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小飼弾の論弾 #143 「生活保護費用の対価にプライバシー提供はあり?」
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小飼弾の論弾 #143 「生活保護費用の対価にプライバシー提供はあり?」

2019-12-14 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2019年11月12日(火)配信その2をお届けします。

     次回は、2019年12月24日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2019/11/12配信のハイライト(その2)

    • 『ターミネーター』新作はフェミニズム映画?
    • はっきりしていないプライバシーの規定と「建前の軽視」
    • なぜ格差の拡大はよくないのか?
    • 「疑似体験家族」という売り方への疑問
    • AirPods Pro感想と「今、大学で学ぶ価値のある学問」

    『ターミネーター』新作はフェミニズム映画?

    山路:『ターミネーター』の話しちゃいます? 弾さん、いつ見てきたんですか? 『ターミネーター』。

    小飼:じつは本日。

    山路:ほうほう。今回『ターミネーター』って『ターミネーター1』というか、最初のがあって、2があって、そのあと3とか4とか、あと最近だと『ターミネーター:ジェニシス』でしたっけ? いくつか続編作られたんですけども、今度の『ターミネーター』『ターミネーター2』の直接の続編ということになりますよね。

    小飼:そう、シュワルツェネッガーも、何と言ってもリンダ・ハミルトンが出てるのが、はい。

    山路:ああ、サラ・コナーがちゃんと歳をくった役として出てくるという。

    小飼:はい、ちゃんとババアになっているところが。

    山路:でも格好良かったですよね。あの今回の主人公っていうのはもうサラ・コナーで決まりという。

    小飼:うん。

    山路:シュワちゃんよりも、ぜんぜん存在感がありましたよね。

    小飼:そもそも1番最初の『ターミネーター』の主人公は、サラ・コナーですよね。
     というのか、じゃあそう1番最初の『ターミネーター』のあらすじを知らないという人は、無視して見て下さい。かなり昔の作品です。まだ僕が、僕もティーン・エイジャーだったはずですよ。まぁ学校には行ってなかったけど、年齢的には中学生なんじゃないかな、どうなんだろうな。

    山路:これって最初に出た時って、そんなに大ヒット映画とかじゃなかったですよね。

    小飼:うん、だけれども最初見た時に、だから最初の第1章とでも、そう最初のターミネーターの第1章とでもいうべきところっていうのは、サラ・コナーが出て来るところまでなんですよね。サラ・コナーが出てきた途端に、もう全部あらすじわかった。もうこれは典型的な。なんでサラ・コナーが狙われるのかって。
     確か、シュワちゃんがタイムマシンで、1980年代のロサンゼルスに出てきて、その後、ジョン・コナーの父親のカールが出てきて、最後にリンダ・ハミルトンが演ずるところのサラ・コナーが出てきて、それで全部わかりましたよ。

    山路:わりとSF見ている人には。

    小飼:典型的な。

    山路:典型的なタイムパラドックスものの話ではあるんですけども、それをきちんと特撮でアクション映画として仕上げたところがやっぱり。

    小飼:いろんなところがエポックメイキングな作品ではありましたよね。いや本当に、シュワルツェネッガーの出世作でもありますよね。その前にムキムキ映画。

    山路:『コナン・ザ・グレート』。

    小飼:『コナン・ザ・グレート』も出てたんですけども、出世作というとやっぱり『ターミネーター』になるんじゃないでしょうかね。なぜそう言い切れるかっていうと、『コナン・ザ・グレート』のほうは、あんまセリフないんですよ。に対して『ターミネーター』のほうでは。

    山路:"I’ll be back."

    小飼:そうそう、オーストリー訛りの英語丸出しで。

    山路:ああ、あれはオーストリアですよね。

    小飼:今は「オーストリー」という表記。

    山路:ドイツ系というか。

    小飼:そうですね、はい。やっぱりカリフォルニア州知事になって、再び映画に戻ってきても、あの時の訛りのまま。

    山路:いやあ、最初の『ターミネーター』、エンディングのセリフとかもね、かなり格好良かったですよね。あれがやっぱり何というのか、B級と言われつつもけっこう映画ファンから支持されて、『ターミネーター2』で凄いCG使って、皆が度肝を抜かれたわけですよね。液体金属のT-1000。
     その『ターミネーター2』で人類の破滅の未来は回避されてという、これは言ってもいいですよね、これくらいは。だったんだけれども、そこのところから新しい今回の『ターミネーター』に繋がっていくわけなんですけどもね。

    小飼:いや、でもあの機械が人間を裏切って人類をほぼ滅ぼすという風になっていたんですけど、その時の手段が核ミサイルなんですよ。そうなんです。最初の『ターミネーター』は冷戦終結前なんですよ。

    山路:ああ、そうか、そうだ!

