• インセイン 自作シナリオ「スレッジハンマー・ベイビー」

    2017-01-28 11:34
    ※この記事には、シナリオのネタバレにつながる情報が多大に含まれております。ご注意ください。

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    予告
    いつもの帰り道、あなたが角を曲がると、そこはいつものようでいつもではない街だった。
    緩やかに流れる夕暮れ。道路には車も人もない。風はなく、空気がまとわりつく。
    背後の遠くで、赤ん坊の泣き声が聞こえる。

    この街には、とある噂があった。
    黄昏の中迫る、無慈悲な殺人鬼。赤子の泣き声が聞こえたとき、あいつはやってくる。
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    シナリオ情報
    使用ルールブック:1,SCP(ストレス使用のため)
    アビリティはデッドループ使用可。
    PC人数:1人
    サイクル数:5

    パニックホラーシナリオです。
    閉ざされた空間。謎の言葉を残す登場人物。恐ろしいモンスター。
    特に、モンスターは私が恐ろしいと思うものを詰め込んだ、お気に入りの存在です。
    遊んでくださる方々の琴線に触れられたら幸い。
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    ハンドアウト
    ・PC1 推奨:なし
    あなたは帰り道、不思議な空間に迷い込んだ。
    風景はあなたが住んでいる街と同じであるが、道路には車も人も存在せず、今まで見たことがないほど濃い夕暮れがまぶしい。
    あなたの目的は、「生きてこの空間から脱出すること」である。

    職業の推奨はありませんが、このシナリオは「走る」「跳ぶ」「重いものを振り回す」など、体力を必要とする描写が存在するため、若く健康な設定のPCを作成することをお勧めします。
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    事前準備
    ・GMは、シナリオ開始前に、繁華街、駅前、住宅地など、PCが帰り道に通りそうな場所が含まれている地図を用意しておいてください。その際、GM、プレイヤー双方が知っている場所だと、ロールしやすくていいと思います。
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    オープニングフェイズ
    ・PCが帰り道、いつもの街だがいつもと違う空間に迷い込む。そこは夕暮れの橙が濃く、太陽の動きがゆっくり。(ここで《時間》で恐怖判定してもよい)
    ・最初いた大通りには人影も車もない。しかし、裏路地に行くと、死体があちこちに転がっている。PCはこれほどの大量の死体を、今まで見たことがないであろう。《死》で恐怖判定。
    ・死体をよく見るならば、それは腐っていないし、虫もついていない。
    ・しばらくさまよっていると、赤子の泣き声が聞こえる。その方を向くと、顔は赤子だが、身長は2メートルを超え、肥満体、オーバーオールを着た男がいる。PCが今まで見聞きした、どんな生物とも異なる、異形の存在である。《生物学》で恐怖判定。
    ・PCは男に呼び止められる。彼はこの空間からの脱出を試みていたが、資格を失ったために、自分の意志を受け継いでくれるものを探している。PCに、自分のノートを託す。そこには、この空間から脱出するために必要ないくつかの手順が書かれている。

    男のセリフ例(PC以外に聞こえないよう、声を抑える演技をする)
    ・「おい、そこの君、待ってくれ!話があるんだ」
    ・「君に、このノートを託す。これには、ここから脱出する方法が書かれている。君にはまだその『資格』がある」
    ・「私には、もう『資格』がない。それに、この通り、足が折れている」
    ・「ここから出られたら、この手紙を届けてくれないか。家族に……」
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    メインフェイズ
    ・男がPCに渡したノートには、PCが閉じ込められている空間から脱出するための儀式の手順が書かれており、メインフェイズ中に調査判定を試みることができる各トピックは、それに関係するものとなっている。
    ・ノートに書かれた儀式の手順は以下の通り
    1.視界の確保→発電所の電力を回復させる
    2.出口を探す→空間の壁の薄い箇所を探す
    3.出口を開けるための道具を探す→スレッジハンマー・ベイビーの住処から、スレッジハンマーを盗む
    4.出口を開ける→スレッジハンマーで、壁を壊す
    5.脱出してからのケア→スレッジハンマー・ベイビーの腰からぶら下がっているランタンを盗む

    トピック
    ・発電所

    この街には、現実世界とは唯一異なる場所が存在する。それは***(用意した地図の中で一番目立つ場所)で、そこは発電所になっている。ノートには、「脱出は夜にしか行えず、街を街灯で照らすには、この発電所の電源を入れなければならない」とある。

