【CoC】シナリオに思うこと【雑感】
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【CoC】シナリオに思うこと【雑感】

2016-12-23 01:12

     かつて、周囲でシナリオ不足を嘆く声があがったとき、
    「じゃあシナリオの製作講座でもやろうか……」
     そんなことを、つらつらと考えたことがありました。
     はい、考えただけです。やってません。思うところあって取りやめたんですね。
     今回はそのあたりの死蔵ネタや思うところについて、つらつら書いてみようと思います。


     さて、まず最初に断言しておきますが。

     シナリオを作成すること自体は、ごく簡単にできるものです。

     それこそインスマス探偵の人だとか、どこぞのTRPGお化け様だとかがご自身のブロマガで述べているように――簡単な作り方といいますか。
     シナリオを作るためのコツ、のようなものは確かに存在しております。
     やろうと思えばササッと作れる。これは現実の手法としてあるわけなんですな。
     例えば、そのあたりのことでよく言われるのは、
    (我々はプロではないのだから……)
     という戒めであり、かつこれを自覚をしておこうね、てなことなのですけども。
     ぶっちゃけ、これは(私の解釈からすれば)

    「一から綿密に作ろうとするな」

     こうした定石に繋がるものなんですね。
     実際、このことを念頭に置いておけば、それだけで随分と楽になります。
     素人が、やれ推理だギミックだ面白さだと考えていっても、キリがないんですよ。
     そもそも様々な要素を組み合わせ・想像していくだけで、

     遊ぶに足り得るシナリオは作れます。作れちゃうものなんです。

     シナリオという単語を思い浮かべるだけで「難しそう」だと感じる人は多いかと思いますし、私とて「そういう気分」にはついついなりがちであるんですが……。

     実際のところは、そう難しいものではありません。

     なんでかって――あえて語弊のある言い方(個人の解釈)をしますけれども、

     TRPGって要は「ルールのあるごっこ遊び」なんですよ。

     むろんシステムによっては、そのルールが保証してくれるシステマチックな部分が肝だったりはしますけども、基本原則という意味ではそのシステムも大差はありません。
     何故ならTRPGってのは ○○ごっこするもの、この指とーまれ! てなものなんです。
     勇者ごっこというなら、パッと思いつくのは『ソードワールド』あたり。
     超能力者ごっこというなら『ダブルクロス』なんかがそうでしょう。
     陰陽師なら『鵺鏡』があるし、妖精さんなら『ウタカゼ』がある。
     大人気の『CoC』というなら、探索者や狂信者ごっこ……というようにです。
     それらをより面白く、没頭できるようにして遊びたい。
     だからこそのルールなわけですし、データでもあるわけですね。
     もちろん、ここで私が言いたいことは、

     TRPG=ごっこ遊び=つまり児戯?

     ということではありません。

     何がしたいのかを明確にさえすれば、人が集まってくる。
     その基本構造が、ごっこ遊びと同じように確実に存在している、ということなんですな。

    「私は○○ごっこがしたいッ! 誰か一緒に遊ぼうぜえええええッ!」
    「俺もやりたい! 具体的には△△のポジションで××って言いたい!」
    「僕も僕も!」

     これは一例ですが、非常にわかりやすいことじゃないかと思います。
     実際、テンションが上がってさえいれば、大人でも概ねこんなものだったりします。
     なのでこのことを踏まえると、シナリオを作る際に重要なのは、

    「みんなと○○ごっこがしたいなぁ……」

     という動機になってくるとも言えるわけですよ。
     好きなドラマなり映画なりアニメなり、モチーフは山のようにありますから。
     美少女なり、格好いいおっさんなり、テンプレのような会話なり、色々あるわけです。
     だからこそですね、シナリオを作るのは簡単なんです。

     PL「杉○右京、マジ格好いいんですけどぉ……」
     KP「じゃあ、例の刑事モノみたいなシナリオにしましょうねえ」

     これだけで、大体どーいうシナリオを作るかの方向性は決定します。
     ましてここまで決まってしまえば、シナリオの製作者は、

    「○棒みたいな刑事モノやるぜ!」

     ……なんて、うっかりと卓仲間に言うだけでいい。

     これだけで、だいたいみんな何をして遊ぶのか瞭然となります。
     熟練刑事・新米刑事・鑑識・元同僚の探偵……なんてハンドアウトを用意してあげると、ここぞとばかりにキャラ設定だの口調だのを妄想し始めたりもするでしょう。
     これで掴みはバッチリというわけです。
     大丈夫、その「ごっこ遊び」をしたくない人は(普通は)そもそも参加しません。

     あとは刑事モノということなので、殺人事件のお約束――犯人・被害者・目撃証言など――を用意してやれば、シナリオの殆どは完成するわけです。
     ましてこれらも全部、わざわざ考える必要はありません。
     好きなエピソードなり、作品なりから、ありがちなものを拝借してくるだけでいい。
     ああ、密室殺人などのギミックを「やりたいけれど、思いつかない」場合も簡単です。

