【東方SS】引きこもりトーク in 紅魔館大図書館
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【東方SS】引きこもりトーク in 紅魔館大図書館

2017-10-04 00:41

    *これは東方のSSです。二次設定満載でお送りしております。

    アリス「…………」

    パチュリー「…………」

    輝夜「…………」

    さとり「…………」

    魔理沙「(やばい)」

    魔理沙「(何がやばいって、何でこの状況が出来上がってるのかが全くわからないうえこの面子……これは私に対する試練か何かか?)」

    魔理沙「(誰かこいよ! 早苗とか、なんかその辺のやつ!)」

    魔理沙「つうか無言でお茶飲むのやめようぜ」

    パチュリー「止めろって言われても、ここは私の家。勝手に来たあんたら。お茶出してるだけでもありがたいと思いなさいよ」

    アリス「いやまぁ、それはありがたいけど……」

    輝夜「この紅茶おいしいわぁ」

    さとり「…………」

    魔理沙「いやうん、まぁそりゃごもっともさ。ごもっともなんだが……そもそもお前たちなんでこの面子で集まってるんだ? いつまでも更新されないこのSSの作者の動画じゃないんだからさ……」

    アリス「いや、私はパチュリーに用があったから来たのよ?」

    輝夜「私は里へ行く途中だったの」

    さとり「わ、私は……こいしが近くにいるっていうから……」

    魔理沙「まぁそれぞれ理由らしい理由はあるのか……でも流石になんか話せよ。かれこれ15分くらい座って紅茶飲んでるだけだったろ」

    輝夜「そんなの私たちの勝手じゃない?」

    パチュリー「勝手はいいけど、ここに用がないなら出てってもらいたいわね」

    さとり「私はこいしを待ってるだけだから」

    輝夜「一応、本を探しに来たという名目はあるわ」

    魔理沙「う、うーん……」

    魔理沙「(それぞれが勝手な理屈こねて、しかもパチュリーは出てってほしいけどそれを言うのもめんどくさいみたいな感じになってるな……)」

    魔理沙「まぁその、なんだ。動く気がないのなら、折角集まってるんだし、がーるずとーく?でもしようじゃないか」

    アリス「それ、早苗が言ってたやつ?」

    魔理沙「そうだな。女子会だのなんだの言ってた。いつもやってることなんだけどな」

    パチュリー「まぁわざわざする事に意味があるんじゃない?」

    魔理沙「お茶会って事にしてさ、会話しようぜ会話」

    魔理沙「なんでそんなこと、とか思うんじゃないぞ」

    輝夜「……そこまでは思ってないけど、微妙に見透かされたわね」

    さとり「話さなくても相手が思う事はわかるから」

    魔理沙「キャッチボール全否定するなよ。能力的に仕方ないんだろうけどさ」

    さとり「そんな事言ったってどうしたらいいか……」

    魔理沙「じゃああれだ。読めるのは仕方ないから、相手が喋るまで待ったらどうだ? お前の場合、勝手に先々捉えて話し出すのが問題なんだと思う」

    さとり「……やってみるわ」

    アリス「でも、話すったって何を? お題とかないの?」

    魔理沙「お題を用意しなきゃいけないお茶会ってなんなんだ……まぁいい。そうだな、なら、今日ここへ来た目的なんか話してみたらどうだ?」

    魔理沙「(なんだかまるで、『こみゅしょう』の手助けしてるみたいだな私……)」

    パチュリー「それだと私が話す事は何も無いわね」

    魔理沙「んじゃパチュリーは今読んでる本の内容でも聞かせてくれよ」

    パチュリー「えっ……そ、それは……えっと」

