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アルテイシアさん のコメント

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アルテイシア
>ぼくドライアイさん

何よりも励まされるお話だと思います!ありがとうございます!!
私も自傷や親のことが「自分にとってどうでもいいこと」になりました。Mさんもそれぐらい軽くなる日がくることを願います。

>mrcombatさん

mrcombatさんのように「よくぞここまで立ち直って、よかったな、がんばって偉いな」と受けとる人はいっぱいいるので、Mさんもそういう人に出会ってほしいです。
No.3
117ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
中高生の約1割が自傷経験があるそうです。 私も若い頃に何度か自傷行為をしました。そして自傷に関する本を読んで、正しい知識と対策を勉強しました。 今回は 「自傷の傷痕に悩んでいる人」「現在、自傷行為に苦しんでいる人」「友人や知人が自傷していて、どう対応していいかわからない人」 に読んでもらえれば幸いです。 (当ブロマガは月額108円で読み放題。いろはす天然水より安いので、ぜひ入会してね! ヒーヤンの紹介はこちら→ カリスマカウンセラー、ヒーヤン登場 ) ■Mさん(25歳女性、フリーター)の相談 アルさんの書く文章が面白いことと女友達が欲しいので、ニコ動の記事を読ませて頂いてます。今回、すごく迷ったのですが相談させてください。 私にはリストカットの痕があります。中学生の時に友達とケンカになって孤立し、部活でも浮いていて、勉強にもついていけず、自暴自棄になって深く考えずにやってしまいました。切ってることが親にばれて泣かれたことで、目が覚めて止めることができました。今では親に心配をかけてしまったことをすごく後悔しています。 相談したいのは、傷痕が気になって新しい関係を築くことができないことです。 傷痕を見られた時の反応が怖くて、仲良くなれそうになっても距離をおいてしまうんです。そのせいで、もともと仲が良かった友達とも疎遠になってしまいました。 同じ理由で、就活も思うようにできずアルバイトを転々としています。やりたい仕事はあるけど、制服が半袖なので躊躇してしまうんです。 リストカットのことで検索すると「腕を切り落とせ」とか「傷痕も自分の一部だから堂々と見せてる」という意見をよく見かけますが、私は「切り落とせるならとっくにやってるし、見て気分の悪くなる人の方が多いだろうし、隠すのが最低限のマナーだ」と思います。わざわざ腕をつかんで覗きこんでくるような人もいますし。 形成外科にも治療に通ってますが「消すのは無理だよ」とはっきり言われてしまいました。 せめて中身はまともになりたくて、積極的に人と関わろうと自分なりに頑張ってますが、このままバイトを転々としながら一人で歳をとっていくのかと思うと、不安と憂鬱で動けなくなります。 メンヘラっぽい悩みなので誰にも相談できません。長文、乱文ですみません。もしよければ意見を聞かせてもらえませんか? 【回答】 アル: まず言いたいのは、Mさんはすごく偉いってことだよ。リストカットを克服して、人間関係にも仕事にも積極的になろうと頑張ってる。それはホントに立派なことだし、自傷で苦しむ人の希望になれるよね。 ヒーヤン: 私もそう思う。自傷に苦しむ人は「ちゃんと乗り越えられる人がいるんだ」と励まされるよ。Mさんは自分でしっかり考えて行動しているし、尊敬に値すると思う。彼女ならやりたい仕事につけるよ…うーん、私がキャリアカウンセリングしてあげたいなあ。 アル: 私も彼女を応援したい。というか、私でよかったら友達になりたい(笑) 我々が文章を読んでそう思うってことは、周りの人もきっとそう思うはずだから。