レミリア「違うの、そんなつもりじゃなかったの! ごめんなさい、赦して……」
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

レミリア「違うの、そんなつもりじゃなかったの! ごめんなさい、赦して……」

2016-05-27 02:28
    *これは東方の「SS」です。











    不意に目が覚めた。
    朝が来たから眠ったんだけど、朝だから起きた。

    レミリア「さくやーごはんはー?」

    私は席に着いていた。
    目の前には空っぽのでっかいお皿。隣には泥水の入った花瓶、反対側には霊夢が机の上で土下座をしながらチキンステーキの盛ってある皿に顔を突っ込んでいた。

    霊夢「浄化をしたいのよ」

    レミリア「そうだね」

    私はパンを探してみた。そうしないといけないと強く思った。
    きょろきょろしてみたら、長い長いテーブルの端に一本のフランスパンがあった。

    レミリア「パチェ、あれとって」

    パチュリー「どれ?」

    レミリア「向こうのパン」

    パチュリー「イギリスパン?」

    レミリア「ちがう」

    パチュリー「じゃあどれなの、はっきりしなさい」

    パチェの言うとおりだと思った。だから私は、唇をかみ締めた。

    レミリア「素直になれないのよ……」

    パチェは本を読みながら半分眠っている。
    私はそれを見て「パチェも毎日大変だな」と思った。

    霊夢「私だってね、遊びたいのよ。遊びたいのよ」

    霊夢は二回言った。

    レミリア「うるさいっ!」

    私は思わず怒鳴った。すると霊夢はしゅんとして、またチキンステーキの皿に顔を埋めた。
    ちょっと悪い事をしたと思った。

    レミリア「フランにフランスパン持ってってあげよ」

    パチェ「窓に! 窓に!」

    直後に、部屋の半分が壊れた。何かが爆発したらしい。咲夜が必死に修理していた。
    パチェがパンを取ってくれないので、仕方なく席を立った。

    レミリア「袋ないっけ」

    私は霊夢の巫女装束のポケットから袋を取り出して、最初から手に持っていたフランスパンを入れた。
    これで良いんだ、これが正しいんだ。私はひたすらそう頭の中で繰り返した。

    パチェ「あんまりいじめたらダメよ」

    レミリア「そんなんじゃない」

    パチェ「助けてあげて」

    レミリア「わかってる、けど……」

    そういうわけにもいかないんだ。だって、あの子は危ない子だから。外に出したら何をするかわからないから。
    だからこれは悪戯じゃない。そう誰かから聞いた事がある。

    パチェ「レミィ」

    レミリア「わかってるって!」

    私は部屋を飛び出した。ドアは鉄のドアになっていた。




    廊下の真ん中で美鈴が眠っていた。しかも床に寝転がっていた。

    レミリア「そこは門の前じゃないけど?」

    話しかけても美鈴は起きなかった。だから、代わりに近くにいたこぁに言付けをしておくことにした。

    レミリア「外に出ないように見張っておいてね」

    こぁ「そんな事言われてもどうすりゃいいのさ」

    レミリア「外に出たら危ないからね」

    こぁ「そんな事言われてもどうすりゃいいのさ」

    レミリア「どうしよう、早くパンを持っていかなきゃ」

    こぁ「そんな事言われてもどうすりゃいいのさ」

    私は美鈴の横を通り抜けて走った。
    すぐに人影が見えた。私は直前までスピードを緩めず、その人の前で急ブレーキをかけた。

    魔理沙「よう、三ヶ月ぶりだな」

    レミリア「一年前に会わなかったっけ?」

    魔理沙「細けぇこたぁいいんだよ。それより、どこに行くんだ?」

    レミリア「えっと……」

    あれ? 私はどこに行きたいんだったっけ? どうしてだろう、思い出せない。

    魔理沙「遊びに行かないか?」

    レミリア「ううん、それはできない」

    魔理沙「どうして?」

    レミリア「用事があるから」

    魔理沙「でも、行くべき場所がわからないんだろ?」

    レミリア「そうだけど……」

    だけど、私はここにいないといけないと思った。
    というより、自分だけ外に出たらだめだと思った。

    バサッ

    魔理沙「それじゃあ中で遊べばいいじゃないか」

    レミリア「うーん、それもダメだと思う」

    バサッ

    魔理沙「じゃあ図書館で遊ぼう」

    レミリア「それくらいならいいよ」

    バサッ

    魔理沙「おっけ。じゃあエントランス集合な」

    魔理沙は箒で窓を破って飛んでいってしまった。
    私はそれを見届けた後、また走り出した。
    朝の日差しがまぶしかったけど、そんなものちっとも苦にはならなかった。