    魔理沙「なんだ、言いよどむような内容のものでも読んでたのか?」

    パチュリー「……物理学の本よ」

    パチュリー「(本当は恋愛小説だけど)」

    さとり「(察し)」

    魔理沙「物理学ってお前……相変わらずすごいもん読んでるな」

    パチュリー「いい勉強になるわ(まぁそれも今朝読んでたから嘘じゃないわね)」

    魔理沙「物理ってでも、色々あるらしいじゃないか。例えば、どんなのが好きなんだ?」

    パチュリー「好きって言われると難しいけど……音や波の分野は結構好きね」

    魔理沙「物理とか数学っていうと、藍が難解な数式だの何だのの話をしだした時にチラッと聞いてたが……」

    パチュリー「まぁ物理って言うと計算式とか記号とか考えがちだけれど、物事の考え方を学ぶ分野もあるわ。私はそっちの方が好き」

    輝夜「あんまり詳しくないけど、それって例えばシュレーなんとかさんの猫とかそういうの?」

    パチュリー「シュレーディンガーの猫ね。量子力学とか、本で読むと結構楽しいわよ?」

    アリス「まぁ、纏めてくれてる内容を読む分にはいいわよね」

    パチュリー「そういうこと。問題を解くんじゃなくて、考え方を学んでいけばいいの。きっと興味の出る範囲が沢山見つかるわ」

    魔理沙「確かにそういう感じなら面白そうだよな。なんていうか、話だけなら誰が聞いても理解できる内容っていうか」

    さとり「そ、そういう本なら私も読んだことあるわ」

    魔理沙「ん、そういやさとりも本好きなんだっけか」

    さとり「ええ……先が見えないから、とても楽しめるの」

    アリス「あんたみたいな能力持つと大変ね……でも、本を読んだりした時の感動は私たちと同じで共有できるものなのね」

    魔理沙「さとりはどんな本が好きなんだ?」

    さとり「私は……小説、かな。沢山の人間や妖怪が出てきてるけど、何一つ誰の頭の中も読むことができないから、純粋に物語を楽しめる」

    輝夜「そういえばよく漫画とかであるんだけど、相手の心が読めても突拍子も無い事を考えたりする人の頭の中は読むと相当疲れるらしいわね?」

    さとり「そういう状況になったことがないからわからないけど……」

    魔理沙「あれだな、そういうのは早苗を呼ぶべきだ」

    アリス「あの子は確かにね……ここ最近、思いつきってやつ? あれすごいし」

    魔理沙「この前は、なんだっけか。神社で秋について話してたらいつの間にか釣りに行くことになった」

    アリス「どういう状況よそれ……」

    魔理沙「いや、秋だなって所から秋の名物話し出して、秋の魚についての話になって、それで釣り行こうって」

    パチュリー「連想ゲームみたいになっていったのね……」

    魔理沙「まぁ最後とか、秋の魚の種類を言い合ってた所突然『釣りにいきましょう!』だからな」

    輝夜「早苗の中じゃ魚が川で泳いでるシーンが思い浮かんで、釣って食べようとかいう話になったのかしらね」

    魔理沙「だろうな。その過程が私たちにはわからないから、急に聞こえる」

    アリス「自由ねぇ……」

    魔理沙「おっと話がとんだな。しかし、小説か。もしかして恋愛小説とか読んだりするのか?」

    さとり「そ、そうね。そういうのも読んだりはするわ……」

    魔理沙「おや焦ってるな? さては大好物だったり」

    さとり「べ、別に取り立てて好きというわけでは……」

    魔理沙「まぁ、私たちにはなかなか縁がない話だからな……わからないでもない」

    アリス「あら、魔理沙もそういうの読むんだ」

    魔理沙「私は何でも読むぞ。恋愛小説だって、ちょっと恥ずかしくなるけど、普通に好きだし」

