• 「迷宮の声」WEAPON STORY

    2019-07-17 19:1715時間前

    ゲーム内での武器説明

    大獣の牙を混ぜて鍛えられた片手剣。重くて破壊力がある。
    その刀身は迷宮への生贄の血肉を、数え切れないほど浴びている。


    WEAPON STORY

    その女の子には2本のおおきなツノが生えていたんだよ。
    耳のちょっと上のあたりから、牛みたいな立派なツノが。
    ツノの根本を見た事があるんだが、完全に頭の骨から生えてるみたいだったな。
    もちろんそんな子はその子だけだよ。他の子は普通の子だった。
    ツノの子も、生まれた時は小さかったらしいよ。あ、いやツノがね。
    そりゃあそうだ。
    あんなバカデカイツノがあったら、かあちゃんの腹から出てこれやしねえからな。

    イジメられていたかと思うだろ?それが全然違うんだな。
    その子は村の誰よりも強かった。
    村であの子に勝てる男なんて一人も居やしなかったよ。
    力仕事も彼女が一番こなしていたし、
    村にマモノが襲ってくる時は、いつも彼女が先頭で戦ってくれていた。
    何よりみんな、明るくて強い彼女の事が大好きだったんだ。

    でも、ある日に襲ってきた大きなマモノは強かった。
    村の男達はみんなボロ雑巾のように蹴散らされて半分以上が死んだ。
    ツノの彼女も必死で戦ってくれたけど、やがて力尽きた。
    最後にマモノは彼女の身体を持ち上げて、ツノをもぎ取ったんだ。
    その時の彼女の絶叫は凄かったよ。地面が揺れるような音だった。
    静かになったんで家の外に出てみたらマモノと彼女が死んでたんだ。
    二人とも体中の穴という穴から血を吹き出していた。
    あれは、なんていうか……真っ赤な花みたいでキレイだったよ。
    不謹慎な話だけどさ。

    それがあんたの最初の質問への答えだよ。
    この村の村人が全員耳が聞こえない理由。
    でも知っておいて欲しい。
    俺達は誰も彼女の事を恨んじゃいない。
    死んでしまうよりはよっぽどマシだからね。
    後から皆で確認したんだが、彼女の最後の叫びは「さよなら」だった気がする。
    俺達は最後に聞いた音が、彼女のお別れの言葉だった事を誇りに思っているんだ。
    本当にね。 




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  • 「迷宮の歌」WEAPON STORY

    2019-07-17 19:1615時間前

    ゲーム内での武器説明
    大獣の角を混ぜて鍛えられた大剣。
    重くて破壊力がある。その刀身は深く静かな迷宮へ誘うかの様に鈍く光り人々を惑わせる。


    WEAPON STORY

    それは洞窟の奥深くに住まうケモノ。
    巨大な角。鋼の様な体躯。灼熱の吐息。
    牛の頭と人の体を持つ魔獣は、平和を愛する村人達から憎まれていた。恐れられていた。
    やがて魔獣は「迷宮のミノタウロス」と呼ばれる事になる。

    その恐ろしげな見た目とは裏腹に、魔獣はとても優しかった。
    他の生き物を殺す事もなかったし、花があれば無骨な指で踏まないように気をつけた。
    洞窟の奥深くに住んだのも、出来るだけ村人を怖がらせない為だった。

    ある日、洞窟の奥に少女が迷いこんできた。
    少女は魔獣を見ると泣き叫び続け、とうとう疲れて気を失ってしまう。
    魔獣は困惑した。どうしようどうしよう。この子を村まで送り届けなきゃ。
    お父さんとお母さんが心配しているから……村まで送り届けなきゃ。

    少女が居なくなった二日後の朝、憔悴しきった両親の家の前に少女が倒れていた。
    少女には傷一つ無く眠っているだけ。
    駆け寄る母があるモノに気付き小さな悲鳴を上げる。
    少し離れた所に転がっていたのは魔獣の死体だった。
    その死体には何本もの剣が突き刺さり、薄気味悪い血をまき散らしている。
    だが、少女を襲ったような痕跡は無かった。
    むしろ離れる事を望んでいるかのような姿だった。
    まるで、その血で少女が汚れる事を嫌うかのように。
    まるで、少女がこわがらないように。その魔獣は体を小さく小さくして死んでいた。


  • 「迷宮の息」WEAPON STORY

    2019-07-17 19:1515時間前


    ゲーム内での武器説明

    大獣の爪を混ぜて鍛えられた槍。重くて破壊力がある。
    その刀身は深い憎悪で満ちており、見た者全ての心を惑わし引き裂いてしまう。


    WEAPON STORY

    その女はどうしようもなくのろまだった。
    不器用で何をするにも人の3倍以上の時間がかかる。
    歩くのもゆっくり。話すのもゆっくり。瞬きするのもゆっくり。
    水汲みひとつ満足に出来ない有様だった。
    子供達に「ウシ」と呼ばれて嗤われてもエヘラエヘラと笑い返すばかり。

    その女はどうしようもなく鈍かった。
    転んで血を流してもボンヤリしていた。
    頻繁に金を落とすくせに一度も取り戻せた事は無かった。
    目の前で誰かが女の悪口を言っていても
    それが悪口だと判るまでに半日以上の時間がかかった。
    子供達は女を見ると喜んで石を投げつけた。

    その女はどうしようもなく愚かだった。
    村が日照りで苦しんでいたあの夏に、一人でどこかに消えてしまった。
    子供達は皆飢えて死んだ。
    村人達は逃げ出した女の事など考えることはなかった。
    2日程すると雨が降り始めて村は助かったが女は戻らない。
    そうして女が戻らなくなってから20日目のある日、村に祈祷師がやってきた。

    祈祷師の手には角の生えた一筋の槍が握られていた。
    その槍を握ると油でベタベタした。
    その槍を持つと重くて使い物にならなかった。
    その槍を使っても何一つ貫く事が出来なかった。
    祈祷師は槍を無理矢理置いていったが、村人達は気味悪がって誰一人として近寄らない。
    槍は誰にも使われる事の無いまま、今でも村の片隅でひっそりと眠っている。