『オクテ女子のための恋愛基礎講座』発売にあわせて、社会学研究者でBL研究家の金田淳子さんと、「オクテ男女の恋愛と結婚と性」について語り合いました。

『オクテ女子のための恋愛基礎講座』(幻冬舎文庫583円)

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金田淳子/
社会学研究者。BL・やおい・同人誌研究家。
東京大学法学部と文学部を卒業後、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。
文芸批評誌『ユリイカ』のボーイズラブ特集や『美術手帖 特集:ボーイズラブ』に企画段階から協力。
共著に『オトコのカラダはキモチいい』 『文化の社会学』等。ホウドウキョク内のフリーダムな番組『真夜中のニャーゴ』金曜23時05~に出演中。

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金田:ニコ動の記事、たまに読ませていただいてます。

アル:ありがとうございます!

金田:どういうネタが人気ですか?

アル:女性器ですね。

金田:女性器?

アル:ニコ動は男性読者が多いこともあって。やはり女性器はアトランティス大陸なんでしょうか。

金田:へー。でもさ、タダで無修正のマンコなんていくらでも見られるのにね、ネットなら。

アル:タダで無修正のマンコを見ても、灰色でイマイチわからないんじゃないですか?小陰唇とかあるし。

金田:あ、小陰唇が邪魔?

アル:クリトリスや膣口の位置までは把握できないかも。
私の記事では『クリトリスは小陰唇の上のつなぎ目に位置するので、マウスのトラックボールを回すように触ろう』とか解説しているんです。

金田:なるほど、学習目的なんですね。たしかにその形状を知らず「穴みたいなものが開いてるらしい」ぐらいの知識で実際のセックスに挑むと、かなり困惑するかもしれない。

アル:若い子の方が座学で学んでますよ。おじさん世代の方が、クリトリスの場所もわからず、べろべろーっと犬のように舐める印象があります。

金田:でも毛をかきわけさえすれば、そこに鞘(さや)のようなものが、と気づくじゃないですか。それは見なかったことにしてるんですか?

アル:まあ入り口はすごいわかりにくいじゃないですか、ジャブローみたいな。

金田:ああ、連邦軍の基地ジャブローみたいなもんか。すごいわかりやすいな、それ(笑)

アル:やっぱり難攻不落なんですよね。女性器って難しいんですよ。
女の子も自分でわかってなかったりしますよね。友だちとエロトークとかしない女の子は特に。

金田:たしかに女の子で「オナニーしていることを知られると死ぬ」という人がいるんですよ。

アル:そんなの、ほぼ全員死ななきゃいけませんよね。

金田:親しい女友達だけの場でも「アナル」や「マンコ」という発音をどうしてもできないとか。別にわざわざ猥語を言わなくてもいいけど、「ちょっと大丈夫なのかな?」と思ったりはする。

アル:自身は無意識にアナルとか言っちゃいません?私はね、逆にそれが大丈夫かなと思うんですよ。

編集H:金田さんがアナルとおっしゃっていると、心が浮き立ってきますよ(笑)

アル:私、本当に他人とは思えなくて。私も仕事相手にアドレスを聞かれて「AはアナルのAです」とか、ポロッと言っちゃうので。

金田:Aから始まる単語といえば、真っ先に出るのがアナルですよね。

アル:「VはヴァギナのⅤです」とか、ごく自然に言っちゃいますね。

金田:アナルとかヴァギナも生物が自然に持ってるものだから、別にねえ、否定しなくても。

アル:でも、みんなあまり公言しないみたいですよ。
TVでラピュタをやってた時、バルスの場面で「アヌス!」とFacebookに上げたんです。そしたら反応が全然なくて(笑)、やっぱりアヌスはダメなのかなって。

金田:私も先日ちょっとガッカリした話があるんですが、個人的にすごく良い言葉を思いついたんですよ。中国は唐代の詩聖・杜甫の『国破れて山河在り』をもじって『クンニやぶれてTENGAあり』って。それで「杜甫が詩聖なら俺は詩性!」ぐらいの気持ちで、ツイッターに放流した。

アル:あはははは!(爆笑)それ、どういう状況なんですか?

金田:クンニをしたにもかかわらず、女は入れてヨシとは言わなかった、それで俺が向かう先はTENGAとなった…みたいな。
でもあまり反応がなかったので「アナルはともかく、クンニはないだろう、クンニは」と引かれたのかもしれない(笑)

アル:アナルはもうお家芸みたいな感じだから。

編集H:寂しかったのかもしれませんね。「金田さん、アナルじゃなくクン二なの?」って(笑)

金田:あーそうかもしれませんね。語呂的にアナルは入らなかったから、そこは忸怩たるものがあって。もっと故事成語でもアナルを生かしていかなきゃダメだなって、反省したんだけど。

アル:でも、とても良い言葉を聞きました。『クンニやぶれてTENGAあり』。

金田:ありがとうございます。よかった、私のダジャレも浮かばれる。

アル:素晴らしいですよ。壮大な感じがするし。

金田:中国の壮大にして険峻な山々が浮かんできますよね。

アル:水墨画のようなね。

金田:こんな雑談していていいんですかね?

