アリス「(まさかとは思うけど……レミリアってサンタ信じてるの?)」【東方SS】
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アリス「(まさかとは思うけど……レミリアってサンタ信じてるの?)」【東方SS】

2014-12-24 04:04
  • 2

*いつも通り、独自設定・キャラ崩壊注意ですよ


パチュリー「うーさむっ! あーもうすっかり冬ねぇ……」

咲夜「そうですね。しかも、今年の冬は例年に比べて雪が多くなりそうです」

パチュリー「ま、雪が多くても少なくても私には関係ないけど。それより、図書館が寒いのは問題だわ」

咲夜「極端に温度を上げ下げすると書物に悪いですからね」

早苗「そうなんですか? うち、普通に冷暖房つけてますけど、本痛んでますかね」

霊夢「別にいいんじゃない? 本が傷もうが別に気にならないし。それよりおかわり」

咲夜「ねぇよ。何でごく自然と会話に混ざってきてるのよ」

パチュリー「というかそこレミィの席なんだけど」

霊夢「それは気づかなかったわ。ごはんが用意してあったから、食べていいのかと」

咲夜「不法侵入とかは今更言うつもりないけど、食い逃げは罰を与えるわよ」

霊夢「ふ、やれるもんなら」

パチュリー「外でやってね」

早苗「でも、本当に今年の冬は寒そうですね~。この分だとクリスマスも雪かな」

藍「寒いと紫さまがいよいよ部屋というか布団から出てこなくなってしまって困る」

パチュリー「また増えたよ……」

アリス「うん、なんか、ごめん」

咲夜「はぁ……もう何も言うまい」

霊夢「そでいいのよ、ごっそさん」

咲夜「こいつだけはつまみ出したいわ」

レミリア「ふわ……おはよ。何か騒がしいわね」ガチャリ

霊夢「あんたもう夕方よ?」

レミリア「そりゃ夜行性なんだもん。むしろこれからが活動時間よ」

早苗「レミリアさん寒いの苦手そうですね」

レミリア「何をいきなり……まぁ、寒いのは嫌いね。暑いのも嫌だけど」

藍「ただの我儘娘だな」

パチュリー「あんたの主には負けそうだけど」

藍「まぁ……言い返せないのが何とも……」

霊夢「そういやさー。また鍋パするの? うちでするのはいいけど、後片付け誰か残って手伝ってよ? 次の日片づけを一人で黙々とするの結構つらいんだから」

咲夜「普段の素行を考えれば、それくらい当然だと思うんだけど」

パチュリー「こうしてうちの晩御飯かっさらってる時点で、少なくとも私たちは片づけをしなくてもいいわよね」

レミリア「あれ? 私のごはんは?」

咲夜「すぐにご用意いたします」

レミリア「はぁ? まだ作ってなかったわけ?」

咲夜「申し訳ございません。直ちに」シュッ

パチュリー「見ればわかると思うけど、全部霊夢のせいだから」

霊夢「はい? どこに証拠があるっていうのよ」

パチュリー「いやレミィ以外ここにいる全員見てるし」

霊夢「私以外がみんな嘘を吐いてるかもしれないでしょ」

パチュリー「それ以前に、貴女がここにいる時点でもうダメなの。貴女自身が証拠なの」

霊夢「とっても不名誉な事を言われた気がするわ」

パチュリー「まさに言ったのよ」

早苗「冬と言えば鍋もですが、クリスマスもいいですよね」

藍「早苗は恐ろしいまでにマイペースというか、いつも周りに流される事はないな」

パチュリー「保護者」

アリス「…………」

パチュリー「あんたよ」

アリス「……は?」

パチュリー「最近ちらほら話題になってるわよ? 守矢の巫女と人形使いと狐が神出鬼没だって」

早苗「私たち有名人ですね」

アリス「とっても不名誉だわ」

藍「自らの意志とも言えない所がまた辛いな」

早苗「それより、クリスマスの話しませんか?」

パチュリー「究極のマイペースだわ……」

霊夢「んで、クリスマスでもなんでもいいけど、宴会するんでしょ? 私はその話がしたいわ」

アリス「巫女の仕事どうしたのよ……まぁ早苗もだけど」

藍「恒例ながら、幽々子様や妖夢はご参加なさるだろうが、紫さまは布団から出てこられないだろうと思う」

霊夢「スキマから突然きそうだけど」

藍「開くと隙間風が冷たいらしい。お出になるとしたら、布団にくるまったままだろうな」

アリス「それでいいのか幻想郷の統治者」

パチュリー「マトモな奴がいないわね……」

咲夜「お嬢様、お待たせしました」シュッ

