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2026年9月の記事 3件

「菊地成孔のアンダーグラウンドX (26/9/28=No.60)」

 まあ、何ちゅうか、この夏はひどいもんで、どの仕事も、クオリティ保ってちゃんとやれたと思ってるのだけれども、一番楽しかったのが「さよならノワール」かな?ぐらいで、後の全てのことは、自分でも驚くほど色褪せてしまった(演奏にはそういうことはない。演奏は本当に最高。ゲンロンでエレピ弾いてても)。    ゲンロンは、何か重要なことがあそこで起こっているのでは?という一縷の望みもあったんだけれども、良くも悪くも東さんは、政治の季節に政治をやるとウケるんで政治をやっているように見えてしまい、ルソー/ラモー論争の内容と結果とその評価をしかりやりたかったし、反戦音楽プレイリストについても、学者と音楽家が重合関係であることを、もっと「綺麗に、そして政治専のバカにもわかるように」訴えたかったんだけど、まあ、こっちも能力的限界があるし、何せ召しあがっちゃってるんで(僕が買って送ったんだが笑)、召しあがってもきっと、哲学や政治の話はできるんだと思う。でも、召しあがって演奏聴いちゃったら無理でしょ。お釈迦さんでも。そういうところもある。    Xも、ある意味どうでも良いの極限まで行ったんで、もう広告告知効果もどうでもいいし、ポストなんてラサール石井とか笑、5時に夢中とかデモとか笑書けばハネるし、書かなきゃハネないだけのことで、言っちゃあそんなの何も起こってないのと一緒だ笑。  

「菊地成孔のアンダーグラウンドX (26/9/11=No.59)」

 アリアナの事はそっとしとけよ、もう目にみえてるんだし、来年から休むんだからさ。それより楽しもうぜ、あんなにサーヴィスしてくれてんだから。あの、オーディションに落ちてチェーンソーで審査員を皆ズタズタに切り裂いて、自分も「キャリー」のシシー・スペイセクみたいに血みどろになるやつ、あれはやりすぎで、オレぐらいの歳になると、っていうか、せっかく「スプラッター・ブーム」直撃世代でもあるオレなんだから、アリアナがあんな血みどろになったら興奮しないとダメぐらいなもんでしょ。いやほんと、オレ30代だったらもう大変。卵かけご飯とKFCぐらい有り難く頂いちゃったよね。だってほとんどの世代の人が辟易してんだからさ、アリアナの精神的自己治癒には。え?「お前の好きな、水着きてたら?アリアナだったらほら、エクササイズ・バイク漕いでた時のあるだろ?アレで血みどろだったら?」はっはっはー。そうか笑、そりゃもう普通にご馳走だよ。バッカバカしいなあ。な笑?今からAIで作ろうかな。    でも「hate that I made you love me」の、全身が焼け爛れたアリアナの恋人がダイナーに入ると、接客も調理も、客全員もアリアナで恐ろしくなって逃げ出すっていうシーンあるじゃない、あの、ずらっと並んだアリアナにはハッキリ笑えるし超可愛いよね。外に出たら町中全員がアリアナだったらもっと良かったけど。  

「菊地成孔のアンダーグラウンドX (26/9/5=No.58)」

「オンタイムではそれほど評価されなかったが、長時間経つと、その重要性、革新性が際立ってくる」と書くと、自分の作品についてでも書いている気になりかけるのだが違う。ノリさんのことだ。SNSで、芸能ネタで「この国ももう終わりだ」という人々は昔からいた。「あったりまえじゃん」と思っていると、なんと大衆はどんどん忘れてゆくらしい。本当に恐ろしいことだ。   そりゃあ原爆投下の日には「現在の甘ったれた日本人にはモームリなのではないか?」と思われるほど、エグく厳しい番組がオンエアされ続けるわけだ。あれを最低でも63回は見ている。最近では「被曝して100近くまで矍鑠としてる人が多いということは(以下とても書けない)」と思うほどになってしまった。僕だって、僕にできる範囲で、国民に伝える義務がある。   安部元首相の暗殺事件を映画化し、その主演(犯人)を菅田将暉がやるらしい、というだけで(サイジングこそ測れないが)反対運動が起きているのを見て「はー」と声を出してしまった。   「はっ!」でも「はあ?」でもない。「別にやりたいならやっても(制作しても)かまわないけど、菅田将暉の役者声明が終わるってことは覚悟してるんだろうかね」という、うっとりするような素晴らしいポストを読み、直後の「はー」という奴で、何を思い出したかと言えば、毎度毎度毎度の昭和になるが、「8時だよ!全員集合」というザ・ドリフターズの番組を「教育上、子供に悪影響が出る害悪番組」として番組を終了しろ。という人々がいたのだ。こいつらの言うとおり、番組が終了させられていたら、我が国の子供たちは、今より遥かに爛れ切って未来を失い、数万円のために人を殺すスラムドッグ化していただろう。身も凍る思いである。  

ビュロ菊だより

「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。

著者イメージ

菊地成孔

音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。

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