どうも、
管理者のNDです。

1月24日は、
平成28年豪雪から3年です。


記憶に新しい人も多いと思いますが、雪に慣れていない九州地方を中心に襲った大寒波で
沖縄本島では統計開始後の記録上、はじめて沖縄本島で初雪を観測し、
奄美大島では115年ぶりの初雪観測という極めて異例の出来事がありました。
この豪雪で特徴的だった災害は、何よりもその寒気の強さにありました。
いわゆる低温が引き起こした災害で、水道管凍結による大規模断水が九州北部で発生し、
大惨事になりました。佐賀県佐賀市では1890年から統計開始をしていますが、
その120年間で史上2位の最低気温を観測するという、地球温暖化で年々気温が高くなっている
この世代でとんでもない寒波を九州中に巻き起こしました。

また、雪国代表といえる新潟県でも交通障害を中心に大きな影響を受けました。
"雪に慣れっこ"と言われているこの地域でさえ、国道8号線という主要な一級道路が
スタック(雪等で走行不能になった状態)車の発生で大渋滞を引き起こしたり、
高速道路では最大38時間の通行止など、その降雪の多さは一線を超えるものでした。
この災害で最も人々に不満を与えたのは、その当時は大渋滞と化した原因・理由がその場所を
走る流通業者やタクシー・バスの運転手に行き届かなかった実情がありました。
また、どれぐらいの時間で再開するのか、目処さえも経たないためにその道がいつになったら
使えるのかという不透明な見通しなど、現地の情報不足が著しいせいで、
ある意味では人的被害の数値よりも、雪国が故のストレスを溜めることになった、
"現代らしくなくて、現代社会らしい"状況を生むことになりました。
大都市圏には怯えたくなるほどある監視カメラですが、
雪国でこういう時、意外に道路の状況を知るという点で非常に需要が高くなる点も
注目すべきどころではあります。特に"集約された情報"は効果が薄く、
"リアルタイムの情報"の方が役に立つという意味で、
情報の使い方が大雪災害発生時の重要性が問われました。

今回は、
「雪国以外における冬の低温災害」をテーマにお伝えしていきます。

これだけ大規模な災害を引き起こしたこの豪雪は、当然ながら上空の非常に強い寒気が
もたらしたことによって、イレギュラーな大雪を巻き起こしました。
今回の福岡県大牟田市などを中心都市とした断水被害のように、
低音災害で代表的な影響を受けるのは、水道管の凍結及び破裂によるものです。
水道管の破裂は実のところ、想像以上に大災害を引き起こすといっても過言ではありません。
まず、水道管の凍結だけならまだ良いのですが、破裂してしまうとまず破裂箇所を見つけ出すまでに
時間を要する上に、過剰供給状態を防ぐために大規模にまずは水を止めなければならなくなります。
ひどい場合、一連の寒波が過ぎ去ってもすぐに復旧せず、時として数週間に及んで
影響を受けることもあるのです。一度水道管の凍結が発生したら絶対に蛇口をひねらずに
様子を見てください。低温が予想されている時は風呂に水を溜めるなどして、
予め水を確保しておくことが重要です。翌朝表面に氷が張っても下は生き残っていることが多いので
よほどのことがない限りは影響を受けません。
そして一番やってはいけないのは、水道管が凍結しているならとお湯をかける行為です。
もし水道管にお湯をかけたりすると、中の氷が一気に溶ける際に膨張して水道管を破裂させます。
絶対にやらないでください。正しい対処法は、水道管にタオルなどをかけ、
ぬるめの水で少しずつ少しずつ溶かしていくのが有効です。

また、前日に低温の予想が出ている時は、外のむき出しになっている部分には
保温チューブなどを使用して水道管を保温し、少しでも凍結を防ぐように努めてください。
保温チューブは、ホームセンターにでも行けば大体売っています。
あまり慣れていない方は是非、ホームセンターに行ってどんなものか見てみると良いです。