    あなたは発電所の内部に侵入し、起動スイッチを発見、起動することに成功した。薄暗かった部屋に電気が灯り、詳細があらわになる。
    (儀式1成功)

    ・空間の外壁

    この街は、目に見えない壁に覆われており、そこから外に出ることができない。ノートには、「壁には一か所だけ、外に通じる穴をふさいだ、薄い箇所がある。そこからは、かすかに現実世界の音が漏れ聞こえる」とある。

    あなたは耳をよく澄ませ、出口につながる場所を見つけることができた。しかし、開けるためには、道具が必要だ。
    (儀式2成功)

    ・道具を探す

    この街から出るためには、出口をふさいでいる壁を破壊しなければならない。ノートには、「この街には、壁を開けることができる道具が一つしか存在しない。それはあの怪物が持っているハンマーで、やつらの住処には、大量のスペアが存在する」とある。

    あなたは、ノートに描かれた不確かな地図をもとに、やつらの住処を探し当てた。スレッジハンマーのスペアは確かにそこにあったが、部屋の中にぎっしりと、街で見た怪物とまったく同じ見た目のやつらが詰まっており、手を出すことができない。
    (儀式3の儀式判定+2)

    ・出口を開ける

    この街から出るためには、出口をふさいでいる壁を破壊しなければならない。開けることさえできれば、すぐにでも脱出できるだろう。

    あなたは出口の場所を知らない、もしくは適切な道具を持っていないため、この街から出ることができないということを悟った。

    ・怪物のランタン

    ノートには、「出口を開けても、すぐに現実世界に帰ることができるとは限らない。こちらとあちらには次元の狭間が存在しており、そこは特殊な明かりでないと照らすことができない。もし道に迷ってしまったら、次元の狭間で永遠を過ごすことになるだろう」とある。その特殊な明かりとは、怪物が腰から下げているランタンだと、ノートには書かれている。
    ストレス

    あなたは街を歩く怪物の背後に忍び寄り、ランタンを入手することに成功した。
    (儀式5成功)
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    クライマックスフェイズ
    ・太陽が沈み、夜が訪れる。瘴気のもやでうっすらと街は照らされるが、街灯がなければ満足に移動ができないだろう。
    ・大量のスレッジハンマー・ベイビーが目を覚まし、住処から出て徘徊する。→道具の入手が可能になる。
    ・このシナリオにおける儀式判定のルール
    ルールブックと違い、儀式判定は手順の番号に従う必要はない。
    同じ手順を三回連続で失敗すると、スレッジハンマー・ベイビーが1体戦闘に参加する。
    戦場移動を使用することで、手順の再選択が可能になる。(一度選択した手順は、1ターン消費して戦場移動を使用しない限り、変更できない)

    儀式シート
    1.視界を確保する《機械》
    参加条件:なし
    ペナルティ:《暗黒》で恐怖判定
    (トピック『発電所』への調査判定に成功している場合、この手順は成功しているものとして扱う)
    2.出口を探す《物音》
    参加条件:なし
    ペナルティ:なし
    (トピック『空間の外壁』への調査判定に成功している場合、この手順は成功しているものとして扱う)
    3.出口を開けるための道具を探す《手触り》
    参加条件:なし
    ペナルティ:なし
    (トピック『道具を探す』への調査判定に成功している場合、この手順に対する儀式判定に+2の修整)
    4.出口を開ける《殴打》
    参加条件:手順3の儀式判定に成功している
    ペナルティ:次の儀式判定に-1の修整
    5.次元の狭間を通る手段を確保する《物陰》
    参加条件:なし
    ペナルティ:ショック
    (トピック『怪物のランタン』への調査判定に成功している場合、この手順は成功しているものとして扱う)

