参議院選挙投票日直前だから、たまにはね ―イギリスに見る選挙に行かない・政治を考えないリスク―
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参議院選挙投票日直前だから、たまにはね ―イギリスに見る選挙に行かない・政治を考えないリスク―

2016-07-08 20:09

    選挙は「どちらが正しいか?」という話ではない
    さて、今回の参議院選挙から、選挙権年齢が18歳以上となりました。
    各メディアも、若者の声を多く取り上げるようになっています。

    そんな中、学生への街頭インタビュー等でしばしば耳にするのが、

    「何を基準に判断していいか分からない」
    「ぜひ、投票に行って、正しい政治家を選びたい」

    という意見です。真面目で、人として良い意見だと思います。

    しかし、先に結論を言えば、国会議員を選ぶのに決まった基準は存在しません

    明らかにわかる、「この人は、国会議員にしてはダメだろう」という候補者は脇に置いておいて。そもそも、「この人を国会議員にするのは正しいか?」という問題に明確な基準があれば、「国会議員を選挙で選ぼう」という話にはならないのです。

    『国会議員適性試験』とか、やらないでしょ?
    仮に、政治家を明確な基準があったならば、その基準をクリアできるかを試す『国会議員適性試験』を作成して、試験の得点上位者を国会議員にすれば良いのです。試験に必要なのは、試験用紙、試験会場、試験受付・試験監督等の事務員程度。圧倒的にコストも安く済むでしょ?

    しかし、立法府の国会議員も試験エリートになってしまうと、行政府の国家公務員も試験エリート、司法府の裁判官も試験エリートという状況が完成。国の政治を、似た物同士でチェックをし合う事になります。

    似た物同士の物の見方は似通うもの。発想が同じだから、見るところも同じ。国会・省庁・裁判所の関係は、次第になあなあになって行きます。その行き着く先は、試験で上手く行った試験エリートたちの牛耳る専制政治になるでしょう。

    試験ではなく、有権者からの得票数で議員を選ぶ
    民主主義は、試験エリートや王侯貴族による血統エリートに反対する立場にある政治です。その民主主義にとっては、試験でもなく、血統でもなく、選挙で政治家を選ぶということこそ重要なのです。

    選挙とは、要はアンケートです。有権者の全員に投票用紙を配って、目の不自由な方にも点字投票用紙を用意して、選挙に立候補した人たちを数千人、数万人の目で評価して、「誰がいいですか?」と聞くわけです。

    選挙で当選する方法は、ただ一つ、より多くの有権者から票を集めることしかありません。

    その歴史的教訓から、候補者が票集めでワイロを配ったりすることを禁止していますが、候補者が支持を集める方法に制限はありません。政策、巧みな演説、経歴、若さや体力、女性であること、政党からの支援など、候補者がアピールするものは様々です。

    一方、投票する有権者の側も、候補者のどこを評価して投票するかは決まっていません。演説が良かった、年齢が近い、人柄が良さそう、経歴がすごい、容貌が良い、性別が一緒、応援している政党から出ている等、投票の決め手も様々です。

    投票の決め手は、人それぞれなのが当たり前
    有権者の中には、子育て世帯もあれば、介護世帯も、夫婦二人世帯も、独身世帯もあります。残業に次ぐ残業の会社員、毎日定時に帰れる会社員、コンビニオーナーで昼も夜もない人、育休で子育てに奮闘中、失業して求職中、学生で勉強中、老後で年金生活、病院で闘病生活という人もいます。

    置かれている立場も状況も異なりますから、有権者の政治に対する意見も要求も異なり、

    「保育所があったら助かるのに」
    「老人ホームの順番待ちをどうにかして欲しい」
    「残業は、一律禁止にしてくれ」
    「オレは頑張ってるから、向こうをもっと頑張らせろ。だからオレに支援をくれ」

    と、有権者はそれぞれの立場から政治に注文をつけます。

    このような中で、「誰に入れて良いか解らないから、投票に行かなかった」と言っていたら、政治は大きな声で最後までゴネた人のもの、ゴネ得政治になってしまいます。だから、遠慮して意見を言わないでいると、どんどん自分が不利になっていく一方です。

    「正しいかどうか解らないけれども、私は、こうして欲しいんだ」
    「正しい政治家かどうか解らないが、この人ならマシだと思う」

    という意見であれば、何とか票の形に出来ますよね?
    他の人もそれぞれの立場で投票するのですから、自分も自分の立場で投票すれば良いのです。18歳以上という枠組みで「どの候補者を参議院議員にしますか?」と聞かれているのですから、遠慮する必要はありません。

    選挙に行かない・政治を考えないリスク
    先月、6月23日(現地時間)、イギリスで行われた国民投票では、離脱支持が 51.89% を獲得して勝利しました。この結果に対して、残留支持が多かったイギリスの若者たちは「USBの使い方もわからないような世代によって混沌がもたらされた」と腹を立てています。

    しかし、ガーディアン紙の年代別投票率とBBCの年代別支持率を合わせて見ると・・・

    EU残留を求める若者たちは、そもそも投票所に行っていないわけで、負けるべくして負けたことが解ります。事前の世論調査ではEU残留派が有利だったとはいえ、あまりに他人任せ、油断のし過ぎです。

    後悔は先に立たず。結果が出てから騒ぐのではなく、投票に行きましょう。

    今回の日本の参議院選挙では、既に期日前投票へ制服姿で来た高校生の映像も流れたりしています。18歳や19歳を対象とした各種メディアの世論調査でも、参院選に対する若者の関心は高いようです。

    [NHK] 投票に必ず行く・・・22%、行くつもりでいる・・・38%
    [読売新聞] 参院選に大いに関心がある・・・16%、関心がある・・・51%

    政治家は、有権者からの票を自分に集める職業です。
    この先、政治家が若者の意見に注目し続けるかどうかは、若者の投票率にかかっています。100票しか取れない世代より、1万票になる世代の声を聞くのは当たり前です。イギリスの若者たちのように成らない為にも、選挙に行きましょう。

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