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小飼弾の論弾 #194「Teslaリコールに見るクルマのソフトウェア化と、青くなっていくアメリカ」
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小飼弾の論弾 #194「Teslaリコールに見るクルマのソフトウェア化と、青くなっていくアメリカ」

2021-03-27 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2021年01月19日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2021年03月30日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

    「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
    『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

    2021/01/19配信のハイライト

    • コロナ関連の話題とモデルナのmRNAワクチンについて
    • Teslaリコールの意外な理由と「政治家が代表できていない」問題
    • 「口先番長」トランプとアメリカの「青い未来」
    • プラットフォーマーの問題と「インターネットの最低限の人権」とは
    • Virginの空中発射ロケット成功から考える送電、独裁国家、マイニング
    • 視聴者からの質問に答える「技術進歩と平均給与」

    コロナ関連の話題とモデルナのmRNAワクチンについて

    山路:コメントに「モルカー」って出てるんですけど、モルカーってなんですか、これ。

    小飼:モルカーってね、モルモットが車になってんだよ。それだけでなかなかすごい発想だと思うんだけども、まあ見てくれと言う感じで。まだ山路さん見てないみたいですね。

    「プペル感想会を」(コメント)

    小飼:(笑)、見てないというのか、やっぱりあの80枚買っちゃった人から買い取るべきなんでしょうかね。

    山路:えーと3000円で仕入れて、3500円で売ってるという人でしたっけ。

    小飼:ああ、そうか、ちゃんマージン取るんだ。いやまぁ、それは足元見るよ。300円なら買う。

    山路:いやーそれにしても、オンラインサロンの会員でも、そんなに原価率の高いのって、なんか商売としてちょっと美味しくないと思うんだけど、なんでこの人はそんな借金までしてチケットを、台本か、売ろうと思ったのかねえ。

    小飼:(コメントを見ながら)ありがとうございます。

    山路:あ、どうもありがとうございます。今日の特集はトランプ政権の後始末っていうことと、プラットフォーマーの言論支配っていうのがこれから始まるのかみたいなテーマになると思うんですけど、まずはちょっとコロナ絡みで、軽いと言うとちょっと関係者に失礼なんですが、この話題から。エヴァンゲリオンが再延期になってしまったという(編注:その後、2021年3月8日(月)から公開)。

    小飼:ああ、まぁこれは想定の範囲内でしょう。

    山路:想定の範囲ですかねえ(笑)

    小飼:去年の暮れぐらいから、東京の感染がもうずっとサージしてて、これ流れたなとその時に思いましたよ。

    山路:しかも、東宝と東映と組んで、すごい、ある意味劇場のスクリーン全部押さえてガーッとやるつもりだったみたいですけどもね。そんな、これって延期になって何ヶ月かんなったら、これでリテイクしたりとかするんでしょ……なんかリテイクするよってコメントが出てますけど。

    小飼:えー。どうだろう、でも関係者の皆さんはもう完成しました、後はだから待つだけですっていう風にあちこちで声をそろえて言ってたんですけれども。どうなんですかね。

    山路:以前聞いたのは『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の実写版と言うか、3DCG版試写会、試写会(編注:正しくは予告編)に対する批評があまりにもひどすぎて、ソニックのCGモデルから作り直して映画をやり直したそうですが(笑)

    小飼:それ言ったら、今回の最終話のエヴァンゲリオンが、TV版みたいだったら本当どうしてくれようかね(笑)

    山路:まぁでも、なんかこうたぶんみんなが納得するような終わり方じゃない気がするんですよね、綺麗な、そういうふうに、終わった終わったみたいな、面白かったっていうような終わり方では絶対なくって、何だよこれはって言う人が半分ぐらいいるような出来になりそうな。

    小飼:いや鬼殺隊の皆さんが苦労して滅ぼしたはずの鬼がみんなそこで復活するであろう、無惨すぎて。ありがとうとか、受ける。

    山路:庵野さんは、なんかそういう世の中巻き込んだネタみたいな風にする作風だから、これはなんかなあ、どうなんですかね。

    小飼:でもさ、今まだやってもいないものをディスるというのはさすがに失礼な気もするけども、TV版エヴァでかなり失礼をされたので。テレビの失礼というのも、ずっとずっと取り返しているのが映画版という風に勝手に僕は思ってるんだけれども、どうなんでしょう。

