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小飼弾の論弾 #218 「混乱の2021年振り返りと、年末年始に読みたい本『プロジェクト・ヘイル・メアリー』」
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小飼弾の論弾 #218 「混乱の2021年振り返りと、年末年始に読みたい本『プロジェクト・ヘイル・メアリー』」

2022-01-04 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2021年12月21日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2022年01月11日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

    「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
    『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

    2021/12/21配信のハイライト

    • 「『マトリックス レザレクション』は同窓会?」と「横領ビットコインが値上がり」
    • 「役所の中の消しゴム」と「無形のものに金を払うという習慣」
    • 年末年始はこれ読め『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
    • 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ネタバレなし紹介続き
    • 「リチウム空気電池の可能性」と「太陽の温度の不思議」
    • 「1000本足のヤスデ発見」と「アンチエイジングか義体化か、あるいは女体化か」

    「『マトリックス レザレクション』は同窓会?」と「横領ビットコインが値上がり」

    山路:今日は、2021年の振り返りと、あと冬休み中に読んでおきたい本っていうようなことなんですけど、とりあえず最初、(パンフレットを見せながら)これから行きますかと(笑)。

    小飼:わりと年末年始、

    山路:年末の、クリスマス映画の一つ。弾さん見ました?

    小飼:見ました、はい。

    山路:どうでした?

    小飼:どう、えーとね、最初の『The Matrix』がいかに偉大な作品だったのかというのが、とてもよくわかりましたね。

    山路:弾さんにしてはこう、奥歯に物の挟まったような(笑)、

    小飼:あの、英語で言うと、英語には、そうですね、Victim of his/her own successっていう言葉があるんですけれども、要するに自分自身の成功の犠牲者、

    山路:あっはっはっは。

    小飼:はい。

    山路:それ、えーと要約するとあんまり『レザレクション』のほうは褒めてないっていうことになるんですかね(笑)。

    小飼:えっとね、でも、もう作りたくなった気持ちというのはとてもよくわかったね。

    山路:まぁその、弾さんが言葉を選びながらこう言ってるのも、なんか私もさっき見てきたばっかりなんで、

    小飼:今日見てきたの、もしかして?

    山路:今日、ついさっき見てきたんですよ。決してクソ映画ではないんですよね。何て言うのか、作り手はかなり誠実に作ろうとしてるのはよくわかる。

    「蝶ネクタイ素敵ですね」(コメント)

    山路:ありがとうございます。で、これ何て言うのかな、この映画で第4作のテーマとして何か作り手がやりたいことはよくわかるんですよね。中高年男女がある意味やり直すみたいな、

    小飼:そうではなくって、ウォシャウスキー兄弟というのが、今回は兄弟ではなくて、姉だけ、姉のほうがやってるんだけど、が『The Matrix』で何をやりたかったかって言ったら、物語りたかった。

    山路:物語りたかった?

    小飼:物語りたかった。だから、1だけじゃなくて2も3も出来て、2と3を見た人たちが「あれ? 何?」って言ったんだけど、物語りたかったんですよ。

    山路:作り手はちゃんとそういうナラティブっていうか、ストーリーを作り手見せたかった?

    小飼:なんだけれども、『The Matrix』と言えば、あれだろう、バンバンバン、これでしょう。Guns. Lots of gunsっていうやつですね。

    山路:バレットタイム。

    小飼:バレットタイムっていう。

    山路:で、なんていうか劇中でも、それを自虐的に言ってるとこがあったじゃないですか。

    小飼:そうなんですよ。

    山路:かなり今回、自虐ネタが多かったかなというイメージがあって、

    小飼:そうなんだよね、自虐的というよりも、自嘲的でもあるよね。あのね、結局、でもやっぱり映画である以上は、やっぱり絵を見せてなんぼ、だと思うんです。これ、僕は多分、この番組で映画評とかアニメ評とかする時に必ず言ってると思うんですけれども、いやだからストーリーがクソでも、絵で見せる、見せ場があるんだったら、もうそれはそれでいいじゃないかという。

    山路:ちなみに今回の『レザレクション』は絵的にはいかがでした?

