• 【FE】祝・シリーズ30周年!個人的作品別オススメポイント

    2020-04-20 23:10

    はじめに

     ファイアーエムブレムシリーズ30周年おめでとうございます。

     いにしえからのエムブレマーにも、これからエムブレマーになる人にももっとシリーズを楽しんでもらいたく、私がプレイした作品のオススメポイントを簡単に記します。新しい作品に触れようとする人が参考にしてもらえたら嬉しいです。

     

    風花雪月 ~圧倒的総合力とボリュームの大作~



     ニンテンドースイッチでの最新作。これまでのシリーズで好評だった様々な要素のエッセンスを取り入れつつ、自由度とボリュームを高めた総合力の作品。これから始める人も今までのファンもきっと自分の遊び方、自分の好きなファイアーエムブレムが見つかる至高の作品。

     世界観やキャラクター設定の作り込みも細かく没入度は随一。主人公は「先生」となって文字通り生徒達を育成、やがて戦乱に巻き込まれ数奇な運命をたどる彼らに深く感情移入できることは間違いない。

     計略システムや大型ユニットの登場で戦闘演出・戦略性も過去に無い壮大な表現になっている。

     

     すべてのファイアーエムブレムを愛するプレイヤーへおすすめしたい作品。

    エコーズ ~RPG要素とW主人公~



     3DS作品。外伝のリメイク作品。二人の主人公のストーリーを並行して進める。それぞれの主人公がワールドマップ上をある程度自由に選択して行動でき、片方の行動がもう片方にも影響して…といった群像劇的展開もある。クエスト要素もあり、より「RPG感」のある作品になっている。

     RPG要素を強く求めるあなたに。

    If・白夜王国 ~和風の世界観と育成の楽しみ~



     3DS作品。暗夜王国と同時発売で、より初心者向けと銘打たれた作品。こちらからプレイしたという人も多いのでは。育成の自由度も高く、初心者でも取り組みやすいのが特徴。

     また和風テイストの世界観や兵種は初登場であり、シリーズ熟練者でも新鮮な気持ちでプレイできるのではないだろうか。

     一風変わった世界観を求めるあなたに。

    If・暗夜王国 ~完成されたマップデザインと多彩なギミック~





     3DS作品。白夜と比べてより難しい方として発売されただけあり、かなりの高難易度。でありながら、決して理不尽ではない計算されたバランスと、多彩なギミックで飽きさせない芸術的なマップデザイン。

     歯ごたえを求めるMブレマーのあなたに。

    覚醒 ~シリーズファンへのサービスと育成RPGとしての楽しみ~




     3DS作品。シリーズ復活の立役者となった出世作。子世代システムや豊富な育成要素でキャラクターを育てる楽しみの幅を増やした。DLCの数が多く、シリーズファンへのサービス要素がたっぷり。入門編としても、懐古趣味としても楽しめる。

     初めての、もしくは久し振りのFEのあなたに。

    新・紋章の謎 ~計算されたバランスの詰め将棋~



     DS作品。紋章の謎のリメイクだが、システムは現代風にかなりアレンジされた。高難易度になるほど理不尽と言いたくなる仕様に泣きたくなるが、ちゃんと答えは用意されている。

     一手一手に命を懸けるシビアな難易度を求めるあなたに。

    暁の女神 ~壮大なシナリオと群像劇~



     Wii作品。前作蒼炎の軌跡の続編となる作品。国や種族により勢力が分かれ、それらを同時並行的に操作していくことになる。勢力ごとに異なる思惑や願いに思いを馳せながらやがて大きな流れになっていくシナリオの壮大さに夢中になる。多くの勢力でキャラクター育成ができるので、たくさんのユニットを使いたいという人も楽しめる。

     大河ストーリーが好きで、色々なキャラクターを活躍させたいあなたに。

    蒼炎の軌跡 ~GBA時代から洗練されたゲームバランスと王道主人公~



     ゲームキューブ作品。初の非ロード主人公としてアイクが登場する。一傭兵としての彼が大きな世界の動乱に巻き込まれていく様は少年漫画の主人公然としており、ヒロイックな作品になっている。