    輝夜「ラノベをそのジャンルに入れていいかはわからないけど、私も読むわね」

    アリス「あれ、意外と皆読むのね……」

    パチュリー「アリスは読まないの?」

    アリス「あんまり読まないかも……本自体、魔導書とかが主だし」

    魔理沙「パチュリーは勿論好きだよな」

    パチュリー「も、もちろんってなによ!」

    輝夜「私にはわかる。その机の上にも恋愛小説が置いてあるのを」

    パチュリー「っ/// ど、どうして……」

    輝夜「それは早苗が置いていった本だからよ」

    魔理沙「あっ(察し)」

    パチュリー「い……いいでしょ別に読んだって!」

    魔理沙「まぁ落ち着け、誰も悪いなんて言ってない。いい事じゃないか」

    輝夜「(まぁあれが百合ものだって事は、本人の名誉のために黙っておこうかしら)」

    さとり「!?」

    アリス「?」

    魔理沙「どうしたさとり、急に」

    さとり「あ、いや、なんでもないわ」

    さとり「そっ、それより、他の方々が集まった理由は何かしら」

    魔理沙「お、珍しいなさとりから話を進めてくれるなんて。んじゃ、アリス何しにきたんだっけか」

    アリス「ちょっと新しい実験するからその相談」

    魔理沙「怪しい実験じゃないだろうな……というか普通に興味あるし、私にも教えてくれよ」

    アリス「なんだかんだ魔法使いらしいこと全然してないもんね、あんた」

    魔理沙「いやいやいや、これでも家でマジックアイテムとか作ってるからな」

    パチュリー「例えばどういうのがあるの?」

    魔理沙「えっ? この前作ったのは……あれだ、熱エネルギーを保存していつでも火をおこせる玉だな」

    アリス「へぇ、割とそれなりのもの作ってるのね」

    魔理沙「それなりってなんだよ失礼な。お前たちみたいに、思いっきり魔法ぶっ放せるわけじゃないんだから」

    パチュリー「まぁ、それはその通りね。擬似的に魔法が使えるようになる装置、それがマジックアイテムだもの」

    輝夜「それって、例えば私が使ってもできるの?」

    魔理沙「あぁ。使い方も簡単なんだ。太陽の光を玉に吸収させて蓄積して、必要なときに開放するだけだからな」

    アリス「一歩違えば普通の発火装置よねそれ」

    魔理沙「バカ言え。威力が段違いだぞ。さてはアリス、私をバカにしてるな?」

    アリス「ごめんごめん。最近早苗が外の世界の物をやたら見せてくれるもんだから……」

    魔理沙「すると外の世界にはこれと似たようなものがあるっていうのか……なんかちょっとショックだな」

    輝夜「どんな威力なの? それによってくると思うけど」

    魔理沙「マスタースパークとまではいかないが、集積量次第では家くらいなら焼けるぞ」

    輝夜「そこまでってなると、火炎放射器でも難しそうだし魔法じゃないと無理ね」

    魔理沙「おお、そうか。へへ、作った甲斐があったぜ」

    さとり「魔法か……ちょっと使ってみたい気もするわね」

    魔理沙「おっ、いいねいいね。どういうのがお望みだ? 作れるものなら、作ってみてもいいぜ」

    さとり「そよ風が出せるものとか、あるとありがたいわね。こもって本を読んでると暑苦しいときもあるから」

    パチュリー「わかるわ。確かに、そういう時に魔法を使うことはあるし」

    魔理沙「そよ風か……よしわかった。作って今度持って行ってやるよ」

    さとり「ありがとう」

    輝夜「ねえ、アリスのその実験ってどういうものなの?」

    アリス「新薬の開発なんだけど、調合材料の配分を微量だけ変えてみた実験結果をパチュリーの視点から見てもらうの」