    小飼:うん、そこなんだよね。『The Matrix』の頃というのは、1080pですらなかったわけです、DVDだったんですよ。Blu-rayなかったんですよ。
     で、今お家でも4K、我々の視聴環境っていうのも上がってて、やっぱりハイレゾになっていて、当然見る側も変わってるんですよね。もう22年でしたっけ、最初のやつから。いや、だからやっぱりそれは、もっときっちり使ってほしかったなと。

    山路:うんうんうん。なんかね、悪くはないんですよね、映像的にも、べつに。ただ、やっぱり1作目ほどの最初に見た驚きは少なかったかなというところはありますかね。

    小飼:と言うのか、最初の『The Matrix』は、本当に絵も凄かったけども、でもあのすごい絵というのが当たり前というのか、わざわざ映画として、本当に1秒のカットのために1週間コンピューターをぶんまわしてっていうのをやらなくても、もうPS5、1個でできちゃう時代が来たわけじゃないですか。

    山路:何か、もう少し時代に合わせたアップデートっていうのが欲しかったかなっていうのは、欲張りな要望かもしれないですけどね。

    小飼:アップデートはしてるんですよね、だから、『The Matrix』の頃というのはさ、本当皆さん音声通話してたんだよね、あんなウザいコミュニケーション手段をとってたんだと。そこはちゃんとメッセンジャー、textingになってますね。

    山路:まぁ、本当、けなしまくるというほど、なんかディスるわけではないんだが、いいところもいっぱい映画ではあるけどね。

    小飼:多分、一番ウケた批評としては「同窓会に行ってちょっとバツの悪い思いをした」みたいな(笑)、評判があったんですけども、逆説的に僕はそうか、同窓会というのはそういうものなのかと、僕、同窓会というものを全く知らんので。

    山路:なるほどね(笑)。

    小飼:そうか、同窓会というのは、こういう感じに酸っぱいものなのかなというのが、逆説的にわかった。

    山路:ちなみにちょっと話ズレますけど、アメリカの大学生っていうのは同窓会やるんですか、普通に?

    小飼:もちろん、それに相当する英語というのはあります、reunionっていう言葉がちゃんとあります。

    山路:あるはある。

    小飼:あるはあるけれども、そもそも僕は中学すらろくに通ってない(笑)、大学は、それで一つ思い出した、よく考えるとあれだ、僕は実家が焼けぽっくりになってから、今日でぴったし30年じゃないかな。

    山路:ああ、えっと、それでおめでとうございますって言えばいいですかね(笑)、なんか、記念というのか、

    小飼:記念というのもあれだけれども。30年も経ってたんだ。

    山路:『マトリックス』から20数年、弾さんが家焼けてから30年、なんか色々、人に歴史ありみたいな感じになってきましたけどもね。

    小飼:でもさ、よく考えたらさ、今年は『エヴァ』が完結した年でもあるんだよね。その意味ではすごいね。

    山路:色々なんかね、ケリをつけたのは本当に庵野監督、偉かったなと、きちんと終わらせたなと。

    小飼:だからなんと言えばいいのかな、その点、作り直す人としての能力としては庵野監督のほうが上というのか、庵野監督がいかにすごいかというのが、だってメイクしてる作品よりリメイクしてる作品のほうが多いんだよ。『エヴァ』だけじゃないじゃん。

    山路:弾さん、庵野秀明展も行ってましたね。

    小飼:行きました、はい。行ってきました。うん、いやだからそれで改めて気付かされた、本当この人のリメイクばっかりしてるなと。だから、ある意味、オリジナリティに対するこだわりは意外と薄い人なんだよね。

    山路:何か、好きなものをうまく見せるっていうところにこう本質的な強さがあるのかもしれないですよね。

    小飼:だから、そういった意味では、自分のオリジナル作にハマってしまった人たちっていう点では、ウォシャウスキー兄弟も、庵野監督も共通しているわけじゃん。

    山路:なんかもうウォシャウスキーと言えば『マトリックス』みたいな感じになっちゃいましたもんね。なんかそれを、本当は確かに超えるのは難しいかもしれないですよね。じゃあ、『マトリックス』の話はこれぐらいにして。

    小飼:いや、でも元が取れる作品ではあるので。

    山路:見て損するってことは全然ないですよね。それはやっぱりみんなが『マトリックス』への期待値が高過ぎるっていうところはあるかもしれないですけど。

    「ウルトラマン見る?」(コメント)

    山路:『シン・ウルトラマン』のことですかね、『シン・ウルトラマン』できたら見に行きますよ、勿論。

    小飼:そうよ、だから『ウルトラマン』と『仮面ライダー』と、しかも『ゴジラ』もリメイクしてるわけですから。だから、(ウォシャウスキー姉妹に)他の作品やらせたら面白かったかもしれないですね、例えば例えば実写版『AKIRA』とかね。

    山路:ああー、それは見たいかもしんない。

    小飼:そういう方向に行ったら、庵野監督と同じ方向に。

    山路:実写版『AKIRA』ね、なるほどなるほど。

    「去年の12月の本だけど、山路さんと小飼さんの、『超訳お金理論』買ったよ」(コメント)

    山路:ありがとうございます。

    小飼:ありがとうございます。

    山路:お金の話っていうのは、ますますあそこに書いてあることはどんどん当たってきてるというか、

    小飼:まぁ確かに今年はお金の話題が多かったなっていうのが、もっと多くなるはずだったのになぁ。

    山路:ああ、もらえるってこと?