レミリア「zzZ…………ふぁ、あ、うん、ありがと」

パチュリー「よだれ」

レミリア「ひゃ」

パチュリー「もう」フキフキ

早苗「なんだか微笑ましいですね。それで、クリスマスですけど」

アリス「何が何でもクリスマスの話にしたいらしいわね……」

早苗「だって、すぐに話題がかっさらわれますから……」

レミリア「クリスマスが何だって?」

アリス「そういえばここってクリスマスとか祝うの? そういうのは嫌いそうなイメージだけど。枠にはまるのはエレガントじゃない、とか言って」

咲夜「あっ」

レミリア「それは違うわよ。むしろフルに活用するの。楽しい事は何でもするからね。クリスマスパーティだってやるし、サンタも来るわ」

アリス「え?」

霊夢「ん?」

藍「お?」

早苗「あらら?」

咲夜「…………」

パチュリー「…………」

レミリア「ん? なに? どうして静かになるの?」

アリス「え、あ、いや、別に」

藍「まぁ、その、なんだ、なぁ」

早苗「そういうの素敵だと思います」

霊夢「あっはっはっは! サンタってあんた、500歳にもなる吸血鬼がサン……」

咲夜「霊夢、霜降りステーキがあるんだけど、ちょっと黙る気無い?」

霊夢「黙りましゅ!」

レミリア「え? どういうこと?」

パチュリー「何もないわ。霊夢が勝手に暴走しただけ。いつもの事でしょ」

咲夜「そうです。ちょっと餌やって黙らせますので」

レミリア「ふ~ん? よくわかんないけど、まいっか」

アリス「(まさかとは思うけど……レミリアってサンタ信じてるの?)」

藍「(家庭によってそれぞれとは聞いたが……これは意外だ)」

早苗「レミリアさんはサンタさんに何をお願いしたんですか?」

パ・咲・ア・藍「(この子ストレートに話繋げてきた~!?)」

レミリア「うん? 聞きたい? じゃー特別に教えたげる。今年はね~。羽が虹色に光る幻の鳥が欲しいって頼んであるの」

早苗「そんな鳥がいるんですか」

レミリア「まぁ光のくっけつだかけっせつだか何とかっていう原理らしいけど」

アリス「(屈折、ね)」

藍「(これはまた苦労しそうな……)」

早苗「へぇ。ちなみに去年は何を?」

レミリア「去年は龍の血! パチェの本に出てきた、空を翔ける紅色の龍の血よ」

アリス「そ、それはもらえたの?」

レミリア「うん、もらえたよ。朝起きたら、ちゃんと枕元にあったの。良い子にしてたからね」

藍「(また大変だっただろうな……咲夜とパチュリーが明後日の方を向いてるな)」

アリス「ねえ、レミリアにほんとの事教えてないの?」コソッ

パチュリー「話の流れで言うに言えなくなったのよ。それからずっと、話すタイミングが無いの」コソッ

アリス「え、じゃあ毎年あんたらが頑張って用意してるわけ?」コソッ

パチュリー「そうよ。レミィの為だもの、頑張るわよ」コソッ

アリス「そうですか……あんまり甘やかすのもどうかと思うけど」コソッ

パチュリー「わかってるわよ……」コソッ

早苗「うーん、私もお願いしてみようかな」

レミリア「毎年お願いしないの?」

早苗「私、良い子じゃないから、もうもらえないんです。だから、ダメ元ですね」

レミリア「ふふん、そうなの。それはダメねぇ」

早苗「そうなんです、ダメな子なんです」

咲夜「2コンちょっと調子乗りすぎ。沈めるわよ」

早苗「ごめんなさい」テヘペロ

レミリア「でも、サンタってどんな人なんだろ? 会った事ないからわかんない。早苗は会った事ある?」

早苗「ふぇ? わ、私は無いですね。アリスさんあります?」

アリス「ちょ、なんでこっちに振るのよ……いや、私も無いけど」

レミリア「藍は? あんたならありそうだけど」

藍「サンタクロースは流石に無いな」

レミリア「じゃあ誰もその姿を知らないって事か…………よし!」

早苗「どうかしました?」

アリス「(嫌な予感)」

レミリア「今年のプレゼントは変更するわ。私、サンタに会いたい」

パ・咲「…………」

藍「まぁ、頑張れ」ぽんぽん

パチュリー「ど、どうすれば……」

咲夜「召喚したりできませんか?」

パチュリー「架空の存在を降臨させるなんて、相当頑張らないと無理よ。しかも呼び出す対象にも相応の力が無いと……」

咲夜「そ、それなら誰かが変装するしか……」

レミリア「なにこそこそ話してるの?」

咲夜「え、いや、何でもないですよ?」

パチュリー「流石に私たちはもうもらえないねって話をしてたのよ」

