蘇る魚人症
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蘇る魚人症

2016-04-02 06:06

    ――胸糞シナリオです。ご注意ください。

    「CoCは、ラヴクラフト御大の作品群を根幹とするものである」
     その思いを新たにし、勢いで書き上げたものです。
     例によってシナリオというよりも、フックに近い構成です。
     流用・改変などは、ご自由にどうぞ。

    【注意事項】

     PL人数は3人~4人を推奨。
     キャラクターロストの可能性有り。
     戦闘は(発狂を除けば)発生しない。
     神話生物や魔術師は登場しない。

    【推奨ハンドアウト】

    ※PC達(NPC含)は全員、親しい間柄であることが望ましい。

    ・PC1:NPCの配偶者

    ・PC2:PC1の義弟/義妹など(NPCの血縁者)

    ・PC3:医療関係者

    ・PC4:職業は問わない(関係性/親しい友人)

    【推奨技能】

     図書館 医学 人類学 精神分析 など

    【NPC】

    ・奇病の罹患者

     探索者との関係は「患者」或いは「知人」である。
     セッション中、このNPCの奇病は、徐々にステージが進行していく。
     ステージ5に到達すると、このNPCは窒息死してしまう。

     ステージ1:身体の一部に「鱗」が疎らに生えている。
     ステージ2:件の「鱗」が増殖している。手足の指間に「水掻き」が生じる。
     ステージ3:ほぼ全身を「鱗」が覆う。首筋に「エラ」が生じる。
     ステージ4:頭部の変形しカエルのようになる。殆ど魚人そのもの。
     ステージ5:完全な魚人。陸上では呼吸困難から死に至る

    ・PC1の配偶者(PC2の血縁)

     PC1の夫/妻であり、かつPC2の血縁者。
     過去、献血に協力したことがある。
     奇病の原因であろう情報をこのNPCに告げた場合、自殺してしまう。

    ※このNPCとPC1の間に子供がいるかどうかは、自由にしてよい。

    【筋書き】

     ――皮膚に鱗やエラのようなものが浮かび上がる。
     ――やがて、呼吸困難を引き起こして死に至る。
     ――まるでポンプを停められた、水槽の魚のように……。

     そのような病が、世間を騒がせ始めている。
     探索者の身の回りにも、この奇病の罹患者(NPC)が現れた。
     探索者達はこの奇病の正体を突き止めるべく行動を開始する。

    【情報】

    ・奇病の前例

     アメリカはマサチューセッツ州・エセックス郡にて1846年に確認されている。
     インスマスという漁村では、住民の半数がこの奇病で死亡したという。
     医療記録などは残されておらず、インスマス自体も過疎化で消滅している。

     日本の東北地方に「蔭洲升」なる寒村が存在するという情報も得られるが……。
     こちらは前述の奇病を題材にした都市伝説であり、実在のものではない。
    (むろんKPの好みによっては、実在するとしてもいい)

    ・奇病罹患者の共通項

     一ヶ月以内に何らかの理由で輸血を受けている。

    ・輸血した血液について

     原因と断言できるような情報(証拠)は出ない。
     ただし、輸血に使用された血液が誰のものであるかは調べられる。
     PC2とその血縁者(NPC)の血を受けたものは、全員が罹患していると判明する。

    ・奇病の研究

     症例と酷似する魚人を扱った学術論文(後述)が存在する。
     水棲人類は異種交配――人類との交配が可能であると記される。
     むろん、その混血児の身体特徴なども事細かに描写されている。
     これをPCが読んだ場合、
    「水棲人類なるものが、本当に実在するのではないか」
    「交配せずとも遺伝子情報が体内に入れば、混血化するのでは」
     という疑念を抱くことになる。

    ・奇病からの回復

     罹患者(NPC)の奇病は、PC1の血縁者(NPC)が自殺すると快癒する。
     つまり血液の提供者が死亡すれば、その影響から開放される。

    【SAN減少】

    ・PC1とその血縁者(NPC)の血液が異常の原因だと知ってしまう(1D6/2D6)

     奇病の罹患者において共通しているのが、
    「PC達の血液を輸血されたこと」
     であると判明した場合に行うSANチェック。

    ・水棲人類なるものの存在を知る(1/1D4+1)

     後述の学術論文を読んだ(情報を取得した)際に発生。

    ・PC2やその血縁者(NPC)が純粋な人間ではないことを知る(1D10/2D10)

    「PC2とその身内の血液が奇病の原因であると判明する」
    「後述の学術論文を読んでいる」
     これら両方を満たした場合に、発生する。

    ・PC1の血縁者(NPC)の自殺(1/1D6)

     前述の通り、輸血に関する情報を知らせると自殺してしまう。
     これを阻止するには、目を離さずに行動を共にするしかない。

    ・罹患者(NPC)の回復(1D10/2D10)

     前述の血縁者の死亡によって、罹患者はたちまちに快癒する。
     つまり治療するには「血液提供者が死ぬしかない」と判明する。

    【学術論文と著者について】

    『ルルイエ異本を基にした後期原始人の神話の型の研究』

    (原題:An Investigation Into the Mythpatterns of Latterday Primitives With Especial Reference to the R'lyeh Text)

     著:ラバン・シュリュズベリィ(Laban Shrewsbery)

     1900年代初頭、アメリカで著された学術論文。言語は英語。
     シュリュズベリィ博士が上梓した最後の論文である。
     公表から70年以上経過している為、著作権は既に喪失している。
     その為、インターネット上の論文サイトにアクセスすれば誰でも閲覧が可能である。
     原稿そのものはミスカトニック大学にて保管されている。

     東アジア圏における原始宗教とその神話について事細かに述べられている。
     題名通り、ルルイエ異本なる書物が参考文献として挙げられているが、
    「原本は人類以前の言語で書かれている」
    「ムー大陸、及び水棲人類の実在を仄めかす」
    「水棲人類の血脈(予想)分布図」
    「彼らの信仰対象である“Cthulu”という神について」
     ……など、その内容は荒唐無稽さが際立つ。
     身に覚えがある者ならいざ知らず、常人にとっては絵空事であろう。

    ・ラバン・シュリュズベリィ博士

     その当時、哲学・人類学の分野における権威であると目されていた人物。
     ただ、晩年は隠秘学や神智学などに深く傾倒し、奇行が多かったと伝えられる。
     放浪癖(隠遁癖)があり、何度か行方知れずになることもあったという。
     1938年以降、消息を断つ。(その後、既に死亡したものと判断された)
     未完の論文に『ネクロノミコンにおけるクトゥルー』がある。
    (原題:Cthulhu In the Necronomicon)
     こちらもミスカトニック大学に保管されている。
     未完ゆえか、現在のところデジタルデータ化されていない。

    【クリアの報酬】

     基本的に、用意されていない。
     もし報酬を用意したい場合は、エンディングの描写で、
    「探索者は心の傷を癒やすため、長い休養を余儀なくされた」
     という理由などをつけて、メンタルケアに時間を費やした――と、すればよい。
     その後、KPは報酬として適当だと思える回復量を提示すること。

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