     ゲームバランスの調整も随一で、GBA時代のシステムを継承しつつリファインされており、歯ごたえがある。

     王道ヒーローストーリーと絶妙なゲームバランスを楽しみたいあなたに。

    聖魔の光石 ~初心者向けバランスとファンタジー世界観~



     GBA作品。シリーズでも珍しくイージーモードがあり、難易度は低め。「ファイアーエムブレム=難しい」というイメージの初心者でもとっつきやすい。

     また、外伝以来の魔物ユニットが多数登場し、ファンタジーRPGの世界観としても楽しめる。

     難しいゲームだからちょっと…と遠慮しているあなたに。

    烈火の剣 ~初プレイからガチ上級者まで楽しめる難易度の懐の広さ~



     GBA作品。作中時系列は前作封印の剣の過去にあたる。3人の主人公がおり、チュートリアル編としての完成度が高いリン編、封印の主人公ロイの父親のストーリーが体験できるスタンダードなエリウッド編、そしてシリーズ屈指の高難易度として知られるヘクトル編と、1作で遊べる幅が広いのが特徴。初心者から上級者まで楽しめる。

     1つの作品で長く楽しみたいあなたに。

    封印の剣 ~近代FEのスタンダード~



     GBA作品。現代まで続くFEの新しい基本システムを構築した作品でありながら、それまでのシリーズを踏襲したクラシックで王道な作りになっている。上級者でも苦戦する歯ごたえのある難易度もあり、「これがFEだ」と言える代表的な作品。

     歯ごたえのあるクラシックなFEを求めるあなたに。

    トラキア776 ~理不尽な難易度と破天荒なシステム~



     スーファミ(VC)作品。前作である聖戦の系譜の外伝的作品ではあるがシステムは大きく異なる。FEで唯一信頼できる100%の0%のない作品であり、理不尽・非情ともいえる凶悪な難易度になっている。その分自分ができることも多く、特に杖はチートじみた性能のものばかり。

     人生や戦乱の理不尽を肌で感じたいあなたに。

    最後に

     暗黒竜・外伝・ヒーローズは途中までしか、紋章(2部)・聖戦・新暗黒は未プレイのため記述しませんでした。いつかプレイしておきたいですね。

     本記事の内容は完全に主観に基づくものであり、人によって各作品への賛否はあると思います。しかし、せっかくの記念ということでできるだけそれぞれの作品の魅力・いい点を伝えようと努めました。

     それぞれの作品の魅力が少しでも伝われば、また「遊んでみようかな」という気になってもらえたのであれば嬉しいです。

     これからもたくさんの人の胸に炎の紋章が輝いていますように。


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  • 【FE】陥落する王城から傷つきながらも決死の覚悟で王女を救い出したように見せかけたがそもそも真銀の騎士と誉れ高いゼト様ならば一人で世界の一つや二つ余裕で救えるのだが?