Mさんは人と繋がりを築ける人だから、それを信じてほしいな。 ただ、傷痕が気になる気持ちはわかる。本人がコンプレックスを抱いて引け目に感じてしまうんだよね。というわけで、医者の友人知人にヒアリングしました。 みんなが共通して言ってたのが「色んな医者に意見を聞いてみるのをオススメする。医者によって判断に差があるから、1人の医者の話を鵜呑みにしないほうがいい」ってこと。 やっぱり傷痕の状態によるそうで、1本2本の傷なら切除でかなり綺麗になるらしい。でも何度もやって洗濯板みたいになってると、レーザー治療で多少目立たなくなる程度らしい。 完全に消すのは難しい場合でも、目立たなくすることはできるみたい。 私だったら「リスカ痕だとバレたくないので、手術痕や火傷痕を手術した風にできませんか?」と頼むかも。 ヒーヤン: 私もそう思った。「事故に遭った傷を治療した」とか誤魔化す方法を考えるかなって。リスカ痕だから気になるんだもんね。自分自身がこだわらなくなることが大事なわけだから。 アル: あと手術痕のある方から意見をいただいたんだけど、ファンデーションテープとか傷痕を隠せるテープもあるらしい。あとタトゥーを隠す用のコンシーラーとか。 まずは外科的な処置をして、それでも気になる場合はテープやコンシーラーを使うのもアリかも。とにかく色んなお医者さんにも診てもらって、信頼できる人を探すことだよね。 ヒーヤン: そうだね、本人が少しでも気が楽になるように。 そして自傷を克服して今までやってきたことを振り返って、自信をもってほしいな。Mさんは辛い経験をしたからこそ、人の気持ちがわかるだろうし。 就活と同じで、過去を振り返って「自分にはこんな強みや良いところがある」と落とし込んでほしい。 アル: 私の仲良しの女の子がいて…その子ももともと読者だったんだけど、過去に親から虐待を受けて自傷していたらしい。でも、ある時から髪を切るようにしたんだって。手首より髪を切った方がマシだから。髪は伸びるし痕も残らないし、命の危険もないし。 その彼女も過去を乗り越えて、今は憧れだったライターの仕事をしてるよ。そんな風に夢を実現してる人もいっぱいいるからね。 ヒーヤン: 私が就業カウンセリングをした女の子も、腕が洗濯板みたいになっていて。彼女も今では結婚して子どももいて、趣味のダンスを続けたりと楽しそうに生きてる。Mさんも絶対そうなれる人だから、希望をもって生きてほしい。 アル: 文章からそれが伝わるよね。Mさんは絶対に大丈夫な人だよ。 ■自傷の目的は「鎮痛効果」 アル: 現在、自傷に悩む人には 『自分を傷つけずにはいられない~自傷から回復するためのヒント~』 という本をぜひ読んでほしい。この本は女医の宋美玄さんに紹介してもらったんだけど、ものすっごく!!勉強になったから。 著書の松本俊彦先生は、多くの自傷の患者さんの治療にあたってきた精神科のお医者さんなんだけど。この本によると、 中高生の約1割、つまり10人に1人が自傷の経験があるらしい。 自傷にもいろいろ種類があって、刃物で皮膚を切る以外にも、体を噛む・爪でひっかく・皮膚を突き刺すとか…あと男子は「壁を殴る、壁に頭をぶつける」といった行為が多いらしい。それだと本人も自傷という自覚がなかったり、周りも気づきにくいらしいよ。 オーバードーズ(薬物の過剰摂取)・過食嘔吐・アルコール依存なんかも、広義の自傷にあたるんだよね。 ヒーヤン: 自傷自体は、割とありふれた行為なんだよね。 アル: そうそう。ただ、周りが気づかないから。 というのも、自傷って「カマッテちゃん」「メンヘラアピール」的な見方をされるでしょ? でも、それは本当に氷山の一角で、実際には 自傷の96%は誰にも知られずに行われるんだって。 つまりほとんどの人は誰にも言えず苦しんで、1人でコッソリ自傷している。 ヒーヤン: 「カマッテちゃん」「メンヘラアピール」的な偏見があるから、ますます人に言えなくなるんだよね。