    小飼:そう、だから去年はみんな10万円もらったし、個人で事業やってる人はだから100万か200万もらったわけじゃん。

    山路:それにしても給付金ゴタつきましたよね、クーポンにするか、

    小飼:ゴタつきましいたって、だったまだ出てないじゃん、まだ出てないし、だから今度はお子様のいる家庭だけだからね。
     だから今年は日本ではお金が出なかったけれども、世界的には結構色んなところでお金が出るとか、イーロン・マスクが凄いね、

    山路:これ行っときますか。

    小飼:11 billion dollarsっていうのは。

    山路:えーと、このツイートでいいのかな。

    小飼:払うよと、だからあくまでも払うよなので。

    山路:110億円でしたっけ、110億ドル?

    小飼:日本円に直すと、

    山路:1兆?

    小飼:1兆2000億ぐらいですね。兆円オーダーです。いや、だから一応、個人の資産の時価総額も、10 hundred billion dollarsぐらい、要するに30兆円ぐらいあるので、だからそこから見たら、これでも小さな金額です。でも個人が単年で、しかも2桁billion、dollarsでね、日本円で1兆円を超える納税をするっていうのは、

    山路:これって史上最大の納税者ってことになったりするのかな?

    小飼:多分。

    山路:多分。

    小飼:なぜ多分っていうかって言うと、アメリカの税務当局は連邦のやつも、州のやつも、そういうのはdiscloseしないんですね。

    山路:ふーん。

    小飼:いや、だからトランプの納税額というのもずっと伏せられてたわけじゃないですか。今は日本でも、ある程度はそうだと思います。長者番付がなくなりましたからね。ちなみに僕、それやった最後の年に載っちゃって。だから、そうしたらなんか、墓のダイレクトメールがいっぱい来たという、

    山路:全然嬉しくないな(笑)。

    小飼:全然嬉しくない(笑)。

    「弾さん痩せたなぁ」(コメント)

    小飼:いやまぁ、でもえーとですね、それを言うと、去年がだから夏から冬にかけてガーッと痩せて、多分今年はだから、ずっとプラマイ1キロぐらいというのを行ったり来たりするぐらいだと。

    「山路さんがぽっちゃりして見える」(コメント)

    山路:大きなお世話ですよね(笑)。

    小飼:あっはっはっは。

    山路:まいったよなぁ(笑)。

    小飼:ソニー生命の、そうだ、ソニー生命の話も。のニュースは?

    山路:えっと170億円の、違う、なんだっけ、

    小飼:横領の話。横領したお金でビットコインを買ったところを値上がりしちゃったというね。今のところFBIが差し押さえているんだけれども、これ戻ってきた時にどうなるんだという。

    山路:あ、これか。悠々自適な生活がしたかったって、自供してるってやつ? これかな。170億円、へええ、これか。

    小飼:ちょっと日本の場合、僕もわからないですねって言うのか、えっとですね、じゃあ類似の事例として、借金払えなくなりました。払えなくなったので、抵当物件を差し押さえされました。ですが競売をしたら、その借金以上のお金になりました、こういう時にどうしたらいいですか? はい、例えば1億円借りてて、返せなくなりましたと。資金繰りが詰まってしまいました。当然この場合は貸し手は抵当権を行使して、物件を差し押さえるわけですね、ここでは不動産ということにしておきましょう。ですが、売ったら1億3000万になっちゃった。こういった場合、何が起こる?

    山路:え、その債権者がとって、それで万々歳で終わるわけではなく?

    小飼:はい、債権者はそれ全部持っていけません。

    山路:ほー。

    小飼:だから、あくまでも金銭貸借契約の範囲内の利子を取った残りの分というのは、債務者に戻さなければいけない。

    山路:で、それから債権者への手続きというかが始まると言うか。

    小飼:でもね、大抵そういった場合というのは、だから競売にかかる前に本人が売るんだよね。往々にしてそういうことがあり得るというのは、実は僕もそういう、それに近い体験をしたことがありまして。どういうことかと言うと、だからまず債務者が亡くなってしまいました、僕がお金を貸してた相手が亡くなってしまいました。ですが、遺族はそれに対して債権放棄をします。で、ごめん、債権放棄じゃない、債務放棄、要するにだから借金は相続しませんっていうのはできるわけです。だからそうすると、じゃあその残りの借金をどうやって清算するかっていうと、管財人任せになるんですよね。

    山路:じゃその人の胸先三寸で変わる?