レミリア「ふーん。みんな悪い子だなぁ」

アリス「(つっこみたいけど、つっこんだら色々崩壊しそうだわ)」

藍「ふむ」

藍「レミリア、知っているか」

パ・咲「!?」ドキッ

レミリア「何を?」

藍「サンタというのはある意味隠された存在だ。その姿を見る事が叶ってしまえば、もうプレゼントはもらえなくなるぞ」

パ・咲「(ナイスフォロー!……だけど、ちょっと複雑)」

レミリア「え、そうなの?」

藍「ああ。サンタはあくまで、夜中に人知れず現れては良い子に褒美を与える存在だからな。人々に認知されていても、その姿を見られてはいけない」

レミリア「よくわかんないけど、サンタを見たらもう二度とプレゼントはもらえないって事ね?」

藍「そうなるな。勿論、意図せず見てしまった時も無しだ。見た年ももらえない」

アリス「(突飛なプレゼントを回避するか、今後のプレゼントを回避するか……レミリアにはなかなかに残酷な選択を与えるわね……)」

早苗「(今年のクリスマスは何しようかな~)」

霊夢「ていうか、それなら私のとこに来てもおかしくなくない? 何で来ないのよ。めっちゃ良い事してるでしょ」

咲夜「黙れと言ったはずよ」

霊夢「もうステーキ無くなった」

咲夜「特大サイズのアイスがあるから、違う部屋で食べてもらえない?」

霊夢「食べる!」

咲夜「じゃ、奥の部屋行ってて。美鈴に持って行かせるから」

霊夢「はぁい♪」タッタカター

藍「(酷い餌付けだ……)」

アリス「(……あの姿を見ると幻想郷の未来がほんと不安になるわ)」

レミリア「さっきから聞いてると、もしかして皆プレゼントもらえてないの?」

パチュリー「まぁ、そういう事になるわね」

レミリア「みんな悪い子なのね~、ふふん」

パチュリー「それで、プレゼントはどうするの?」

レミリア「んー、どうしよう。今後もらえないのも嫌だしなー……でも、見たいなぁ」

アリス「ねえ、もう霖之助さん辺りに頼んでやってもらった方がいいんじゃない?」コソコソ

咲夜「そうね、それが無難のような気がするわ」

パチュリー「まぁ、藍の話のおかげで、納得して今後プレゼント諦めてくれそうだし……それなら、まぁ」

アリス「ねぇ、レミリア。いっその事当日はここでパーティしてサンタを迎えるっていうのはどう?」

レミリア「それよ! たまには良い事言うわね、人形!」

アリス「せめて使いをつけて」

レミリア「はい、決まり~。今年のプレゼントはサンタに会う事! 後の事は……仕方ないよね」

藍「大丈夫。きっと来年は来年で良い事があるさ」

パチュリー「(さりげなくこっち見たわね……まぁその通りだけど)」

咲夜「では、そのように。私は準備に取り掛かりますね」

パチュリー「私もたまにはやるか……レミィは良い子にしてなさいね」

レミリア「もっちろん!」

アリス「あれ? なんか結局がっつり関わっちゃったんだけど……まぁいいわ」

藍「ふむ。私もいないというわけにはいかないだろうな。紫さまに話をしてくるとするか」

アリス「とりあえず解散ね。それじゃあ当日に」

咲夜「それ以前に、そもそも何であんたらが集まってたのかって話なんだけどね」

早苗「うーん、ツンベアーかユキノオーか……」

アリス「あんたはずっと何考えてたの?」



パチュリー「で」

パチュリー「なんであんたらがついてくるわけ?」

早苗「え?」

アリス「早苗に無理矢理連れてこさされたの。もう抵抗するのも疲れるから、この頃あんまり逆らわない事にしたのよ。どうせ何が何でも連れていかれるから」

パチュリー「そ、そう……」

早苗「それで、霖之助さんに会いに行くんですよね?」

パチュリー「あんたは一応ちゃんと話聞いてたのね……それにまぁ、もう香霖堂の前なんだけど」

霖之助「騒がしいと思ったら、実に珍しい面子が店先にいるね」

早苗「こんにちは~。でも、すみませんが今日は別件です」

アリス「え? なにそれ?」

霖之助「守矢の皆さんには最近色々協力をいただいていてね。外の世界の商品を安く仕入れさせてもらってるんだ」

アリス「いつの間にそんな商売関係が……」

霖之助「おかげで時折ここを訪れる人が色々買って行ってくれたりするよ。売り上げは去年の十倍くらいだ」

アリス「元がわからないから、凄いのか実はたいしたことないのかわからないわ」

霖之助「それで、別件と言う事だけど、どういう用事だい?」