    小飼:ものすごい時代を感じさせるでしょう。

    山路:そうですね。

    小飼:まだベルリンの壁があったんですよ。

    山路:そうか、そうか。

    小飼:あの頃には。だから、あの頃の人類というのは本当に、いざとなったら天から核ミサイルが降ってくるとかなり本気で思ってましたからね。

    山路:核ミサイルで滅ぼした後にその殺人機械が残党を狩ってた。なるほどな、『ターミネーター2』のサブタイトルは『ドゥームズ・デイ』でしたっけ。

    小飼:はい。『ジャッジメントデイ』。

    山路:ああジャッジメントデイ。

    小飼:まぁ似たような意味ですけどね。

    山路:これ、今回新作見ていかがでした?

    小飼:いやあの、けっこう自然に話を繋げるものだなあと。2の続編ということになっているんですよね。

    山路:子役の子がだいぶ中年になってて、あれ、だからあの人出てくるのかなと思ってたら、中年の成長した子役は出てこなかったんですけどもね。インパクトあったのが、舞台のほとんどが物語中ではメキシコになっているという。

    小飼:メキシコになってますよね、はい。

    山路:そして新ヒロイン。

    小飼:ここで問題です。なぜメキシコなんでしょう。

    山路:それはやっぱり今トランプ政権になってから、壁を。

    小飼:いやいやそういうもんじゃなくて、だから物語以外のメタ情報は抜きにして、物語中、なんでメキシコだったんでしょう? 覚えてるかな?

    山路:あれ、最初のサラ・コナーは、確か南に逃げましたよね。

    小飼:そうです。はい、何から逃げたんでしょう?

    山路:連邦政府?

    小飼:核ミサイルからですよ。

    山路:ああ。そうだったか。だから南米に行ったのか。

    小飼:そうなんです。南米じゃなくて。

    山路:中米。

    小飼:中米というよりも、あれですよね、南にですよね。

    山路:そうかそうか、結局そのあたりでテロリストしての訓練、戦闘訓練。

    小飼:テロリストっていうのか。

    山路:戦うためのノウハウを学んだみたいな話だったんですけど。

    小飼:だから核戦争の可能性というのが、当然だった時代に出来た話なんですよ。それがターミネイトされずに残ってたという。

    「オープニングで見た」(コメント)
    「金がなかったからレジスタンス」(コメント)

    小飼:そうなんです、最初の『ターミネーター』て本当に予算も1桁ミリオンで、売上、そう興行収入も1桁ミリオンで。

    山路:ああそうだったんですか?

    小飼:あれですよ、ジブリ映画よりもショボかったですよ、規模では。でもわりと初めのほうで見ましたね。テレビの再放送とかではなくて、映画館で見たというのをキッチリ覚えてます。

    山路:けっこう『ターミネーター』の特撮とかも、予算のない割には頑張ったと思うけど。

    小飼:当時、僕はそんなに英語得意ではなかったんですけど、凄いいろんなものの言い回しが、平易だなと。やっぱり主人公格がノンネイティブスピーカーだとこういうご利益があるのだなと。

    山路:ああ、じゃあ英語の初心者は主人公がノンネイティブな映画を見るのがいいかも。

    小飼:そう、だから、ノンネイティブでもハリウッドでものし上がれるという。どころが、全米最大の州の知事になれるという。

    山路:しかし『ロッキー』のシルベスター・スタローンの映画は全く、聞き取れませんですけどね。同じノンネイティブですけど。

    小飼:そうですね。あとのほうですね。僕もアメリカに住みだしてからですね、スタローンが何を言っているのか、聞き取れるようになったのは。ある程度はね。

    山路:今回その、今回のまあ新しい『ターミネーター』ってノンネイティブというか、けっこうヒスパニック系の話が多い。

    小飼:そうです。けっこうスペインパートが多いというのか、スペイン語に英語の字幕が出て来るところがけっこう。なんだけど、あの映画で、あのシリーズで1番有名なセリフ、"I’ll be back."のオマージュはあります。だから"I’ll be back."というのは、セリフ自身が伏線になっているんですけども、もう1つ有名なセリフがあったんですね。1のほうで。「アスタラビスタ(Hasta la Vista)」。
     スペイン語です、これ。なのに、アスタラビスタが出てこなかったのがね、ちょっとなあ、大事なものを、大事なものを出しそびれたなという。

    山路:でもその代わり、"I’ll be back."の使い方がちょっと面白かったですけどね。

    小飼:“I’ll be back.”の使い方は面白かった。

    山路:そこのところはなんか実際に劇場で確かめて見ていただきたいというのはありますね。

    小飼:『ターミネーター』は本当に、ノンネイティブスピーカーに優しい映画なので。

    山路:これ今回その、ヒスパニック、メキシコのシーン、実際に撮影されたのはスペインみたいですけども、メキシコシーンとかが多かったりしたというのは、ヒスパニック系の人口がどんどん増えてくることにも関係があるんでしょうか?