アル:我々が集まると、穴の話になりますね(笑)

編集H:金田さんは、アルテイシアさんの新刊『オクテ女子のための恋愛基礎講座』を読まれて、どういう感想を持たれましたか?

金田:全体を貫くテーマは「優先順位をつけろ」ですよね。
自分のやりたいことに優先順位をつける作業をしているうちに、自分の本当にやりたいことがわかってくる、という話。それは恋愛に限らず、仕事や就活とかでもそうだろうし、すごく共感いたしました。

アル:ありがとうございます。

金田:特に結婚に関しては、周りを見ても、優先順位をハッキリつけた人が勝者となってる例が多いんですよ。
たとえば「顔が好み」とか「仕事の邪魔をしない」とか…その一点のみ決め打ちで、他はどうでもいいみたいな。

アル:一点突破ですね。

金田:そう。実はこれは、実在の女性からお聞きしたことがある話ですが、その方の選び方は「顔が好み」の決め打ちだったんです。それで相手の収入なんか一切考えず、「いざとなったら私が食わせるわ」ぐらいの気持ちで結婚しようとしたら、実は、一代で財をなした天才で、かなりのお金持ちだったとか。

アル:えっ!そんなハーレクインみたいな話、あるんですか?

金田:結婚が決まった後、相手に通帳を見せられたら、見たこともないほどゼロが並んでいた、みたいな。

アル:お金持ちの方も「お金目当てのつまらない女性はお断り」と思っていたんでしょうね。

金田:そこまで女性不信だったかはわかりませんが、収入や才能だけで自分を選ぶような女性とは、うまくやっていけないと思ってたんでしょうね。

アル:あと「自分はコレ!」という軸がハッキリしていて、迷いなく結婚を決められる時点で、その女性もすごい人だと思います。

金田:そう、この才能も財力もある男性に、なぜこの方と結婚したかについて伺うと、「この人はすごく面白いから」って。
奥様はすごくユーモアがあって、冗談が好きで、ご自身につらいことがあっても、明るくふるまって、いつも皆を笑わせてくれる感じの人なんですよ。それで結婚して20年以上たつけど、まったく目移りをしてないわけですよ、二人とも。

アル:すばらしい!やっぱりね、つまらないことを言う子…たとえば「仕事辞めたいから、金持ちと結婚したい」とか言う子には、本当につまらない男しか寄ってこないんですよ。

金田:「仕事辞めたいから、金持ちと結婚したい」という文字列を、ギャグで言うとか、本当に心身ともに追い詰められた方が言うならともかく、人に聞かせることが信じられないよ。つまらなすぎて。

アル:本当に中身のあるいい男って、そんなしょうもない女は選ばないじゃないですか。やっぱり尊敬できるような女性をパートナーに選ぶでしょ?

金田:実際そうですよね。あと新刊『オクテ女子~』にも書かれてますけど、「普通の人でいい」とか「一緒にいて楽しい人がいい」とか言う女子も結婚できないって。

アル:それって何も考えてないってことだから。「一緒にいて楽しい人がいい」じゃなく「自分はどういう人といると楽しいのか?」を考えないと。
「どんなラーメンを食べたいの?」と聞かれて「美味しいラーメン」と答えるのと同じで、大事なのは「自分はどんなラーメンを美味しいと感じるか?」ですよね。
他人や世間が美味しいと評価しても、自分はイマイチかもしれないし、己の舌でいろいろ試してみないとわからない。

金田:マッチングする相手と出会っている人は、自分の求めていることがすごく整理されているということですね。まず自己分析がきちんとしている。

アル:自分で欲しいものがわかってないと、手に入れようがないから。
「結婚相手には妥協が必要ですか?」と聞いてくる人は、「自分は何を譲れて何を譲れないか?」を整理できていない人が多いです。

金田:新刊『オクテ女子~』に「十枚のカードを使って、絶対に譲れない3条件を整理する方法」を書いておられますよね。特に恋愛したいわけじゃなく、結婚をしたいという人の場合、上位3つに絞ることによって、自分を見つめなおす効果がすごくあると思います。

アル:では、金田さんの3つの条件は何ですか?

金田:うーん、私は結婚する気ないからアレなんですけど…。仮に考えるとしたら、1つは科学的・論理的思考ができる人。

アル:スピリチュアルなことを言わないとか?

金田:「体に良い」とか言って、アナルに水晶玉を入れたりしない人。

アル:あはははは(爆笑)!
たしかに私もスピリチュアルや疑似科学にハマる人はイヤですね。

金田:科学的思考ができるというのは、論理的に話し合いができて、私が間違っていたら指摘してくれるとか、そういうことも含めて。私もけっこうよく間違うので、それを人格否定ではなく、フレンドリーなゼミで行われる質疑応答のように淡々と、しかし粘り強く指摘してくれる人、いいですね。
まあアナルに入れるぶんには、本人の好きにすればいいけど、それを何十万とかで買ったりするのは、パートナーにするには危険かなと思う。

アル:私は安かろうが高かろうが、アナルに水晶玉が入ってる人はイヤですね…って、結局アナルの話になってますけど(笑)。
それでは、残りの2つの条件は何ですか?

―次回に続く!

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