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どうも、
管理者のNDです。
1月23日は、
38豪雪のピーク襲来から56年です。
よくこのような名称が使われますが、気象庁が命名した正式名称は
「昭和38年1月豪雪」になります。便宜上、ここでは38豪雪の名前を使用します。
北陸で積雪が最大420cmを記録したほか、全国的な大雪に見舞われたこの豪雪被害は
鹿児島県の阿久根市でも積雪38cmを記録するという、豪雪地帯に留まらず、
日本中を大雪に見舞わせました。
北半球における偏西風の蛇行が極端な形になったことで、大寒波が襲来することになったのが
東北~九州までもが大雪に見舞われたことになった原因です。
この38豪雪はもともと昭和37年11月~翌38年4月まで、非常に長い期間にわたって
大寒波が襲来し続けたのが、他の豪雪とは異なった特徴です。
11月の段階で北海道は大雪になり、既に70cmを超える積雪になるところも
ありました。12月までは北海道や青森県中心に寒波の影響を受けましたが、
年が明けると1月からは北陸から山陽を含み九州まで大雪をもたらすようになりますが、
まるで台風の当たり年ように、1週間おきぐらいで大寒波と大雪が襲来しました。
1月上旬には兵庫県姫路市6cm、熊本市で5cm、高知室戸でも1cm(これで史上3位)など、
豪雪地帯以外でも積雪するようになり、中旬には西日本に強い寒波が襲来して、
愛媛県宇和島市では13cm・福岡県飯塚市で20cm・岐阜市34cmなど、各地で大量の降雪となり、
1月23日を含む1月下旬頃になると、滅多に積雪しない宮崎県日南市でも1cm(史上2位)を、
観測史上1位となる種子島・屋久島でうっすら積雪(0cmで観測史上1位)といった記録的な寒波が
九州の南部まで襲来しました。もちろん九州南部でこれということは、日本海側では
更に記録的な豪雪となっています。青森市は72cmの降雪、山形県の新庄市で82cmを始め、
富山市では8日間大雪で降雪309cm、26日には積雪186cm(史上2位)となり、
高岡市では更に9日間で降雪371cm、27日の時点で積雪225cm(観測史上1位)、
金沢市積雪181cm、敦賀市154cm、
福井市に至っては全都道府県の県庁所在地における観測史上で最深積雪となる213cmを記録します。
もちろん九州でも積雪が記録的になり、福岡県飯塚市で23cm、熊本県人吉市で27cm、
長崎県福江市(現:五島市)では43cm、鹿児島県阿久根市で38cm、熊本県牛深市(現:天草市)は29cm、
鹿児島県枕崎市で26cmと、九州各地が至るところにまで記録的な大雪となりました。
ほとんどが観測史上1位・2位の記録です。まさにこの期間が38豪雪のピークとも言うべき時でした。
そして2月上旬になると、関東の茨城県水戸市でも26cm(史上4位)の積雪を伴い、
下旬には四国の高知市では9cmを記録(史上2位)と、イレギュラーな地域でも深い積雪になりました。
3月にはついに関東含む近畿・東海にも大雪が襲来し、奈良市で19cm、
三重県上野市(現:伊賀市)で19cm、和歌山市でも6cm、静岡県三島市にも5cmとなりました。
寒気は季節外れに差し掛かる4月まで襲い、北海道はこの時まで大雪に見舞われる事態となり、
桜咲くシーズンのはずにも関わらず、北陸や山陰では4月に降雪を記録しました。
記録だけで見ても、いかにこの年が長い期間、そして蛇行する偏西風による若干周期的な
大寒波の襲来で、いかに広範囲で大雪に見舞われたかがわかります。
尚、1月23日から降り始めた大雪で、上越線経由の当時走っていた急行「越路」の上り列車は
同日出発し、28日の朝到着するという実に106時間31分の遅延で到着することになりました。
この他、ピークに当たる23日からの10日間で運休は旅客列車だけで6488本という数になりました。
また、この豪雪での死者も相次ぎ、
福井県勝山市の横倉地区では雪崩が発生して16人が死亡、
福井市美山町では下校途中に雪崩に巻き込まれた、小学生・教頭の4人が死亡、
富山県薬師岳で愛知大学山岳部薬師岳遭難事故(日時不定)が発生して山岳部13人が死亡など、
全体で228人の死者と、行方不明者3人を出す災害となりました。
そして、兵庫県明石市に至っては38豪雪の影響を意外な形でうけます。
大寒波の襲来により瀬戸内海の海水温が4度という異常低温になってしまい、
明石ダコが一時絶滅するという大事態にもなりました。
水産業もこの豪雪で大きな被害を受け、漁業者も養殖や出稼ぎにいくなどしました。
大雪の影響ではなかったため、"38冷害"という別称で一連の海水温低下の現象及び被害に