    山路:いやー、最後の最後にやってくるかもしれん。それも含めてまぁ楽しみなんで、あと何ヶ月か、下手すると一年とか、待ちましょうか。

    小飼:一年経ったら何かリテイクしてそうだよな(笑)。さすがに。

    山路:そうっすよね。なんかそういえば、そういうそろそろ決断を迫られるものとしてはなんかオリンピックも。菅首相はやる気満々のようですが。

    小飼:でもなんでだろうね、だからそれが支持率を下げる一因になってるっていう認識ぐらいはあるだろう。

    山路:あるのだろうか? 本当にそうなのかなあ。ちょっと心配になってくるけれど。

    小飼:もうさすがに延期は、もうすでに7割の人が世論調査によると、もうすでに7割の人がオリンピック無理じゃねって言ってるところにさ。勝ち負けだけの問題じゃねえだろう!

    山路:まだ勝っていないじゃないかよっていう、そもそも。

    小飼:その前に、だからオリンピックやるとか言ってる現段階で、まだワクチン認可してない、終わってないんだよね、日本はまだ。

    山路:あー、そう言われてみれば。しかもワクチンに関しても、

    小飼:うん。で、来月末から打ち始めるって言ってるんだっけ、絶対間に合わないよ。

    山路:あとワクチン接種に関して、担当の大臣が河野さん、河野行革大臣になって、

    小飼:意味がわからない、大臣とは?

    山路:大臣とは?

    小飼:大臣とは。

    山路:なんか縦割り行政じゃないところを見せたいみたいなようなことを

    小飼:えーと厚労省って大臣いたよね、すごいいつもへんてこな格好してる人、なんだったっけ、今の日本の

    山路:濃い目の顔をした、えーと田、

    小飼:田村か。田村だっけ。

    山路:田村さん。これって、なんか普通に考えたら厚労省マターじゃないですか。

    小飼:厚労省以外のどこがやるの。

    山路:なんで行革大臣マターになってんだって。すごい、

    小飼:その一方で、だからそうそう、パンデミック担当大臣と行革担当大臣が兼務じゃん。ちょっと不思議すぎるよ、わけわかんないよ。

    山路:わけわかんないすね。

    小飼:わけわかんないよ。

    山路:これは厚労省の大臣が使えねえ奴と思われてるってことなんですか。

    小飼:なんか大臣というものそのものもなんか禅問答みたいになってるよね。大臣って何の仕事だと。

    山路:いや不思議すぎる状況になってますよね。

    小飼:不思議だ。何でパンデミック担当特別大臣と行革担当特別大臣が、がそれぞれに超忙しそうなのが兼務できて、vaccinationの大臣が別にいるわけ?

    山路:ちゃんと連携なんてできるんだろうかって思ったりもしますけどもね。

    小飼:で、だからワクチンください、何ショット分とかって言うの、FAXでやるわけ?

    山路:やっぱFAXでやるのかね(笑)。なんか悪夢ですよね。いや、すごいことになってきたよなぁ。これ、皆さんもこれどういう風に思われますか。ほんとに訳が分かんなくって。

    小飼:で、オリンピックやるとか言ってるわけでしょ。

    山路:さらにIOCの元偉いさん、というのがオリンピックやるかどうかって言うのは国連マターになるんじゃないですかみたいなことを言い始めてて。国連関係ないやろうって思うんですけど、国連マターになり得るんですか、そういうものって。

    小飼:意味わかんないね。

    山路:あらゆることが意味わからないんですけどね。

    小飼:意味わからないというよりも、そもそもオリンピックというのは主催者東京都だよね。だからこの場合最終決定権があるのは都知事じゃないの?

    山路:何かそこんところがオリンピックの開催に関してはいろいろまた契約があって

    小飼:だからNO GOって言えるのは誰?