    2020-03-26 00:38

     「ファイアーエムブレム聖魔の光石」をゼト単騎で攻略するいわゆる縛りプレイメモです。

     ヴェルニの塔、ラグドゥ遺跡で縛りプレイがしたいので初期値ユニット・新品非売品を揃えたデータを作りたかっただけです。自分用の覚え書きついでですが参考までに。

     ルールは下記の通り。

    ・難易度ハード・エイリークルート

    ・経験値取得可能はゼト(オルソン)のみ。

    ・支援禁止。

    ・全仲間加入&生存。

    ・緑軍の戦闘に関しては制限しない。

    ・村・宝箱防衛は任意(出来れば非売品は欲しい)。

    ・リセット、LvUP吟味、ドーピングに関しては制限しない。

    ・双聖器禁止→断念。後述。

    序章~5章 「ルネス陥落」他

     ゼトで無双するだけなので特になし。加入も特に難しいところはない。後半になると能力吟味が難しいので速さが伸びているかどうかはチェックしておいた方が良きかな。

    5章外伝 「砕けぬ心」

     特例として離脱するオルソンで攻略。攻略的に難しい場所はない。

    6章 「憎悪の泥濘」

     騎馬特効さえ躱せば警戒するべきものはない。ヴァネッサでエイリークを避難させる場所にやや気を遣うぐらいか。速攻でボスへ向かえば蜘蛛急襲にもまあまあ間に合う。

    7~8章 「水城レンバール」「陥落、そして」

     ゼトで無双するだけ。

    9章 「後背の刃」

     村が2つあるが両方防衛はきつい。レイピア村だけ飛行で回収してゆっくり攻略するのが無難か。アメリアは取り巻きの処分まで撤退を待ってくれない。説得役を降ろしてる隙間もないのでここは諦めて次のチャンスを待つ。

    10章 「カルチノの内乱」

     ヒーニアス・ジスト・テティス(・マリカ)の救援マップ。焦って駆けつけると南北から挟み撃ちに合いアーチで味方を打ち抜かれる。南下しすぎなければマリカ隊は動き出さないのでヒーニアス達は緑のまましばし耐えてもらって北からの襲撃を平定するのに集中。突撃型を処理し終えて敵が減ったタイミングであればマリカの説得にも余裕を持って臨める。

    11章 「這いうねる闇」

     ラーチェル・ドズラ救援マップ。敵を確実に減らしながら進まないと、後半三方向からの急襲に対し単騎ではラーチェルを守り切れないことも多い。手槍で間接を処理するタイミング、近接で回避の高い魔物を処理するタイミングの使い分けが肝要。

    12章 「静寂の里」

     敵自体は強くない。ユアンは敵を減らしてクリア直前に安全なところで加入させるのがベター。

    13章 「ハミル渓谷」

     アメリア・クーガー説得マップ。アーチのせいで非戦闘員の逃げ場が少ないため非常に難しい。出来るだけ多くの敵を巻き込める位置取りをしつつ北側のアーチを一つ二つ潰して安全地帯を確保。アメリアは歩数が少ないため調整しやすいがクーガーは取り巻きもいるため孤立させるのが難しく、説得役のエイリークを守るのが厳しい。ハードブーストがかかったクーガーならゼトが必殺を出さなければ一戦くらいなら耐えてくれるので取り巻きを処理しつつゼトでクーガーを無理矢理引き寄せるのも手。西から急襲してくるパブロのサンストも加味すると最終的に逃げる場所も殲滅している暇もない。説得が終了した段階でアイアスをすぐ倒しにいけるような位置取りがベターか。

    14章 「白砂の女王」

     レナック加入のため急ぐくらい。敵の討ち漏らしがあると厳しい。カーライルは強いがここまで来たゼトならガチっても問題ない。

    15章 「灼けた砂」

     飛行系の増援が多く、また南西から駆けつけてくるエフラム軍がホントに邪魔(ごめんね兄上)。エイリークも含めるとこちらの飛行3体では非戦闘員を運びきれないことも多いので避難場所に気を遣う。ケセルダを刺激しない程度に北西からピラミッド周辺にかけてゼトを走らせ飛行・魔法増援を速めに処理。突撃飛行系がいなくなれば村の上空~北側をポケットにしてゼトで蓋をすることができるので概ね安全。

    16章 「荒れ果てた王都」

     エリア侵入で増援+突撃AI変更が発生。タイミングを誤ると非戦闘員がすぐ挟撃されるため、籠城・迎撃する箇所を早めに確保したい。西側の宝部屋に陣取ると楽。そろそろ上級職が増えてくるため、鉄武器では仕留めきれなかったり一撃が痛い敵もちらほら。