    ボスエネミー
    エネミー名:スレッジハンマー・ベイビー
    生命力:666
    特技:殴打、笑い、哀しみ、追跡、夢
    アビリティ:
    【振り回す】攻撃《殴打》
    目標一人を選んで、命中判定を行う。命中判定が成功し、目標が回避判定に失敗すると、目標に6D6+66点のダメージを与える。
    【鈍足】装備
    このエネミーは、3以上の速度にプロットできない。このエネミーの速度を3以上にする効果は無効化される。
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    エンディング
    ・儀式シートの手順をすべて成功させる→グッドエンド
    PCは怪物に支配された空間から脱出し、日常に戻る。
    ・儀式シートの手順をすべて成功させる前に、クライマックスフェイズでPCの生命力が0になった→バッドエンド
    PCは怪物に支配された空間に無数に存在する、死体のひとつとなった。
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    その他の情報(シナリオと直接関係ないが、GMが読んでおくと、シナリオ中の不測の事態に対応できるかもしれないもの)
    ・この空間は、スレッジハンマー・ベイビーが作った仮想空間で、彼らはこの空間の中でのみ、超常的な能力を使うことができる。
    ・この空間と現実世界は密着しておらず、隙間が存在する。そこはスレッジハンマー・ベイビーによって殺された人間の魂が永久にさまよう場所である。空間と現実世界を行き来するためには、隙間に存在する細い通路を通らなければならない。足を踏み外すと永久に落ち続け、餓死すると隙間に囚われる魂の一員となる。
    ・スレッジハンマー・ベイビーが持っているランタンは、脱出する際に必要である。隙間の魂は、人間を見つけると、仲間にしようと襲い掛かってくる。ランタンは隙間の道を照らすだけでなく、持っている者をスレッジハンマー・ベイビーであると誤認させて、魂を遠ざける役割も持っている。
    ・オープニングフェイズに登場する男が言う『資格』について。この空間から脱出できるのは、この空間で朝を迎えていない者だけである。スレッジハンマー・ベイビーは、この空間で朝を迎えるたびに、現実世界から新しい人間を拉致し、1対1でのゲームを楽しんでいる。殺せばスレッジハンマー・ベイビーの勝ち。脱出できれば人間の勝ち。
    ・昼眠っており、夜大量に住処から外に出るスレッジハンマー・ベイビーたちは、ゲームをする彼のスペアであり、時間切れで空間内に放っておかれた元参加者を処理するための存在。
    ・グッドエンドを迎えた場合、空間と現実世界をつなぐ穴は開きっぱなしであるが、この穴は一方通行であり、現実世界から空間へ入ることはできない。逆に、この穴からスレッジハンマー・ベイビーが出てくることがあるかもしれないが、彼らは現実世界ではただの知能の低い大男であるため、間もなく警察に逮捕されるであろう。
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  • インセイン 自作シナリオ「村へ帰る」

    2016-07-18 23:10
    ※この記事には、シナリオのネタバレにつながる情報が多大に含まれております。ご注意ください。

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    予告
    あなたは、タクシーに乗っている。懐かしい故郷へ帰るために。
    あなたの隣には、もう一人の乗客がいる。初対面の相乗り客。
    タクシーは山を登る。トンネル、木立、その間から見える火葬場。
    あなたは村へ帰ろうとする。その途中の話。
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    シナリオ情報
    使用ルールブック:ルールパートは1巻のみ使用。アビリティはデッドループ使用可。
    PC人数:1人
    所要時間:キャラクター作成含めて2時間
    サイクル数:最大5(条件により、5未満でクライマックスフェイズを迎える可能性あり)

     面影島奇譚が遊ばれており、一人用シナリオの需要があると感じたので、新しいシナリオを作成しました。
     暇そうでインセインをやってみたそうな人を見つけて、回してあげてください。手軽に終わります。
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    ハンドアウト
    ・PC1 推奨:なし

    あなたは故郷の村へ向かうため、タクシーに乗っている。
    今、タクシーは山の中を走っている。
    あなたの目的は、「村にたどり着くこと」である。
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    オープニングフェイズ
    ・予告やハンドアウトにある通り、シナリオ開始時点で
     「PCはタクシーに乗っている」「隣に相乗り客がいる」ことは確定している。
    ・このフェイズでは、タクシーに乗ることになった経緯をロールする。
    ・最終的にタクシーに乗りさえすれば、過程は自由で構わない。
    ・基本的な情報
     1.村の最寄り駅は、山のふもとにある木造の単線駅。
     2.村へは、電車を降りた後、さらに1時間は車に乗らないといけない。
    ・実際に自分がGMをやったときの例
     1.駅前にはタクシーが一台のみで、他に村に行く方法がない。タクシーに乗ると、もう一人の客が慌てて相乗りさせてくれとやってくる。
     2.駅から降りると、その日の最終バスが出発してしまう。仕方なく、すでに人が乗っているタクシーに相乗りしてもらう。
    ・このとき、GMはPCが後部座席の左側、相乗り客が右側に座っていることを描写すること。
    ・タクシーに二人を乗せて出発。駅から遠ざかり、人家も減り、山道へ行く。
     途中、トンネルに入る。このとき、PCは不可解な音を聞く。
     GMは、トピック「トンネル」を提示すること。
    ・トンネルを抜けると、右側がコンクリート壁、左側が崖で、崖側の木立の間から、火葬場が見える。道は崖側を囲むように、左に円弧を描いており、ゆるやかに下っている。
     ここで、予告やハンドアウトに書かれた時系列へ至る。
     GMは、トピック「火葬場」と「相乗りの客」を提示すること。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    メインフェイズ
    ・トピックは、以下のツリーに従う。
     (A―Bと書かれている場合、Aのトピックに対して調査判定を成功させない限り、Bのトピックは提示されないことを表す)
     サイクル1 サイクル2 サイクル3
     火葬場―――火葬場―――火葬場
     トンネル
     相乗り客――笑顔
           ラックの本―祖母の話
           運転手―――幼い頃の思い出
    ・サイクルが経過するたびに、タクシーはトンネルに入る。
    ・トンネルを抜けると、前回トンネルを抜けたときとまったく同じ風景になっている。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    トピック一覧
    ・火葬場
     提示条件:オープニングフェイズ参照
     表
      窓の外、山の木々の隙間から、火葬場が見える。
      煙は登っていない。
      タクシーが通っている道は、この火葬場を囲うように、緩く円弧を描いている。
     裏 ショック:なし
      あなたはあの火葬場に、不吉な予感を感じる。

