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2025年11月の記事 10件

<菊地成孔の日記2025年11月27日記す>

 ユニヴァーサルとudioに続き、ワーナーとsunoAIが提携した  これで、udio、sunoという2大メジャーが訴訟対象ではなくなり、よかったよかったという話ではない。第一にはアニメや漫画からそのまま流れてきたリトという反AIのチンコビンビンの欲情(SNSが担保する「摘発者としての快楽」にやられた結果)に振り回された時間を返せと言いたい。    現在の忙しさは令和の世になってからピークにあり、何せリトのみならず半AIとは、僕の基本的な姿勢であるタイマンでなかった事から、やりずらいわ煩雑だわでとにかく時間を食い、食った甲斐もなく、えらい目にあった。なんとかして向こうの時間を奪う、というより単純に何十年かあとを引く嫌がらせをしたくてたまらないのだが(恰好の餌食なので)、数年寝かしてからでも遅くはない。    ステートメントに書いた通り、全米レコード協会と音産4大メジャーが生成AIを殲滅するわけがなく、ビジネスモデルを模索するに決まっていたわけだが、ぶっちゃけユニヴァーサルはワーナーよりも遥かに手強く、udioは現在、合法性と引き換えに弱体していると評価して良い。sunoはM5に制限をかけさせるわけには行かないだろうし、ワーナーはユニヴァーサルよりかは弱腰に、しかし、教育素材をビジネス化したがるだろう。一度、音楽用の生成AIはハーフタイムに入ったと思って良い。  

<菊地成孔の日記2025年11月26日記す>

松本人志が芸能界復帰を果たしました。その是非はどうでも良いけれども、以下は、松本人志が裁判に専心するため、芸能活動を全停止した、2024年2月2日に、こちらに書いたものに加筆修正を施してあります。約2年前ですね。 全文読んで理解しないと以下の指摘は理解できませんが、松本は 「今、お笑い界が大変な事になっているみたいなので(自分が正すために?)動きます(大意)」 と発言していますが、それが後述、「特撮ヒーロー(「北斗の拳」とかですかね?)」のメンタリティであることは間違いなく、要するに松本人志も菊地成孔も笑、全くブレていない笑。 ああそうそう。僕、松本人志の味方ですよ(今、そういうことしか気にしないからXは笑)、彼の全作品の批評まとめて書いた(拙著「ユングのサウンドトラック」の冒頭)唯一の日本人ですからね。24で消します。文中、旧ジャニーズ事務所のことを「ジョニーズ」と記述していますが、これは当時「(禊のため?)改名を募集する」という企画があったんで、「だったらジョニーズ事務所だろ」と考え、勝手に読んでいた名残です。今でも「ジョニーズ」が良いと思っています。  でわどうぞ。  

<菊地成孔の日記 2025年11月25日記す>

 喉が腫れたままライブやったり酒飲んだりするのはもう流石にやめようと思うのだが、人間「もうやめよう流石に」と言って、やめるべきものがやめられたら超人と言って良い。    新音楽制作工房は「委嘱作曲」も承りますと謳っているわけだが、この、コライト大流行の商業音楽界で委嘱もへったくれもなく、あるのだとしたらクラシック界だけなので、田島さんや委細くんにクラシック界(=現代音楽界、なんだけれども、この捩れは理解できなくて良いです。「JAZZ井」の手酷さは理解してくれないと困るんだけれども笑=すぐに出た福井新聞=主催の記事も最低最悪。どこの世界にフェスの紹介記事で、大トリの写真使わないのがあるんだ笑。昭和で時が止まったど田舎根回しダブスタの見本だろ笑。UAに、というか全員に失礼だし、オレのことはともかく、山下やスカパラをオモチャやペダントにすんなよとしか言いようがないが、まあいつか天罰が下るので良しとする)からーー誤解を恐れずに言えばーー何かの間違いで、委嘱作曲の話が来ないかなと思っていたら他ならぬ田中さんから田島さんに依頼が来たので、何重もの意味で嬉しかった。田中さんは、シンプルにセンスが良い。  