    山路:なんかIOCらしいんですけれども、いろんな説がありますよね。どっちから言い出しても、結局何か東京都は損するみたいな契約結んでるって話も出てますし。

    小飼:それは十分信じられるけどね。それはとても信憑性あるけどね。

    山路:でもなんか、いい年した大人たちがみんな自分でオリンピック中止は言い出さないようにしてるっていうのは面白い光景ではありますよね。

    小飼:いやだから、どう見てもパンデミックを押さえ込むよりもオリンピックやるの方が重要だという風に受け取れちゃうよね。

    山路:これを施政演説で言っちゃったっていうのもなんだかなって感じがしますけれども。

    小飼:それとも神様仏様コロナ様って願掛ける? 願掛けたり、コロナウイルスに賄賂を渡せばあれなわけ? 賄賂効くの? お得意の賄賂効くの?

    山路:日本の政治家の人たちって、人事でワクチンに対応できると思ってるっていうか、なんかそういう節がありませんか。

    小飼:まあこのあと話出てくるけど、日本だけじゃなかったと言うね、それが。もっと酷い規模で、世界中でそれが起こってると言うね。

    山路:もう一つ、ワクチン絡みでCOCOAアプリの話が。COCOAアプリがダウンロード数がけっこう進んで

    小飼:あ、そのココ、今一瞬考えちゃったというのか、macOSでもCocoaというAPIがあって、

    山路:最近あんまりCocoaって言わなくなりましたけどね。Swift UIとかUIKitなどについては言うけど。

    小飼:ずいぶん昔の話だよな、Cocoa言ってたのは。まだジョブズが存命だった頃だよね。懐かしい。

    山路:で、COCOAアプリ、一応、機能はしてるんだけども、陽性者の登録が進んでないという(笑)。陽性者の登録をこれ保健所がやってるんですかって言う。結局、アプリはできてるものの。

    小飼:これ自分でできるんじゃなかったっけ。ちょっと待って。いちおう入ってはいるのだよね、いちおう入ってはいるのだよね。

    山路:陽性の登録はするんだけど、「政府関係者も保健所がいっぱいいっぱいでアプリの業務に手が回らない」と言うのは何のことを指してるんだろう。

    小飼:いちおう厚生労働、陽性情報の登録というのはあるよな。

    山路:ありますよね。それを受け取った保険所側でなんか処理をしないといけないってことなんですかね。

    小飼:どうなんだろう。

    スタッフ:コードを受け取る、コードがハガキで来るらしいんですよ。そこに入力する番号を(編注:これは間違いでした。正しくは、はがきではなく登録した電話番号、メールアドレス宛にコードが送られてきます)

    山路:ハガキで。

    小飼:要するに、それが政府側の仕事ね。それで実際に陽性と診断された人も、ここで作業しなきゃいけないんだよね。

    スタッフ:そんな感じですね。だからこの人陽性ですよっていうのが保健所に行き、保健所の人がその登録をして、コードを発行したのをハガキで送られ、そのハガキで、

    小飼:その場でQRコードとかを表示して、それを読み取ったらピーみたいな風にはしなかったの?

    山路:ハガキが来るのか

    小飼:その場合、たとえば、それは陽性の段階で出ると思うんだけれども、50人に1人は亡くなるわけだよね。その人の情報って、どうやって登録するんだ?

    山路:それは登録されてないんじゃないすかね、やっぱり。

    スタッフ:どうなんですかね。それは調べてないですね。

    山路:あれ、なんかますますよくわかんなくなってきたな。なんか、そこのデータっていうは結局どういう風に処理されてるのかっていう流れが、考えれば考えるほどよくわかんなくなってきたな。

    小飼:謎い。

    山路:ちょっとすいません、これのことに関しては話題に持ち出したものの、考えれば考えるほどよくわかんなくなってきて、なんとも言えない(笑)

    小飼:ただ実際にコンタクトトレーシングのアプリが役に立ってるという、国が大きなところではなさそうだね。

    山路:シンガポールは?