パチュリー「こほん。それは私から話すわ」

霖之助「おや君は」

パチュリー「面倒な会話はいらないから本題を話すわよ」

霖之助「わかりやすくていいけど、ふむ……(ちょっと苦手かもしれないなぁ)」

‐少女説明中‐

霖之助「ふむ。サンタの変装をね」

パチュリー「今更、どうしてその風習がここにも伝わってるのか云々は言わないでね」

霖之助「す、鋭いなぁ……」

アリス「頼めそうなのが他にいないのよ」

霖之助「そもそもみんな女性ばかりだしねぇ」

パチュリー「まぁ、ね」

霖之助「要件はわかったけど、正直に言わせてもらうと、少々厳しいかもしれない」

アリス「何か用事でもあるの?」

霖之助「うん、実は、その日はさる会合に出席する事になっていてね。夜遅くまで空かないんだ」

早苗「あちゃ、それは困りましたね」

パチュリー「ううん、それは大丈夫よ。だってサンタが来るのはそもそも子供が寝静まってから。レミィが寝るのはたいてい昼だもの」

アリス「あ、そういやそっか」

霖之助「昼なら時間を取れない事もないけど、それでいいのかい?」

アリス「って事は昼間にパーティしないといけないって事か……いやまぁ、どうせサンタ云々が終わってからも続くでしょうけど」

早苗「それ以前に、クリスマスパーティがただの飲み会になっていくでしょうね」

パチュリー「とにかく、そういう事だからお願いできないかしら」

霖之助「良いけど、勿論僕にも何かメリットがあるんだろうね?」

パチュリー「(目ざとい……というか、何も考えてなかったわ)」

霖之助「一応これでも仕事してるからね。その仕事を中断して他の用事に時間を割くというのは、個人的には悪く思うわけじゃないんだけど、そういうわけにもいかないからさ」

アリス「まぁ、普通に考えれば当然といえば当然ね……」

早苗「仕入れ関係で割引とかでいいなら、しますけど」

パチュリー「それではだめよ。元々うちの我儘で始めてる事なんだから、うちで何とかするわ」

霖之助「ほほう?」

パチュリー「逆に聞くけど、どんなメリットが欲しいの?」

霖之助「うーん、言われて判断しようと思ってたから何も考えてはいないんだけど……職業柄、早苗さんの提案が一番助かるかな」

パチュリー「ならここは早苗にお願いして、私たちが早苗に恩を返すわ」

霖之助「じゃあそれでいいかな。義理堅いというか、まっすぐだね。それに、君はあまり外に出ないと聞いていたけど」

パチュリー「そういう気分になる事もあるのよ」

霖之助「そういうものか」

アリス「(レミリア絡みだからなんでしょうけどね)」

アリス「そういえば咲夜はどうしたの? たしか、一緒に来るとか言ってなかった?」

パチュリー「今更それを訊くのね……咲夜は招待状を作って配ってるわ。パーティをするからには、それなりの体裁ってもんがあるし」

早苗「大勢呼んで盛大にやるって事ですね!」

アリス「あんたらそういうの好きよねぇ。自分たちの力とか財力を誇示するというか」

パチュリー「主があれだからね。それに、こうやって皆を呼んで楽しむ事が『良い子であるために行う良い事』とレミィは思ってるから」

早苗「素敵ですね!」

アリス「いや、最終的にプレゼントが欲しいから、って何か不純じゃない?」

霖之助「事情はよくわからないけど、僕はサンタの格好をして登場すればいいんだね? 話を聞いてると、なんだか見世物になりそうで不安なんだけど」

パチュリー「パーティ中に登場するのも変よね……途中で私たちだけ抜けて、その席でお願いするわ」

霖之助「僕もその方がいいよ。大勢の前で登場するのはちょっと嫌だからね」

アリス「パーティとか言わない方がよかったかな」

パチュリー「どうせやる事になっただろうし、いいんじゃない?」

アリス「それもそうか」

早苗「それじゃあ、衣装合わせとか細かい話はまたしに来ますね」

霖之助「また、ってイブは明日だろう?」

パチュリー「実はこれが決まったのもついさっきで、ほとんど何も決まってないのよ」

霖之助「杜撰な計画だなぁ。今日だってもう夜だし、それで本当に人が集まるのかい?」

アリス「それが、割に集まるのよね……招待状出さなくてもどうしてかかぎつけてくるやつもいるし」

霖之助「その集客力は羨ましいなぁ」

早苗「ここで宴会開けばどうです? 新年会とか」

霖之助「桜を使って似たような事はやったんだけどね」