    輝夜「ちょっと何言ってるかわからないです」

    アリス「えっと、私の場合何かを作ったり使ったりする過程で魔法を使う事が多いんだけど、術式から用途まで、私とパチュリーでは魔法に対するアプローチが全然違うから」

    さとり「あ、あぷろーち……」

    アリス「えっと、なんていえばいいんだろ……あぁもう早苗のせいで外来語に慣れてきちゃった」

    魔理沙「要はあれだろ? 二人とも魔法の種類が違うから、同じものを見るだけでも違った視点から見ることができるっていう」

    アリス「まぁ、そう思ってもらって間違いはないわね」

    輝夜「ほへー。で、その新薬って?」

    アリス「……言わなきゃだめ?」

    輝夜「えっ、なんかそんなに口にできないものなの?」

    さとり「……いいんじゃない別に?」

    アリス「まぁ隠すほどのものでもないけど……いわゆる、興奮剤よ」

    魔理沙「こ、興奮剤だと……」

    輝夜「きゃーやらしー」

    アリス「あのね、興奮剤って用途が広いのよ? これが完成系ってわけじゃないんだから」

    輝夜「いやうん、冗談よ」

    パチュリー「興奮剤は他の薬を作ったり、何かの成分の一つとして用いる事が多いの。例えば『元気が出る飲料』を作る時に少し使ったりするわ」

    アリス「むしろこれ単体での使用はとても危険ね。特に今作ってるものは劇薬だし」

    魔理沙「あれだよな。酒で言えば、アルコール100%みたいなもんだ」

    輝夜「それはやばいわね」

    パチュリー「それは悪くない例ね。色んな種類のお酒があるけど、アルコールが共通して含まれているっていう感じ」

    輝夜「イメージつきやすいわ」

    アリス「まぁもっと具体的に言えば、使ってるキノコや薬草の配分を微妙に変えてみたんだけど、私のアプローチの仕方だとどうしても一辺倒になっちゃうから」

    パチュリー「アリスの魔法は、私からすれば面白い所で柔軟だから参考になるんだけどね」

    アリス「私の場合用途が用途だからね。純粋に物を生み出せるきっちりしたパチュリーの術式が私はとても参考になる」

    輝夜「なに言ってるのかさっぱりんこわかんないわ」

    さとり「言葉は読めても意味がわからないと読めてないも同然ね……案外楽しい」

    魔理沙「くぅ、私もそこまで魔法が使えるようになりたいぜ……というかその薬、ぜひできたら私にもわけてほしいもんだ」

    アリス「あー、そういうのも面白いかも」

    パチュリー「アイテムと調合とか?」

    アリス「そうそう。竜の牙とかマムシの鱗とか」

    魔理沙「そういうのは私の専門分野だ、任せてくれ!」

    輝夜「なに言ってるのか(ry」

    さとり「これが魔法使いの会話なのね……」

    魔理沙「おっとすまん、つい楽しくなってな」

    輝夜「ううん、それは別にかまわないわよ」

    さとり「意味がわからなくても、なんとなく語感で楽しめるしね」

    魔理沙「そういうもんか……まぁ、話を戻そう。輝夜は里へ行く途中だって言ってたけど、行かなくて大丈夫なのか?」

    輝夜「行くのは今日の夕方だから、別にまだ大丈夫よ」

    アリス「どうしてここに?」

    輝夜「本を探してるの。うちにある本は粗方読み尽くしちゃったから」

    パチュリー「読み聞かせしてるんだっけ」

    輝夜「そ。といっても、一時間くらいのことだけど」

    アリス「たまに見かける事があるわ。学校とか行ってるのよね」

    輝夜「そういえば一度鉢合わせした事あるわね。あの日は、午前と午後でそれぞれ呼ばれてたんだったかしら」