    小飼:どうなんでしょうね。でもそれは本筋というよりは、リンダ・ハミルトンとシュワルツェネッガーが主演だった頃の『ターミネーター』のストーリーを大事にした結果、自然とそうなったんじゃないでしょうかね。南に逃げたというのは、もう1で確定しているので。

    山路:でもけっこう、半分くらい話的にはメキシコだったりしましたよね。それこそ不法入国の、不法移民の問題みたいなこととかも、キッチリかなり丁寧に描いてたじゃないですか。だからかなり時流をそういう意味で取り込んで、作った映画なのかなと。

    小飼:あと2の続きにするにしても、こういう続きの仕方があるなあと。タイムマシンが登場する作品には、必ずタイムパラドックスというものがつきまとうんですけども、これは多元宇宙解釈で乗り切れちゃうといえば乗り切れちゃうんですよね。

    山路:今までのターミネーターの路線もありはありとしつつも、なんかこう続編作れちゃうみたいな、違う設定ので。

    小飼:そうなんですよ。2までで確定しているのは何かっていうと、2ではあれですよね、ああ2の前で、まず1でターミネーター生き残っちゃいますよね。要はお腹の中にいる状態である。2ではスカイネット作ったり、死んじゃいますよね。だからスカイネットがない未来が確定したというところで、話の続きなんですよ。
     そう、いつまでも幸せに暮らしました、めでたしめでたし、になったとしたら、話が通じないんですけども、じゃあどういう風にしたのかっていうのは、見て確認していただくとして。だから便利だなと、多元宇宙解釈というのは。

    山路:ちなみにいちおう『ターミネーター2』のたあたりまでは、そのスカイネットが、人工知能が、AIこそが人類の敵みたいな風にしてたじゃないですか。
     今回、そこのところをちょっと、続編を作りやすくするためというか、ちょっと緩めて来ましたよね、そこのところ。あの辺のところも面白えなと思って。

    小飼:あとこれけっこう大事、少なからず大事なことなのかな、制作費用はテンセントが出してくれました。

    山路:はぁ中国の。

    小飼:はい、要は中国資本。

    山路:だけどそんな中国人とかって別に出てなかったですよね。

    小飼:だから中国人を出す必要というのは別になくって。だけど、お金を出してくれたのはテンセント。

    山路:中国資本がお金を出した場合に、妙に中国俳優が活躍するシーンが多かったみたいなことっていうのもあったりしたじゃないですか。

    小飼:それはどっちかというと、ハリウッドが忖度している時のほうが大きいですよね。

    山路:なるほどね。

    小飼:むしろテンセントの中の人たちが、俺たちが見たかった続編を見せろという感じが凄いしましたよね。

    山路:なるほど、単純にもうコンテンツとして好きな。

    小飼:別の未来というのが、3やそれ以降の続編でフィーチャーされてましたけど、ちょっとこれじゃねえやという。感じがしてたんですよね。

    山路:そういう意味で、本当に見たいものをガツッと素直に見せてくれた新作にはなってたかなと思いますよね。

    小飼:だけどね、もうヘリにしても飛行機にしても、要は1のカイルにあたる未来から来た助っ人の人いるんですけども、なんでも操縦できるんですけども、あのなんでも操縦できる感というのは、最初の『ジュラシック・パーク』でUNIXなら使えるわっていうのに似た違和感を、飛行機を操縦できない僕でも思ったので。

    山路:アハハ

    小飼:実際に操縦出来る人というのは、かなり強く思ったんだろうなという。

    山路:今回の助っ人の女の人も、なかなかいい感じのキャラクターで、それもこうあんまり、何というのかな、かなりちょっとユニセックスな中性的な感じの人で面白いキャラクターだったと思うんですけどね。

    小飼:牽強付会で言うと、フェミニズム映画として見れなくもないわなと。

    山路:ああ確かに、ほぼ女性メインの登場人物、この主人公側のキャラが、ほぼ女性。

    小飼:そうね、そうそう。シュワちゃんを除いて。シュワちゃんはいちおう役割上、あれは男ではなくてロボット、ターミネーターなので。

    山路:それにまつわる話もあるところが、ちょっと面白いんですよね。男ではないというところの(セックスに関連する)話もあったりして、確かにフェミ、フェミニスト映画なのかあれは。フェミニズム映画なのかな。

    小飼:フェミニズム映画でもある。

    山路:けっこう面白い話だとは思いますね。『ターミネーター』1、2好きだった人はまあ見て損はないと思いますけどね。IMAXレーザーとかで見て相当良かったですけど。

    小飼:ええそうなの? そんなゴージャスなので見たの? 僕は普通の2Dで見たけれども。

    山路:2Dは2Dなんですけど、発色が鮮やかでした。画面がデカくて。

    「あんなにムキムキなのに?」 (コメント)

    山路:うん、ムキムキなのにあんまり男じゃないという設定とかがキッチリ活かされてて、そこのところのギャップは面白かったですね。

    はっきりしていないプライバシーの規定と「建前の軽視」

    山路:じゃね、タイトルにもなってたこのやつ、行きますかね? 生活保護費の代わりにというやつを、このところがかなり色んなところで炎上しとるということなんですけども、プロジェクト「Exograph」という、ここのところのプロジェクトというのが、東京都内で暮らす場合に出される生活保護費、だいたい132、930円ってこんなに貰えるんですかね? 生活保護費用。

    小飼:家族とかいると、もっと貰える筈だけれども。

    山路:ああ1人とかだったら、こんな感じなんですかね?

    小飼:そうなのかな? 問題はそこではなくって。

     
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