インセイン 自作シナリオ「村へ帰る」
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インセイン 自作シナリオ「村へ帰る」

2016-07-18 23:10
    ※この記事には、シナリオのネタバレにつながる情報が多大に含まれております。ご注意ください。

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    予告
    あなたは、タクシーに乗っている。懐かしい故郷へ帰るために。
    あなたの隣には、もう一人の乗客がいる。初対面の相乗り客。
    タクシーは山を登る。トンネル、木立、その間から見える火葬場。
    あなたは村へ帰ろうとする。その途中の話。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    シナリオ情報
    使用ルールブック:ルールパートは1巻のみ使用。アビリティはデッドループ使用可。
    PC人数:1人
    所要時間:キャラクター作成含めて2時間
    サイクル数:最大5(条件により、5未満でクライマックスフェイズを迎える可能性あり)

     面影島奇譚が遊ばれており、一人用シナリオの需要があると感じたので、新しいシナリオを作成しました。
     暇そうでインセインをやってみたそうな人を見つけて、回してあげてください。手軽に終わります。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ハンドアウト
    ・PC1 推奨:なし

    あなたは故郷の村へ向かうため、タクシーに乗っている。
    今、タクシーは山の中を走っている。
    あなたの目的は、「村にたどり着くこと」である。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    オープニングフェイズ
    ・予告やハンドアウトにある通り、シナリオ開始時点で
     「PCはタクシーに乗っている」「隣に相乗り客がいる」ことは確定している。
    ・このフェイズでは、タクシーに乗ることになった経緯をロールする。
    ・最終的にタクシーに乗りさえすれば、過程は自由で構わない。
    ・基本的な情報
     1.村の最寄り駅は、山のふもとにある木造の単線駅。
     2.村へは、電車を降りた後、さらに1時間は車に乗らないといけない。
    ・実際に自分がGMをやったときの例
     1.駅前にはタクシーが一台のみで、他に村に行く方法がない。タクシーに乗ると、もう一人の客が慌てて相乗りさせてくれとやってくる。
     2.駅から降りると、その日の最終バスが出発してしまう。仕方なく、すでに人が乗っているタクシーに相乗りしてもらう。
    ・このとき、GMはPCが後部座席の左側、相乗り客が右側に座っていることを描写すること。
    ・タクシーに二人を乗せて出発。駅から遠ざかり、人家も減り、山道へ行く。
     途中、トンネルに入る。このとき、PCは不可解な音を聞く。
     GMは、トピック「トンネル」を提示すること。
    ・トンネルを抜けると、右側がコンクリート壁、左側が崖で、崖側の木立の間から、火葬場が見える。道は崖側を囲むように、左に円弧を描いており、ゆるやかに下っている。
     ここで、予告やハンドアウトに書かれた時系列へ至る。
     GMは、トピック「火葬場」と「相乗りの客」を提示すること。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    メインフェイズ
    ・トピックは、以下のツリーに従う。
     (A―Bと書かれている場合、Aのトピックに対して調査判定を成功させない限り、Bのトピックは提示されないことを表す)
     サイクル1 サイクル2 サイクル3
     火葬場―――火葬場―――火葬場
     トンネル
     相乗り客――笑顔
           ラックの本―祖母の話
           運転手―――幼い頃の思い出
    ・サイクルが経過するたびに、タクシーはトンネルに入る。
    ・トンネルを抜けると、前回トンネルを抜けたときとまったく同じ風景になっている。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    トピック一覧
    ・火葬場
     提示条件:オープニングフェイズ参照
     表
      窓の外、山の木々の隙間から、火葬場が見える。
      煙は登っていない。
      タクシーが通っている道は、この火葬場を囲うように、緩く円弧を描いている。
     裏 ショック:なし
      あなたはあの火葬場に、不吉な予感を感じる。

    ・トンネル
     提示条件:オープニングフェイズ参照
     表
      タクシーがトンネルに入るたび、車内の左右からピッピッと音が鳴る。
      二つの音は不揃いで、タイミングが遠く離れたり、重なったりする。
     裏 ショック:なし
      あなたはこの音を病院で聞いたことがある。脈拍を音で知らせる、心電図モニターの音だ。

    ・相乗りの客
     提示条件:オープニングフェイズ参照
     表
     目的地が同じであるため、相乗りとなった客。
     ユウキヒロミと名乗る。村に住んでいた時期が重なるため、あなたと会ったことがあるのではないかと言う。
     裏 ショック:なし
      ヒロミの話はすべて嘘。

    トピック「相乗りの客」に対する調査判定が成功した場合、以下のマスターシーンを挿入する。
     ・ヒロミの顔を覗くと、凶悪な笑みを浮かべた。しかし、すぐに元の表情に戻る。(ここで、《笑み》で恐怖判定させる)
     ・あなたは、ヒロミの先ほどの笑みを見た覚えがある。(ここで、トピック『笑顔』を公開する)

