12月9日(水)、新宿全労済ホール/スペース・ゼロにて舞台『Club SLAZY The 4th invitation~Topaz~』が公演初日を迎えた。
『Club SLAZY』は、2013年に上演された第1作から今回の第4作まで続く人気作品。大都会の片隅に存在すると言われる「Club SLAZY」で繰り広げられるドラマを描いてきた。
重厚な扉の先にあるClub SLAZYに入ることができるのは、ガーネットカードが届いた女性だけ。店内では、美しい男子たちが歌と踊りの華やかで艶やかなステージを繰り広げ、訪れた女性たちを魅了する。そして、ステージの裏側ではClub SLAZYのパフォーマーたちが笑いあり涙ありの人間模様が存在している。今回の舞台で描かれているのは、8年前のある出来事に端を発する男たちの変化と成長と苦悩の姿だ。
ソロステージを許された「レイジー」のBloom、Cool Beans、Deep。バックダンサーなどを務める「ニュージャック」のFlyとGraf、そして店内の掃除などの裏方を務める「ミスティック」のQ、過去に「レイジー」だったOdds。ほかにも、登場する人物それぞれが豊かな個性で物語を紡ぎ、ショータイムにはステージを彩る。
代理トップエースのBloomは華やかなダンスと歌を披露し、Cool Beansはお調子者でコメディリリーフのように扱われる姿もありつつ歌声は一級品。Deepはハツラツとしたフレッシュさがあり、Oddsは仕草も声も色気たっぷり。ニュージャックのFlyとGlafもそれぞれ歌とダンスが得意で、スポットライトを浴びることはなくても、つい目で追ってしまう。ミュージカルではなく、劇中の「ショー」としてダンスや小道具などの使い方も凝られていて、見応え十分。筆者は男性だが、思わず見入ってしまったほどショータイムの光景は魅力的だ。
ドラマパートでは、頼れる先輩としてのCool Beansや、立場の微妙さが落ち着かないOddsなど、ショータイムの姿からは想像できない一面も見られ、ますます『Club SLAZY』の世界に引き込まれていくことうけあいだ。今作のキーマンであるJr.とDooBopは、このclub SLAZYで何を思い、何を成すのか、成さないのか。そして、先輩から後輩に受け継がれていく技術や思い、下積みのニュージャックとして過ごすことの苦悩と葛藤。ショーの世界という、特殊な世界の出来事ではあるが、どこかしら共感できる物語の世界を味わってもらいたい。
~公演情報~
舞台『Club SLAZY The 4th invitation~Topaz~』
■東京公演
2015年12月9日(水)~12月20日(日)
会場:全労済ホール/スペース・ゼロ
■大阪公演
2015年12月25日(金)~12月27日(日)
会場:ABCホール
TEXT:藤村秀二