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素晴らしい名作 『 塩素の味 』 ・ 『 ポリーナ 』 。
バンド・デシネ初心者に優しめなお値段と、取っ付きやすさに最初は惹かれて読み、
SFやファンタジーだけではないバンド・デシネの面白さを教えられた作品です。
(バンド・デシネとは、フランスを中心としたヨーロッパの表現方法が豊かな漫画の事。)
とにかく淡い心情表現の巧さが凄い。
画はファッションのデザイン画みたいなラフで緩やかな線なのだが、
その緩さに表情や気持ちが織り込まれていて、言外の情報が繊細に多い。
時間運びも流れるようで面白く、映画のような映像的な印象を受ける。
あぁ、なんとも曖昧な感想しか言葉にできないのが何ともモドカシイのだが、
本当にこればかりは読んでみるか、もっと評論できる方の文章を読んでいただきたい。
てか、「ユリイカ」辺りでバンドデシネ特集とかしてないかな……。
ぜひ バスティアン・ヴィヴェス氏について言及している評者の論を読んでみたい。
少女漫画のような繊細さに、ちょっとした現実感が充実してて、
読後に気持ちが晴れ晴れとするんですよね、ホント。 (・∀・)
私は 『 塩素の味 』 ⇒ 『 ポリーナ 』 と発表順に読んだけど、
『 ポリーナ 』 ⇒ 『 塩素の味 』 の順番で読むのが良いかもしれない。
『 塩素の味 』はハードカバーでお値段も張るのと、『 ポリーナ 』の方が読み易い印象。
『 塩素の味 』は、室内プールにリハビリの為に通う青年が、そこで同い年くらいの女性に恋をする話。 さりげない仕草や会話がとても印象的。泳ぐシーンの気持ち良さも素晴らしい。
それと、表題ともう1作品「 僕の目の中で 」が収録されていて、若干お得。
主人公がどちらも男性なので、そこも違いとして大きいかも。
あと、全編カラーなのも非常に良いポイント。
( お金の話が多く下世話で申し訳ないが、実際敷居の高さはここに尽きると思う )
『 ポリーナ 』 は、バレエの才能を見出された少女が大人になる頃までのお話。
スポ魂ではなく、あくまで緩やかに挫折や苦悩、そして恩師との関係が語られていきます。
ソフトカバーで値段もバンドデシネやアメコミの中では安めのお値段 。
主人公が女性なので、女性目線の雰囲気が作風にあってるし、
画の動きと台詞の量のバランスが非常に良く、読み易く楽しめた印象が強い。
こちらは白黒なのだが、見劣りするものではなく、非常に印象的で良い。
個人的には『 ポリーナ 』の方がオススメかもしれません。
無論どっちもいいんですけどね。 (〃 ̄ー ̄〃)
ぜひとも今後追いかけていきたいバンドデシネ作家です。
まだ若手作家ということもあり、期待だらけなので新作を楽しみに待ちましょう。
そして、ぜひともこの作品たちを多くの人に知ってもらいたいなぁと思います。
変わった漫画や日本の漫画とは違う新鮮さを求める漫画読みにもオススメ。
てか、誰かアートアニメーション化してくれないかな。
難しそうだけど、元々が映像的で親和性は高いと思うので観てみたい。
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