    ・トンネル
     提示条件:オープニングフェイズ参照
     表
      タクシーがトンネルに入るたび、車内の左右からピッピッと音が鳴る。
      二つの音は不揃いで、タイミングが遠く離れたり、重なったりする。
     裏 ショック:なし
      あなたはこの音を病院で聞いたことがある。脈拍を音で知らせる、心電図モニターの音だ。

    ・相乗りの客
     提示条件:オープニングフェイズ参照
     表
     目的地が同じであるため、相乗りとなった客。
     ユウキヒロミと名乗る。村に住んでいた時期が重なるため、あなたと会ったことがあるのではないかと言う。
     裏 ショック:なし
      ヒロミの話はすべて嘘。

    トピック「相乗りの客」に対する調査判定が成功した場合、以下のマスターシーンを挿入する。
     ・ヒロミの顔を覗くと、凶悪な笑みを浮かべた。しかし、すぐに元の表情に戻る。(ここで、《笑み》で恐怖判定させる)
     ・あなたは、ヒロミの先ほどの笑みを見た覚えがある。(ここで、トピック『笑顔』を公開する)

    ・火葬場
     提示条件:サイクル2開始時
     表
      窓の外、山の木々の隙間から、火葬場が見える。
      煙は登っていない。
      タクシーが通っている道は、この火葬場を囲うように、緩く円弧を描いている。
     裏 ショック:なし
      あなたはあの火葬場に、不吉な予感を感じる。
      トンネルを通る前と、同じ角度に建っているのではないか。

    ・笑顔
     提示条件:トピック『相乗りの客』調査判定成功
     表
      ヒロミが嘘をついていると分かった瞬間に見せた笑顔。あなたはそれを、どこかで見た覚えがある。
      青空を背景に、ヒロミの頭だけが浮いて見える映像だ。
     裏 ショック:全員
      あなたは思い出す。
      あなたはこのタクシーに乗る前、繁華街の歩道を歩いていた。
      上が騒がしいのでそちらに目線を向けると、あなた目がけて人が落ちてきた。
      その顔はまさに、あの笑顔を浮かべたヒロミのものであった。

    ・ラックの本
     提示条件:サイクル2開始時
     表
      あなたが助手席の背面部下方に視線を落とすと、網状のラックの中に、一冊の本が入っていることに気付いた。
      表紙の汚れから察するに、相当古いものであろう。中が読めるかどうか不安だ。
     裏 ショック:なし
      その本はどうやら、日記のようである。あなたは筆跡に見覚えがある。亡くなった祖母のものだ。
      達筆であるため、ほとんど判読できなかったが、以下の文章だけ読むことができた。
      「村に行ってはならない。そこは彼岸だ。行ったら二度と戻れない」

    ・運転手
     提示条件:サイクル2開始時
     表
      あなたとヒロミが乗っているタクシーを運転している男。
      道中無言で、表情も変わらない。
     裏 ショック:なし
      あなたは幼いころ、この男に会ったことがあるということを思い出した。
      その時から、まったく年を取っていないように見える。

    ・火葬場
     提示条件:サイクル3開始時
     表
      窓の外、山の木々の隙間から、火葬場が見える。
      煙は登っていない。
      タクシーが通っている道は、この火葬場を囲うように、緩く円弧を描いている。
     裏 ショック:なし
      あなたはあの火葬場に、不吉な予感を感じる。
      トンネルを通る前と、同じ角度に建っているのではないか。
      やはりそうだ。何度見ても、あの火葬場は同じ面をこちらに向けている。

