自分の昔話と格ゲーについて思う事20180430 ※個人の感想です
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自分の昔話と格ゲーについて思う事20180430 ※個人の感想です

2018-04-30 08:45

    注意:これはど素人が書いた文章であり、個人の感想であって、格ゲー全般を定義づけする物ではありません。すべての方に当てはまる事ではありません。
       以上のことをご了承いただけた方のみ、お読みいただくことをお勧めします。

    自分の昔話と格ゲーについて思う事

    今回はかなりの長文になるので、3行でまとめろという人はこれだけ読んでブラウザバック推奨。
     はじめはイー・アル・カンフー
     兄貴、カセットを投げる
     KillerInstinctはおススメの格ゲー


     最近、縁あって格ゲープレイヤーのツイッターを見るに至り、強豪プレイヤーの格ゲーに対する考え方や取り組みを垣間見る機会ができた。そして思ったことがある。なぜ自分と彼らとでは格ゲーに対する意識が違うのだろう、と。
     今回は格ゲーを軸に置きながら、自分のゲーム遍歴を振り返り、おっさんになった今、格ゲーについて感じることを書こうと思う。

    ・出会いはイー・アル・カンフー
     無駄に過ごしてきた時間の方が長い人生を振り返ってみると、格ゲーに初めて触れたのは何だっただろうか。まず初めに思い出したのはスーパーファミコンのストリートファイター2だ。子供時代は小遣いも少なく、そもそもど田舎シティなのでゲームセンターというものが身近になかった。ゲームセンターの一番古い記憶といえば、戦闘ヘリコプターのコックピットを模した大型筐体ゲームで、操縦桿を動かすと座席も前後左右に傾いたような気がする。過去に投稿した動画で「それサンダーブレードじゃね」とコメントをいただき、検索してみるとまさにその通りだったようだ。遊園地のアトラクションのようなものが、100円程度で体感できるいい時代だったように思う。1面すらクリアしたことがないが、とても楽しい記憶が残っている。ありがとうSEGA。
     話を戻す。確かに最も印象に残っているのはスト2ではあるが、もっと記憶を掘り下げてみると対戦格闘ゲームとの初めての出会いはコナミのイー・アル・カンフーというゲームだった。MSX版である。プレイヤー同士の対戦はなく、対CPUのみ。敵は五人で全員倒すとステージの色が変わって一人目の敵に戻る。覚えているのは赤、青、緑、灰色のステージだが、色の変更順までは記憶にない。こちらの攻撃判定が手足の先端にしかなく、相手の食らい判定も足元、腹、頭と限られている。そのために攻撃が当たっているように見えてまったくダメージを与えられない事が日常茶飯事で、間合管理が命のゲーム。逆に敵の攻撃はこちらにバシバシ当たる。もともとがアーケードゲームなので、いかに素早くプレイヤーを倒すかがCPUに課せられた使命なのだ。
     敵は強力な攻撃を仕掛けてくる。素手の主人公に対して、棒、火の玉、鎖、手裏剣、まっすぐに飛んでくる体当たり。どれもこちらの攻撃の間合いの外から放たれるので、プレイヤーはそれらを回避して接近し、突きや蹴りを当てなければならない。はじめのうちはCPUの動きも甘いので(それでもゲームに慣れるまでは楽に勝たせてくれないが)ある程度勝ち進むことができる。しかし2周目以降になるときっちり間合いを把握していないと攻撃を当てられない。敵はプレイヤーには不可能な速さで動くので、それを織り込んで対処する必要がある。
     プレイ当時、おそらく自分は小学校に行くかどうかという年齢だった気がする。楽しむためのゲームで、なぜか自分は涙を流してスペースキー(攻撃ボタン)を強打していた記憶がある。なぜ気持ちよく勝たせてくれないのか、当たっているはずの攻撃がなぜ当たらないのか(当時は当たり判定などという概念が頭にない)、同じ間合なのになぜ敵の攻撃ばかり当たるのか。コンティニュー制限がないので何度もやり直す。そして何度も負ける。横で見ていた長兄が「泣くぐらいならやめたらいいのに」といったような趣旨の発言をして諦めさせようとしても、自分はやめなかった。やめるときはこいつ(今戦っているCPU)に勝ってからだと決めていた。泣きながら戦い続け、いつしか涙も枯れて、スペースキーを強打する力も抜けてきた。泣いたところでこいつは負けてくれない。子供のわがままは通用しない。甘い考えを捨てなければならないことに気づいた。勝つために闇雲に戦うのをやめ、相手を見て、動き、攻撃しなければならない。
     それまで攻撃を当て、当てられて一喜一憂していた子供が急に静かになり、無言でゲームに対峙する。周囲の人間からすると不気味に見えたかもしれない。
     そしてようやく宿敵のCPUを倒して敵が一巡し、次のステージは何色かと待ち構えていると、最初の赤レンガステージに戻ってきた。自分はそっと電源をオフにした。
     多少、記憶違いや脚色があるかもしれないが、初めての対戦格闘ゲームの記憶は今でも残っている。