    小飼:胸先三寸でもないです。だからじゃあ何でこういった場合、ごめんなさい、今債務債権って言いましたけど、相続放棄という言い方が一番いいです。相続放棄するかって言ったら、返せないから。だから返せない場合というのは相続しませんでいいんですよ。なんだけれども、だからその場合は残ったものを一切合切っていうのは、もう手付けられないわけですよね、遺族は。だからこの場合は、管財人さんに任されるわけですけれども。実はその方は、不動産を持ってて、

    山路:管財人が?

    小飼:管財人がというのか、その亡くなった方。だから僕がお金を貸してた相手が亡くなったと。じゃあ僕はどうやってお金を返してもらえればいいかって言ったら、その財産を相続した人ですよね、でも財産を相続した遺族は相続放棄をしてます。だからこの場合はいったんは管財人の管理下に置かれるわけですね。

    山路:その人が競売とかの処理を行う?

    小飼:はい、それもだから勝手に競売をするとかではなくって、だからまず任せますというのに一筆入れなければいけないんです。で、任されたら任されたで、今度は均等に債権を回収したら返済しなければいけないんですよね。だから、例えば合計で、まぁわかりやすいところで、1億円としましょう。うち、僕が半分を貸してました。でも、半分を貸してましたって言ったら、例えば、それで回収できたのが5000万だったら2500万ずつ返すっていうことになる。で、その場合は、相続した人が、それで実際にその財産をどういうふうにするのかっていうので計算があったんですよ、だからすぐには処分できなかったんですね。なんですけれども、それが全部解決して、じゃあいよいよ、残った財産を現金化しましょうってなった時に、たまたま物件が値上がりしたんですね(笑)。

    山路:だけど遺族は相続放棄はもうしてる、手続きはしちゃってるんですよね?

    小飼:してるの、そう、だから遺族はもう手を出せないわけ。だからこういう場合に何が起こるかって言うと、管財人のところに大きなお金が行って、それで比例配分されると。

    山路:遺族も含めて?

    小飼:そうそう、

    山路:あれ?

    小飼:遺族は含めない、

    山路:含めないわけですよね。

    小飼:含めない、だからあくまでもその場合というというのは、例えば1億円をあってそれが1億2000万になっていた場合というのは、だから5000万貸してた人というのは6000万円受け取れる。

    山路:そういう場合は得するわけだ。金、貸してたほうが。貸してた分だけじゃなくて。

    小飼:実際にだから、利息とかっていうのまで計算しちゃうと、得したとは言えないんですけども、でもそれでも、それでもかなりの額戻ってきてびっくりしましたね。

    山路:しかし遺族は相当悔しかったやろうなっていう。

    小飼:え、それはないと思う。

    山路:つまり相続放棄してなかったら、なんかもしかしたら、

    小飼:いや、だからそういう厄介なことっていうのを全部やるの、そういう厄介ごとに巻き込まれなくなって、でも結局のところ、じゃあ仮に遺族も相続放棄してなかったとしましょう。その場合というのは、債務も相続するわけですよ。

    山路:得になるかどうかはわかんないか。

    小飼:だから、その債務の分っていうのは差っ引かれるわけですよ。だから、さっきの話で言うと、トータルで1億だったものというのが、その時には5000万になったけれども、全部ケリが付いた時に、1億3000万になってたとしましょうと、その時は3000万しか残らないです。残せないです。
     なんでこんな長い話をしたかというと、もし、その170億円、だからちょろまかしたソニー生命の中の人殿が、だから全部日本でやってたら、そういうふうになる可能性っていうのは少なからずあったみたいです。

    山路:ほー、なるほどね。

    小飼:ただ、今回、海外の資産で、海外の子会社だったかな、清算した時に、それを業務として自分の会社のところに戻さないで、自分の口座に振り込んで、そこでビットコインを買ったと。今それはどうなってるかって言うと、FBIが差し押さえているそうです。だからこうなる、え、こういうケースの場合どうだったっけというね。

    山路:それって、すみません、これってその会社に全額戻して、さらにその、

    「財産管理人ね」(コメント)