     神話生物とかモンスターとか魔法とか。
     魔術師とかアーティファクトとか神サマとか。
     そういうものを代役として用意してくれば事が足ります。


     大抵のシステムには、超常現象か非日常が設定されております。
     或いは常識そのものが「剣と魔法」であったりするわけですから。

     なので、困ったことは全部、超常系の仕業であるとすればいいんですよ。


     それはそのままトリックにもなりますし、ギミックにも成り得ますから。
     まとめていきますと、

    1:遊びたいシステムを決める。
    2:そのシステムを使って遊びたい「○○ごっこ」を設定する。
    3:PL連中に「○○ごっこしようぜ!」と伝える。
    4:必要ならハンドアウトを配布して、より雰囲気を明確に。
    5:MAPとかNPCとかアイテムとか用意しましょう。
    6:黒幕? 真相? たぶん悪い魔法使いか、神話生物のせいだよ!

     だいたいこんな感じです。
     TRPGにおいて、シナリオとは雰囲気・筋書き・状況設定さえあればいい。
     芝居台本を用意するわけではないので、非常にコンパクトなものでOKなんですな。
     なんと言っても、物語の中身はPLの皆さんが勝手に作ってくれますので。
     エンディングだって、PLと一緒になってその場で作っちゃえばいいんですよ。

     というわけで、ですね。
     このようにシナリオを「作る」だけなら、非常に簡単なものです。
     もしクオリティを求めたいというのなら、それはもう「慣れる」しかありません。

     文筆・会話・演技・即興……
     このようなスキルは、全て「慣れ」からくるものです。

     皆さんの周囲には、やたら卓を回すのが――面白い卓を創り上げるのが――上手なKPさんやPLさんがいるかもしれませんが、それらも「積み重ねた経験によるもの」です。
     そこのところを忘れず懲りずに、卓の回数を愉快に重ねていきたいところですね。




    【――以下、蛇足めいた思うこと――】

     繰り返しになってしまうのですが、TRPGは「ごっこ遊び」です。
     目の前の人間と場を共有し、共に遊び、盛り上がる。
     それはひとえに、リアルな人間関係に基づいた遊戯である、という証左でもあります。
     なので、KPやPLの心にクリティカルヒットを放った方が――或いは、自分に向けて放たれた方が――面白くなる、というのは当たり前のことなんですね。

     おれによし、おまえによし、全部よしってなもんで。

     理想的な卓というのはそういうものです。
     CoCのルールブックをお持ちの方は、ちょっと紐解いてみてください。
     30P『プレイヤー間の協力』という項目に、きちんと書いてあります。

     TRPGは、社交そのものである。
     ロールプレイをすることは、複数の人間が集まって共同の世界を築くことだ。
     一人で想像するよりも、ずっとフレッシュで豊かな世界が開けるはずである。

     当たり前の文言ですが、とても重い金言ですな。
     TRPGは「ごっこ遊び」ですが、遊ぶ人間はけして幼児ではありません。
    (幼児の頃から家庭内で親や親戚と遊んでいる、という人もいるかもしれませんが)
     ゆえに、だいたいは気性の合う仲間同士、友人連中でつるんでやるものです。
     昨今はネット環境の発達によって、見ず知らずの人と卓を囲む時代になりましたが、

     だから、なおのこと「社交のスキル」が求められる。

     自分が何をやりたいのか。相手がどういうことをしたいのか。
     それを最低限、互いに気遣った上で場の空気を読み、
    「みんな仲良くはっちゃけて遊びたいね」
     というのは、どうしたところで意識せねばならなくなってくるんですね。
     卓を囲んで遊ぶ以上、納得できないことはいくらもあることでしょう。
     なんたって、目の前で対応してくれているKP・PLは生身の人間です。
     個人差は当たり前のようにあるし、思考や気性の合う・合わないだってある。
     であればこそ、言って(やって)許される分水嶺は見極めておかねばならない。
     なんといっても大抵の場合、TRPGのシステムは、

    「目の前の『生身の人間』と、仲良く気安く遊べる方が楽しい」

     このことを前提として設計され、世に提供されているものですから。
     自他がストレスを抱えぬよう、心を配って遊ぶゲームなのだと考えた方がいいでしょう。
     自分勝手になりすぎてもいけないし、卑屈になりすぎてもいけない。
     そういう意味では、ひたすらに良い人間関係を構築していくこと。
     これこそが、TRPGにおける最良の攻略手筋……なのかもしれません。


     まぁ趣味が合うほうが楽しいし、かつ仲良くなった方がお得ですよってことで。
     ついでに言うなら、人間はイラッとくればぶん殴りたくもなるもんです。致し方なし。
     言っちゃえば、ただそれだけの話っちゃそうなんですが、これが存外にむつかしいんですなー。


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。