    ・祖母の話
     提示条件:トピック『ラックの本』調査判定成功
     表
      祖母はあなたに、よく不思議な話を聞かせてくれた。
      それらの中に、「村に行ってはいけない」という話があった気がする。
     裏 ショック:全員
      祖母があなたに語った話を思い出す。

    トピック「祖母の話」に対する調査判定が成功した場合、以下の項目を語るマスターシーンを挿入する。
     ・自分(祖母)が小さい頃、亡くなった人は「村へ行った」と言われた。
     ・昔は、死者だけが住む村があると信じられていた。
     ・村へは、舟に乗って行く。
     ・たまに、生きているのに舟に乗る人がいる。
     ・自分も、一度舟に乗ったことがある。
     ・舟は川の両岸を渡るための渡し船であり、無口な船頭が、船尾に立って櫂を漕いでいた。
     ・乗っている最中に、孫(PC)のことを思い出し、このまま死ぬわけにはいかないと思い、舟から川へ飛び込み、元来た方へ泳いで帰ってきた。
     ・村に行くと死んでしまうから、行ってはいけない。舟に乗ってしまったならば、急いで降りて逃げろ。

    ・幼い頃の思い出
     提示条件:トピック『運転手』調査判定成功
     表
      あなたは幼いころ、運転手に会ったことがある。
      夜の自室、あなたは布団の中にいた。傍らに運転手が立っている。
      彼と、何か会話をした覚えがある。
     裏 ショック:全員
      あなたは、男との会話を思い出す。

    トピック「幼い頃の思い出」に対する調査判定が成功した場合、以下の項目を語るマスターシーンを挿入する。
     ・PCが幼い頃、高熱を出して寝込んでいる。
     ・枕元に、一人の男が立つ。顔はタクシーの運転手そのものだが、黒いフードとマントを着ている。
     ・彼は、自分を死神だと言い、PCが死ぬ運命であることはミスであることを謝る。
     ・彼が手をかざすと、PCの熱は平熱まで戻る。
     ・お詫びに、彼は一つ忠告をする。今後自分と出会ったとき、PCよりも右にいるならば、すぐに自分から逃げれば助かる。ただし、左側にいるときは、死すべき運命であり、諦めろ。
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    マスターシーン
    ・トンネルの音
     条件:サイクル5終了時
      トンネルに入るたびに聞こえていた左右からの電子音。
      右側の音が、ピーと長く伸びる。
      ヒロミは天を仰ぎ、深くため息をつく。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    クライマックスフェイズ
    ・サイクル5終了時、またはトピック『祖母の話』かトピック『幼いころの思い出』の調査判定に成功した場合、 以下のプライズを獲得する。

     プライズ『本当の目的』
      ここは、現世と地獄の境目。このタクシーは、無間地獄へといざなう舟。
      あなたの心臓は、まだ止まっていない。音が鳴っている。まだ、希望は残っている。
      あなたの本当の目的は、『この道から脱出すること』である。

     プライズ『本当の目的』を獲得したサイクル終了後に、クライマックスフェイズを開始する。
     よって、トピックの調査判定成功によってプライズを獲得した場合、
     サイクル5を迎えることなくクライマックスフェイズを開始することになる。

    ・クライマックスフェイズの流れ
     ①車内
      ヒロミがPCに襲い掛かる。
      「逃がさない」「私一人で落ちるものか」「お前も一緒に来るんだよ」
      手でPCの首を絞める。
      《緊縛》で判定
       成功→ヒロミの手をふりほどき、車外に飛び出す。
        失敗→1点ダメージ
      この判定は、3度まで実施する。3度目は自動成功。
      トピック「祖母の話」または「幼い頃の思い出」の調査判定成功によってクライマックスフェイズが開始された場合、このシーンをスキップする。
      (ヒロミに襲われる前に、逃げ出せたというイメージ)
     ②車外
      トンネルの壁面に、非常口を示す緑色の看板がある。その下に出口。
      出口は狭く長い通路となっており、奥がかすかに光っている。
      ヒロミと戦闘。