アリス「まぁとにかく、また流れを説明しに来るわ」

早苗「じゃあアリスさん、いったん戻りましょ」

アリス「はいはい」

早苗「パチュリーさん、もう一度ここに来て説明を済ませたら、私たちも紅魔館に行きますね」

パチュリー「はいはい。飾り付け手伝ってね」

早苗「勿論です!」

霖之助「……やれやれ、実に騒がしかった。にしても、君もそうだけど、幻想郷の妖怪たちは案外働き者なんだね」

パチュリー「どういう事?」

霖之助「もっと利己的で他人の為に動いたりとかしない者ばかりだと思ってた」

パチュリー「実にその通りよ?」

霖之助「そうかな。早苗さんも、アリスさんも、君だってそうだ。今は誰かの為に動いてるんだろう?」

パチュリー「違いないけど、ちょっと違うわ」

霖之助「その誰かの為にすることが自分の為だっていうやつかい?」

パチュリー「あなたも鋭いのね」

霖之助「まぁこういう時どういう感情で動くかなんて、だいたい決まってるからね」

パチュリー「くえない男ね」

霖之助「それはどうも」



‐そして当日‐


パチュリー「例年そうだけど、かなりの人数が来るわね……」

咲夜「この大ホールが埋まるくらいですからね。招待状を出していない妖怪や妖精の姿も見えますし」

パチュリー「あいつらこういう嗅覚だけは異常だわ」

咲夜「違いないですね」

萃香「よう。今年もお疲れだねぇ吸血鬼勢は」

パチュリー「また面倒なのが来た」

萃香「おいおい、少しは包み隠してくれよ」

パチュリー「別に気にしてないでしょ?」

萃香「まぁね。自分でも自分が面倒だとすら思う事もあるしね」

パチュリー「私も自分に対して思う事はあるけど、貴女のとは全く方向が違いそうね」

萃香「そうかな。結局はそこに縛られてるわけだし、内容がどうあれ変わらないと思うよ」

パチュリー「(何でこんな絡み方してきたのかしら)」

咲夜「萃香様、こちらに年代物のワインを用意してあります」

萃香「ワインだぁ? こりゃまた酔狂な。酔って狂うって書くし、まぁそのまんまか?」

パチュリー「……ねぇ、いつになく酔ってない?」

萃香「あぁ、華扇の大事にしてる特別な酒を飲んでるからね。あいつ知らない間に上等なの幾つも持ってやがった」

パチュリー「(奪われたのかしら。可哀想に)」

萃香「でも、そのワインもいただくよ。どこ?」

咲夜「あちらです」

萃香「あんがと」

パチュリー「ふう……ほんと絡みづらい連中が多いわね」

咲夜「まぁ私たちに絡んでくる分には構いませんけど……」

パチュリー「そうね。毎年怖いのは、無粋な奴がレミィにうっかり『サンタなんていない』と漏らす事……」

咲夜「パチュリー様フラグ立てないでください」

パチュリー「ハッ」

輝夜「……今日のイベントはドロップ率100%アップだったかしら」

レミリア「? 何持ってるの?」

輝夜「携帯ゲーム機よ。見たことあるでしょ?」

レミリア「あぁ、早苗がよく持ってるやつね。この前図書館に来てやってたわねそういえば」

輝夜「あなたもやる? 早苗に言えばもってきてもらえると思うけど」

レミリア「ゲームねぇ。ゲームって子供がやるものでしょ? 咲夜が言ってたわ」

輝夜「古いわねぇ。今やゲームは世代も年代もこえて楽しまれるものなのよ。冒険を楽しむものから物語を楽しむものまで幅広く存在するわ」

レミリア「へぇ?」

輝夜「『面白い』を追及するのに年齢は関係ないと思わない? 特に、私らみたいに長く生きる者にとっては」

レミリア「なるほど、確かにそれは言えてる」

輝夜「短い命だとしても、その短い人生の中でどれだけ満足する生き方を全うできるか……それを考えるのに、おかしな先入観なんて不必要なのよ」

レミリア「物事を見た目やうわべで判断するのは愚かな事だからね。でも、そんなに面白いの?」

輝夜「騙されたと思ってやってみたら? つまらないと思ったなら返せばいいし。娯楽だから、無理にする必要はないし、無理に合わせる必要も無い。そういうものよ」

レミリア「うん、わかった。でも、早苗には頼まないわ」

輝夜「え? 早苗に言わないと入手は難しいと思うけど。紫ババァは取ってきたりしてくれないでしょうに」

藍「ちょっとお待ちください、今の発言は聞き捨てなりません」

輝夜「お歳を召された紫色のおばあ様」

藍「お前らも生きた年数で言えば長いだろう!」

輝夜「ごめん、それよりレミリアの入手ルートが気になる」