「本気で死ぬ気はないくせに」とかも言われがちだし。 アル: そもそも、その考えが間違ってるんだよ。私も若い頃に自傷したけど「死にたくないけど、死ぬほど辛いから自傷せずにいられない」わけで。 松本先生の本には「なぜ人は自傷するのか?」が詳しく解説されていた。 自傷をすることで、脳内にモルヒネ様物質が分泌されるんだって。いわゆる脳内麻薬といわれる、鎮痛効果のある物質。これは大怪我をした時や出産の時にも、痛みを和らげるために出るらしい。 つまり自傷は「死ぬほどの心の痛みを和らげるため」に行われるそう。 ヒーヤン: 心の痛みを和らげて、生き延びるためにするんだね。そして96%の人は、誰にも言わずにコッソリ自傷していると。 アル: 「自傷するのは弱い人間」って偏見もあるけど、そうじゃない。むしろ「辛いよ~死にたい~」と助けを求められない、頑張り屋さんが多い。そういう人が自分に鞭打って、生きるためにやっていると。 私もそうだったよ。周りには「アルテイシアは強くて前向きな人間」と思われていて、当時は辛い状況を誰にも話せなかった。 あと「死ぬ気はないくせに」と言われるけど、 自傷経験のある人の自殺による死亡率は、自傷経験のない人の400~700倍にもなるんだって。 というのも、麻薬と同じで効果が弱まるから。切っても切っても心の痛みが和らがなくなってきて、どんどんエスカレートしてしまう。効果がなくなったことに絶望して、本当に自殺しちゃう人も多いらしい。 だから自傷とは本当に危険な行為であり、「カマッテちゃん」「メンヘラアピール」なんて偏見はなくなるべきなんだよ。 ヒーヤン: 本人も周りも自傷について正しく理解して、解決策を知ることが大事だよね。 アル: 松本先生の本には、自傷の衝動を抑える方法や、根本的に自傷から回復する方法が詳しく解説されているから、ぜひ読んでほしい。 あと、周りのサポートの方法も載ってるから。打ち明けられたら 「話してくれてありがとう」 と言うとか。 自傷のインパクトが強くて「なんでそんなことしたの!」と責める人が多いけど、助けを求められない人が勇気を出して打ち明けたのに、責められると「やっぱり話しちゃいけない」と思ってしまう。 自傷よりも、自傷してしまう辛い事情に興味をもって、聞いてあげることが大切。あと、サポーターも助けを求めることが大切だって。 ヒーヤン: カウンセリングもそうだよ。あまりにヘビーな相談を1人で抱えこむと、カウンセラーが潰れちゃうから。リファーして精神科医に相談するとか、サポートする側も協力を求めることが大切。 アル: 私は自分が自傷してたから「まあするよね」と思うけど、自傷経験のない人はショックを受けるからさ。本にもあったけど「あなたが切ると私が辛い」とか、相手に罪悪感を与えて追いつめちゃったり。あと「親にもらった体を傷つけるなんて」とか…そもそも親が原因だったりするのに。 ヒーヤン: 「正論を言って責めちゃダメ」は基本だからね。「自傷してしまうほどの辛い現状」を受け入れないと…ただプロじゃないとわからないから、この本を読んでみんなに知ってほしいな。 ほんと、Mさんはやめられてよかったよ。親との関係は悪くなかったことが救いだろうね。 アル: 私は毒親が自傷の原因だったからさ。まあリスカ痕は手首のシワと一体化して目立たないのが救いだが(笑)…ほれ(手首を見せる) ヒーヤン: おお、見事に一体化している!シワ万歳だな(笑) アル: 今はさくっと見せられるけど、当時は「こんな私はおかしい」「うちの家はおかしい」「絶対に人に話せない」と思ってたからね。 ヒーヤン: 若い時は世界が狭いから、今ある人間関係が全てになっちゃうからね。年とって世界が広がると、相談できる人も増えてくるんだけど。 いま現在、相談できる相手がいない人は、がんばって探してほしい。 中高生ならスクールカウンセラーや保健室の先生とか、大学生なら学生相談室の職員とか。