    バサッ




    玄関に来た。
    『あの子』が窓から外を覗いていた。
    私は……声をかけられなかった。

    フラン「あ……」

    でも、向こうが先にこっちに気づいた。
    私は目をそらした。

    フラン「ごめんなさい……」

    レミリア「あ、いや……」

    バサッ

    フランは消えていた。
    私はそれを、仕方が無い事だと思った。

    美鈴「寝てません、寝てませんよ」

    急に美鈴がドアを開けて中に入ってきた。厄介なので締め出しておいた。

    パチュリー「レミィ、ちょっと図書館に来て」

    レミリア「うん、すぐ行く」

    私はパンの入った袋をぎゅっと握り締めた。



    パチュリー「今日は安定してるみたいね」

    レミリア「うん……」

    次の瞬間、私は図書館の椅子に座って紅茶を飲んでいた。
    奥の方ではパチェが本を読んでいて、小部屋の入り口ではパチェが薬を眺めている。
    すぐ隣では三人の咲夜が紅茶を淹れたり掃除をしたりしていた。
    図書館のあちこちを魔理沙が飛び回り、パチェがそれを追いかけている。こぁはその下でおろおろしていた。
    別に私が加わらなくてもいいだろうと思い、私は目の前のパチェと話をすることにした。

    レミリア「仕方が無いのよ」

    パチュリー「そうね」

    レミリア「こうするしかなかったんだもん……」

    パチュリー「私は死にそうになった事、後悔してないし怒ってもいないわよ」

    パチェならそう言ってくれると思った。けどあの時私は、本当に思いつめていたから、この手であの子を……
    また私は、パンの入った袋をぎゅってした。すると、手が痛くなった。

    レミリア「ひっ!」

    私は血だらけのナイフを持っていた。それは咲夜の血だった。

    レミリア「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

    咲夜は私を守ってくれた。あの子を殺そうとした時、それを止めてくれた。
    私は本当にダメな吸血鬼だ。

    パチュリー「薬をあげるわ。APTX4869の解毒剤よ」

    咲夜「あとは経過を見守るしかないと思います」

    レミリア「うん……」

    私は怖かったんだ。
    だからずっと逃げてた。パチェや咲夜に任せっきりにしちゃって耳をふさいでいた。
    でも、それじゃだめだと思った。

    レミリア「弾幕か……」

    走り回る魔理沙を見て、それもいいなと思った。けど、確かめるのはもうちょっと先になるだろうと私は確信した。



    私は地下の部屋の前にいた。
    ここは地下二階。地下一階をすっ飛ばすくらい長い階段をおりた先。

    レミリア「フラン、ごはんよ」

    フラン「ううん、お姉さま、私は外に出られないの」

    レミリア「どうして? 今日は何かの日だったっけ?」

    フラン「赦してもらえないから」

    レミリア「パチェも咲夜も待ってるわ。美鈴もこぁもいる」

    フラン「暴れちゃうから、危険なの」

    私はドアを蹴破った。
    中には誰もいなかった。血まみれの部屋と汚れたベッドがあるだけだった。

    パチュリー「きゃあああっ!!」

    レミリア「パチェ!?」

    私は階段を駆け上がった。
    そこではパチェが血を吐いて倒れていた。手を真っ赤にした咲夜が私を見ていた。
    そして、廊下の向こうでフランが笑っていた。無邪気に笑っていた。

    レミリア「頭が、痛い……」

    違う、違う、そうじゃない、そういう意味じゃない。

    レミリア「違うの、そんなつもりじゃなかったの! ごめんなさい、赦して……」

    私だって本当はずっと仲良くしたかった。でも、それができる状態じゃなかった。だから、ああするしかなかった。
    それをあの子はわかってくれたんだろうか? たぶん、わかってくれた上で制御がきかなくなっちゃうんだと思う。
    だから私は話せなかった。自我を失った時にパチェを傷つけたこと、それを忘れて無邪気な笑顔でお菓子が欲しいと言ったときに。

    パチュリー「大丈夫だ、問題ない」

    ガサ、と袋の音がした。
    そうだ、私はパンを持ってきたんだった。おなかすかしてると思ったから、あの子に持っていってあげようと思ったんだ。
    でも、大丈夫だろうか?
    あの子は、にんじんが土の中で育つことを知らない。美味しい血のジュースが人間から取れることを知らない。