    17章 「決別の大河」

     シレーネ救援マップ。増援が多すぎるため市民救出を狙うなら真っ当に殲滅する攻略は無理。制圧ではなくgm攻速のリオンをぶちのめせばクリアなのでそちらを狙う。地上駆けではギリギリ増援に阻まれて届かない&輸送で目の前に運ぶと歩数が足りず取り巻きから非戦闘輸送員を逃がせない、となんとも歯がゆい距離。虎の子のショートスピア&スレンドスピアを振り回し無理矢理リオンの攻撃範囲にゼトをねじ込むゴリ押し突破。もっといい方法があった気がする。うーむ。

    18章 「魔の双面」

     全仲間加入し終えて後は消化試合。そう思っていたときもありました。単騎ではもちろんタマゴ割りなぞ間に合わず大量のゴルゴンを捌かなきゃならんわけで、いくら低命中とはいえストーンは一発アウトなのでやはり怖い。しかしこの章の最大の敵は実はそこではなく、もっと特有の要素、そう「火山バグ」である。ゴルゴンは騎兵の機動力を活かしてストーンの範囲外から攻撃して救出を利用して引っ込むヒットアンドアウェイ戦法が有効。…と思われたが、噴火口の上で救出を試みると何故か再移動が自動キャンセルされるというク〇仕様のせいで操作ミスのような無駄なリセットが嵩む。仕様と割り切って気をつけてプレイすればなんとか、といったところ。突撃型以外のゴルゴンを無駄に刺激しないのがコツといえばコツか。

    19章 「残されし希望」

     上級職よりどりみどりの増援軍団からあれもこれもというのはさすがに無理。マンセル護衛に注力する。無理に敵を倒す必要も無く、ゼトとシレーネでエイリークとマンセルを抱えて隅の回廊に籠もって適当に傷薬で耐えてれば終わり。ドルイドのルナを受け続けるのでホプロンでも持ってれば盤石。

    20章 「闇の樹海」

     ここが今流行りのどう〇つの森かあ…。と、冗談はさておき増援が多すぎてただただ、かったるい。100ターン近くかかった。手持ちの武器だけでは絶対足りないので武器が尽きた状態で敵に四方を囲まれて詰みという珍しい状態になる可能性がある。飛行ユニットで武器の補充をしに行けるよう引きこもる場所や優先して倒す敵を調整するのが肝要。

    終章 「聖魔の光石」

     ゴルゴンを範囲外から強襲→救出で離脱のセオリーは火山と一緒。ドラゴンゾンビは完全待ち伏せAIなので一旦おびき寄せてから範囲外へ逃げれば無視できる。手槍などでは攻撃も通らないのでできる限り戦闘回数を少なくして放置したい。リオンのナグルファルは痛いが回復手段も地形補正もないので取り巻きを潰してからゆっくり攻略すれば問題ない。

     魔王フォボスだが当初双聖器抜きで攻略しようと思っていたものの力カンスト+銀槍でダメージが通らないという大惨事に。渋々アウドムラを使ったがイベント戦闘かと見紛うほど特になんのドラマもなく終了。守備が補正有りで40ということは戦士系職の力カンスト値30+銀武器とかでダメージ自体は通りそう。魔法も比較的有効だしキャラによっては双聖器なしでもいけそう。

    総括

     ゼト自身の評価としては初期上級・高成長力・武器多彩・騎馬の移動力と戦力としては申し分なかった。ユニットの力不足で攻略が行き詰まるといった場面はほぼない。ドーピングや吟味も縛っても良かったかも。

     加入関係で難易度が高かったのはやはりゴリ押しの効かないアメリア・クーガー説得の13章。敵の動きにもややランダム性がありチャート化が難しかった印象。四方八方から増援が湧いてくるマップが多く総じて攻略の焦点はエイリークやらの非戦闘員の避難に終始していた気がする。縛り全体通しての難易度はまあ中程度といった感触。個人的にはこのぐらいが簡単すぎもせず詰まってイライラしすぎもせずといった丁度いい塩梅のプレイができた。


  • 【特撮】心が虚無に覆われる今だからこそウルトラマンオーブを見ろ

    2020-03-15 01:45

    はじめに

     年と共に趣味や仕事への情熱が薄れていき、娯楽や生きがいがじわじわと失われていく中で、「死にたい」は言い過ぎにしても「逃げ出したい」では言い足りないような絶望的な虚無感に襲われることがままあります。