レミリア「ふふん、あんた今日が何の日かわかってないわね?」

輝夜「今日? 何の日だっけ。イベントの日……あぁ、クリスマス期間ね」

藍「非常に引っかかる思い出し方だな……」

輝夜「ゲーム脳ですから(キリッ」

藍「何故威張る」

レミリア「クリスマスって言ったら、一つしかないじゃない」

輝夜「? あぁ、パチュ……」

パチュリー「あー! そういえばレミィ、あっちに珍しい血のジュースを用意したのよ!」ガシグイグイ

レミリア「え、あ、うん」

輝夜「え、ちょ」

咲夜「輝夜様……どうか、どうか、お見逃しください」

輝夜「何をよ。ていうか目が怖いわよ……」

藍「大変だなぁ……」


パチュリー「全く、意外な所で地雷踏むところだったわ……あら? レミィどこ?」

レミリア「だから、サンタにお願いしたのよ」

魔理沙「そ、そうか…………ブッ! か、叶うといいな」

パチュリー「あいつ!」

レミリア「ねぇ、どうして笑いをこらえてるわけ?」

魔理沙「え? いや、別に、くくっ、何でもないぜ」

パチュリー「魔理沙はここに来る途中森でワライタケを拾い食いして大変な事になってるのよ」

レミリア「えぇ? 来ればご馳走があるのに、せっかちねぇ」

魔理沙「おいおい待て待て、流石にそれは」

パチュリー「そ・う・よ・ね」

魔理沙「お、おう、そういえばそうだった気がするぜ……」

諏訪子「いやー聞いてよ魔理沙。昨日さー、早苗がプレゼント欲しいって言いだしてさー」

パチュリー「おいこらカエル」

パチュリー「(ていうかほんとに言ったのか……)」

諏訪子「え、何でいきなり怒られたの私?」

魔理沙「いや、うん、気にしない方がいいぜ」

神奈子「気にしないというわけにもいかないわ。まさかあの歳になってあんなこと言い出すなんて」

パチュリー「だああもう今年は難易度高いわねええええ!!!」

咲夜「パチュリー様、こうなれば早めに実行してしまった方が……」

パチュリー「そうね……それから『サンタに会った事がない人は決まって、親からもらうと嘘を吐く。それは暗黙の了解だからこっちも気にしちゃダメ』って事にしましょ」

咲夜「すみません、藍さん、こちら任せます」

藍「ん、もう行くのか。上手くいくといいな」

咲夜「貴女からそんな言葉聞けると思わなかったわ」

藍「まぁ、乗りかかった舟というやつだ」

咲夜「ふふ、そうですか」

パチュリー「早苗、霖之助さんはもう来てる?」

早苗「外で震えてますね」

アリス「中に入れてあげて!!」


‐別室‐

レミリア「いよいよね……ここに来る手筈になってるのよね?」

パチュリー「おそらくね。レミィは普通今の時間は眠ってるから、この時間を選んでくれるはず」

咲夜「ではお嬢様、お休みのフリをしてください」

レミリア「皆は?」

早苗「私たちがここにいるときっとサンタさん来てくれませんから、移動します」

アリス「折角お願いしたのに叶わないって、嫌でしょ?」

レミリア「なんか悪いわね。ありがと」

パチュリー「いつ来るかわからないから、時間かかるかもだけど、我慢してね」

レミリア「来たら起きてもいいのよね?」

咲夜「大丈夫です。そうしたら相手も腹括りますから」

アリス「どういう表現よ……」

レミリア「うードキドキしてきた」

パチュリー「さ、私たちは行きましょ。レミィ、おやすみ」

レミリア「うー」

ガチャン


パチュリー「すぐに行くと不自然だから、ちょっとあったまってから行って」

霖之助「最初から中に入れてくれてもよかったんじゃないかなぁ……」

咲夜「すみません、そこまで気が回らず……」

アリス「むしろわざとかと思ってたわ」

早苗「入って来たらよかったですのに」

霖之助「勝手に入るのは気が引けたんだよ」

アリス「まぁ、勝手に入るのが当たり前みたいになってる方がおかしいわよね……」

咲夜「きちんと招待状を渡しておくべきでした……話がついてるから必要無いかと」

パチュリー「お礼上乗せするから」

霖之助「いやうん、別に構わないよ。十分くらいの事だったし。それより、こっそりプレゼントを置こうとした所で彼女が起きてくるんだよね?」

パチュリー「その予定。あとは適当に喋ってくれればいいわ。きっと質問攻めでしょうから」

霖之助「ふむ。それで、僕は何を置こうとすればいいんだろう?」

パチュリー「何をって?」