    ・恵まれたゲーム環境と恵まれなかった対戦環境
     ゲームセンターとは縁がなかったが、家庭用ゲーム機には恵まれていたように思う。裕福な家庭ではなかったので初めてのゲーム機であるファミコンが遊べるようになったのは発売から数年後だった。それも親から買い与えられたのではなくお隣のご家庭から。お隣さんの家族は50代のご両親と20代の息子と娘が一人ずつで、自分は孫のように扱われており、クリスマスなどろくに行事ごとを行わなかった我が家に対し、プレゼントを贈ってくれていた。そこで自分はファミコンをねだったのだ。決して安いものではない贈り物に我が親は平身低頭でお隣にお礼を言いに行き、それが最後のプレゼントとなった。
     前述のMSXは次兄がお年玉で買ったもので、ゲーム専用機ではなくプログラム遊びが主な用途であり、プログラムに興味のない自分はイー・アル・カンフーや、タイトルを忘れてしまったが横スクロールシューティングで遊ぶ程度だった。
     そんな親の苦労と恥などお構いなしに、子供である自分はゲームを思う存分堪能する。
     ファミコンと一緒に買っていただいたソフトはグラディウス。アーケードから移植されたコナミの名作横シューティングゲーム。当時ゲームセンターなど全く縁がなかった自分にとっては、自機やオプション、敵が横一直線に並ぶとスプライト制限の関係で表示がチラつくことすら新鮮で、軽快な音楽とともに向かってくる敵を撃ち、パワーアップカプセルで強化していき、バリアまで取ったのに後ろから突っ込んでくる敵にやられる。イー・アル・カンフーの頃ほど集中力は続かず、自力ではせいぜい3面到達が限度だったが、兄がもう少し先のステージまで行くのを横で見ているのも楽しかった。

     さて、ファミコン世代で格ゲーを思い返すとこれといってソフトを持っていなかった気がする。というより現在の対戦格闘ゲームというジャンルがまだなかったのではないか。アクションゲームで格闘表現が多いゲームがいくつかある程度という方がいいかもしれない。
     それを踏まえて対戦格闘ゲームというと、自分は遊んだことがないがジョイメカファイトというものがある。発売が1993年で、すでにスーパーファミコンが出ており、その当時はもうスーパーファミコンで遊んでいたので、ジョイメカファイトの存在を知らずにいた。ゲームセンターCXで扱われていたのでそこで初めて知ったが、ファミコンでありながらしっかりと対戦格闘ゲームとして遊べる出来のようだ。
     実際に遊んだ記憶のあるタイトルだと飛龍の拳が挙げられるが、これは友達の家でさわってみてシステムが合わないと思った覚えがある。攻撃や防御しなければならないタイミングで自分や相手に○が表示されるのが気に食わなかった。自分の好きなタイミングで攻撃させてほしかったが、今思うと二人の格闘家が対峙して隙を探り合って攻撃を打ちあう表現だったのだろうか。ともかく、これは格闘というより反射神経を競うゲームに思えたため自分で買うことはなかった。
     ケルナグールというゲームもあった。戦闘画面の構成はまさしく対戦格闘ゲームだが、いわゆる波動拳、昇竜拳のようなコマンド入力はなく、敵との間合、十字キーとABボタンの組み合わせ、そしてその時に修得している技によって使える攻撃手段が変わってくる。技を覚えるためには特定の敵を倒したり、お使いイベントをクリアして報酬として習得していく必要がある。かなりRPG要素が強いゲームで、行き当たりばったりで何とかなるものではなかった。戦闘時の操作の修練以上に、RPGでのキャラクター強化がモノをいう。自分で強化したキャラクターのパスワードを書き留めて、友達の家で入力して友達と対戦ということもできた点は紛う方なき対戦ゲームと言える。
     家にあったソフトで覚えているのはダウンタウン熱血物語と熱血格闘伝説。いわゆるくにおくんシリーズのゲーム。ダウンタウン熱血物語はパスワードを1P2Pで入れ替えてからおわるを選択するとステータスがガラッと変わり、所持金の表示もバグって実質使い放題になるのでキャラクターを強化して遊んでいた。格闘伝説はとくに裏技を使わずにコツコツとキャラクターを育てていた。セーブ機能が使えるようになったのが大きい。
     もうひとつのくにおくんシリーズの名作、ダウンタウン熱血行進曲それゆけ大運動会は友達の家にあったのでそこで遊んでいた。これはご存知の方も多いと思うが、ゲームで殴り合ううちにいつしか実際にプレイヤー同士が殴り合うことに発展することがしばしばあった。名作には間違いないし、遊んでていて楽しかったが、子供同士で遊ぶにはいろいろとリスクがあった。
     