     「いくら努力しても大して報われない」

     「自分が欲しいと思ったものは決して手に入らないと悟る」

     「努力が出来ない自分が恨めしい」

     「何のために生きているのか分からなくなる」

     何もしていないとネガティヴな考えがとめどなく頭に流れ込んできます。その流れに逆らい、思考に蓋をして、理性でなんとか正気を保つわけですが、感情が昂ぶって上手く制御が効かないこともしばしば。

     それでもなんとか生きていかないといけないわけで、どうしようかこうしようかあーでもないこーでもないと堂々巡りの考えを繰り返し解決策を模索するわけですが、意外と答えは既に自分の中にあったとかいう感じのやつです。

     タイトルから既にあれですが、僕はウルトラマンからその答えを得ました。というか僕はことあるごとに落ち込んだときにはウルトラマンを見よと人には勧めています。子供向けのコンテンツと案外馬鹿にしたものでもないですよ。

     完全に個人の経験や体験に基づく見解ですので話半分程度にどうぞ。

    食べても食べても満たされない

     自分の中のどうしようもない虚無感を埋めようとするとき、やってしまいがちなのは激しい飢餓感とも言える衝動から一方的な消費に走ってしまうことです。

     ドカ食いや衝動買いを繰り返してしまったり、惰性でゲームやスマホにへばりついたり、特定のアイドルや配信者に粘着してしまったり…。

     しかしこのようないわば暴食ともいえる消費行動では、往々にして虚無は埋まりません。ストレスから来る代替行動なんて言ってしまえば八つ当たりのようなもので、根本的な解決には繋がりにくいものです。

     あくまで個人の感想ですが、ぶっちゃけそういった消費一辺倒になってしまう人生は精神的につらいです。めっちゃつらい。

     何をやっても達成感ややりがいには結びつきづらく、また提供元に強く依存する関係でふとした瞬間に供給が断たれ絶望に打ちひしがれたりすることもしばしば。いくら食べても満たされず新たな食料を求め延々と彷徨う悲しい孤独な姿(「ポケモンUSUM」のウルトラビルディングにいるアクジキングを思い出しますね)。他人から見える以上に自分自身が一番苦しいのを分かっているのに衝動を抑えられない。ブラックホールとか、底なし沼とか、そういう真っ黒な概念というものは似た性質を持っているものだなあとふと思ったりもします。光を失った真っ黒な心の闇、それが虚無です。

    光を失った者はどうやってそれを取り戻したのか

    ※以下、「ウルトラマンオーブ」のストーリーの核心に触れるネタバレについての記述になるため、未視聴の方はご注意下さい。

     「ウルトラマンオーブ」は自らの過ちによって光を失いかけた男と、光を求めたあげくそれを手に入れられず闇に堕ちた男が、それぞれの光を取り戻す物語です。前者が主人公であるウルトラマンオーブことクレナイ・ガイ、後者がそのライバルであるジャグラスジャグラーという人物です。

     ガイは過去に自分を救ってくれた女性・ナターシャを戦いに巻き込んで死なせてしまったトラウマから自分の力でウルトラマンに変身出来なくなっていました。自らの心の闇に支配されそうになり苦しみの中にいたガイですが、実は現代で交流を深めたヒロイン・ナオミがそのときのナターシャの子孫であると判明し、ナターシャが生きて命を繋いでいたことを知ります。結果ガイはナオミの助けで自らの光を取り戻すことができました。

     一方ジャグラーは自分がなれなかった光の戦士、ウルトラマンに嫉妬とも憎悪ともとれるドス黒い感情を宿し、ガイに粘着し彼を否定しようとします。そんなジャグラーが最終回、ナオミを人質に取りガイにこう叫びます。