    エネミーデータ
     名前:ユウキヒロミ
     生命力:10
     好奇心:《暴力》 恐怖心:《死》
     取得特技:《緊縛》《笑い》《痛み》《医学》
     アビリティ
      【引き寄せる】サポート 《緊縛》
       戦闘中、自分の攻撃前に使用できる。
       目標一人を選んで、命中判定をする。
       命中判定が成功し、目標の回避判定が失敗すると、目標の速度が1低くなる。
       このとき、バッティングは発生しない。
      【いたぶる】攻撃 《痛み》
       目標一人を選んで、命中判定をする。
       命中判定が成功し、目標の回避判定が失敗すると、目標に1点のダメージを与える。
       再度命中判定をする。
       命中判定が成功し、目標の回避判定が成功すると、目標に1点のショックを与える。
       命中判定が成功し、目標の回避判定が失敗すると、目標に1点のダメージを与える。
    (実際に戦闘をすると、ヒロミが結構弱かったので、もっと強化していいと思います)

    ヒロミの生命力を0点以下にする、もしくは3ラウンド経過時にPCの生命力が1点以上ならば、脱出成功。グッドエンド。
    3ラウンド経過前にPCの生命力が0点以下ならば、脱出失敗。バッドエンド。
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    エンディングフェイズ
    ・グッドエンド
     病室で、PCは目を覚ます。心電図モニターの音が聞こえる。PCの顔を、医師・看護師・家族が覗き込んでいる。
     PCが目を覚ましたことを知ると、彼らは喜ぶ。
     医師が、なぜPCがここにいるのかを説明する。
     街を歩いているときに、飛び降り自殺に巻き込まれた。
     飛び降りたのは、ユウキヒロミという名の凶悪犯で、警察に追われた末の自殺だった。
     あとはいい感じに締める。生きててよかった。

    ・バッドエンド
     PCは、タクシーの中に連れ戻され、長い間、車内に閉じ込められている。
     ヒロミが嬉しそうに、生前の世間話を繰り返す。壊れたレコードのように、いつも同じことを話す。
     あと2000年、この状態が続く。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    登場NPC
    ・ユウキヒロミ
     性別はGMが自由に決めてかまいません。
     PCと相乗りでタクシーに乗っている客。明るくPCに話しかけてくる。
     正体は殺人・放火・強盗など、あらゆる悪事に手を染めた凶悪犯で、警察から逃げている最中にビルから飛び降り、PCを巻き込んで地面に激突した。

    ・運転手
     PCとヒロミが乗るタクシーを運転する男。ずっと無口。
     正体は死神で、PCとは一度出会っている。しかし、そのことをPCに教えてくれない。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    以下は、GMが読んでおくと、ロールや情景描写の助けになるかもしれません。
    ・PCたちがいるのは、生と死の狭間の世界。
    ・この世界はあいまいで、そこにいる人間のイメージを吸収して、風景が変化する。
    ・今回は、PCが持つ乗り物のイメージ(タクシー)と、ヒロミが恐れていた無間地獄(繰り返し落ちていく)と、どちらかが持つノスタルジーが混ざった世界となっている。
    ・トンネルで心電図モニターの音が聞こえるのは、トンネル内は生の側が濃いため。生き返る道(非常口)がトンネル内にあるのもそのため。
  • シノビガミ 自作シナリオ「東海道神輿レース」

    2014-05-20 22:50
    ※この記事には、シナリオのネタバレにつながる情報が多大に書かれています。ご注意ください。

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    予告
     2000年初頭、三重県伊賀市の旧家にある蔵から、江戸時代の遺物が発見された。
     二つの神輿、一冊の書物。
     書物には、かつて二つの神輿が、参勤交代で使用されたこと。伊賀で対立する二つの忍者宗家が、神君徳川家康に、自分たちの書いた忍術秘伝書の内どちらを読んでもらうかを神輿のレースで決めた、ということが書かれていた。

     月日は流れ2014年初夏。かつての神輿レースを再現するため、日本中から有志を集め、伊賀から江戸城までの神輿レースを行うこととなった。
     その祭りの背後には、シノビの影。
     六つの流派が2チームに別れ、このレースの勝者となった側が、今後五年のシノビ実権を握ることとするという密約が交わされた。

     しかし、流派の真の狙いは、実権にあらず。
     本当の狙いは、神輿の中に納められていた一巻きの巻物であった。
     根黒之密言。忍法の秘伝が書かれた、究極の忍法書。開けてはいけないパンドラの箱を、各流派が目を光らせ、一つの流派が独占するのを防ぐために、互いに監視し合うことこそが、本当の目的だったのだ。
     そのために、「神輿から巻物を盗むべからず」という、不盗の約定が結ばれた。
     しかし、祭り前夜、何者かによって巻物が盗まれてしまう。