    小飼:いや、シンガポールは別の話題があるじゃん。これは別目的でも利用しようという。要はコンタクトトレーシングの情報というのは、もう感染予防防止のためにしか使えないようにするっていうのが、GoogleとAppleが合意して詰めたAPIの仕様ですよね。でもシンガポールがやってんのは、違いますよね、国として独自のアプリを作ったわけですね。

    山路:不法入国者を見つけるとかの文脈で使おうとしたんでしたっけ?

    小飼:そうそうそう。

    山路:これ、ただ感染症の対策って非常にそこのところ難しいところが、それこそいろいろ国民に命令ができるかどうかみたいな話なんかにも絡んでくる話ですけども、絶対的な自由、これまでの自由と両立がしないところはあるんじゃないですかと。

    小飼:まぁたしかに自由を中国並みに制限できる、中国並みの押さえ込みができるというのを実例で示したからね。だからあれはけっこうすごい実例です、中国の押さえ込みの仕方っていうのか。ていうか中国の検査能力すごいね。だって人間だけじゃなくて、食い物まで調べてんのよ。

    山路:食い物?

    小飼:はい。で、アイスクリームから見つかったって言ってるじゃないですか。要は、だから食べ物も定期的に検査してますって、すごい検査能力だよね。

    山路:食べ物の検査って、それを検査機に入れて

    小飼:そう、だからサンプルを取って、PCRにかけてるわけですよ。

    山路:ええっ。なんか屋台とかランダムサンプリングしてるって感じなんですか

    小飼:そうそうそう。

    山路:なんでそんなに検査能力があるんだろうなあ。

    小飼:すごいね。

    山路:日本ぐらいの規模だったら、それこそ毎日全国民の検査ができちゃうんじゃないですか

    小飼:日本は検査してなさすぎっていうのは、ずっとそうなのね。だから毎日何人、陽性者が見つかりましたっていうのあるじゃないですか、ぜんぜん信用できない。まるで信用できない。だから全国民いっせーのせでやれなんて言ってないのに、でも申告した人ではなくって、そこの人の向こう三軒両隣はやんないと、それをやって初めてさっき言ったCOCOAアプリみたいなものっていうのも活きてくるわけですよ。COCOAアプリで陽性の人とコンタクトしてたって言ったら、それ持ってけば確実にPCR受けられるっていう状態になって、初めて役に立つものでしょ。でもさあ、COCOAで通知が来たからPCRを受けたっていう人は、藤井太洋先生ぐらいじゃないか。

    山路:え、ほー。

    小飼:藤井太洋先生、言ってなかったっけ。COCOAの通知が来たって。

    山路:感染したっていうんじゃなくて、

    小飼:だからそれ来たら、これ持ってPCR検査を受けてくださいみたいなものっていうのはないんだよね。でも、そこまでやんないと意味がないんじゃない?

    山路:そうですね。

    小飼:だから、しかも自覚症状がない人でも、ばらまく能力がある人たちという。のはいるって言うのが、もう実証されてるわけじゃないですか。今、日本ではPCR、どういう人であれば公的な検査を受けられるんですか? たとえば医療現場の人たちっていうのは定期的に受けてますか?

    山路:それが決まりとしてどうなってるのかっていうのはちょっとわかんないですね。受けてると信じたいがっていう

    小飼:受けてんのかな。

    山路:受けてないわけはないと思いたいが

    小飼:見つかってからでは遅いっていうのはあるんだよね。だから自覚症状を受けてから、出てから検査を受けても、じゃあその間に接触した人たちっていうのは拾わなきゃいけないじゃないですか、だからなるべく早く見つけたい、見つけるのであれば。

    「社会主義省性悪説、民主主義性善説」(コメント)

    山路:って出てるけど、社会主義と民主主義の対立というよりは、どれぐらい監視主義かどうかっていうことだとは思いますけどもね。あとそれにワクチンのことでちょっと関わってくるのが、ワクチン接種証明書っていうのを作ろうという、全世界共通の。あれ、リンクが出ないな。