     ファミコンから始まってゲームの面白さを知ってしまったあとは、当然のようにスーパーファミコンを買う。長兄がバイトしていたのもあり、以後はメガドライブ、PCエンジン(コアグラフィックス2、スーパーCDロムロム)、ネオジオと、すべてではないにしろ幅広くゲームを遊ぶ環境ができていた。持つべきはゲーム好きの兄である。
     長兄、次兄、そして自分の三兄弟で、共通して遊んでいたのはRPGだった。今のゲームのように個人でデータの扱いが分けられる仕様などないので、セーブする箇所を間違うととんでもないことになる。セーブファイルを毎回選択するゲームでは最後まで気が抜けなかった。
     長兄はRPGのほかにスパロボやGジェネなどのガンダム系のシミュレーションRPG、F1好きだったのでレースゲームが特にお気に入りで、F1とつくゲームは大体買っていたように思う。のちのゲーム機ではハンドルコントローラも買うまでになっている。アクション性の高いゲームは逆にあまり得意ではなかった。
     次兄は信長の野望や三國志などのシミュレーションゲームが好みで、もちろんシミュレーションゲーム以外もファミコンで遊んでいたが、どちらかというとPCゲーマーである。信長の野望 覇王伝はPC-98でフロッピーディスク10枚組だったか、とんでもない枚数で発売されていたように思う。MSXの頃から大航海時代、維新の嵐、スナッチャー、イース、ザナドゥ、エメラルドドラゴン、ソーサリアンなどたくさんのゲームがあった。MSXFAN、MSXマガジンといった雑誌も買っていて、MSXFANには読者投稿の自作ゲームが入っているディスクがつく時があり、本当に様々なゲームで遊んでいた。次兄が高校に行く頃には、高校のクラブで精力的に活動するようになり、ゲームからは徐々に離れていくことになる。PCということで家庭用ゲーム機では遊べない、いわゆるエロゲーもあった。次兄がゲームから完全に離れるようになってからはPCを受け継いで遊ぶことになったが、カスタムメイト(カスタムメイドではない)にはお世話になりました。