    アリス「確かそうだったわ。私は後のほうだったけど、前半も誰か呼んでるって聞いてたから。輝夜だと知ってちょっと驚いた」

    輝夜「まぁ広いようで狭い世界だしねぇ」

    魔理沙「ん、そういうのって向こうが呼んでくるのか?」

    アリス「最近はその場合が多いかな? 私はだけど」

    輝夜「私はどういうわけか永琳が話を拾ってきたりするから……まぁ今となっては、呼んでもらうことのほうが多いけど」

    魔理沙「なんていうか、そういうのって営業みたいに自分で足運んでるのかと思ってた」

    アリス「まぁ私の場合は運が良かっただけで、本来ならそうなのかもね」

    パチュリー「誰かに人形を動かしてるところを見られたとかってこと?」

    アリス「まぁ、そんな感じ。咄嗟に人形劇の練習って誤魔化したんだけど、反対にそれが好評になっちゃって」

    魔理沙「人形劇にしてはするする動くしなぁ。あれ、実際動かしてたんだっけか?」

    アリス「内緒」

    魔理沙「ちえ、いつも教えてくれないのなそれ」

    アリス「何でもかんでも人に知られてる魔法使いってなんか嫌でしょ」

    魔理沙「うんまぁ、それはわかるよ……」

    輝夜「女は秘密を着飾っているものなのよ。ベルモットが言ってた」

    魔理沙「誰だそれ?」

    輝夜「漫画のキャラ」

    アリス「ほんと好きね……」

    パチュリー「それで、お目当ての本はあったかしら? そういう話なら、特別に貸し出してもいいけど」

    輝夜「だいたいのアタリはつけたし、大丈夫そう。ありがとう」

    パチュリー「事情があってきちんと話してくれるなら、別に問題はないわ」

    魔理沙「んじゃ私も借りてくかな」

    パチュリー「お前には何一つ貸さない」

    魔理沙「ち、ノリで貸してくれると思ったんだが……」

    輝夜「それ、自分が死んだら回収って言ってるみたいだけど、魔法使いになったら死なないんでしょ? てことは、もしそうなったら返さないって事?」

    魔理沙「お、おいバカそれを言ったら……」

    パチュリー「はぁ……もうどうでもいいわ、そんな話。どうせ定期的かつ強制的に返してもらいに行ってるんだし」

    アリス「あ、やっぱり回収しに行ってるのね」

    パチュリー「当たり前よ」

    魔理沙「まぁ、おかげでうちが本だらけにならずにすんでいる」

    パチュリー「しばくわよしまいには」

    魔理沙「ま、魔法使いが物理かよ」

    パチュリー「丁度物理の本読んでいたしね」

    輝夜「魔法(物理)ってやつね」

    アリス「でも実際、呼び出したものをぶつけるのなら物理で案外間違ってないわよね……」

    魔理沙「お前らさっきからおっかないぞ。話を戻そう、な?」

    アリス「調子いいんだから」

    魔理沙「で、さとりだ。さとりは何しにきたんだっけか」

    さとり「こいしがここにいるって聞いたのよ」

    アリス「それでわざわざ出てきたの?」

    さとり「ここ最近あの子ふらふら色んな所歩き回って全然うちに帰ってこないから」

    輝夜「家出少女じゃないんだから」

    さとり「色んな話を聞かせてくれるのはありがたいんだけど、ちょっと心配になってきたの」

    アリス「確かにまぁ、ここ最近は色々やってるしね……半分くらい早苗のせいっぽいけど」

    魔理沙「でも、退屈しないって言ってたぞ。新しい発見がいろいろあって楽しいって」

    さとり「うん、それはわかる。話してくれるとき、いつも目が輝いてるもの」

    輝夜「それで、こいしがどんなことしてるか見にきたの?」

