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理想の歯科衛生士像【DHブログ - Vol.15】『未だに消えない学歴差のコンプレックス』
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理想の歯科衛生士像【DHブログ - Vol.15】『未だに消えない学歴差のコンプレックス』

2020-02-24 20:00

    理想の歯科衛生士像【DHブログ - Vol.15
    『未だに消えない学歴差のコンプレックス』

     私は、2年制の歯科衛生士学校に入学しましたが、当時は歯科衛生士教育が1年間という専門学校もありました。確か1982年には歯科衛生士教育は2年制に統一されたと思います。それまでは1年間の専門学校教育で歯科衛生士の国試を受けることが出来たのです。2010年には歯科衛生士教育は3年生に義務化され、今は4年生の教育機関もあります。

     非常勤で働き始めた2003年頃、歯科衛生士教育を3年生に移行する専門学校が出てくる中、2010年までには全校統一されると知って、『自分より知識のある若い歯科衛生士が数年後に誕生する』、『資格が有ればどこの歯科医院でも働ける、そんな考えは甘い』と私は危機感を持ちました。
     また、看護師の姉からいつも『看護師は3年間の教育だけど、歯科衛生士は2年間でしょう、准看護師しと同じだよね』と言われていて、学歴にはコンプレックスがありました。このコンプレックスを無くしたく『大学に行きたい!』と結婚後も考えていました。

     しかし大学に行くのは現実的ではありませんでした。でも、数年後3年教育を受けた歯科衛生士が卒業してくる危機感から、日本成人病予防協会が認定している『健康管理士一般指導員』を通信で資格が取れることを知りました。資格内容は予防に関する知識を修得することで『職場や地域住民に健康についての講話ができる』というものでした。今の知識では不十分だと危機感があった私には、高額な学費でも分割払いなら何とかやりくり出来きる考え、すぐに申し込みました。試験までの計画を立て、毎日夜中に2時間勉強し、半年後に合格しました。

     私のような危機感を持つ歯科関係者や歯科衛生士も多かったのか、数年後に日本歯周病学会で始めて歯科衛生士認定制度を導入し、歯周治療に特化した有能な歯科衛生士を増やしていく試みとして「歯周病認定歯科衛生士」を発足させたのです。
     私はすくに学会に入会し、数年後認定を修得しました。続いてインプラント学会の認定を修得しました。各学会で歯科衛生士認定制度を導入しいて、気がつくと私もいくつもの認定を修得していました。

     “歯周病認定歯科衛生士”は、歯周治療に携わる歯科衛生士として自信が持てるようになりました。しかし、患者はその認定をどのくらい重要視するかは定かではなく、また採用する歯科医院側も『認定があれば尚よし』程度でした。資格保持者重視ではなく”まずは歯科衛生士の人手不足を解消したい”という目先の採用基準だったため、私が認定や通信レベルで取れる資格を幾つも持っても就職には有利にならず、私のコンプレックスは解消されませんでした。

     会社を立ち上げ、代表取締役 長岐祐子になってからもなお、院長クラスには『フリーで働くモチベーションの高い歯科衛生士』程度にしか映らず、私の学歴に対するコンプレックスは深まるばかりでした。通信大学でモチベーション行動学科も卒業しましたが、未だにコンプレックスは消えません。きっと、”歯科衛生士は有能な職業である”と、世の中に認められない限り、私のコンプレックスはなくならないのだと思います。

     歯科衛生士はただのクリーニング屋ではありません。予防処置、診療補助業務、保健指導業務、その他にも場合によってはカウンセリングや禁煙指導も行います。また、予防に対する需要が高まってきたことから、予防, 健康, 食事など幅広い分野で高い知識レベルが求められるようになってきました。

     多くの歯科衛生士が、”歯科衛生士は有能な職業である”と自身と誇りを持って働けるようになるために、私自信もコンプレックスに負けず努力し続けます。

    ~素敵な私たちでありますように~
    長岐 祐子

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