     長兄と次兄によって構築されたゲーム環境の恩恵にもっとも浴したのは自分だろう。兄たちの学年が進むにつれ、下校時間が遅くなり、勉強、バイトなどで拘束時間が増えていく。年少の自分はその逆で自由に使える時間が比較的多かった。むろん宿題など可能な限り手を抜いており、小学校、中学校で留年制度があったとしたらもれなく引っかかっていたことだろう。高校に行くと、さすがに今までのように勉強しないわけにはいかなかったので、テスト開始前の休憩中に勉強上手な友人のノートの要所要所を記憶して、追試を受けない程度に点数を取っていた。留年しなかったのが不思議だ。
     いろいろな犠牲の上に遊んだゲームジャンルはRPG、シューティング、シミュレーション、パズル、アクションと様々あるが、苦手だったのはスポーツゲームで、ファミスタはまったく打てず、まったく捕れずで勝った試しがほとんどない。そもそも兄弟全員でスポーツ全般に興味がなかったのでスポーツゲームはあまり家にはなかったように思う。
     ゲームのやりすぎでファミコンの電源アダプターを隠されたりしながら、それでも探し出して遊んでいた子供時代。ファミコンからスーパーファミコンにグレードアップしたころに問題のゲームが発売された。ストリートファイター2である。
     PS3、XBOX360の世代以降はゲームセンターのゲームがそのまま遊べるようになったが、スーパーファミコン全盛の当時、ある程度の劣化は免れなかったものの、それはもう夢のような移植だった。中学に行くようになると小学校よりも学区が広がり、より遠くから人が集まり、自然と情報も増えていく。ゲームセンターに縁がなかった自分にとって、商業施設の近くに住む同級生が口にする「はどうけん、しょうりゅうけん」という言葉の意味は、最初はまったく分からなかった。聞いてみるとゲームセンターにはストリートファイター2なるゲームが存在し、大きなキャラクターが大迫力のアクションで戦うのだという。そのゲームがなんとスーパーファミコンで遊べるようになったというではないか。
     ゲームセンターの情報が冒頭のサンダーブレードあたりで途絶えている自分には衝撃的な情報であった。
     時期を同じくしてスト2から端を発する対戦格闘ゲームブームが始まる。大きなデパートの上階のほうにしかなかったアーケードゲーム機、特に格闘ゲーム筐体が、ゲームショップ、本屋、駄菓子屋、小規模スーパーなどいたるところに設置されるようになった。ど田舎シティにおいてもそれは例外ではなかった。これは主にSNKのMVS(Multi Video System)というのが販売ではなく無償提供して収益を徴収する方式を採用したため、爆発的に普及したそうだ。スト2はMVS筐体ではなかったが、それでも多くの場所に設置されていた。
     なけなしの小遣いを格ゲーに費やすようになり、さすがにこれは金がいくらあってもたりないということでスーパーファミコン版のスト2を購入するに至る。
     アーケードではせいぜい3人目のCPUキャラを倒せるかどうかという腕前だったが、家庭用機であればいくらでも遊べる。負けても再投資の必要がない。友達は昇竜拳が出せないだとか波動拳やりすぎて親指の爪が剥けてきたとか、愚痴をこぼしながらも遊ばずにはいられない人たちが続出していた。自分も当初は技を出そうとすると爪が痛くなっていたが、指を十字キーの上でスライドさせるのではなく、親指の付け根から指全体を動かすようにして、指先の負担を減らした。また、必殺技が出ないという人は往々にして十字キーの入力が終わるより前に攻撃ボタンを押している傾向がある。本人は気付いていないことが往々にしてあるので何人かに伝えることもあった。
     スト2の操作可能なキャラクターは8人。最終面の敵であるベガを倒すと各キャラクターごとにエンディングを見ることができる。全員のエンディングを見るべくやりこみまくった。もっとも苦労したのはダルシムだったような気がする。手足が伸びるので遠くから攻撃できるが、伸びた手足に当たり判定があるのでうかつに攻撃すると反撃を受ける。当然のように敵の攻撃は大ダメージなので、安定して攻撃を当てることが難しかった記憶がある。
     ちなみに春麗使用時にジャンプ弱キック、しゃがみ強キック、百裂キック、スピニングバードキックなど、さまざまな場面でポーズ連打したのは読者諸兄と同様である。
     ゲームセンターのほうでは筐体を向かい合わせに配置した、いわゆる対戦台が増えていき、CPU相手ではなくプレイヤー同士の対戦が増えていく。CPU対戦のストーリーモードだと一人のプレイヤーが最後まで遊んだ場合、100円で30分近く筐体を占有することになる。経営側にとってこれでは儲けが出にくい。プレイヤーには最終面までいかずにさっさと負けて次の100円を投入してもらわなければならない。対戦台にすることでプレイヤー同士が戦い、必ずどちらかが負ける。負けたプレイヤーは席を立って別のプレイヤーに交代するか、誰もいなければ即座に次の100円を投入する。今では信じられないくらいゲームセンターに人が押し寄せ、格ゲーにプレイヤーが集まっていた時代である。多くのプレイヤーが対戦台で一喜一憂していた。ド田舎も例外ではなかった。
     そんな流れの中で、湯水のごとく小遣いが出るわけでもない自分は、ゲームセンターにはいかずにスーパーファミコンでスト2を遊んでいた。乱入されてあっさり一人目の対戦相手に敗退することもない。納得いくまで遊ぶことができたが、しかしそこはCPUだけあってパターンに入ると楽に倒せるようになり、攻略する楽しみも無くなってくる。友人間での対戦プレイも自分ほどやりこんだ相手がいないため挑める相手も挑んでくる相手もいなかった。対戦はやりたいがゲームセンターではやりたくない。これにはお金がかかることもさることながら、コントローラがパッドからアーケードスティックに変わることにも原因があった。思い通り動かせるのはあくまでスーパーファミコンのコントローラによる操作であって、スティックの操作はまったく別の話。
     そんな状況で、相手をしてくれたのが長兄だった。
     