    小飼:ああ、全世界共通っていうのは、じゃあたとえばアプリで見せっこしたりするという

    山路:そうそうそう。Microsoftなんかが標準規格を作って、そのアプリできちんとQRコードみたいなを表示して、まあそれを見たところがピッと、これこの人ちゃんとワクチン受けてますねみたいなことが確認できるようにしようという規格を作ろうとしてるそうなんですけれども。これってけっこう有効なんですか? 今後、人が行き来する時に。

    小飼:それも使いたがるところはあるでしょうね。要は陰性証明っていうのあんま意味がないんだけども、検査を受けた時点で見つかりませんでしたっていうことまでしか言えないので、その後感染しちゃう可能性っていうのもありますし。で、たまたままだウイルスがそんなに多くないところを検査しちゃったっていう可能性もあるので、陰性証明って言うのはぜんぜんあてにならないんだけども。でもvaccinationを受けたっていうのは、けっこうな効力がありますよ。

    山路:これ自体はけっこういいことと言うか、有効な対策にはなるかもしれないですね。

    小飼:いやだから紙でも出せるようにしてほしいな、それは。

    山路:国際的な形で何かまたやるって言うのもいろいろ、その決まりをつくのは大変そうでもありますけれどもね。

    小飼:いや、だからQRコード印刷しておいて、実データはクラウドに置いといて、そこへのURLをピッてやるとかっていう、いくらでも手はあるよね、それは。

    山路:QRコード、今あるんだから、それは簡単か。

    小飼:Webベースのものを紙化するっていうのはもう屁みたいなもんだから、それは。

    山路:ワクチン絡みで、

    小飼:中国の闇ワクチンって言うけれども、闇だったら、それワクチンかどうかわかんないから。

    山路:あ、生理食塩水かもしれないし(笑)。そんな闇で配るやつとかがちゃんとしたワクチンを配ってるか、そんなに信頼できるかどうかなんてわかんないですもんね。

    小飼:そうそうそう。1本や2本じゃないはずなんだけどな。ワクチンってまとめて配るので。シノバックのやつもそうだったと思うよ。

    山路:これからワクチン接種が広がるって事を期待して、イギリスの航空会社がワクチンを打って旅行に行こうという広告を出して炎上したという(笑)、ちょっと気の早いニュースが

    小飼:まだ気が早いよ。

    山路:もうちょっと、もうちょっと君ら待てんのかっていう(笑)

    小飼:しかもWHOは先進国が独占してるというのは倫理的にどうよっていうツッコミまでしてるじゃん。余計あれだよね。っていうのがさ、そもそも日本、いつ認可するんだよ。

    山路:これってアビガンとかの認可、速かったじゃないですか

    小飼:アビガンは流れたじゃん。

    山路:流れたけど、そのプロセス自体は、承認プロセスはえらい速かった感じがするんですけど、ワクチンとはやっぱりその辺の承認プロセスも違ってくるせいなんですかね。

    小飼:どうなんだろうね。日本の場合、ワクチンどれくらい治験しなければいけないのかね。

    山路:非常事態だから、どれぐらい突貫でやるのかもなんかよくわかんないところではありますね。

    小飼:よくわかんないね。だから、2月下旬とかって言ってたら、もう本当に明日にでも認可しないと間に合わないんじゃねって、素朴に思うんだけど。

    山路:2月下旬のやつ、これ治験とか言ってますが、治験ではいくらなんでも遅すぎますよね。

    小飼:遅すぎるよな、それは。

    山路:イスラエルってもう5人に1人は接種済んでるそうです。

    小飼:そうそうそう。だから、それでワクチンでパンデミック抑え込めるかどうかっていうのも、だから早く見たいんだよね。だから、もう全世界がイスラエルはどうなるのかっていうのを見守ってる状態だよね。でも効いてきてるというニュースがちらほら入り初めて。

    山路:ただ高齢者で、しかも既往症とかある人にとってはそれなりにリスクが高いっていう話も出てきてはいますけれどもね。まぁでも本当、今のところ、そういうワクチンっていうのがいろんな意味で期待になってるから。

    「G40で世界的にワクチンを普及させる的な宣言」(コメント)

