかったね! かばんちゃん」


     か「そうだね。でも、まだ回れていない場所や、会ってないフレンズさんもたくさんいるんだよね」


     サ「そうだよ、パークは広いから。でも、今はちょっと休憩! さばんなちほーで休んでから、またいろんな場所に行こうね」


     か「うん!」


     そんな風に話していると、サバンナの地面に映る木陰に、2つの影が降りて来た。音もなくやって来たそれらに驚いた2人が木の上を見ると、コノハとミミが、木の枝の上に立っていた。


     ミ「サバンナの木は留まりづらいのです」


     コ「全くなのです」


     サーバルが、なぜ自分たちを尋ねて来たのかと問うと、顔色1つ変えずに、コノハは「偉大なヒトの遺産の1つを発見した」と報告し、それにかばんが反応する。ミミが懐から「キラキラ」を取り出し、昔にヒトが作り、聴いていた音楽を大量に発見した、と口にした。


     サ「音楽って、うたのこと? うたなら、PPPが歌ってるよね」


     コ「PPPの楽曲は歌詞、曲、編曲共にフレンズの手によって作られたと言われているのです。つまり、我々は今までヒトの作った音楽に触れることができなかったわけです」


     ミ「ところがどっこい、とある場所から、こんなステキなものが数え切れないくらい出て来たのです。きっとこれを聴けば、我々はさらに賢くなれるのです」


     コ「しかし、我々は賢さと共に、面白みも求めているのです。我々フレンズは、楽器を弾くのはとても難しいですが、ヒトの歌を模倣するのは比較的容易い。というわけで、たくさんのフレンズに歌をうたってもらい、このパークの文化的発展を試みようと思ったのです」


     サ「言ってることはよくわからないけど、とにかくいろんな子がうたうってこと? たのしそー!」


     か「歌……」


     ミ「大昔、ヒトは様々な歌を一ヶ所に集まって聴くことを『フェス』と呼んでいたそうです」

     

     コ「そう、我々はパーク全体のイベントとして、ジャパリパークフェス、略して『ジャパリフェス』を開催することにしたのです」


     か「じゃぱり、ふぇす?」


     コ「今回は、そのお知らせと、それに加えて。かばん、お前にフェスに関連することで色々と頼みたいことがあるです」


     か「頼みたいことですか?」


     コ「はい。まず、このフェスの余興として、誰が一番歌が上手いのかをラッキービーストに採点してもらうことになっているのですが、その余興の優勝賞品として、我々は、お前の料理半年分を設定したのです」


     か「え、えー!? 半年もですか!?」


     コ「はい。フレンズの常食はジャパリまん。その代わり映えしない味に、潜在的に飽き飽きしているフレンズは多いはず。そこで、今までに食べたことのない新しい味を知ることができる機会があれば、みんなそれに飛びつくでしょう」


     ミ「早い話が、文字通り、お前の料理を餌にして多くの出場者を募るのです」


     か「えぇ……」


     サ「ちょっと博士! それじゃかばんちゃんが可哀想だよ!」


     ミ「しかし、我々も外道ではありません。もし、かばんが優勝した場合には、自分自身に料理を振る舞うということが発生する。よって、お前が優勝する場合に限り、料理の義務を破棄できるようにしましょう」


     か「えーと、つまり、ぼくが優勝すれば、料理をしなくて済むと」


     ミ「その通り。つまり、お前にもチャンスはあるのです」


     コ「詳しいことは追い追い話していくのですが、もう1つ」


     か「なんですか?」


     ミ「フェスの準備として、フレンズに歌を教える『すくーる』を開こうと思っているのです。いくらヒトの歌を模倣できると言っても、模倣しきれずに、聴くに耐えない騒音を発してしまう輩もいるはず。そんなのばかりが出場してしまってはせっかくのフェスが台無しなので、パーク中のフレンズの歌唱力を底上げし、パワーバランスを整え、フレンズに自分の歌に自信を持ってもらい、1人でも多くが出場できるようにする必要があると感じました」


     サ「そのための方法が『すくーる』ってこと?」


     コ「サーバルも、たまには勘が冴えるのですね」


     サ「ひどい!」


     コ「それはともかく、かばん。お前にそのすくーるの講師になってもらいたいのです」


     か「こうし?」


     ミ「簡単にいうと、先生のようなものです」


     コ「すくーるは、パークの3ヶ所で行う予定です。みずべちほーでPPPが教え、こはんちほーでトキが教え、そしてこのさばんなちほーで、かばんが教えるのです」


     か「な、なんでぼくなんですか?」


     コ「お前の歌はとても上手だと、風の噂で聞いたのです」


     ミ「噂は、まさに風に乗ってそよそよと流れているので、みんな知っているのです」


     コ「そよそよです」


     サ「え? かばんちゃん、歌が上手なの?」


     ミ「例外が1人いたのです」


     コ「これが『灯台下暗し』というやつなのですね。本で読んだのです」


     か「でも、ぼく歌なんてうたったこと……」


     コ「では、この場でちょっと歌ってみるのです。講師ができる程のものかどうか、この場で検証するのです」


     か「ええ、そんなぁ」


     サ「わーい! 私、かばんちゃんの歌聴いてみたーい!」


     か「うーん、ちょっと恥ずかしいけれど……」


     か(あれ? もしかして、この場でちょっと下手気味にうたえば、講師をしなくて済む?)


     コ「観客を待てせてはダメなのですよ」


     か「は、はい!」


     かばんは、自分でちょっと下手だと思う歌い方をした。他の3人は、それぞれ違う面持ちで彼女の歌を聴いていた。サーバルは目をキラキラさせながら、ミミは若干あきれた様子で、そしてコノハは、冷静に、全て見透かすような澄んだ視線をかばんに向けていた。


     か「はい、以上、です」


     サ「すごーい! かばんちゃん、本当に初めてなの?」


     か「え? う、うん。初めて、かな」


     ミ「確かに、初めてにしてはなかなかやるですが、すくーるの講師としては……。博士、どう思いますか?」


     コ「……」

      (声の伸び、安定感は並以上。音程だけが不安定な、わざと下手に歌っているような印象ですね。助手は騙せたみたいですが、現在誰よりもキラキラで音楽を聴いて来たこの私の耳を騙すことはできません)


     コ「合格です。かばん、お前をすくーる・さばんな会場の講師に任命するのです」


     か「ええーー!?」


     サ「当たり前だよ! かばんちゃんはすっごいんだから」


     ミ「いいのですか? 博士」


     コ「問題ありません。が、すくーるでは『それ』は通用しないのです。スクール開講は一週間後。それまでに覚悟を決めるのですよ」


     か「え?」

     コ「それでは、つぎのちほーに告知しなければならないので、もう行くのです」

     そういって、コノハとミミの2人は飛んで行った。後に残されたのは、わくわくが止まらないサーバルと、まさに嵐の後のような顔をしたかばんだった


     サ「ふぇすって、楽しそーだね! かばんちゃん、一緒に歌おうね!」


     か「うん、頑張って、優勝しようね……」


    つづく


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