霖之助「いや、サンタってプレゼントを届けるじゃないか。何も持たずに来るというのはどうなんだろうか」

一同「あ……」

咲夜「で、でもお嬢様のお願いが会う事ですからそこは考えなくてもいいのでは?」

アリス「待って。それだとサンタは会いに来るつもりで部屋に入るわけでしょ? じゃあ、レミリアが寝てる意味は?」

パチュリー「寝かしつけちゃったわ……これじゃあ『こっそり来た所、起きて驚かす』みたいになってる」

早苗「レミリアさんがその矛盾に気づかなければいいんですけど……」

霖之助「というか、ものすごく今更だけど、声でバレたりしないかな?」

咲夜「土壇場で問題だらけですね……」

パチュリー「今までだとイブイブの時点で欲しい物を聞いてその夜に用意する感じだったから……」

アリス「もうここまで来てるんだし、考えても仕方なくない? なるようにしかならないし」

咲夜「ですね。声なんて、似てる事だってあるし、別人と言い張れば」

霖之助「じゃあ、僕は会いに来た体で入ればいいんだね?」

パチュリー「それでお願いするわ。説明に困ったら『それは秘密』とか言って誤魔化して」

霖之助「自信ないなぁ」

早苗「そろそろいいんじゃないですか?」

霖之助「じゃあ、行ってくるよ」

パチュリー「お願いね」

霖之助「頑張るさ」

パタン

アリス「……もしもの時はどうする?」

パチュリー「一応鳥は用意いたわ」

早苗「さっすが、準備が良いですね」


‐レミリアの部屋‐

霖之助「(棺桶じゃないのか……今日だからかな?)」

霖之助「(とりあえずそっと近づくか……)」

レミリア「ばぁ!」

霖之助「!」

霖之助「(起きるのはやいな。そんなに楽しみなのか)」

レミリア「もしかして、サン…………あれ? こーりん? 何してんの?」

霖之助「え」


パ・咲・ア・早「え…………バレた?」


霖之助「ち、違うよ。サンタだよ」

レミリア「はぁー。いきなり入ってくるからサンタかと思ったじゃない。何か用? てか何で勝手に入ってきてんの」

霖之助「(これは……無理だろうな……)」

霖之助「いや、余興にと思ってね。手ぶらで会場に来るのも気が引けて」

レミリア「良い心構えだけど、勝手に部屋に入るのは感心しないわね」

霖之助「すまなかったね、おやすみのところ」

レミリア「うん、まぁ寝てなかったけど」

霖之助「そうか……じゃあ、僕は会場に戻るよ」

レミリア「そうして」

霖之助「ああ……」


パチュリー「……これは、ちょっと、まずいわね」

早苗「ど、どうしましょう……」

咲夜「何か手立ては……」

霖之助「すまない……」

パチュリー「ううん、あなたのせいじゃないわ」

???「やれやれ、どうなってるかと思って来てみれば」

一同「!?」

見たこと無い男「お困りのようね」

パチュリー「え、誰」

男「私だよ。八雲藍」

早苗「あ! 憑依!」

男「憑依というと聞こえが悪いけど……まぁそうだな」

早苗「うーん、何かこの感じにあまり良い思い出がないですねぇ……」

咲夜「その姿、もしかして……」

男「紫さまに無理言って、本場から一人連れてきた」

早苗「そういえば外の世界では、実際にサンタとして活動をしている方々がいると聞いたことがあります」

男「あとは私に任せなさい」

咲夜「助かります……」

アリス「なんか、らしくないわね」

男「私もこういう事するつもりは全く無かった。けど昨日、クリスマスの話をしたら紫さまが昔の事をお話されたのでな」

早苗「昔の?」

男「紫さまも夢見た時代があったという事だ」

アリス「あんたはなんだかんだ主に弱いわね」

咲夜「その様子だと『無理言って』ではなさそうね」

男「うーん、そこは紫さまの名誉の為に、無理に私がお願いしたという事で」

パチュリー「何にしても恩に着るわ」

男「きちんと恩を返してもらうからな」

咲夜「勿論です」

パタン

レミリアの声「わー! サンタだ! 本物? 本物?」

男の声「今年も良い子にしてたみたいだからね。会いに来たよ」

アリス「何とかなったみたいね」

パチュリー「良かった……」

早苗「でも、これで今後はサンタの話は出ませんね」

咲夜「それはそれで寂しいけど、今度は堂々とプレゼントを渡せるわね」

パチュリー「サンタにもらうから私たちからは別に無くていい、って言ってたしね」

アリス「ここまで来ると逆に微笑ましいわ」