    さとり「……まぁ、半分はそうね」

    アリス「もう半分は?」

    さとり「……興味が無いといえば嘘になるから。本当は自分の目で確かめてみたいという気持ちもあるから。だから……」

    パチュリー「そうね、いいことだと思うわ。探究心が無ければ何事も始まらないもの」

    魔理沙「そうだぜ。気になったら調べてみる、わからなかったら訊いてみる、体感したけりゃ外に出ないと」

    さとり「耳が痛いわね。でも、その通りだと思う……」

    パチュリー「まぁ、理屈はわかるのよ。わかるけど、ねぇ?」

    魔理沙「うんまぁ、お前たちがたぶんトップクラスだしな、外に出ないやつらの」

    輝夜「言っておくけど、私は結構色んな所に行ってるからね? 誤解されがちだけど!」

    アリス「右に同じ。まぁ行く場所はだいたい限られてはいるけど、頻繁に外出るからね」

    魔理沙「そ、それはまぁ知ってるが……」

    輝夜「でも、さとりが外に出るのがつらいのはわかる」

    さとり「……そう」

    魔理沙「どうしてだ?」

    輝夜「絶対音感って知ってる?」

    アリス「あれよね? どんな音でも音階に変換して聞こえるってやつ」

    輝夜「そう。で、酷いと自分が意識しなくても勝手にそういうのわかっちゃうから、音聞くのが辛くなるんだってさ」

    魔理沙「あぁ、そういう事か。人の多いところなんて行くと確かに大変そうだな……」

    アリス「今はどうなの? やっぱり、大変?」

    さとり「ううん、私だってそういう状態で放置してるわけじゃない。自衛手段は考えてるから、これくらいの人数なら平気」

    パチュリー「意図的に目を閉じたりはできないの?」

    さとり「わからない……訓練次第ではできるようになるのかもしれないけど、おそらく加減ができないと思う」

    魔理沙「つまり、やるならこいしみたいになるって事か……」

    さとり「だけど、不思議なものね……自分の事は嫌いだった。だけど、こいしが目を閉じた時は、ちょっとだけそれを気持ち悪いと思っていたの」

    さとり「でも……今じゃそういう事は思わない。むしろ、羨ましいと思うことさえあるわ。なんだか、ちょっと変な感じ」

    輝夜「いいんじゃない? 誰しも、日々何かに触れ続けて、その影響を受けて僅かずつでも変わっていってるんだから」

    アリス「変わらないものなど何もない、ってやつか……」

    パチュリー「今この瞬間の自分と全く同じ自分は未来にいない。たとえ図書館に閉じこもっていたとしても、色んな本を読んで何がしか影響を受けているわ」

    魔理沙「……なんか、嫌に真面目な話になっちまったな」

    さとり「ごめんなさい、私のせいね」

    アリス「そんなことでいちいち謝らないの」

    さとり「ごめ……そうね」

    魔理沙「それじゃあ、あれだ。逆に、普段閉じこもってるときは皆何してるんだ?」

    パチュリー「訊き方にちょっと悪意が感じられるけど……私は読書よ」

    さとり「私も本を読んでるわ」

    アリス「その日によるけど……薬作ったり趣味にいそしんだり?」

    輝夜「私も日によるわね……それこそゲームしてたりもするし」

    アリス「そういう魔理沙は?」

    魔理沙「コレクションの整理とかかなぁ。結構アイテム数も増えてきたから、収納に結構困り始めてるんだ」

    輝夜「わかるわぁ。私も色々集めてるし、収納ってそういうとこ結構課題になるのよね」

    魔理沙「だよなぁ。最初のうちはきっちり整理して片付けるんだけど、物が多くなりすぎると綺麗に収納するだけの場所が無くなってしまって、結局できるだけ綺麗に保存できる形で保管するんだよな」