    ・火葬場
     提示条件:サイクル2開始時
     表
      窓の外、山の木々の隙間から、火葬場が見える。
      煙は登っていない。
      タクシーが通っている道は、この火葬場を囲うように、緩く円弧を描いている。
     裏 ショック:なし
      あなたはあの火葬場に、不吉な予感を感じる。
      トンネルを通る前と、同じ角度に建っているのではないか。

    ・笑顔
     提示条件:トピック『相乗りの客』調査判定成功
     表
      ヒロミが嘘をついていると分かった瞬間に見せた笑顔。あなたはそれを、どこかで見た覚えがある。
      青空を背景に、ヒロミの頭だけが浮いて見える映像だ。
     裏 ショック:全員
      あなたは思い出す。
      あなたはこのタクシーに乗る前、繁華街の歩道を歩いていた。
      上が騒がしいのでそちらに目線を向けると、あなた目がけて人が落ちてきた。
      その顔はまさに、あの笑顔を浮かべたヒロミのものであった。

    ・ラックの本
     提示条件:サイクル2開始時
     表
      あなたが助手席の背面部下方に視線を落とすと、網状のラックの中に、一冊の本が入っていることに気付いた。
      表紙の汚れから察するに、相当古いものであろう。中が読めるかどうか不安だ。
     裏 ショック:なし
      その本はどうやら、日記のようである。あなたは筆跡に見覚えがある。亡くなった祖母のものだ。
      達筆であるため、ほとんど判読できなかったが、以下の文章だけ読むことができた。
      「村に行ってはならない。そこは彼岸だ。行ったら二度と戻れない」

    ・運転手
     提示条件:サイクル2開始時
     表
      あなたとヒロミが乗っているタクシーを運転している男。
      道中無言で、表情も変わらない。
     裏 ショック:なし
      あなたは幼いころ、この男に会ったことがあるということを思い出した。
      その時から、まったく年を取っていないように見える。

    ・火葬場
     提示条件:サイクル3開始時
     表
      窓の外、山の木々の隙間から、火葬場が見える。
      煙は登っていない。
      タクシーが通っている道は、この火葬場を囲うように、緩く円弧を描いている。
     裏 ショック:なし
      あなたはあの火葬場に、不吉な予感を感じる。
      トンネルを通る前と、同じ角度に建っているのではないか。
      やはりそうだ。何度見ても、あの火葬場は同じ面をこちらに向けている。

    ・祖母の話
     提示条件:トピック『ラックの本』調査判定成功
     表
      祖母はあなたに、よく不思議な話を聞かせてくれた。
      それらの中に、「村に行ってはいけない」という話があった気がする。
     裏 ショック:全員
      祖母があなたに語った話を思い出す。

    トピック「祖母の話」に対する調査判定が成功した場合、以下の項目を語るマスターシーンを挿入する。
     ・自分(祖母)が小さい頃、亡くなった人は「村へ行った」と言われた。
     ・昔は、死者だけが住む村があると信じられていた。
     ・村へは、舟に乗って行く。
     ・たまに、生きているのに舟に乗る人がいる。
     ・自分も、一度舟に乗ったことがある。
     ・舟は川の両岸を渡るための渡し船であり、無口な船頭が、船尾に立って櫂を漕いでいた。
     ・乗っている最中に、孫(PC)のことを思い出し、このまま死ぬわけにはいかないと思い、舟から川へ飛び込み、元来た方へ泳いで帰ってきた。
     ・村に行くと死んでしまうから、行ってはいけない。舟に乗ってしまったならば、急いで降りて逃げろ。

    ・幼い頃の思い出
     提示条件:トピック『運転手』調査判定成功
     表
      あなたは幼いころ、運転手に会ったことがある。
      夜の自室、あなたは布団の中にいた。傍らに運転手が立っている。
      彼と、何か会話をした覚えがある。
     裏 ショック:全員
      あなたは、男との会話を思い出す。

    トピック「幼い頃の思い出」に対する調査判定が成功した場合、以下の項目を語るマスターシーンを挿入する。
     ・PCが幼い頃、高熱を出して寝込んでいる。
     ・枕元に、一人の男が立つ。顔はタクシーの運転手そのものだが、黒いフードとマントを着ている。
     ・彼は、自分を死神だと言い、PCが死ぬ運命であることはミスであることを謝る。
     ・彼が手をかざすと、PCの熱は平熱まで戻る。
     ・お詫びに、彼は一つ忠告をする。今後自分と出会ったとき、PCよりも右にいるならば、すぐに自分から逃げれば助かる。ただし、左側にいるときは、死すべき運命であり、諦めろ。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    マスターシーン
    ・トンネルの音
     条件:サイクル5終了時
      トンネルに入るたびに聞こえていた左右からの電子音。
      右側の音が、ピーと長く伸びる。
      ヒロミは天を仰ぎ、深くため息をつく。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    クライマックスフェイズ
    ・サイクル5終了時、またはトピック『祖母の話』かトピック『幼いころの思い出』の調査判定に成功した場合、 以下のプライズを獲得する。