     不盗の約定には、神輿から巻物を盗んではいけないとある。しかし、逆を言えば、神輿以外から盗み返すのは自由だ。
     ここに、六流派による巻物争奪戦の火蓋が切って落とされることになる。

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     今週末開催される、とあるTRPGコンベンションに立候補したのですが、残念ながら参加希望者が集まらず、立卓叶いませんでした。ここに公開することで、供養とさせていただきます。

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    ハンドアウト
    (PLが4人ならば、PC1~4を使用。PLが5人ならば、PC5、6のどちらかをGMが担当する)

    PC1 推奨流派:私立御斎学園
    使命:あなたは、私立御斎学園の代表として、神事に参加することとなった。
       あなたの【使命】は、「白の神輿を神事で勝たせる」ことである。
    秘密:あなたは正義感が強い。「不盗の約定」を破った不届き者を許すことができない。
       あなたの【本当の使命】は、「根黒之密言を盗んだ犯人の【秘密】を、全PCに知らしめる」ことである。
       ※PLが全員犯人が誰であるかを知っても、【本当の使命】を達成したことにはならない。
        PC全員が、犯人の【秘密】を獲得し、チェック欄を埋める必要がある。

    PC2 推奨流派:鞍馬神流
    使命:あなたは、鞍馬神流の代表として、神事に参加することとなった。
       あなたの【使命】は、「赤の神輿を神事で勝たせる」ことである。
    秘密:今回の神事について記された書物と神輿は、あなたの家の蔵から発見されたものである。
       あなたは幼い頃に一度、神輿の奥に置かれた根黒之密言を見たことがある。
       巻物から放たれていた禍々しい瘴気を、あなたは一生忘れられないだろう。
       あなたは、プライズ「根黒之密言」を獲得した瞬間、それが本物か偽物か、偽物であるならば、誰が本物を持っているのかを知ることができる。
       この情報は共有されず、あなただけが知ることができる。その情報は、他PCの【秘密】と同様に扱う。

    PC3 推奨流派:斜歯忍軍
    使命:あなたは、斜歯忍軍の代表として、神事に参加することとなった。
       あなたの【使命】は、「白の神輿を神事で勝たせる」ことである。
    秘密:あなたは、「不盗の約定」を破り、根黒之密言を盗む計画を立てていた。
       根黒之密言の偽物を作成し、それとこっそり入れ替える予定だったのだ。
       しかし、計画を実行しようと蔵に忍び込んだとき、今まさに神輿から巻物を盗もうとする先客を目撃してしまった。
       あなたは、根黒之密言を盗んだ犯人が、PC4であることを知っている。
       あなたがプライズ「根黒之密言」を入手した瞬間、それは偽物とすり替えられる。
       偽物とすり替えられたことは、他のPCには公開されない。
       偽物は、「クライマックスフェイズ開始時に所有していても、【追加の使命】を達成したことにはならない」という点を除き、本物の根黒之密言と同じものとして扱われる。
       あなたが本物と偽物の根黒之密言を所有している状態でプライズを奪われる場合、偽物のみが奪われる。あなたが本物の根黒の密言のみを所有している状態で戦闘に負けた瞬間、あなたが本物の根黒之密言を所有していること、現在プライズとして公開されている根黒之密言が偽物であることが、全PCに公開される。

    PC4 推奨流派:比良坂機関
    使命:あなたは、比良坂機関の代表として、神事に参加することとなった。
       あなたの【使命】は、「赤の神輿を神事で勝たせる」ことである。
    秘密:あなたは根黒之密言を盗んだ犯人である。
       あなたはシナリオ開始時、プライズ「根黒之密言」を所有している。

    PC5 推奨流派:隠鬼の血統
    使命:あなたは、隠鬼の血統の代表として、神事に参加することとなった。
       あなたの【使命】は、「白の神輿を神事で勝たせる」ことである。
    秘密:あなたは、今回の神事に自分そっくりに化けさせた部下を送り込んでいた。恋人とのデートの約束があったからだ。
       しかし、根黒之密言の盗難による混乱により、上司にサボりがバレてしまった。
       あなたはこの自体を引き起こした犯人を許すことができない。
       あなたの【本当の使命】は、「自分の攻撃で、根黒之密言を盗んだ犯人にダメージを与える」である。
       殺したいほどの恨みではないので、一発殴れば気が済むだろう。

