まずはこの絵をご覧ください。 20150427saku


これはミズグチ画伯の作品をアカザー画伯が模写した問題作(『カオスだもんね!第4巻参照』)。この例でもおわかりのように、この世には数多くのニセモノが横行しています。

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本物の影にニセモノあり。しかし、なぜこんなにも数多くニセモノが生まれてきたのでしょうか?

今回はそんな謎に迫るべく、千葉県にある国立歴史民俗博物館で5月6日まで開催中の『大ニセモノ博覧会』を取材してきました。

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最初に目についた展示は12枚の小判。実はこのうちの11枚がニセモノというから驚きです。

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以前取材したニセ札も非常に精巧にできていましたが、この小判もどれも本物っぽく見えるものばかり。

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どれがホンモノの小判かで盛り上がりつつも、次は陶器のニセモノへ。

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これは“安南陶器ニセモノ事件”の陶器のようです。その事件とは……。

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続いて有名日本絵師のニセ水墨画やニセ書、さらに偽酒とともに登場したのがこちらの“見栄と宴会の世界”。

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ここでは当時の有力者が権威の象徴として、宴会の場で書画や陶器を自慢していた様子を再現。そこで重要だったのは、いかに多く“名の通った作家の作品”を所有していたか。

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さらに解説によれば、所有者の中には贋作と知りつつも、いかにも本物のようにそれを所有することで見栄を張り、自分の地位と権威を周囲に見せつけていた人も居たようです。

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たしかに普通の人には作品の真贋はそう簡単には見破れませんし、こんな立派な家に住んでいる人のコレクションなら本物かも、みたいな気もしてきます。

つまり、本物だけど売れていない作家作品よりも、“本物よりも価値のあるニセモノ”というのが少なからず存在していたようです。


続いては特定の人物を騙して困らせるために作られたニセモノ化石“ヴュルツブルグの嘘石”です。

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ベリンガー教授の性格の悪さが招いた事件ではありますが、最終的には騙した側の化石を持ち込んだ人たちも処罰を受けとのこと。どちらにとっても不幸な話でありました。


そして次は“縄文時代のイミテーション”。これは山で暮らす縄文人が、海沿いで暮らす縄文人の間で流行していた貝の腕輪を粘土で似せて作ったというもの。

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これも確かにニセモノなのでしょうが、これに関しては誰も困らない微笑ましい話だなと思いました。

さらにできのいいニセモノ“瓦質天目”。

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これは模倣品も名の知れた名窯で焼かれると、それなりの価値を見出すという例で……。

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ニセモノにも本当にいろいろなスタイル、そして評価があるんだなぁと感じました。

そしてさまざまなニセモノを見てきた中で、最後に登場したのがコチラ!

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どこから突っ込めばいいのか困りますが、これは明治時代に製作されてヨーロッパに向けて輸出されていたニセモノのようです。

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まず“人魚”という存在自体がニセモノというか想像上の生物ですが、鎖国明けの日本は世界から見れば“謎に包まれた神秘の国”だったらしく、かなりの需要があったようです。

と、時代や地域によって様々な意味合いを持っていたニセモノ。もちろん現代においては許されないものが大半になりますが、とはいえひとくくりに悪とは言い切れない、なかなか考えさせられる企画展でした。

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大人の事情で今回は写真でのレポートは出来なかったので“本物のニセモノ”が見たくなった方は、『大ニセモノ博覧会』に足を運んでみては如何でしょうか? 千葉県の国立歴史民俗博物館で5月6日まで開催中です。冒頭の小判クイズの正解もわかりますよ~。

本物のニセモノが見られる『大ニセモノ博覧会』の体験レポートは週刊アスキー4/21号(4月7日発売)の『カオスだもんね!PLUS』でチェック!

大ニセモノ博覧会(外部リンク)

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