     プライズ『本当の目的』
      ここは、現世と地獄の境目。このタクシーは、無間地獄へといざなう舟。
      あなたの心臓は、まだ止まっていない。音が鳴っている。まだ、希望は残っている。
      あなたの本当の目的は、『この道から脱出すること』である。

     プライズ『本当の目的』を獲得したサイクル終了後に、クライマックスフェイズを開始する。
     よって、トピックの調査判定成功によってプライズを獲得した場合、
     サイクル5を迎えることなくクライマックスフェイズを開始することになる。

    ・クライマックスフェイズの流れ
     ①車内
      ヒロミがPCに襲い掛かる。
      「逃がさない」「私一人で落ちるものか」「お前も一緒に来るんだよ」
      手でPCの首を絞める。
      《緊縛》で判定
       成功→ヒロミの手をふりほどき、車外に飛び出す。
        失敗→1点ダメージ
      この判定は、3度まで実施する。3度目は自動成功。
      トピック「祖母の話」または「幼い頃の思い出」の調査判定成功によってクライマックスフェイズが開始された場合、このシーンをスキップする。
      (ヒロミに襲われる前に、逃げ出せたというイメージ)
     ②車外
      トンネルの壁面に、非常口を示す緑色の看板がある。その下に出口。
      出口は狭く長い通路となっており、奥がかすかに光っている。
      ヒロミと戦闘。

    エネミーデータ
     名前:ユウキヒロミ
     生命力:10
     好奇心:《暴力》 恐怖心:《死》
     取得特技:《緊縛》《笑い》《痛み》《医学》
     アビリティ
      【引き寄せる】サポート 《緊縛》
       戦闘中、自分の攻撃前に使用できる。
       目標一人を選んで、命中判定をする。
       命中判定が成功し、目標の回避判定が失敗すると、目標の速度が1低くなる。
       このとき、バッティングは発生しない。
      【いたぶる】攻撃 《痛み》
       目標一人を選んで、命中判定をする。
       命中判定が成功し、目標の回避判定が失敗すると、目標に1点のダメージを与える。
       再度命中判定をする。
       命中判定が成功し、目標の回避判定が成功すると、目標に1点のショックを与える。
       命中判定が成功し、目標の回避判定が失敗すると、目標に1点のダメージを与える。
    (実際に戦闘をすると、ヒロミが結構弱かったので、もっと強化していいと思います)

    ヒロミの生命力を0点以下にする、もしくは3ラウンド経過時にPCの生命力が1点以上ならば、脱出成功。グッドエンド。
    3ラウンド経過前にPCの生命力が0点以下ならば、脱出失敗。バッドエンド。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    エンディングフェイズ
    ・グッドエンド
     病室で、PCは目を覚ます。心電図モニターの音が聞こえる。PCの顔を、医師・看護師・家族が覗き込んでいる。
     PCが目を覚ましたことを知ると、彼らは喜ぶ。
     医師が、なぜPCがここにいるのかを説明する。
     街を歩いているときに、飛び降り自殺に巻き込まれた。
     飛び降りたのは、ユウキヒロミという名の凶悪犯で、警察に追われた末の自殺だった。
     あとはいい感じに締める。生きててよかった。

    ・バッドエンド
     PCは、タクシーの中に連れ戻され、長い間、車内に閉じ込められている。
     ヒロミが嬉しそうに、生前の世間話を繰り返す。壊れたレコードのように、いつも同じことを話す。
     あと2000年、この状態が続く。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    登場NPC
    ・ユウキヒロミ
     性別はGMが自由に決めてかまいません。
     PCと相乗りでタクシーに乗っている客。明るくPCに話しかけてくる。
     正体は殺人・放火・強盗など、あらゆる悪事に手を染めた凶悪犯で、警察から逃げている最中にビルから飛び降り、PCを巻き込んで地面に激突した。

    ・運転手
     PCとヒロミが乗るタクシーを運転する男。ずっと無口。
     正体は死神で、PCとは一度出会っている。しかし、そのことをPCに教えてくれない。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    以下は、GMが読んでおくと、ロールや情景描写の助けになるかもしれません。
    ・PCたちがいるのは、生と死の狭間の世界。
    ・この世界はあいまいで、そこにいる人間のイメージを吸収して、風景が変化する。
    ・今回は、PCが持つ乗り物のイメージ(タクシー)と、ヒロミが恐れていた無間地獄(繰り返し落ちていく)と、どちらかが持つノスタルジーが混ざった世界となっている。
    ・トンネルで心電図モニターの音が聞こえるのは、トンネル内は生の側が濃いため。生き返る道(非常口)がトンネル内にあるのもそのため。
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