<菊地成孔の日記 2025年11月23日記す>

 喉がやや腫れ上がり、熱もゆっくり上がってきたんで、まあ免疫力の低下による、普通の風邪だろう。こういう時はゆっくりすべきなのだが、酉の市に行く予定だったので、行くことにした。この模様の、ほんの一部は「キクチカメラ」にアップされます。    会員の皆さんにおかれましては毎年定点観測でユーキくんの成長記録にもなっている酉の市だが、長沼と奥様(僕と同い年)も一緒なので、なんというか、僕の実家はもう愚兄しか生きてないから、家族と呼びうるものがあったら長沼家しかない。気分的に僕は家長にはなれないタイプだけれども、働いてるとか家に金を入れているという意味では(微々たるもんだが)昔の家長の、下の下という感じだ。    ユーキくんはまだ育ち盛りとはいえ(今彼は色々な格闘技を習得して、結局アマレスに行き着いています「フォールとかやばいだろ。返すのも」というと「フォール一番だるいっすね」と言った)、だいぶ大人に近づいてきている。昔は、山ほどの屋台を見て、お好み焼きだの唐揚げ棒だのをじっと見て、長沼に「どうしたユーキ、食いたいのか?」みたいに言われて「いや、別に」とか答えていたものだが、今年、ユーキ君が食指を動かしたのは、スペイン人が出店で売っていた「巨大パエリア」で、インチキなやつではない。ユーキ君はテキヤ系出店には目もくれず、直系2メートルぐらいのパエリア鍋を見て「うっお旨そう。あれ旨いよ」と言った。大人になったもんだ。  

<菊地成孔の日記 2025年11月21日記す>

 今、午後2時過ぎで、新幹線の待合室にいる。ベックス・コーヒーがずっと営業を続けている、あすこだ。福井で行われる、坪口が主催に名を連ねている(あとは政治家)「JAZZ井(「ジャジー」と読むらしい)というジャズフェス(?)に出演するのだけれども、前入りするのである。ジャズフェスなのにトリがUAのロックセットというのが、まあ、田舎という感じだが、そういうことは別にどうでも良い。坪口のバンドにゲストで出て(大儀見もいるし)、山下洋輔と坪口のデュオ(?)にゲストで出るので、良い演奏がしたいだけだ。山下と演奏するのは、これがラス前になる。    今日から3連休ということで、もう東京駅自体が定員オーヴァーだ。なんとか席を見つけて長沼と座り、ベックス・コーヒーの「トリュフ卵とエビカツ」というコンボを買って食った。別にグルメ自認でもなんでもないが、今時トリュフオイル(と「檜の香」の香水)にヤラれる、というのはどう考え得てもダメだろ。と思いながら「トリュフ卵」を食ったら、けっこう旨くてびっくりした。    ちょっと驚いたのは、ぎゅうずめの待合室での、スマホ持ちの数が異様に少なかったことだ。新幹線はビジネス移動者も多く、イヤホンをしてPCを広げている人が多い。あと目立ったのは「疲れて寝ている」人で、いわゆる「どこでもスマホを片手に人差し指で画面変えてる人」は200人中4~5人しかいなかった。良い兆しであり、悪い兆しである。    今、乗車した。スマホは一気に増えた。これから3時間半あるので、日記を書くことにした。金沢までには終わるだろう。  

<菊地成孔の日記 2025年11月6日記す>

  蟄居に入って1週間が過ぎた。今、自分自身に明確なのは「ゲラは上手くいっていて、本はかなり面白い」「アドレナリンが出過ぎて、体を痛めつけている」という2点だけだ。今は気が違ったようにデリケートな社会だから「体を痛めつけている」等と、適正極まりないことを書いても過敏に反応されると思うので、内訳を書く。    新宿通り沿いの都内であれ、人里離れたノーWi-Fiな山の中であれ、蟄居がもたらすものはそんなに変わらない。食欲、性欲、睡眠欲、と、こんなに「欲」まみれにするのは余りに宗教的すぎるので、普段は滅多に使わないアドレナリン理論みたいなものに変換すれば、単一労働をして暮らしてれば、基本的には誰であろうと、自分の内面の分泌状態を覚知できるだろう。    一度分泌されたアドレナリンは止めることができない。そして今は、自分が投げ込んだ膨大な(今やっている「中巻」は、既出の「上巻」の、何と2・5倍の量=厚さなのである。これを削ってゆかなければならない=並べた時に厚さを均一にしたいので)原稿、それがAdobeのファイル「刑事コロンボ研究(中)_ゲラ07まで_1.pdf」と「刑事コロンボ研究(中)_ゲラ08以降pdf」併せて142+101=243=486頁しかも行間ほぼなしで紙の上下左右文字でギッシリ。だけが、バランスを大きく失して、アドレナリンを過集中的に分泌させるので、まあ要するにドラッギーなわけだ。   

ビュロ菊だより

「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。

著者イメージ

菊地成孔

音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。

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