    「(中略)思い出はいずれ消える。まるで星屑のように、何もかも消える。唯一永遠なものが何かわかるか?なあ、ガイ?それは何もない暗黒だよ。お前の中にも、俺の中にも、誰の中にもある闇だ。埋まらない心の孔なんだよ…?」

     これこそ虚無の化身といった姿でしょう(余談ですがジャグラーを演じた青柳尊哉さんの演技がひときわ素晴らしいシーンの一つで、是非直に見て欲しいところです)。求め続け手に入れられなくなった瞬間滅茶苦茶に否定し破壊衝動に駆られる…心を虚無に支配された厄介ファンの成れの果て、とでも言うべきでしょうか。

     さてこの問いかけに対してガイはこう返します。

    「闇は永遠じゃない。唯一永遠なもの、それは…愛だ。この宇宙を回すもの、それは愛なんだ。暗闇の中に瞬いている、希望の光だ」

     いかにもヒーローって感じのセリフですよね。あるいはありきたりな響きで陳腐に聞こえるかもしれません。私も初見の時はなるほどありがちなやつねという感想を全く抱かなかったといえば嘘になります。

     しかし、ウルトラマンオーブのストーリーを振り返るうち、この言葉に含まれる意味が存外本質的なものを持っているのではないか?と感じるようになりました。

    ジャグラーの本質

     この問答の直後、背後で暴れていた怪獣に撃ち落とされた戦闘機の残骸が彼らのもとに降ってきます。大きな爆発の後、そこにあったのはとっさにナオミをかばったジャグラーの姿でした。その瞬間、ナオミは何度も夢に見ていた過去の先祖の記憶を呼び起こします。

    ナオミ「私の、夢の人って…!?」

    ガイ「お前の心には、まだ光が残っている。お前なんだろ?ナターシャを助けてくれたのは?」

     実はガイが戦いに巻き込んで死なせてしまったと思っていたナターシャをまさにその現場から救い出していたのはジャグラーでした。

    ジャグラー「あのとき…気づいたら、あの女を必死に助けていた。あの女は俺に微笑んだよ。訳が分からなくなって、俺は尻尾を巻いて逃げちまった。弱い者を放っておけないのがガイの弱点だ。なぜ、俺も同じ事を…?」

     結果ジャグラーは自らの光を取り戻し、ガイと肩を並べて戦うことを選択するのですがまあそれは本編を見てもらうとして。

     完全に闇に堕ちていたと思われていたジャグラーですが、くしくも自らがとっさに取った行動によりガイの言葉を証明することになりました。まさしくガイのいう「暗闇の中に瞬いている希望の光」を見いだしたのです。

     どんなに心を虚無で支配されていても元々はそうでなかった部分だってあったはず。かつては光の戦士を目指していたジャグラーですからなおさらです。

     微かな良心の瞬きから生まれたとっさの行動一つで光を取り戻すことは出来るのです。

    愛は与えることによって救われる

     足りないものをいくら求め貪っても、いくら「Take」しても満たされなかったジャグラー。しかし彼はささやかな行為で、ガイの言うところの愛を「Give」することで、救われました。

     この辺に本質があると思うんですね。つまり求めるのではなく与える行為、消費ではなくあえて生産する側に回ることで虚無の中に光を見いだすことが出来ると。

     いくら摂取しても摂取しても虚無に消えていくならそれを使うことを考えるべきです。

     食べ物で例えましょう。食べて得たエネルギーは一時腹を満たしてしまってもやがて消耗してしまう、もしくは老廃物や脂肪に成り果ててしまいます。しかしそのエネルギーを行動の活力に利用すれば、あるいは体力や知識を得られたり新しい価値に出会うこともあるでしょう。

     気力ややる気といったものもエネルギーであると僕は思っています。

     使わなければそのまま摩耗していくだけです。吸収したエネルギーを別の行動へのトリガーとして、そして走り出すためのガソリンとして使うことで初めて循環し、サイクルが形成されます。行動をすることで新たな気づきやフィードバックがもたらされたり、全く別方面からのエネルギー供給元がもたらされることもあります。