公的機関もいろいろあるから。各地域には保健センターや精神保健福祉センターがあって、専門家が無料で相談に乗ってくれて、もちろん守秘義務もあるから。まずはネットで調べてほしい。 あと就職についてだけど 「過去に自傷したから、傷痕があるから就職できない」とかじゃないからね。そんなの就職には関係ないから。 それこそ面接に長袖を着ていけばいいし、半袖の制服なら傷が目立たないように工夫するとか。とにかく「自傷のせいで就職はムリ」なんて思う必要ないからね、Mさんも。 アル: Mさんは『せめて中身はまともになりたくて』と書いてるけど、めちゃめちゃまともだよ。 だってさ、酒乱や大酒飲みも根っこは同じでしょ。アホほど飲むことで、人生の辛さを和らげたり、逃避する時間が必要っていう…私の周りはそういう人が結構多いんだけど(笑) でも、そういう人でも周りから愛されて、バリバリ仕事してる人はいっぱいいるから。 そもそも酒乱で迷惑かける人より、自傷する人の方がよっぽど偉い気がするけどな(笑)他人に迷惑かけてないんだから。 ヒーヤン: 酔っ払って迷惑かけて覚えてないとかね(笑) アル: 私も昔はひどかったから耳が痛い…迷惑かけてすまんのう。 ホント私なんて後悔だらけの人生ですよ。体の傷に限らず、過去に傷のある人や後悔のある人はいっぱいいるし、その方が人間らしい気がするよ。 ヒーヤン:そうそう。「自傷なんかしたの?!」と引くような人と友達になる必要はない。 腕をつかんで覗きこむ奴の方がおかしいんだから。まともな人間、人の痛みのわかる人間なら「いろいろ辛かったんだな」と理解するでしょ。 アル: 私も昔はコンプレックスだったけど、今では「自傷ごときで引くような器のちいせえ奴はこっちが願い下げだ」と思うもん。友達に限らず恋愛でも、過去の自傷を気にするような男とは付き合わなくて正解。 ヒーヤン: その通りです。Mさんは深い繋がりを作っていける人だと思う。あなたの中身や良さを理解してくれる人、辛い経験を乗り越えたことを評価してくれる人は絶対いるから。 Mさんもだけど、相談をくれる人達って文章も丁寧で気づかいのある人が多いからさ。もっと自信をもってほしいし「あなたは大丈夫、幸せになれるよ」と言いたい。 アル: コンプレックスには良い面もあって、それをバネに努力できたりもするけど、重すぎると押し潰されちゃうから。重すぎるコンプレックスは、少しずつ軽くしていってほしい。 あと自信をもつのって、他人に認められたり、努力によって手応えを得られたり、成功体験が必要だからさ。焦らず一歩ずつ前に進んで、経験を重ねていってほしいな。 ヒーヤン: そうだね。人間はすぐには変わらないけど、絶対に少しずつ変われるから。なるべく物事の良い面を見ながら、良い方向に進んでいってほしい。 アル: というわけでMさん、迷いつつも相談してくれてありがとう!また悩むことがあったらいつでもメールくださいね。アルテイシアとヒーヤンはあなたを応援してます!! 参考文献  『自分を傷つけずにはいられない~自傷から回復するためのヒント~』(松本俊彦著) 相談を送りたい方は、 artesia59@live.jp までメールください(ジャンル不問、ペンネームと年齢も書いてね♪ ※採用された場合、プライバシーに考慮して&読みやすくするため、文章を一部修正させて頂くことがあります。
アルテイシアの相談室
アルテイシア/作家。神戸生まれ。『59番目のプロポーズ』でデビュー。

著書『フェミニズムに出会って長生きしたくなった』『モヤる言葉、ヤバイ人』『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』『40歳を過ぎたら生きるのがラクになった』『オクテ女子のための恋愛基礎講座』『アルテイシアの夜の女子会』他、多数。

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