    小飼:いや、イスラエルは本当に札束で、ファーマの頬をバシバシッっていうふうにやって早く持って来させた。

    山路:しかもトランプ政権と仲良かったから、その辺のルートも

    小飼:いや、トランプ政権とはあんま関係ないでしょうっていうのも、たとえばファイザーはとっても仲が悪かった。

    山路:あ、そうかそうか(笑)。国からの金もらわないでってやつで

    小飼:そうそう、Operation Warp Speedっていうのやってたけど、対象外だったからね。と言うか、政争のとばっちりを受けないようにしてたからね。そこはさすがファイザーだねっていう。

    山路:ワクチンの話でもう一つ、このモデルナのmRNAワクチン、あれって言うのがもうさっそく別のことに応用しようという話まで、もう出てきてるらしくて。インフルエンザとかHIVとかに。

    小飼:ていうのか、今度こそ一般風邪のワクチンもできるって言うところまで、ほんと、mRNAワクチンの一番いい所っていうのはもう開発速度。シークエンス出来たら完成したも同然だから。

    山路:ソフトウェア開発プロセスに近い感じですよね。

    小飼:そう、だからコード読んじゃえば、もうすぐにできますって言う。

    山路:これって人間の細胞に特定のタンパク質を作らせるわけじゃないですか。それっていうのは、ウィルス系の疾患にはほぼ効く感じになっちゃうんですか? あ、抗体ができるものに関しては。

    小飼:抗体が効くものであれば、何でも行けるはずだよね、原理的に。

    山路:エボラ、あ、エボラはまだできてないんですか?

    小飼:エボラはついにワクチンできた。だから、もちろんmRNAワクチンじゃないけれども。

    山路:そういう応用とかも、ちょっと変えたらエボラにも対抗できたりとか、そういうこともできる可能性が。

    小飼:できる。本当にシークエンスさえあれば出来ちゃう。いや、間違いなく取るでしょう、mRNAは。はい、何人で取るのかっていうところまではわかんないけど、これでノーベル賞出なかったら、ノーベル賞の方がモグリだわ。なんだけど、やっぱり実際に効くところを見たいじゃん。たぶん、その効くかどうかっていうのが一番最初に出てくるのはイスラエルなんだよね。だから早く結果見せて

    山路:これ、どれぐらいできちんとした結果が出たと判定できるものなのかな、死亡率がもガクンと

    小飼:死亡率ではなくって、やっぱり感染率。だから、感染者がそれでググッて減少していけば。

    山路:もういちおう証拠にはなるわけか。

    「こんなシンプルな原理でいいのか、驚愕」(コメント)

    山路:mRNAワクチンのことですよね。

    小飼:でしょ? だから、むしろ知ってる人の方が驚くと思います。で、その辺の話というのは前回やったんだよね、かなり。モデルナのやつがどうなってるのかというのが謎として残ってたじゃないですか。だから、何でファイザー・ビオンテックのワクチンほど冷やさなくてもOKなのかとかね。

    山路:それはなんか新情報ってありました?

    小飼:なんか脂質の膜で覆ってるみたいな事言ったような

    山路:要はワクチンが、細胞に入れる時、細胞がすっと受け入れられるかどうかの、その仕組?

    小飼:細胞が受け入れられるというよりも、ほっといてもぶっ壊れるんですよ、RNAというのは。前にも言ったように、RNAって言うのは単に情報やり取りするだけではなくて、酵素としての作用も持ってるって言ったじゃないですか。ほっときや壊れるんです、RNAと言うのは。ほっとゃ壊れるし、しかも細胞の外のRNAというのは、基本どの生物も積極的にブッ壊そうとする。自分以外の遺伝物質というのは細胞の中には入れないのが基本だから。それをどう防いでいるのかという。

    山路:いや、でも本当夢のある技術だけれども、本当怖いっちゃ怖いよなあ(笑)。

    小飼:モデルナのはなんか保護膜があるみたいね。で、ファイザー・ビオンテックのやつはそれに見当たるのが存在しないので、生mRNAというのか、mRNAって言ってもウラシルを、シュードウラシルに変えてるんだけれども。それは置いといて、でも要は化学的に安定なマイナス80度まで冷やしてっていう。

    Teslaリコールの意外な理由と「政治家が代表できていない」問題

    山路:まぁなんかその辺のところもすごい特許で守られたりするんでしょうけどもね。じゃあちょいとワクチンから離れて、Teslaの話がけっこう

    小飼:こんな、こういうところがsloppyで、こういうところがもういかにもアメリカンだなーって、思いました。

    山路:Teslaの話?

