【コラムめいた日記】原作を重んじる、ということ――アニメ「ニンジャスレイヤー フロムアニメイション」1話を観ました
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【コラムめいた日記】原作を重んじる、ということ――アニメ「ニンジャスレイヤー フロムアニメイション」1話を観ました

2015-04-17 20:49

     こんばんは、あやさわです。

     4月16日から全世界で同時配信される、独特のサイバーパンク・ニンジャめいた世界観が熱狂的なファンを生み出したネット発の小説「ニンジャスレイヤー」のアニメ版、「ニンジャスレイヤー フロムアニメイション」の1話を観ました。



     えー、「ニンジャスレイヤー」の原作のことはよく知らないけど、話題らしいし取り敢えず観てみようかな? というニュービーの方も、本放送を一日千秋の思いで待っていたという重篤なニンジャ・ヘッズの方も、この記事を読む前に、とりあえずは、ニコ生のタイムシフトか、動画の方をご覧になってください。

     ……え、まだ観てない? いやいや、とりあえずは観てみてください。大丈夫、僕はここで待ってますよ。たかだか15分くらいですから。

    (……皆が動画を見終わるのを待っている……)

     観ましたか?

     というわけで、いかがだったでしょうか。まあ大半の人は「何だこのアニメは? というかこれはアニメなのか?」という疑問を抱かざるを得ない内容だったと思います。

     正直言って、最初の12分を見た段階での僕の感想は、「これは酷い……」というものでした。



     今作の制作を担当する「Trigger(トリガー)」は、かつてかのGAINAX(ガイナックス)で「天元突破グレンラガン」を手がけた大塚雅彦氏と今石洋之氏、そして元GAINAX制作プロデューサーである舛本和也氏の三氏が中心となって設立したアニメ制作会社。近作では「キルラキル」のヒットが記憶に新しいかと思います。

     この会社、「とにかく勢いのある、『動く』アニメ」を得意としています。以前からの実績、そして事前に公開されていたPVの内容から、「全編通して画面が動きまくるガチガチのバトルアニメ」を期待されていた方は多かったのではないでしょうか?

     で、結果として、本編の半分以上が「秘密結社鷹の爪」よろしくのFlashアニメ風、悪く言えば紙芝居だったという事実に、憤りを隠せない人は多いでしょう。

     事実、世界最速配信となったニコ生での放送後アンケートでは、50%近い人が「良くなかった」の評価を下しました。8万人以上の来場者数を記録し、放送を視聴できないユーザも生み出すほどの注目度であったのにもかかわらず、です。

    アイエエエエ!? アニメ「ニンジャスレイヤー」まさかの紙芝居&後半実写パートで視聴者満足度が爆発四散(from ねとらぼ

    ”これまで短いティザー映像しか公開されていなかった本作ですが、いざ始まってみると、アクションシーン以外はFlashアニメ調の紙芝居演出というかなり割り切った内容。アクションが増える後半はトリガーらしくグリグリと動きまくったものの、始まってしばらくはFlashアニメ調パートが続き、視聴者からは「なんだこれ」「ニンジャスレイヤーだと思ったら鷹の爪だった」「同人アニメか何か……?」といったコメントが相次ぎました。またアニメ本編は前半のみで、後半は実写パートという謎の構成にも疑問の声が。”


     これには僕も「さもありなん」と言う他無いように感じました。特に後半の実写パート、誰が得するの、あれ……?

     とはいえ、一度見た限りでは評価は出来ぬか……とちょっと冷静になり、ニコ生終了後に配信された動画の方を、コメント抜きで何回か観直してみることにしました。

     その結果ですが……確かに、あの「Trigger」が手がけたとは思えない、画面全体のわびしさは拭い切れないのですが(それでも動くところはちゃんと動いているのは流石)、「ニンジャスレイヤー」という作品として観てみた場合、これはこれでなかなか良く出来ているのではないかと思ったのです。

     実際、このアニメから「ニンジャスレイヤー」に触れた方からしてみれば、画はさほど動かないのもさることなら話も訳がわからないで、このアニメはいったいどこが面白いのか、さっぱりわからなかったのではないでしょうか。

     しかしこの感覚は、我々ニンジャ・ヘッズ(忍殺ファンの通称)が、初めてTwitter上で連載を読み始めた時のそれと極めてよく似ています。誰しもがそれを初めて目にした時、「何だこれは?」と考えたものです。

     言うなればこれは、セカンド・インパクトなのです――つまり、これから忍殺に触れる人に(あるいは既に忍殺を知っている人にも)、連載開始当時の人たちが受けたものと等しい衝撃を与える。

     つまりこれは、ある種の原作再現と換言することが出来ます。恐らく、視聴者に上記のような感想を抱かせることが出来た時点で、制作側としては「しめしめ」といった具合なのではないでしょうか。

     また、これは具体的に何と言えばいいのか……今回の内容を吟味すると、原作が持つ独特のグルーヴ感というのか、そういった雰囲気はちゃんと再現出来ているように感じます。

     例えば、本編2:58くらいから30秒近く続く天丼のシークエンスは、原作においては様式美(いわゆる『イヤグワ』)としてまま見られるもので、ヘッズ的には「ああ~、あるある」となる場面です。これ以降の描写を観ても、既存ファンに対しての訴求は、少なくともしっかり出来ています。

     そして「ニンジャスレイヤー」という作品自体が、その外見や内容から、そもそも万人受けのし辛いコンテンツである……ということを踏まえると、1話終了段階で下された、現在のユーザ評価は、ある意味正統なものなのです。

    ここからはついて来られる奴だけついて来い」と言うのはやや投げっぱなしですが、実際「ニンジャスレイヤー」とはそういう作品であることに違いなく、その意味でも、今回のアニメ版は、良くも悪くも原作をそのまま体現した存在であると言えるのです。

     僕としては、制作側の「原作を重んじる」という心意気を感じ取れる内容だったと思っています。まあ、新規さんにとっては全然優しくないことは問題だと思いますし、何よりヘッズの僕からしてみても、PVのちょっと詐欺的な編集は許せないところがあるのですが……。

     何にせよ、現段階ではまだこのアニメに「駄作」の評価を下すには早いでしょう。ぱっと見の絵柄はシュールでギャグめいていますが、物語の本筋はかなりシリアスな復讐劇ですから、ストーリーに注目して見ていくのも良いと思います。さあ、ニュービーもヘッズも、次話以降に備えよう



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