タニタなどが主催する「ご当地タニタごはんコンテスト―郷土料理でまちおこし―」で優秀賞を獲得し、全国大会へ出場するチームが決定したとの発表がありました。

第6回目の開催となる今回は全国から51チームが集まり、厳しい書類審査を勝ち抜いて全国大会への切符をつかんだのは15チーム。11月19日(日)に服部栄養専門学校(東京都)で開催される全国大会では、グランプリ1チームと準グランプリ2チーム、特別賞1チームが決定されることになっています。グランプリには賞金50万円が授与され、上位入賞にはタニタ食堂などでの商品化に向けたサポートが実施される予定です。

「タニタが考える健康的な食事の目安」は、厚生労働省が推進する「健康な食事」の基準に基づき、タニタ食堂のレギュレーションを加味して設定したものです。①一食当たり500~800kcal、②基本は主食、主菜、副菜とするが、これらの要素が入っていれば一皿でもよい、➂主食(献立全体のごはん、麺、パンなど)は100~200gとする、④主菜(献立全体の肉、魚、大豆製品など)は70~150gとする、⑤野菜は150g以上使うこと(きのこ、いも、海藻は含まず)、⑥食塩相当量は3.4g以下、という6項目を満たすよう求めています。

コンテストでは、上記の条件を満たしながら、さらに日本全国に点在する郷土料理を現代風にアレンジして競い合う企画となっています。日本の食文化の原点ともいうべき郷土料理は、日本人の食生活の西欧化や少子高齢化による地域社会とのかかわりの希薄化などにともなって、その継承が課題となっています。そこで、健康的な食生活といった視点でレシピを再構築することで、郷土料理の新たな魅力や可能性を創造し、次代に継承していくことを狙いとして、このコンテストは開催されています。

参加資格には、同一都道府県に在住するチームであることや必ず地元の栄養士が必要などの条件もあります。それでも、全国から51チームがエントリー、今回全国大会に進んだ15チームのアレンジレシピはどれも力作です。

元炭鉱のまちである北海道三笠市からは塩辛い物を好む人が多いので郷土料理をアレンジした減塩レシピを提案、東京都江東区からは東京の下町の魅力を伝えたいとSDGsにも配慮しながら江戸東京野菜をつかった東京都の郷土料理、山口県下関市からは伝統の鯨食文化をアレンジしたという鯨を美味しく食べるレシピが提案され、真っ白な見た目が特徴的な「ゆうれい寿司」なども目を引きます。健康的な食事でありつつも、全国各地の郷土料理を知ることができるほか、それぞれの参加チームからのメッセージも読み応えがあり、レシピ考案のストーリーも込みで楽しめます。人の熱量を感じられる施策が放つパワーは大きいとあらためて考えさせられます。

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