    輝夜「しかもそういうのって、保管という名の放置だしね」

    魔理沙「まぁな……否定できない」

    アリス「いらないもの捨てたりしてないせいでしょそれ」

    輝夜「違うのよ。本当に必要なものが、収納スペース以上にあふれてるの」

    パチュリー「……まぁ、本で言うなら私も似たようなものかしらね」

    アリス「理屈はわかるけど、私はそうなってないしなぁ」

    さとり「……私も綺麗に収納してるわね」

    魔理沙「はは、こういうのってそれぞれの性格とか出るから面白いよな」

    アリス「ひとつ疑問なんだけどさ、そんなに自分にとって必要なものが整理できない程あふれてる状態なら、長らく見てないものとかもあるんじゃないの?」

    輝夜「なかなか痛いところをついてくるわね」

    パチュリー「それについては、私がそんな状態だからよくわかるんじゃない?」

    魔理沙「確かに、パチュリーみたいな状態と言えば一番いいな」

    輝夜「詰んでるゲームの中に、もしかしたら永遠にやることがないものもあるかもしれないしね」

    アリス「ならなんで買ったのよ」

    輝夜「理屈じゃないのよ、そういうのって。欲しいから手に入れるの。手に入れることも、ひとつのステータスなのよ」

    魔理沙「それな。実際に使うことがなくても、自分が欲しいからという理由だけで手に入れることはある。たとえ、手に入れた後ずっと『保管』する事になってもな」

    アリス「うーん、私にはあんまりその感覚はわからないわね……必要な時に必要なものだけを手に入れるから」

    さとり「私もどちらかと言えばそうね。もっとも、そもそも必要なものがあまりないのもあるけど」

    パチュリー「じゃあ私は中間ってことになるのかしら? 日々消化してるから」

    輝夜「いや私だって消化する気はあるのよ? でも時間ないもの」

    アリス「あんたに時間が無かったら誰一人として時間ある人間も妖怪もいないわよ……」

    輝夜「あーもう、そうじゃなくてよ! 手に入れた時期に消化は関係ないって言いたいの」

    魔理沙「あれだよ。例えば、この伝記は向こうの小説より先に買ったけど、先に小説を読んでしまうんだ。で、その小説を読んでる間は伝記は読めないわけだろ? つまりは、そういうことだよ」

    アリス「わかるような、わからないような……要するに、他にすることを優先してそれはやれてないってこと?」

    輝夜「そんな感じ。たとえそれが、寝転がってだらだらすること、とかだとしてもね」

    アリス「寝転がるより優先度低いなら入手する意味が……」

    魔理沙「堂々巡りだなこりゃ」

    パチュリー「価値観の違いなんだし永遠に平行線だと思うわよ」

    さとり「違いないわね」

    輝夜「なんか、アリスとパチュリーの魔法が違うって意味がわかった気がする」

    魔理沙「そういわれてみれば、確かに同じにおいがするな」

    アリス「実用化できてこその魔法だと思ってるからね。貴女達のそれで言うと、習得できれば使わなくてもいいわけでしょう?」

    魔理沙「そこまではいかないけど、使える自分がいるってのが重要だな」

    アリス「あぁ、そう言われてみればわからなくもないか。習得できてるのとできてないのでは確かに違うわね」

    輝夜「それそれ、その感覚に近いわ。だから、持ってることがステータスなの」

    アリス「理屈はわかったけど、うーん……やっぱり私には合わないわそれ」

    魔理沙「はは……」

    魔理沙「(なんだ、こいつらちゃんと話せるじゃないか。かなり助け舟出した感はあるけど、別に何もいえないわけじゃないんだよな)」

    輝夜「それじゃ、私はそろそろ行くわ。魔女さん、これ借りていくわね」

    パチュリー「どうぞ。できるだけ早めに返してくれると助かるわ」

    輝夜「勿論。というか、今日使い終えたら帰りに持ってくるわよ」

    パチュリー「そう。どこかの誰かさんにも聞かせてやりたいわね。というか、聞いてるか」

    魔理沙「誰のことを言ってるんだろうな。私にはわからないぜ」

    さとり「私はまだかかりそうだから、何か本でも読ませてもらえたら嬉しいけど……」

    パチュリー「ご自由に。ここまでくるともう今更だし、今日のところは気にしなくていいわよ」

    さとり「ありがとう」

    アリス「ま、こっちの用事もあるしね。なら、私のほうもよろしく」

    パチュリー「はいはい。で、試験薬はどこにあるの?」

    アリス「物が物だから向こうに置いてるわ。それで、配分なんだけど……」

    魔理沙「…………」

    魔理沙「急に一人になっちまったぜ」

    魔理沙「まぁたまにはこういう時間もいいもんだな。がーるずとーく、ってのたまに開催してみると面白いかもしれないな」

    魔理沙「というわけで、私は鬼の居ぬ間にこの本を借りていくとするぜ」





    続く……?
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