    小飼:49番さん、ありがとうございます、僕、この辺の言葉が凄い舌足らずに、

    山路:それって罪を償って、なおかつ余った儲けが出てる分みたいなのがあった場合にどうなるのか、

    小飼:アメリカの場合というのは、犯罪の結果得た果実というのは没収しちゃっていいことになってますから。だから、一番極端な例の場合というのは、アンクルサムが全部持っていきます。
     ま、この場合、たぶんソニー生命にも戻されるとは思いますけど、でも一度やっぱり横領されたお金がスイスに送られて、スイス当局は、日本の皆さんはいつ返還を命じてくれるんですかって言って、結局それで時効が来ちゃって、スイス当局の懐に入っちゃったっていうのもありますね。ちょっとこのケースの場合、僕もわかんないです。

    山路:この事件って、なんか送金した翌日にもうばれたんじゃなかったでしたっけ? 何かそんなような事件わら、

    小飼:そりゃそうでしょう。

    山路:っていうか、なんか金額のわりに荒すぎやしませんか、手口が(笑)。

    「ネクソン悔しいだろうな」(コメント)

    山路:ネクソンってなんです?

    小飼:日本の会社でビットコインいっぱい持ってたとこじゃない? ですよね、はい。

    山路:いや、なんか金額の大きさの割に、なんかザルな、すごい大味な感じの事件でしたよね。

    「スイスは逆利子で預金を奪われていくし」(コメント)

    山路:逆利子?

    小飼:まぁ要するに、

    山路:マイナス金利みたいな?

    小飼:マイナス金利、うん。今、一般口座だと、逆金利ついちゃうことって珍しくなくなっちゃいました。

    山路:一般口座でも?

    小飼:うん、日本ではまださすがに、まだ一般人用のはそこまで行ってないですけれども。

    山路:へええ。

    小飼:海外の富裕層向けの口座とかだと、キャッシュ口座というのはそこに置いとくだけだとネガティブ金利が。

    山路:じゃあゴルゴ13も、もうスイスに預けておくわけにはいかないわけだな。

    小飼:スイス銀行ってどこにあるんだよって、

    山路:ゴルゴ13で、なんかスイス銀行、有名になりましたよね(笑)。

    小飼:で、かつてスイスというのはゴルゴ13の御用達になるぐらい、顧客の秘密は全く言わなかったんですけれども、結局アメリカに折れるような形で、犯罪が絡んでいる場合というのは、開示も辞さないと。何しろナチスが絡んでいたので。

    山路:そこが突破口になったというか。

    小飼:そうです、そこが突破口になったわけです。さすがにユダヤ人からカッぱいだ財産をそのままにしとくわけにはいかないだろうと。だから、お前そういうふざけたことをしてると、制裁下すぞボケって、アメリカが言ったところ、折れたわけですね。

    「役所の中の消しゴム」と「無形のものに金を払うという習慣」

    山路:国際世論がもう黙っちゃいないっていう感じがあるだろうしなぁ。じゃあちょっと、振り返りも含めて、というか統計の(笑)、統計の話しておきますか。

    小飼:どの統計の話?

    山路:ちょっと待ってくださいね。なんか、2021年の振り返り、日本に関することって、ヤなこと多すぎやしませんかと(笑)、

    小飼:はー。

    山路:これ、またですよね、しかも、この統計って、今回の最新のニュースは、

    「何でも鑑定団でたまにあるやつ」(コメント)

    小飼:あーなるほどね、その喩え、うん。その喩え、いいな。

    山路:で、この建築統計が改ざんされとったという、

    小飼:いや、しかもその改ざんのやり方っていうのもさ、いや、でもすごいな、毎月1兆円を超える分というのが消しゴムされてたわけか。『頭の中の消しゴム』って作品なかったっけ?

    山路:ありましたね(笑)。

    小飼:役所の中の消しゴム? (笑)。

    山路:しかもこれ、なんかあんまり影響ないみたいなことを政府は言ってませんか? 毎月1兆円とかのズレあったら、相当影響あるような気がするけど、気のせい?

    小飼:「大丈夫、致命傷だ」ってやつじゃないの、これ?(笑)。

    山路:これ、建築の統計、元データないって言うけど、それを昔のことを改めてヒアリングするみたいなことをすることになるんですか、その建築業界とかに。何年か前の、

    小飼:いや、わからない。そもそもこれで誰もペナルティ食らわないっていうのは、さすがにまずいよね。これ、忍者と極道の世界だったらさ、物理的に首が飛ぶ話だよね。まぁでも極道しか狙わないのか、忍者は。

     
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