さて、低温災害は水道管の破裂だけではありません。
積雪した際は、水道管と同じようにお湯で溶かそうとするのは基本的にNGです。
低温注意報が出ているレベルで朝非常に冷え込む時は、そのお湯が氷に変わってしまい、
むしろ逆効果につながる場合があります。雪は水などで溶かそうとせずに、
面倒でもちゃんと除雪してください。除雪に有効なものは軽くて少し硬くなった雪にも
有効なアルミ製系のスコップ・ショベルがあると良いです。降雪後すぐに除雪するなら
同じ軽量なものとして、プラスチック系のものでも大丈夫ですが、硬い部分を無理に除雪しようと
すると壊れてしまうことがあるので、その辺は十分に注意してください。
また、除雪はなるべく早くすることが大事です。夜勤の人は未明にさっさと除雪を開始するのが
得策と言えます。降ってしばらく経ってしまうと雪が固まってきてしまいます。
こうなると建物が多くて日陰ばっかりな所はなかなか溶けてくれないので相当な時間を要します。
慣れない地域での除雪はまず、早めに対処することと、凍らせないようにしてください。
ちなみに雪国以外の屋根では雪の重みに弱いこともありますので、
早いうちに屋根から落としておかないと破損し雪ごと落ちてくることもありますので
気をつけるようにしてください。

また、道路では低温が思わぬ被害を引き起こすことがあります。
その一つに凍上災というものがあり、道路の地盤中に霜柱が発生すると地面の隆起等が発生し、
道路舗装面にひび割れなどが発生することがあります。異常な低温になると北国でも
起きる災害で、当然ながら長期的に公共の交通機関に影響をもたらします。
北国でたまに見るアスファルトが、亀の背中のようなイメージを持つ
乾燥した荒地みたいなクラックの道路を時々目撃するのは、"低温"が原因なのです。
酷いと舗装剥離で穴が空いたり、土が噴出したり、道路が沈下することがあります。
平成のご時世でも割と数年に1回ぐらいの頻度で全国規模に発生しているので、
知っておくと良いかもしれません。

また、低温注意報が出た時、1日だけならまだしも乾燥注意報と同じで長く続くほど
この注意報は厄介者になってきます。当然ですが凍結リスクが高まるなどします。
ただし、冬季に"低温注意報"が出ることは基本的に最低気温が少なくとも
-4度以下にならなければ発表されません。(沖縄などは5度以下で発表する場合もある)
札幌では平年の-8度以下、仙台や東京は-7度など、都道府県ごとに基準があります。
低温注意報が発表されなくなっても氷点下の最低気温が続く時は、
水道管凍結や、道路状態の悪化、路面凍結に十分注意するようにしてください。

さて、もう一つだけ言うと機械は耐熱温度以外に耐寒温度も存在します。
氷点下の環境下では、スマートフォンのバッテリー性能がダウンしてしまい、
電池の消耗が激しくなることがありますので、慣れない環境でスマートフォンを使用する時は
注意したほうがよいでしょう。ちなみに、スマホに限らずゲーム機やガラケーの携帯も同様です。
ポケットに入らずにバッグに入れている人は、体温でスマホが寒さにやられることもあるので
大型のを使っていたり、タブレット端末などの人はこういう点でも注意です。
ちなみにスマホが冷え切ったからと、ヒーターやカイロで温めると水滴で故障しますので
やめてくださいね。

最後に、ちょっとした数値による基準を言うと
-4度で水道管の凍結に注意が必要な値、
-10度になると、窓に霜がつくことがあり、
-15度で、北国の象徴とも言えるダイヤモンドダストが観測されます。
-20度でひげやまつ毛などが凍り始めます。
-30度になると寒さに慣れない場所では凍死などの危険性が高くなります。高齢者は危険です。
-35度になるとよく天気予報の特集とかで見る「バナナで釘が打てる」環境になります。
そして、日本では見ることが極めて難しいですが、
-50度になると、「星のささやき」という現象に出くわし、
人の吐く息が耳の辺りで凍って微かに音を立てます。
元々ロシアのシベリア東部にでも行かないとこんな現象はお目にかかれません。

それ以下の気温はさすがに洋画アクションでもない限り日本ではありえないので割愛します。

このように低温被害は割とあなたの生活に影響を長期的にもたらしかねません。
今が寒さのピークでもありますので、低温の対策もしながら日々を過ごしていってください。


今日の記事は以上です。
皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

明日もどうぞお楽しみください。
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