青空文庫で短編を読もう
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青空文庫で短編を読もう

2020-06-09 23:59

    自作ポエムでも読書感想文でも好きに書けばいいことに気付いた。
    最近読んでよかった短編の感想。
    各所でおすすめされている名作から読むのでだいたいよかったになる。


    白痴 坂口安吾
    いわゆるセカイ系ど真ん中でびっくりした。宇野常寛に批判食らうレベルのセカイ系。
    生活能力なしで精神の幼いいわくつきの美人が急に部屋に転がり込んでくるとだけ書いたら完全にラノベ。挿絵つけろ。
    白痴の女性を虫や人形に例えるなど人間未満として描いているが、ラノベ読んでる人はヒロインとしてすんなり受け入れるんじゃないかな。全く噛み合わない生活から一変、空襲から逃げるときに初めて意思が伝わる部分がいかにもボーイミーツガールで気持ちいい。


    どんぐり 寺田虎彦
    粉体サイロの話をしたので、粉体の大家が書いた話を読む。本職は物理学者で「粉体工学」の名前を付けたのはこの人。
    ぶっきらぼうでぞんざいな、いかにも明治のインテリ旦那から、最後の段落はずるい。これはギャップ萌え。
    散歩に行ったところは小石川植物園。遊びに行ったことがあるが大学付属の植物園なのできれいな庭園を期待するとがっかりするとおもう。散歩には良い。


    番町皿屋敷 岡本綺堂 
    ドレスデン皿屋敷をやったので番町も履修。歌舞伎では定番らしい。
    明日はお休みする落語のお菊さんも好きです。
    新解釈で悲恋の物語にしてあるという点はサロメの話が近いかもしれない。


    瓶詰の地獄 夢野久作
    以前話に出たので読みたかったやつ。3枚をどの順で読んでも違和感。
    下2作品はそのうち読みたい。清涼院流水は既読。
    君を愛したひとりの僕へ
    石蹴り遊び


    藪の中 芥川龍之介
    再読。瓶詰の地獄で思い出したので。


    機械 横光利一
    ミステリーで議論になる、実行犯を犯人とするか、実行犯に動機付けして操った黒幕を犯人とするのか問題。犯人探しや言葉遊びでやる分には黒幕探しも面白いだろうけれど、大抵は動機をつくった原因までは探らないし、そこまで自分や他人の心に興味がない。段落分けがない真っ黒なページと、極端に記号化された登場人物たちのやり取りを読み進めるうちに、感情は外圧的に生まれ、支配されていて、複雑な機械として連鎖的に動いているだけではないのか。なんて考えが頭から離れなくなる。世界が一つの知性として動いているような感覚。シンギュラリティとか言っとけ。サルトルが高評価したらしいと聞き、この解釈に固定されてしまった。実存は本質に先立つ。


    檸檬 梶井基次郎
    聖地の丸善は檸檬置き場があるどころかレモンケーキ売ってると聞いて。
    これと桜の樹の下にはしか読んでいないけれど、私は詩的でさらさらとした心地よさを小説に求めていないのかもしれない。


    セメント樽の中の手紙 葉山芳樹
    完全に正気、正常な判断で書いた手紙なのにホラー扱いされる表現力がすごい。
    仕事柄、足の骨が見えたり指が飛んだりという怪我を見たことがあるが、たぶんこうなる。月給ではないなにかのために仕事していると思い込まねばやっていられない。


    淫売婦 葉山芳樹
    こっちはホラー扱いしてしまうのが私の想像力の限界なのだろう。
    燭の字の話をしたので探していた。
    「燭」一文字でカンデラと同じ(1959まで使われた単位。)今の電球のように消費電力のワットで表記するよりいいと思う。


    葉桜と魔笛 太宰治
    きれい。
    短編にありがちな薄さと嘘っぽさも、情報の出てくる順番の妙で気にならない。


    少女病 田山花袋
    群馬の鬼押し出し園に行った時に上毛かるたを見たので。誇る文豪の人。
    「布団」は読んだことあるのでこういう話だろうとは思っていたけれど、さらに描写がやらしい。38才の物書きおじさんが日替わりで美少女を舐めるように見る話。ほとんど美少女の描写。これ大丈夫ですか?炎上しません?
    物書きが、物書きを主人公にしてこんな話を書くのかとおもったが、現代も工学部助教授を主人公に教え子との恋愛話書いてる工学部助教授がいたんだった。
    三舎を避ける:恐れて距離を置くこと。一舎は軍隊一日の行程のこと。


    文字禍 中島敦
    禍の字が流行っていたので。カフカの変身いいこれといい、教訓じみた話をトンデモSFにするの大好き。


    悟浄歎異 中島敦
    再読。以前スライドにした西遊記サブキャラ二次創作。
    後編に当たるが悟浄出世より読みやすいのでこっちから読んだらいい。


    猫の事務所 宮沢賢二
    解散で話が終わる。説得や忠告では解決しないという話になってしまうが、それは作者の本意でないところが半分同感なのかも。


    父帰る 菊池寛
    毎日一緒に食卓を囲うわけでもなく、交わす言葉がなくとも家族は成立する。
    この歳になってくると親ですら興味を失って電話も互いにかけないが、VRで遊んでるのを知られるとやだなぁという謎感覚が血縁なのだろうか。


    鮨 岡本かの子
    家族つながりで思い出した。
    勝気な看板娘に寡黙な紳士が過去を話すシチュだけで既に良い。
    いわゆる潔癖症の人の一部は自分や家族が汚したものは構わないが、誰が使ったかわからないものは不潔に感じるとか。私は誰が握ったおにぎりでも食べるし、そこまで自分の手を信頼してないのであまりわからん。


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