    小飼:Teslaの話。

    山路:Tesla、けっこうな規模のリコールになったわけですよね。

    小飼:だからリコールしなさいと言われている。

    山路:ああ、まだしてないのか。しなさいか、リコール要請か。15.8万台。この理由っていうのがけっこう

    小飼:でも割と車のリコールっていうのは最近はけっこうカジュアルに出されてるし、カジュアルに応じてるしで、それ自体は別に恥ずかしいことじゃないんだよ。

    山路:で、Teslaって今までソフトウェアでアップデートしていろいろ機能追加していたりもしたじゃないですか。ファームウェアアップデートして、それこそ呼んだら来るような機能、後から付けたりとか、自動運転の機能追加したりとか。なんで、これリコールだったら、ソフトウェアアップデートとかで出来ないものなんですか?

    小飼:いや、だってそれはフラッシュに寿命が来ちゃうっていうんだもん。

    山路:そういうリコールなんですか、これっていうのは(笑)

    小飼:よくRaspberryPiというのは皆さんご存知ですよね、これくらいの大きさで、安い割にはいろいろ使えるコンピューターなんですけども、それってシステムをmicroSDに焼いて使うんですけれども。一番故障するのがそこなんですよ、RaspberryPi。

    山路:え、メモリーが飛んじゃうっていうこと? メモリーの内容

    小飼:要はどういうことかって言うと、書き込めなくなる。何で書き込めなくなるかって言うと、フラッシュメモリーには書き込み回数の制限があるんですよね。容量が大きくなればなるほど、じつはそれも少なくなってくんですけれども。

    山路:割合的に?

    小飼:そうそう。

    山路:確率的に。

    小飼:確率的に。で、Teslaの問題になったやつっていうのは、1メモリーセルあたり、だいたい2、3000回繰り返して書くとって言うんですけど、それであれば、もし均等にメモリーセルを使ってたら、それだけ寿命が伸びるんですけど、それをウェアレベリング(wear levelling)って言うんですね。で、SSDはどうやってるかって言うと

    山路:SSDって、言ってみたらハードディスクに見せかけたフラッシュメモリってことですよね。

    小飼:そうです。そういったものというのはウェアレベリング、ちゃんとしてるんです。じゃあどうやってちゃんとしてるかっていうと、中にコンピュータ積んでるんです。

    山路:SSD側にファームウェアがある。

    小飼:そう。SSD側に、単なるファームウェアでなくって、ちゃんとまっとうなCPUから何から何まで積んでるんですよ。サムスンのやつとかって、トリプルコアって言ってますよ。何でトリプルなのかわからないですけど、トリプルコアのARMプロセッサが入ってるんです。

    山路:ほうほう。

    小飼:他のSSDも似たようなもんです。なんだけども、SDカードとかっていうのは特にやってないと思うんですよね。で、SDカードとかに書くものっていうのはムービーとか、そういう大きなファイルを少しっていうのが多いじゃないですか、そういったものというのはじつはあんまりウェアレベリングしなくてもいいんですよ。

    山路:頻繁に書き直したりしないから。

    小飼:ところがOSというのはとても同じところを頻繁に書くんですよ。

    山路:ふーん。読み出すだけじゃなくて

    小飼:そう、それはだからウェアレベリングの場合、どうやって解決してるかって言うと、OSの方では論理的にストレージを区割りして、このブロックにこれを書きなさいって言ってるんですけども。
     でも論理的なブロックと物理的なブロックというのを分けてるんですね、ウェアレベリングの場合っていうのは。それで論理的に同じところに書けって言った場合にも、物理的には別なところを利用するようにしてるんですよ。そういった工夫っていうのはもうmicroSDとかではあんましてないんじゃないかと。そうするとOSみたいなものというのをそこに入れると。