早苗「夢があるって、良い事です。それを周囲が否定するのは無粋ってやつですよ」

パチュリー「付き合わせて悪かったわね。でも、助かったわ」

早苗「私は別に、いつでもお付き合いしますよ! ねえ、アリスさん?」

アリス「何で私も巻き込むのよ……別に、まぁいいけど」

早苗「そういえばフランさんは?」

パチュリー「フランはまだまだ続きそうね……」

アリス「あ、用意してあるのね」

パチュリー「当たり前でしょ。まぁ、フランの方がこういうのは鋭いから、先に真実に気づくのはフランかもしれないわね」

咲夜「案外既に気づいてて、知らないフリしてるのかもしれませんね」

早苗「策士ですね……」

パチュリー「というわけで、私はフランのサンタになってくるわ」

咲夜「私は美鈴に何か作ってやるか」

アリス「私はパーティに戻るわ。お腹すいてきちゃったし」

早苗「私も私も」


早苗「あ、雪」

アリス「やっぱり降ってきたわね~。思ったより遅かったけど」

早苗「これは積もりますね。明日はホワイトクリスマスかな」

アリス「ロマンチックだけど、屋根の雪を降ろす作業がまた大変そうだわ」

早苗「アリスさん夢がないですね~」

アリス「夢を見た後は現実に戻るんだから」

早苗「ふふ、そうですね。でも、今日くらいは……」



その日、紅魔館のクリスマスパーティは夜まで続いた。
だが、長くは続かなかった。早めにパーティは終了し、各々家に帰る事に。
今日くらいはゆっくり眠ろう……パチュリーの案である。




紫「まさか藍からクリスマスとかサンタって言葉を聞くとは思わなかったわ」

紫「いつも頑張ってくれてるし、ゆかりんサンタちょっと頑張ってみようかしら?」

紫「藍に橙に、霊夢にも何かあげようかしらね」


永琳「あらあら、輝夜ったら帰るなり寝ちゃって」

永琳「今日はイブか。輝夜に何か……でも、この歳になってまでって言うのも複雑ねぇ。普段のねぎらいって事で、鈴仙やてゐにもいいかもしれないわね」

永琳「……でも立場的には輝夜にもらう側のような気もするけど。ま、良いわ」


魔理沙「まりサンタの登場だぜー! ランダムにお菓子を配って回るぜ!」

魔理沙「お、あれは慧音と妹紅……子供達にプレゼントか。微笑ましいねぇ」



妖夢「…………」

『お正月用のお餅が10000個欲しい』

妖夢「…………」

幽々子「zzZ」

妖夢「……え、用意しろと?」


諏訪子「もうすぐ今年も終わりだねぇ」

神奈子「思い返せば長い一年だったけど、過ぎてみれば早いものね」

諏訪子「なんだかんだ毎年色々あるからね~」

神奈子「でも、早苗にサンタの話をされるとは思わなかったわ。一瞬記憶が子供に戻ったのかと思っちゃった」

諏訪子「他の人の言う事する事を見てるとさ、自分も何かやりたくなるんだよね」

神奈子「そういうもの? あんまりよくわからないけど」

諏訪子「早苗は影響受けやすいからね~」

神奈子「本人が面白くてやってるなら、まぁ良いんだけど。自分もサンタになるみたいだし?」

諏訪子「へぇ、誰かに何かあげるのか。それは知らなかったな」

神奈子「森の人形使いに、って。誰からももらえないのは寂しいだろうからって」

諏訪子「あははっ、すっかりお気に入りだなぁ」

神奈子「良い事だけど、色々と複雑よね」



早苗「こっそり、こそこそ……アリスさん寝てますね。ふふ、二階の窓の鍵に細工して正解でした」

早苗「さて、こっそりプレゼントを……あら? 枕元に紙が」

『次の日、屋根の雪を降ろす作業手伝って。それがお願いです』

早苗「あはは、私が来る事バレてますねぇ~……なんかちょっと悔しいぞっ」




HAPPY CHRISTMAS!


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メリークリスマスイブ!!(`∀´)ゝ
幻想郷の日常を描いた話は和みますね(´ω`)
妖夢だけすごい大変そうだけどww
71ヶ月前
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アグ@4634さん
独自設定が強すぎるのでほぼ自分が楽しむ妄想にしかなってないですねw
動画の方はシリアス方面が多いので、SSでは日常とかほのぼの話を主に書いていきたいです
71ヶ月前
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