     獲物を捕らえる力を失ったライオンは死ぬしかないのです。獲物を探し続け、狩る術を磨き続けることでしか生は保てないのです。

     …という言い方をすると弱肉強食的な思想なのかよと気が滅入ってしまいそうですが、この現代社会において、実はそう難しいことをしなければならないということでもないと思っています。

    愛なんて軽率に与えることが出来るものである

     「生産する」「愛を与える」というといかにも厳かで高尚な行いと思いがちですが、そんなことはありません。些細な気持ちや感情を伝えることだって立派な愛であると思います。

     ささやかな「感謝」、ちょっとした「賞賛」だって0を1にする立派な生産行為であり、愛を与える行動です

     例えばSNSの投稿にいいね・goodを押す、動画やイラストに高評価をつけたりブックマーク登録をする、レストランで会計し終わった後に「ごちそうさま」と言う、お店で品探しを手伝って貰ったときに「ありがとう」と伝えるエトセトラエトセトラ…。

     ちょっと指を動かすだけで、ほんの一言声に出すだけで出来ることが現代にはたくさんあります。あるいは直接会わないと伝えられなかったことや、コミュニケーションの方法が限られていた時代には出来なかったことが出来るようになった時代でもあるのです。

     インターネットやSNSの発展によって、悪意が拡散しやすくなっただの、自己顕示欲に支配されやすくなっただの、何かと負の側面ばかりが強調されがちです。しかしこういう時代だからこそ出来ることだってたくさん生まれてきているのです。

     特撮繋がりというだけで唐突ですが、僕は仮面ライダービルドの挿入歌である「Law of the Victory」という曲が好きです。仮面ライダービルド自体が科学の功罪をテーマに扱った作品ですが、この曲の歌詞にはこんなフレーズがあります。

    眩いテクノロジー 全ては使い方次第 生まれた時代を乗りこなすのさ

     昔は良かったとか嫌な時代になったとか言うのは簡単です。でもそこで諦めず、今このときの良いところをどう未来に活かしていくか、それを決めるのは私たち自身なんだよ、というメッセージがこの曲には込められています。

     今の時代だからこそ出来るようになったことが私たちに救いをもたらしてくれる、そんなことだってきっとあるはずです。

    おわりに

     クレナイ・ガイは愛を宇宙を「回すもの」と言いました。そう、「回す」んです。

     自分が他人や摂取したコンテンツから受け取ったエネルギー、愛を自分もまた他へ発信してゆく。その繋がりが循環し、サイクルを形成し宇宙を回す、ということです。

     ガイ自身もジャグラーが救ったナターシャの子孫のおかげで自分の光を取り戻せたのです。だから彼は、愛はバトンのように繋がっていき循環するもの、宇宙を回すものと言ったのです。

     昨今コロナウイルスの影響で各地でイベントが中止になったり、娯楽施設がバタバタと門を閉めたり、なんだか全国的に暗―い雰囲気が蔓延しております。

     僕自身も年のせいか仕事や趣味への無気力が加速する中で、こういった自他問わない悲劇の連続を目撃してしまい気が滅入る一方です。

     ですが、そうした虚無の穴に全て吸収してしまいそうになる心を振り切り、あえて自分から「Give」していくことでそこから脱しようともがいています。最近ツイッターのいいねとか動画の高評価ボタンとかをちょっとでもいいと思ったら躊躇わず軽率に押すようになりました。いいと思った気持ちは形にしないと伝わらないと思ったからです。

     まずはそうした些細なことから人にできる「Give」を増やしていって、この宇宙を回す一員になりたいと思っています。

     …なんだかこっ恥ずかしいことばかり書いてしまったので、実はあんまり知り合いとかには見られたくないなーなんて思ってもいるのですが、こういった暗い情勢の中、これも誰かへの僕なりの「Give」になればいいなーと思い長々と書いてみました。

    僕からあと伝えたいことは一つだけです。

    皆も見よう!ウルトラマンオーブ!