    山路:よく使うとっていうことですか、壊れちゃうという風に。

    小飼:で、だからそれはじゃあストレージ側でやってなかったら、OS側でやるって言うのも当然可能で、Linuxとかはあるんですよ。要はストレージの側にウェアレベリングに機能がなくても、OSのファイルシステムの方でウェアレベルにするように。あとコピーオンライトなファイルシステムっていうのは、まあZFSですとかAPFSですとかっていうのは、自然とウェアレベリングがなされるような書き方をします。だから、同じブロックを上書きした場合っていうのも、新しいブロックを作ってそこに書いて古いやつというのを無効にするっていうやり方をするので。

    山路:TeslaのOSっていうことはそういうことには対応してなかったってことなんですか?

    小飼:対応する以前もですね、でもいくらウェアレベリングしても、ウェアレベリングが有効だというのは、要はストレージのブロックが均等に使われるからであって、ウェアレベリングしてても、少しずつ寿命に近づいてるわけですよ。容量が少なければ、それだけ寿命も短くなるんですけど、普通のSSDでも聞きません? 容量が大きい方が寿命長いですよっていうの。それが理由なんです。で、今回Teslaの問題になったやつがどれだけかっていうと、8Gですよ、たった8Gですよ。今時コンビニで1000円しないようなやつだって、32Gありますよね、8ですよ。

    山路:私のMacBook Air、2TBですからね(笑)。

    小飼:たぶん、人の寿命よりも長いんじゃないかな、それくらい。でも本当に、メモリーセルの書き込み制限っていうのはほぼ唯一の泣き所で、それ以外は本当に機械的故障とかっていうのもほぼ皆無じゃないですか。何せ、どれくらい強いかって言ったら、砲弾の中に入れてもぜんぜん壊れないぐらいですからね。なので、今時は飛行機に積んでるよボイスレコーダーだとかフライトレコーダーだとかっていうのもフラッシュメモリ化してます。

    山路:これはしかし、それはつまりテスト設計者が、設計者っていうかがメモリを安くするためにケチっちゃったってこと?

    小飼:ケチったというよりも、要はクリティカルな部品ではないと。どうしてクリティカルでないかって言うと、今回問題になったのは、普通の車であればカーナビ相当の部分。

    山路:情報系と言うか

    小飼:そうそう

    山路:駆動系ではない

    小飼:普通の車でたとえば、カーナビが何らかの理由で故障しても、それは許されるでしょ。少なくとも、その車全体のリコール対象という風にはならないと思います。ましてや普通の車の場合というのは、最近の場合、メーカーの純正のやつからは交換できないのが増えてきましたけど、うちのCX3も、プリウスもそうですけれども、そうでなくてサードパーティーのやつを入れられるやつだっていっぱいあるわけですから。
     要は車とは別物だ。アクセサリーという認識だったんじゃないですかね。でもじつは、そこを通してオートパイロットのオンオフとかもできるわけですよ、車のロックアンロックとかもできるわけです。だから、それはもうクリティカルな部品だし、クリティカルな部品であれば当然リコールするようなって言う。

    山路:もう本当に操作のための画面が見えんかったらどうしようもないだろっていう

    小飼:そうそうそう。

    山路:パソコンの他の所が壊れてなくても、画面が消えたらどうしようもないだろうみたいな。

    小飼:このあいだ別件ですけど、AWSが死んだらNature Remoという、インテリジェントリモコンが一緒に死んだという。だから、それに似てますね、似てるといえば。要は一見ノンクリティカルなものだけれども、実際のところクリティカルだったと。Nature Remoが死んだおかげでエアコンがオンにできませんって。

    山路:私もちょっとNature Remoを使ってて、

    小飼:あ、そうなんだ。

    山路:あ、いやそんな頻繁じゃないんで、ぜんぜんダメージも受けてないんですけれども。それにしても、何て言うか

    小飼:そう、どこがクリティカルかっていうのが分かりにくくなってるよね。

     
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