遠北千南がいたということ
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遠北千南がいたということ

2020-04-01 00:39

    この記事を書き始めている時点では、まだ遠北千南は卒業していない。三月末までには二十日間ほど残しているような時分だ。しかしそれでも一日ごとに、彼女がそこにいる猶予が減っていく。ひりつくような焦りがもうすぐそこだぞと追い立てる。2019年の12月30日に卒業を発表した彼女は、三か月を長いと言った。しかし二か月を経て一か月を切った今、私には長いとはとても思えない。あっという間と言えばさすがに過剰だけれど、でも満足するに十分な時間だったとは決して言えない。もっと先までいてほしいし、例え卒業したとしてもまた気が向いたら顔を見せてほしいとずっと願っている。嫌だと、卒業しないでほしいとずっと思い続けている。多分それは、きっと叶わない願いだと分かっていても。
    この記事は彼女がいなくなってしまった後、彼女がいたという痕跡を集めるための場所だ。いつか彼女の影を追いかけたくなってしまった時に、こうして痕跡をまとめておけば気も紛れるだろうという算段だ。もし私と同じように寂しさを覚えた人がいれば、この記事を活用してもらえると嬉しい。そして同時に、彼女のことをよく知らない人、まだ知らない人のためのものにもなればもっと嬉しく思う。遠北千南は確かにそこにいたのだと。どこか気安く感じられる、等身大の女子高生がいたことを、どうか知ってもらえたら嬉しい。忘れていたなら思い出して。思い出したのなら、もっと強く記憶に刻まれるように。一人でも多くの人が、彼女のことを覚えているための杖となるのなら、きっとこの記事に意味はあるのだと思う。

    異常に堅苦しい前置きになってしまったが、簡単に言えば卒業後も残るアーカイブ、つまりはコラボ配信のまとめ記事ということだ。その中でも個人的に面白いものを以下に紹介したい。

    1.架空のアニメ声優オーディション企画



    にじさんじSEEDs一期生出身の緑仙が企画した配信。非常に多くのライバーが参加した本企画だが、その中でも遠北千南は異彩を放つ動画を録った。この企画で彼女の面白さに触れたという人も多いのではないか。緑仙からの反応も良く、強く気に入っているようにも見受けられる。一時期配信を休止し復帰した遠北千南だが、復帰後の「新生・遠北千南」の色が非常に色濃く表れた内容になっている。どういう内容かは本編を見てもらえると嬉しい。

    2ヒモと財布



    にじさんじŞEEDs二期生出身矢車りねとのコラボ配信シリーズ、及びコンビ名。現在活動を休止している矢車とは同期であり友人関係にある。Minecraftのプレイが中心だが、気の置けない友人との会話に彼女の飾らない姿の一端を見ることができるだろう。他の配信で見られる少しかしこまった態度の遠北千南と、ヒモと財布シリーズで見られる肩の力を抜いた自然体の遠北千南。どちらにも魅力があることを伝えてくれるだろう。しばしば異常な行動を取る矢車にも注目だ。残念なことに大半の配信は遠北のチャンネルで行われており、矢車のチャンネルに残っているアーカイブは一部だけである。しかしその仲睦まじさ、気の置けなさ、二人の会話センスの高さはいずれのアーカイブにも如実に表れている。今からでも触れることのできるヒモと財布を体感してほしい。

    3.新釈「シンデレラ」朗読してみた



    にじさんじSEEDs一期生出身の緑仙が企画した配信。所属ライバーが多数出演し、緑仙が台本を担当したシンデレラを声劇形式で演じていく。当時既にライバーの物真似が上手いことで名を馳せていた遠北千南だったが、ここでは彼女の高い演技力が光る。無茶ぶりとも取れる矢継ぎ早のリクエストに、丁寧に応えていく様はもはや職人芸とさえ呼べるだろう。幅広く精度の高いモノマネが周知されるきっかけとなった配信の一つでもある。大勢のライバーがわちゃわちゃとふざけるのが嫌いでないならば、是非とも見ていただきたい配信だ。

    4.深夜の声劇



    にじさんじ一期生、JK組の静凛が主導で行ったコラボ。台本は事前にリスナーから募集した。一癖も二癖もある元SEEDsメンバーが多く出演しているが、今では各所で大暴れしている彼ら彼女らの初々しい一面が見られる貴重なコラボにもなっている。それぞれ書き手が異なるリスナー募集なだけあり、台本のジャンルも多種多様だが、中でも力作なのが一番最後のミステリだろう。意外な展開に、遠北の演技力が際立って光るシナリオだ。その表現の妙を味わえる。

    5.お絵かきの森



    にじさんじと言えば、おえかきの森。そんな時代も確かにあった。ないかもしれない。モノマネや歌唱力の高さの陰に隠れているが、実は遠北千南は絵も描ける。ツイートも消去し、自チャンネルのアーカイブも全て削除した今では彼女のイラストはほとんど見れなくなってしまったが、そんな彼女の画力をうかがい知れる貴重なアーカイブである。女性同士で和気あいあいと賑やかに進行していく会話も、穏やかな気持ちで聞けることだろう。

    6.ススメ→トゥモロウ・ひまちなちま・30sec





    公式・非公式問わず、にじさんじ内には多くのユニットが存在する。遠北千南が所属していたユニットもいくつかあるが、最も認知されているのはひなちなちまではないだろうか。元SEEDs二期生同期である飛鳥ひな・町田ちまと組んだトリオユニットである。
    卒業を前に最後のコラボを行った際、まず最初に投稿されたのがこの歌ってみた動画だった。夢があると語った彼女の背中を押す選曲になっている。
    その翌日には三人によるコラボ雑談配信が行われた。休止中の町田ちまも久しぶりに姿を見せたが、三人の仲睦まじい様子は健在である。そのコラボ配信の後半、遠北に秘密で用意されていたサプライズ。にじさんじ内外を問わず、多くの人物から遠北への30秒メッセージが送られた。それを目にした彼女はいったいどんな反応をしたのか。是非アーカイブを確認してほしい。
    メッセージ動画は、配信とは別に単品でもアップロードされている。配信では音声が入り混じって聞き取りづらい箇所もあると思われるので、こちらも併せて見ていただきたい。遠北千南が歩んできたライバー生活が、そしてどれほどの人に慕われ愛されてきたのか、それを象徴する動画と言えよう。

    7.DAZE



    2にて紹介したヒモと財布による最初で最後の歌ってみた。卒業配信後に公開されたとっておきのコラボ動画である。
    カゲプロ、カゲロウプロジェクト。かつてニコニコ動画にて投稿されたボーカロイド楽曲から派生した、マルチメディアミックスプロジェクト。この曲はそのテレビアニメのOP主題歌である。
    恐らくではあるが、遠北千南にとってカゲプロとは世代直撃の超巨大コンテンツだったのだろう。配信で触れることこそ少なかったが、稀に行われたカラオケ配信等でもカゲプロの楽曲を歌うことはあった。
    卒業するその日に、ヒモと財布の二人で、この歌詞を歌い上げる。その意味は各々に解釈してもらいたい。カゲロウプロジェクトがそうやって様々に解釈を広げていったように。


    ここでは遠北千南を象徴する動画を抜粋して紹介した。もっともっと、彼女が残した痕跡はたくさんある。本当はその全てを紹介したいくらいだが、そこまで追うのはそれだけ興味を持ってもらった各人にお任せしたい。
    遠北千南がいたということ。その存在の痕跡が、その存在の証明が、そこにはある。
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