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【第260号】「みんな大好き」が嫌い
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【第260号】「みんな大好き」が嫌い

2019-10-21 07:00
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    山田玲司のヤングサンデー 第260号 2019/10/21

    「みんな大好き」が嫌い

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    【満足度のアンケートが消えた理由】


    ヤンサンをリアタイで観てくれている方は気づいていらっしゃる人も多いと思いますが、先月くらいからヤンサンでは放送後恒例だった「アンケート」をやっておりません。


    観ている方としては「今回はまあこの程度だな」とか「今回はよかったぞ」とかいう意思表示ができる機会だったので、「それがないと物足りない」と思う人もいると思う。


    そして僕らヤンサンを作っているチームにとっても、このアンケートの存在は大きかった。


    始めて間もない頃に、満足度100%という結果を出した時は、放送後に上野駅の飲み屋でみんなで乾杯したのを覚えている。


    アンケートの数字は「みんなの満足」と「みんなの失望」の数値で、それが可視化されるのはありがたかった。



    ところが、何年か経つうちに「自分が感じる放送の出来」と「アンケートの結果」が連動しなくなってきた。


    「この回は良かった」と思える回のアンケートが思ったほど良くない。

    逆に「何でこの回が?」という回が良かったりする。



    【アンケの構造】


    色々分析してわかってきたのは、アンケがいい時は主に「やること」がハッキリしていて、その伝え方もハッキリしている回だ。

    僕のプレゼンがぼんやりしていたり、レギュラーとのトークがぼんやりした時は基本的に良くない。


    プレゼンの純度が上がるほど満足度も上がる。

    過去に人気だったコンテンツを取り上げても必ず結果が良くなるわけではない。


    熱量の高いゲストや、ファミリー参加企画も当然良い結果が出る。


    もう1つ、スピンオフのように「観たい人だけが観る」という枠の時も、満足度は高くなる。

    ダラダラやってたのに、アンケはいいのが普通なのだ。

    それは初めから「こういうのに参加したい人」が観ているので満足はするわけだ。



    そして、ある程度観てくれる人が増えると、当然感想はバラける。

    特にヤンサンは、アニメ、音楽、美術、文化人類学、環境問題など、扱う題材が広いから当然だ。


    そんなふうに「アンケの構造」がわかってきても、やっぱりアンケート結果は気になる。


    結果の良い回は「成功体験」になって、その後の放送を保守的にしてしまう。

    「ああいうのをやらないとダメだ」と思ってしまうからだ。



    あ・・・


    僕は気づいた。またこの「アンケート」というヤツに振り回されてる。


    これは、雑誌連載の時と同じではないか・・・


    「みんなが好きなもの」と「過去に評判が高かったもの」に縛られて、結果的に「マンネリでつまらないモノ」になる、というお馴染みの「病」・・・


    僕が漫画を読まなくなったのも、民法のテレビ番組を観なくなったのも原因は、それらのコンテンツの多くが「この病」にかかっているからだ。


    「みんなが好きなやつ」を闇雲に目指すと「つまらなく」なるのだ!!!




    まずい・・ここは何とかしなければ・・ヤンサンは「普通の番組」になってしまう・・・

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    【みんな大好き?】


    そういえば以前、ゴルパンの人がある作品を批評して「ほとんどいいんだけど、最後に「みんな大好き!」って言ってたから、もうダメなんです」と言っていたのを思い出した。


    「みんな大好き」が嫌い・・・ってのはよくわかる。

     
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