    こいし「程遠いんだよねぇ!」

    バサッ

    誰かが言っていた。生き血をすするのに理由がいるかい? って。

    こいし「それは早苗だよ」

    レミリア「私もそう思う」

    ちょっとだけこいしがうらやましかった。

    霊夢「それで、やるの? やらないの?」

    私は考えた。でも、答えなんて最初から出てたんだと思う。

    レミリア「やるに決まってる」

    霊夢「……うん、それでこそあんたよ」

    やっと、開放されたような気がした。ありがとう、霊夢。

    バサッ

    レミリア「ねえ、さっきからこの音は何?」

    霊夢「それは、あんたが一番よく知ってるでしょ?」

    レミリア「やり直せるかな」

    霊夢「あんた次第」

    バサッ バサッ

    私は地下室のドアを開けた。

    パァン!

    フラン「快気祝いおめでと~!」

    パチュリー「おめでとう」

    咲夜「飛び散らないタイプのクラッカーですね」

    美鈴「さあさあ、ぐいっと」

    こぁ「ふええ、こわいよぉ」

    私は食卓の席に座っていた。
    そこには皆が集まっていた。机の上には沢山のご馳走と沢山の本が置いてある。
    パチェも咲夜も美鈴もこぁも、もう食べ始めていた。でも、フランだけは食べていなかった。

    レミリア「もう食べてもいいのよ?」

    フラン「ううん、まだなの」

    レミリア「どうして?」

    ふと、私はパンの袋を思い出した。ずっと手に持って離さなかったんだった。
    私は少しだけ考えて、その袋をフランに渡してやることにした。
    とても緊張した。受け取ってもらえるかすごく心配だった。

    フラン「これは……」

    フランは私が差し出す袋を見ている。

    レミリア「受け取って、くれる?」

    フラン「本当にもらってもいいの?」

    レミリア「うん」

    私は間髪入れずに頷いた。目じりから頬にかけてが、少しこしょばしくなった。
    そこでやっと、私たち姉妹は笑い合う事ができたような気がした。









    パチュリー「レミィ、そろそろご飯よ。おきなさい」

    ……私を呼ぶ声がする。
    もう夜か。

    ゴツン

    レミリア「いたっ!」

    そういえば昨日は棺桶で寝たんだった。

    レミリア「今日のごはんは何かな」

    ベッドから起きて、部屋を出る。
    それから何となく、私は地下への階段へ向かって歩いた。ごはんの前に、無性に二人で走り回りたくなったんだ。





















    *以上も以下も、私の中の独自設定モリモリでお送りしております。


    まるで意味不明な文章ですが、要するにレミリアが見た夢。

    私の中では、フランは制御できない程のすごい力を持っているけど無闇に暴れる子じゃない。ただ、ある事が切欠で自我を忘れて暴れる事がたまにあるようになってしまい、そのためにレミリアはフランを地下に閉じ込めた。
    自我を忘れて暴れるフランは危険そのもので、パチュリーは殺されかけた事もあった。
    でも自我がある時のフランはいい子だから、レミリアは、閉じ込めるのは仕方ないと思いながらも心苦しい思いをしていた。いたたまれなくなり、心を痛めていた。
    パチュリーが殺されかけた時は限界が近くフランを槍で刺しかけたが、咲夜が素手で刃を掴みそれをとめた。パチュリーは殺されかけたのにもかかわらず、これまでと同じく献身的だった。レミリアは大泣きした。
    やがて自我を失い暴れる事もなくなったので、フランは開放された。
    だけどいまだにレミリアの奥底では当時の事を思い悩んでいる。

    ていうのが前提にあるんですけど(んな妄想が前提とか知るかアホって話)
    紅魔組に関しても独自の二次設定沢山考えてあるのでいずれ話に起こしてみたいです。いつだったかに投稿してたレミパチェの動画もその一部です。


    自分で解説しちゃうと興ざめですが……
    夢って自分が普段思ってる事から心の奥底で思い悩んでいる事などが不思議な形で現れたりしますよね。自分が持っていた問題についてたとえ全て解決したつもりでも、自分の奥の奥ではまだ何かが引っかかってたり。そういうの程夢に現れてきたりする気がします(私もそんな感じ)
    また更に面白いもので、今回のSS自体、私が見た夢です。後悔を夢に見るSSとか意味不明な夢を描いた漫画を読んでたら、こんな夢を見ました。折角なので文章にしてみただけです。
    狙ってこういう夢見れたら人生楽しいだろうなぁ。
    最近は夜になるとお外で諏訪子様が沢山合唱してますから、諏訪子様の夢が見たいです。
    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。