「みんなどうやって恋愛してるの?」
「オクテ男子が脱童貞したキッカケは?」

恋愛やセックスについて、男同士で話す機会は少ないもの。
オクテ男子の声はメディアにもあまり出てきません。

「女子と話せない」「一生彼女できないんじゃ」と悩んでいた男子たちが、どのように悩みと向き合い、克服してきたか?
そんなリアルな声を聞いていくシリーズ。

2人目のゲストはKくん(30歳、会社員)
私の恋愛本のアドバイスを実践して「初彼女ができた」とメールをくれて、そこから交流が始まった男子です。

女子と話せなかった十代、壮絶な初体験、初彼女との交際を経て、現在婚約中の彼にインタビューしました。

■「男が大人になるには、1回死なないとダメなんです」

アル:現在のKくんは素敵な婚約者もいて「モテないなんて嘘でしょ?」って印象だけど。

K:いやー昔はひどかったですよ。中学の時の写真持ってきたんですけど、見ます?

アル:(写真を見て)おーこりゃモテないわ!

K:地味で冴えないメガネでしょ?
おまけに僕、学年で一番背が低かったんですよ。
今も160cmでチビだけど、“チビでひ弱な自分”にずっとコンプレックスがありました。

アル:十代はどんな感じだった?

K:中学にあがってから、異性を意識して女子と話せなくなって。
中2の時、隣のクラスの女子に「コナンくんに似てるね」って言われたんです。
今なら「見た目は子ども、頭脳は大人!」とか返せるけど、当時は「はあ」と不愛想に返事して逃げるしかできませんでした。

アル:「スラムダンクのミッチーに似てるね」ならいいけど、「コナンくん=チビ」と解釈して傷ついたのかな。

K:そうですね。後になってわかったけど、その女子は『名探偵コナン』が好きだったらしいんです。しかも結構可愛い子だったんですよ。
今思えば「似てるね」をキッカケに仲良くなれたのかもしれないけど。

アル:自分に自信がないと、チャンスを逃しちゃうよね。

K:当時、小学校の同級生の女子に道でバッタリ出会ったら、すごく大人っぽくなってたんです。
僕はどうしていいかわからず、体を反転させてダッシュで逃げました。

アル:シンジくんみたいに「逃げちゃダメだ…でも怖いものは怖いよ!」って?

K:怖かったですね。異性とどう接していいかわからないし、何を話していいかわからないし。

 
アル:そういう十代の男女は多いと思うけどね。私もそうだったし。

K:でも普通に異性と話せる男女もいるから、そういう人と比べてコンプレックスを深めてました。

■「まず告白」は間違ってる!

アル:好きな女子はいたのかね?

K:中2から好きだった子を高3までずっと好きでした。

アル:おお、一途だのう!

K:いやあ、一途はダメですね!
漫画やアニメって「ずっと一途に好きだった相手に告白してうまくいく」パターンが多いじゃないですか?
2ちゃんとか見ても「まず告白」って発想だけど、あれはすごい間違ってるなって…
って、僕もアルさんの本で学んだんですけど(笑)

アル:うん。気になる人がいたら、まずは普通に話せる関係になるのが正解。
そこからメアドを交換して、ご飯に誘って…って、距離を縮めていかないと。

K:アルさんの本に<恋愛はワンマッチじゃなくトーナメント>と書いてあって、なるほど!と思いました。
僕は「ワンマッチ=告白で勝負」と勘違いしてたから。
あと<一途に思いつめると言動がイタくなる>っていうのも、その通りだなと。

僕も相当イタかったですから。好きな子に曲を入れたテープを渡そうとしたりとか。

アル:それ十代の男子はやるよね(笑)。ちなみにどんな曲を入れたの?

 
K:徳永英明とか。

 
アル:レイディオ?

K:レイディオですね。

アル:思春期に~少年から~大人に変わる~♪(壊れかけのRadio)

K:それです。あと竹内まりやの『元気を出して』とか。 
「元気出してとか、なんでオマエに言われきゃいけないんだ」って感じですよね(笑)

アル:ははっ!つかオマエが正気になれよっていう。

K:勇気がなくて渡せなかったけど、あれは勇気がなくてよかったな…。

結局、卒業前にその子に告白したんだけど「へ?…ていうか、ほとんど話したことないよね?」って反応でした。
今思えば、そりゃ玉砕するよなと。「まずは距離を縮めろ」と教えてほしかったです。
周りの男友達は「告白しろよ!」「いつ告白するんだよ!」と煽ってばっかだし。

アル:「自信を持て!根性出せよ!」みたいなね。

■俺は彦一になるしかない!

アル:背が低くて良かったことはある?

K:何だろう…階段でj女子のパンツが見えるとか?

アル:いや、そういう器質的なことじゃなく(笑)

たとえば私は十代の時にデブで男に見下されたけど、もし痩せてたら自分が人を見下すイヤな女になってたかも?とも思う。
あとデブだったからこそ、ダイエットやオシャレに励んだし、コミュ力を磨こうとか思ったから。

K:それでいうと、僕も危機感がありました。
本当になりたいキャラはミッチーや流川だけど、自分には無理だし、俺は彦一になるしかないと。

アル:要チェックや!

K:そう、あの関西弁の彼です。
試合には出れないけど、ベンチで一生懸命スコアブックをつけてるチビの彦一。自分はああいう奴になるしかないと。

アル:彦一は好感度高いよね。

K:あと背の高い奴って、話がつまんなくても人気者じゃないですか?