    PC6 推奨流派:ハグレモノ
    使命:あなたは、ハグレモノの代表として、神事に参加することとなった。
       あなたの【使命】は、「赤の神輿を神事で勝たせる」ことである。
    秘密:あなたは瞬間記憶能力者である。
       流派へ根黒之密言を持って帰るのが一番いいのだが、それが叶わぬ場合でも、一度中身を見てしまえば、内容を記憶することができ、情報を持ち帰ることができる。
       しかし、そのためには一度でいいから、現物を手元に持っておく必要がある。
       あなたは、“プライズ「根黒之密言」を所有した状態でシーンプレイヤーとなる”“クライマックスフェイズの勝者となる”のどちらかを満たすことで、【追加の使命】を達成したとして扱われる。

     オフラインセッションで行う場合は、全員にプライズが書かれたカードを渡す。PC4は本物の根黒之密言の秘密が書かれたもの(下記参照)、PC3には偽物の根黒之密言のカードを、その他のPCには白紙を渡す。
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    追加の使命
     各PCは、シナリオ開始時(正確には第1サイクル開始直前)に、以下の追加の使命を獲得する。この使命は、各PCのハンドアウトに記載されている使命もしくは本当の使命とは別にカウントされる。よって、ハンドアウトの使命と追加の使命を達成することで、使命達成の経験点を2倍もらえることがあり得る。

     『クライマックスフェイズ終了時、根黒之密言を所持している』

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    シナリオ開始時に、各PCは以下の感情と居所を自動的に獲得する。
    (これがないと、戦闘が発生せず、プライズが移動しなくてGMが困る)
    ・同一チームの居所を、互いに獲得し合う(PC1、3、5 PC2、4、6)
    ・仇敵に対する居所を獲得する(PC1→PC6、PC2→PC5、PC3→PC2、PC4→PC1、PC5→PC4、PC6→PC3)
    ・PC1と4、PC2と5、PC3と6で、互いに感情を結び合う(ロールオアチョイスでいいと思う)

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    プライズ
     PC4は、シナリオ開始時に以下のプライズを取得する。
    プライズ名:根黒之密言
    秘密:あらゆる忍法の極意を記した秘伝書。内容を理解したものは、次の忍神にすらなれると噂されている。
    このプライズを所持しているPCは、戦闘シーンにつき一度、判定を行う直前に、自分がこのプライズの所有者であることを公開することによって、以下の能力を使用することができる。
    『特技を取得していない分野を一つ選ぶ。その中からランダムで一つの特技を、次の判定に限り、所有しているものとして扱う。その特技は、生命力減少による特技の使用不可の影響を受けない』

     PC3は、シナリオ開始時に以下のプライズを取得する。
    プライズ名:根黒之密言
    秘密:なし

     PC3が本物の根黒之密言を獲得した場合、秘密の書かれていない偽の根黒之密言が、戦闘報酬として扱われる。この効果は、PC3が本物の根黒之密言のみを所有している状態で戦闘の敗者となるまで継続する。

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    シナリオの進行
     第0サイクルとして、各PC個別のシーンを設ける。
     舞台は神輿がしまわれている広い倉庫。シノビの存在を知っている祭り関係者が、今回の代表に選ばれたPCを1人ずつ呼び、面接を行う。これは各PCの自己紹介を兼ねている。
     以下の質問をするといいと思う。
     ・名前
     ・年齢
     ・職業
     ・他人に見せられる、最も簡単な忍法
     ・意気込み
     あとは、PLにPCの服装や髪形等、見た目の説明をしてもらうとよい。

     第1サイクル以降
     このシナリオは3サイクルで進行する。
     神輿レースの勝敗は、以下の通りに決定する。
     ・赤チーム、白チームそれぞれ、遅延ポイントを持っている。初期点は0。
     ・戦闘シーンでPCが1人脱落するたびに、所属チームの遅延ポイントが1点増加する(PC1、3、5ならば白チームの遅延ポイントが増加し、PC2、4、6ならば赤チームの遅延ポイントが増加する)
     ・引き分けは全員脱落として扱い、各チームはその戦闘シーンに参加していたチームの人数分だけ遅延ポイントを増加させる。
     ・同一チームのみ参加の戦闘シーンでも、上記のルールは適用される(PC1,3,5が参加する戦闘シーンが引き分けに終わった場合、白チームの遅延ポイントが3点増加する)
     ・クライマックスフェイズ開始時に、遅延ポイントが少ないチームの勝利となる。同店の場合は引き分けとし、両チームとも勝利できなかったとして扱う。

     クライマックスフェイズ
     舞台は江戸城。祭りが終わり、観客が盛り上がる中、目に見えないシノビたちの最後の戦いが始まる。