名が定着しているようです。
日本の災害救助法にも影響を及ぼし、これまで大雪によるものは災害と認められていませんでしたが
この38豪雪で、当時の大蔵大臣(田中角栄)は、一連の豪雪災害に災害救助法を適用しました。
田中角栄が動くのも無理はなく、豪雪の代表格であり彼の出身地である
新潟県では当時はまだ国道の改築率が低かったので、
もろに大雪の影響を受けることになりました。現在の一級国道と位置される幹線道路は、
3m前後まで積もった雪に為すすべもなく各地で道路寸断・孤立、日常生活に支障を及ぼしました。
ちなみに、大雪の特別警報はこの38豪雪が大きな基準決めの元になっていて、
この規模に至るほどの大雪が訪れることで特別警報級になる為、
大雪の特別警報を知りたい場合はこの豪雪や、56豪雪の被害状況・統計データを確認すると
参考になります。
今回は、
「降雪長期化による緩慢災害」をテーマにお伝えしていきます。
概要だけで非常に長くなりましたが、その伝える量の多さが故、
豪雪による災害は季節が変わるまで続くことがわかってもらえると嬉しいです。
長期的に続く災害を引き起こしかねない雪害ですが、
一度10cm以上の積雪を及ぼすと都会でも1週間は雪が残るように、
気候によってはすぐに解消するようなものではありません。
豪雪地帯にもなると、数ヶ月どころか半年白い景色ということもあるだけに、
対策は必須です。豪雪地帯の備えがなっているところはまだ良いとして、
豪雪地帯以外の長期的な雪害について今回は紹介します。
今回紹介する雪害は、雪崩といった瞬間的な雪による災害ではなく、
何週間も続くようなものを中心にお伝えすると、
まず、この三八豪雪にもあった国道や鉄道の運休が相次ぐことで、
当然ですが物流の遮断や孤立の長期化といった被害が出ます。
多くの人が影響を受けるのは、物流影響だと思います。
もし数日以上にわたって首都圏の交通網が回復しない事態に陥れば、
皆さんが日常的に利用するようなコンビニやスーパーからは消費期限系のパンや牛乳が
慢性的に消え始め、更に深刻化するとお菓子やカップラーメンなども消えていきます。
これは、大震災で経験したのと同じような状況と言えるでしょう。
物資不足の報道がされ始めると、買い占めなどが必ず発生しますので長期化の兆候が見られる時は
早めに物資の確保をしておくと良いかもしれません。雪害は台風同様に事前に予報が可能なので
短期的な備蓄が有効になります。
また、外食系も物流が滞ると、徐々に商品が消え始めていきます。
2014年に起きた豪雪災害では、ファミレスから一部提供が消えた料理が出てくることもありました。
更に松屋などの牛丼チェーン店などでは、営業が難しくなり、一時閉店を余儀なくされたり、
マックなどのファストフード店でも物資不足で24時間オープンのところも閉店に追いやられると
いった被害が出ています。長期的に雪が降るときは、
このような事態が発生することをしっかり把握しておかなければなりません。
雪国では度々見られるのが、ガソリン・灯油不足の事態です。当然これも物資になるので、
現地に到着できないと、閉店するガソリンスタンドも出てきます。
雪国では需要が高いために多く備蓄する習慣がありますが、それ以外の地域では
ガソリンスタンドでの需要が逼迫して影響を受けることもありますので注意してください。
大寒波の襲来という言葉を目にしたら、自家用車を持っている人は予めガソリンの補給をするなど
各自で少なからず対策を取る必要があります。
また、需要増大による電力不足も注意が必要です。
これについては後日記事にしますので是非ご覧下さい。ちなみに2018年のこの日前後には、
まさに需要逼迫で関東地方はあわや大停電になるところでした。
雪国では雪で大停電を引き起こすこともあり、その場合は灯油が頼みの綱にもなりますが、
都市部では灯油禁止の集合住宅などもあるため、万が一発生してしまうと、
ストレスはもちろん、人体にも影響が出かねませんから、注意が必要です。
そしてこれも後日記事にしていますが、
水道管凍結が一度発生すると1ヶ月近い断水に見舞われることもあります。
たった一度の豪雪と異常低温が万単位で被害を及ぼすこともありますので、
ライフラインの確保は意外な所で警戒しなければならないのです。
最後の2つについては、あす以降の記事でも順次詳しく紹介しますので併せてご覧ください。
今日の記事は以上です。
皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。
明日もどうぞお楽しみください。
尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。
管理者のNDです。
1月23日は、
38豪雪のピーク襲来から56年です。
よくこのような名称が使われますが、気象庁が命名した正式名称は
「昭和38年1月豪雪」になります。便宜上、ここでは38豪雪の名前を使用します。
北陸で積雪が最大420cmを記録したほか、全国的な大雪に見舞われたこの豪雪被害は
鹿児島県の阿久根市でも積雪38cmを記録するという、豪雪地帯に留まらず、
日本中を大雪に見舞わせました。
北半球における偏西風の蛇行が極端な形になったことで、大寒波が襲来することになったのが
東北~九州までもが大雪に見舞われたことになった原因です。
この38豪雪はもともと昭和37年11月~翌38年4月まで、非常に長い期間にわたって
大寒波が襲来し続けたのが、他の豪雪とは異なった特徴です。
11月の段階で北海道は大雪になり、既に70cmを超える積雪になるところも
ありました。12月までは北海道や青森県中心に寒波の影響を受けましたが、
年が明けると1月からは北陸から山陽を含み九州まで大雪をもたらすようになりますが、
まるで台風の当たり年ように、1週間おきぐらいで大寒波と大雪が襲来しました。
1月上旬には兵庫県姫路市6cm、熊本市で5cm、高知室戸でも1cm(これで史上3位)など、
豪雪地帯以外でも積雪するようになり、中旬には西日本に強い寒波が襲来して、
愛媛県宇和島市では13cm・福岡県飯塚市で20cm・岐阜市34cmなど、各地で大量の降雪となり、
1月23日を含む1月下旬頃になると、滅多に積雪しない宮崎県日南市でも1cm(史上2位)を、
観測史上1位となる種子島・屋久島でうっすら積雪(0cmで観測史上1位)といった記録的な寒波が
九州の南部まで襲来しました。もちろん九州南部でこれということは、日本海側では
更に記録的な豪雪となっています。青森市は72cmの降雪、山形県の新庄市で82cmを始め、
富山市では8日間大雪で降雪309cm、26日には積雪186cm(史上2位)となり、
高岡市では更に9日間で降雪371cm、27日の時点で積雪225cm(観測史上1位)、
金沢市積雪181cm、敦賀市154cm、
福井市に至っては全都道府県の県庁所在地における観測史上で最深積雪となる213cmを記録します。
もちろん九州でも積雪が記録的になり、福岡県飯塚市で23cm、熊本県人吉市で27cm、
長崎県福江市(現:五島市)では43cm、鹿児島県阿久根市で38cm、熊本県牛深市(現:天草市)は29cm、
鹿児島県枕崎市で26cmと、九州各地が至るところにまで記録的な大雪となりました。
ほとんどが観測史上1位・2位の記録です。まさにこの期間が38豪雪のピークとも言うべき時でした。
そして2月上旬になると、関東の茨城県水戸市でも26cm(史上4位)の積雪を伴い、
下旬には四国の高知市では9cmを記録(史上2位)と、イレギュラーな地域でも深い積雪になりました。
3月にはついに関東含む近畿・東海にも大雪が襲来し、奈良市で19cm、
三重県上野市(現:伊賀市)で19cm、和歌山市でも6cm、静岡県三島市にも5cmとなりました。
寒気は季節外れに差し掛かる4月まで襲い、北海道はこの時まで大雪に見舞われる事態となり、
桜咲くシーズンのはずにも関わらず、北陸や山陰では4月に降雪を記録しました。
記録だけで見ても、いかにこの年が長い期間、そして蛇行する偏西風による若干周期的な
大寒波の襲来で、いかに広範囲で大雪に見舞われたかがわかります。
尚、1月23日から降り始めた大雪で、上越線経由の当時走っていた急行「越路」の上り列車は
同日出発し、28日の朝到着するという実に106時間31分の遅延で到着することになりました。
この他、ピークに当たる23日からの10日間で運休は旅客列車だけで6488本という数になりました。
また、この豪雪での死者も相次ぎ、
福井県勝山市の横倉地区では雪崩が発生して16人が死亡、
福井市美山町では下校途中に雪崩に巻き込まれた、小学生・教頭の4人が死亡、
富山県薬師岳で愛知大学山岳部薬師岳遭難事故(日時不定)が発生して山岳部13人が死亡など、
全体で228人の死者と、行方不明者3人を出す災害となりました。
そして、兵庫県明石市に至っては38豪雪の影響を意外な形でうけます。
大寒波の襲来により瀬戸内海の海水温が4度という異常低温になってしまい、
明石ダコが一時絶滅するという大事態にもなりました。
水産業もこの豪雪で大きな被害を受け、漁業者も養殖や出稼ぎにいくなどしました。
大雪の影響ではなかったため、"38冷害"という別称で一連の海水温低下の現象及び被害に
名が定着しているようです。