アル:まあ、そうとは限らないけど。デクとか呼ばれる子もいるし。

K:実際はそうなんだけど、僕の中では「背が低い=背水の陣」って思いがあって。 
話が面白くないと存在を認められない・生き残れないって危機感がありました。
それで「面白いこと言える奴にならなきゃ」と思ったんです。

アル:偉いよね。「どうせ俺なんて」といじけず、努力する方向に進んだのは。

K:まあ努力しても背は伸びないですから。

アル:でも「イケメンはいいよな!」とか、ひがみ続ける人もいるでしょ。
それだと、どこにも進めないから。

K:アルさんは<イケメンは人口の5%にも満たない>とよく書いてますよね?
現実にそうだし、いいなと思う子の彼氏が意外とブサイクだったり背が低かったりもするし。

アル:そういう客観性は大事だね。

K:あと、僕も昔は可愛い子が好きだったんですけど。
大学で女子と接点が増えるにつれて「話が合う子がいい」と中身重視に変わりました。

アル:大学では女子と話せるようになった?

K:じょじょに話せるようになりました。
…でも、社会人になったのが一番大きいかな。
学生時代は見た目で評価される場面が多いけど、社会に出ると仕事で評価されるじゃないですか?

アル:イケメンでも仕事できないとバカにされるもんね。

K:仕事でじょじょに実績ができてきて、ようやく自信がついたというか。
それで「背の低さをネタにしよう」と思えるようになりました。

アル:コツコツ自信を積み重ねて、コンプレックスを克服したんですな。

K:ただ、それでも彼女はできなくて。
その時にアルさんのコラムを読んで、目からウロコだったんです。
<恋愛経験のない男がやりがちな失敗>が書いてあって「オレ全部やってたよ!」と。

アル:要チェックや!

K:ほんと要チェックですよ。
他の恋愛本は「ナンパしろ」「こんなトークで口説け」みたいな内容が多くて。
「コレをしろ」ばかり載っていて「コレをしてはいけない」が載ってないんです。まず学ぶべきはそっちなのに。

アル:そうそう、恋愛がうまくいかない人は大抵コミュニケーションに原因がある。
その状態で「口説け!」と煽っても無駄なのよ、また同じ原因で振られるから。
必要なのは「どこで失敗しているのか?」をまず把握すること。

…という話は後でするとして(→次回で解説)
初体験について話してもらえますか?

■初体験でプライドを壊せました

K:25歳の時、会社の先輩達から「吉原で童貞切ってこい、金も出してやる」と言われて、万歳三唱で見送られたんです。

それで浅草についたら、黒塗りのベンツが迎えにきて、黒スーツのオッサンが出てきたんですよ。で、そのオッサンは前歯が全部なくて。

アル:前歯が!(笑)

K:それで車に乗ったら、爆音でエンヤが流れてて。

アル:そんな癒し系の音楽が!(笑)エンヤ婆が出てきそうなシチュエーションなのに。

K:「承太郎、助けて~!」って泣きそうでした(笑)
それで「新人でいい子がいるんだけど、フカキョン似の23歳」と写真を見せられたんです。

アル:フカキョンに似てたの?

K:その写真は似てました。でも前歯ないオッサンに勧められて断れるわけないじゃないですか?

で、いざお店について個室に入ったら…
バドガールの衣装を着た50代ぐらいのおばちゃんがいたんです、落合信子さん似の。

アル:落合監督の奥さんか…Kくんって福嗣くんと同世代だよね。
そのおばちゃんと対面してどう思った?

K:フォトショップってすげえ!と思いました。

アル:すげえよな(笑)

K:それから2時間4万円でありとあらゆるサービスを受けたんですけど、一滴も出ず。入れてもすぐに萎えちゃって。

アル:精神的なショックで?

K:はい。前歯ないオッサンからバドガールの信子夫人の流れで、人生最大のショックを受けたんで。
…でも、そのお陰でつまらないプライドを壊せたんです。

アル:ほう!

K:童貞とか非モテにコンプレックスがあったけど、もうどうでもいいやって。
あの時、一回死んだ感じがするんですよ。
で、男が大人になるには、一回死なないとダメなんです。

アル:文化人類学の授業で習ったわ。アフリカの部族の通過儀礼とかって。

K:そう、あれです。
男が大人になるための通過儀礼として、バンジージャンプみたいな「一回死ぬ儀式」をするんですよね。

僕にとっては、吉原での体験が通過儀礼でした。
あれでプライドとかコンプレックスを壊せて、開き直れたんです。

アル:限界を超える体験をしたことで、古い殻を破って、新しい自分が誕生みたいな?

K:ですね。あれ以来、開き直って「彼女ほしい」「紹介してほしい」とか言えるようになったんで。

僕も前回のYさんと同じで、「恋愛なんて興味ない」ってフリをしてたから。
恋愛の話題になると無言になってたし。本音は彼女ほしいのに「俺はべつにいらない」みたいな。

でも素直に本音を話すようになったら、周りが協力してくれて、彼女も紹介してもらえたんです。

アル:やっぱそこがカギなんだなあ。つまらないプライドを捨てて素直になるっていう。

K:十代の頃、修学旅行の夜、みんなが恋愛話を始めたら僕は寝たフリしてたんです。
もうそんな子どもみたいな真似はやめよう、卒業しようと思いました。

アル:少年から大人に変わったのね、思春期は過ぎてたけど。

N:レイディオの話も今だから話せるんですよ(笑)
イタすぎる記憶として、ずっと心の底に封印してましたから。

次回へ続く!→<某アニメキャラ似の彼女との初Hで大失敗②>

初彼女との出会い、恋愛成功のヒケツ、初セックスの心得…etc、あれこれ語りまーす。

『オクテ男子のための恋愛ゼミナール』 
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『モタク~モテるオタクになる恋愛ガイド~』
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