日本の災害救助法にも影響を及ぼし、これまで大雪によるものは災害と認められていませんでしたが
この38豪雪で、当時の大蔵大臣(田中角栄)は、一連の豪雪災害に災害救助法を適用しました。
田中角栄が動くのも無理はなく、豪雪の代表格であり彼の出身地である
新潟県では当時はまだ国道の改築率が低かったので、
もろに大雪の影響を受けることになりました。現在の一級国道と位置される幹線道路は、
3m前後まで積もった雪に為すすべもなく各地で道路寸断・孤立、日常生活に支障を及ぼしました。
ちなみに、大雪の特別警報はこの38豪雪が大きな基準決めの元になっていて、
この規模に至るほどの大雪が訪れることで特別警報級になる為、
大雪の特別警報を知りたい場合はこの豪雪や、56豪雪の被害状況・統計データを確認すると
参考になります。
今回は、
「降雪長期化による緩慢災害」をテーマにお伝えしていきます。
概要だけで非常に長くなりましたが、その伝える量の多さが故、
豪雪による災害は季節が変わるまで続くことがわかってもらえると嬉しいです。
長期的に続く災害を引き起こしかねない雪害ですが、
一度10cm以上の積雪を及ぼすと都会でも1週間は雪が残るように、
気候によってはすぐに解消するようなものではありません。
豪雪地帯にもなると、数ヶ月どころか半年白い景色ということもあるだけに、
対策は必須です。豪雪地帯の備えがなっているところはまだ良いとして、
豪雪地帯以外の長期的な雪害について今回は紹介します。
今回紹介する雪害は、雪崩といった瞬間的な雪による災害ではなく、
何週間も続くようなものを中心にお伝えすると、
まず、この三八豪雪にもあった国道や鉄道の運休が相次ぐことで、
当然ですが物流の遮断や孤立の長期化といった被害が出ます。
多くの人が影響を受けるのは、物流影響だと思います。
もし数日以上にわたって首都圏の交通網が回復しない事態に陥れば、
皆さんが日常的に利用するようなコンビニやスーパーからは消費期限系のパンや牛乳が
慢性的に消え始め、更に深刻化するとお菓子やカップラーメンなども消えていきます。
これは、大震災で経験したのと同じような状況と言えるでしょう。
物資不足の報道がされ始めると、買い占めなどが必ず発生しますので長期化の兆候が見られる時は
早めに物資の確保をしておくと良いかもしれません。雪害は台風同様に事前に予報が可能なので
短期的な備蓄が有効になります。
また、外食系も物流が滞ると、徐々に商品が消え始めていきます。
2014年に起きた豪雪災害では、ファミレスから一部提供が消えた料理が出てくることもありました。
更に松屋などの牛丼チェーン店などでは、営業が難しくなり、一時閉店を余儀なくされたり、
マックなどのファストフード店でも物資不足で24時間オープンのところも閉店に追いやられると
いった被害が出ています。長期的に雪が降るときは、
このような事態が発生することをしっかり把握しておかなければなりません。
雪国では度々見られるのが、ガソリン・灯油不足の事態です。当然これも物資になるので、
現地に到着できないと、閉店するガソリンスタンドも出てきます。
雪国では需要が高いために多く備蓄する習慣がありますが、それ以外の地域では
ガソリンスタンドでの需要が逼迫して影響を受けることもありますので注意してください。
大寒波の襲来という言葉を目にしたら、自家用車を持っている人は予めガソリンの補給をするなど
各自で少なからず対策を取る必要があります。
また、需要増大による電力不足も注意が必要です。
これについては後日記事にしますので是非ご覧下さい。ちなみに2018年のこの日前後には、
まさに需要逼迫で関東地方はあわや大停電になるところでした。
雪国では雪で大停電を引き起こすこともあり、その場合は灯油が頼みの綱にもなりますが、
都市部では灯油禁止の集合住宅などもあるため、万が一発生してしまうと、
ストレスはもちろん、人体にも影響が出かねませんから、注意が必要です。
そしてこれも後日記事にしていますが、
水道管凍結が一度発生すると1ヶ月近い断水に見舞われることもあります。
たった一度の豪雪と異常低温が万単位で被害を及ぼすこともありますので、
ライフラインの確保は意外な所で警戒しなければならないのです。
最後の2つについては、あす以降の記事でも順次詳しく紹介しますので併せてご覧ください。
今日の記事は以上です。
皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。
明日もどうぞお楽しみください。
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