    ・カセットを投げた兄
     思えば兄弟間で対戦プレイをやった記憶がほとんどない。
     「お兄ちゃんなんだから」というフレーズで兄は我慢を強いられていた。衣服や学校で必要な道具などは兄の代で購入し、おさがりが自分に回ってくる。買い与えられるもので新品を真っ先に使えるのは兄だった。それとバーターだったのかもしれない。自分がわがままを言っても、長兄は強く反発することがあまりなかった。ゲームに関しては、最初は早い者勝ちで自分が独占していたが(下校時間が早いため)、さすがに兄の手番が回ってくる機会自体が少なすぎたので、これは順番をしっかり決めて譲り合うことになった。
     遊ぶ時と遊ばない時がカッチリ決まる感じだったので、プレイ時間を共有するという概念が、今にして思うとそもそもなかった。対戦用のゲームよりもRPGや一人用のレース、アクション、シミュレーションなどが多かったのもあるが、なによりも、対戦して不利になるとゴネだすので興を削ぐという弟である自分自身の影響が多分にあったはずだ。
     覚えているのはPCエンジンの桃太郎電鉄、いわゆる桃鉄で遊んでいると、自分にボンビーがついたら途端にやる気をなくしてまともにプレイしなくなる。CPU相手ならリセットすれば済むが、相手がいるのでそういうわけにもいかない。しかし理不尽なマイナスイベントの連続に巻き返してやろうとすら思わずに不平不満を吐き出す。相手にしてみればせっかくリードが広がっていく場面なのに興醒めすることこの上ない。
     兄からすれば最悪の対戦相手だったろう。我が家で対戦が行われなかったのは当然。まったくもって自業自得である。
     子供だった自分はとにかく勝ちたかった。負けるのが嫌だった。勝ちたいのは相手も同じだが、それは意識の外のことで自分のことしか考えていなかった。振り返ってみると対戦プレイをする資格がない奴だ。
     そういうこともあって我が家ではほとんど対戦プレイは行われなかったのだが、その慣行を打ち破ったのはやはりスト2である。
     通常の難易度で全キャラクリア。最大難易度でリュウケン使用してクリア。もちろんノーコンティニュー。全キャラ最大難易度クリアとまではいかなかったが、一人ではだいたい遊びつくしたので、自然と対人戦を求めるようになる。
     次兄は要領がいいというべきか鼻が利くというべきか、対戦を勧めてものってこなかったので長兄に白羽の矢が立った。当時すでに高校生だった長兄は、中学生と比較して自由に使える時間が少なく、学業にバイトに忙しい日々の中で、ゲームを遊ぶ時間そのものが減っていた。
    当然のごとくスト2に触れる時間もわずかで、必殺技どころか基本操作もおぼつかない状況ながら、対戦相手に飢えた弟のわがままに付き合ってくれたのだ。
     世間知らずのわがままなクソガキは寛大な兄をゲーム内で容赦なく叩きのめした。
     自分はケン、兄は連打で技が出せる春麗か本田だったように思う。詳細なゲームの流れはもう覚えていないが、決定的な場面だけは今でも忘れずに記憶に残っている。
     一本も負けることなく何連勝かしたあとのこと、画面端に追い込んでダウンをとり、相手の起き上がりにしゃがみ小キックを重ねて連打していた。しゃがみガードするべき場面だが、兄は反撃を試みていたのだろうか、そのまま小キックの連打を受けて体力を減らして負けてしまう。
     その時だった。
     兄はスーパーファミコン本体の電源を落とし、イジェクトボタンを押し込んでカセットを取り出して、そのまま窓際に向けて投げつけたのだ。劣勢になればどういう気持ちになるのか自分は知っていたはずなのに、CPU以外の勝てる相手を叩きのめすことに集中して、そのことを失念していた。今にして思うと、兄の激情の矛先が自分に向かなかったのは、ギリギリ残された長兄の理性と優しさだったのだろう。
     兄は一言もなく部屋を出ていき、一人残された自分は驚きつつも冷静を装ってカセットを回収した。
     幸いなことにロムに異常はなく、その後も無事に遊べる状態ではあったが、対戦プレイ自体は以後行われることが無くなった。
     兄がゲーム嫌いになることもなく、先述通りゲーム機は充実していくが、長兄も次兄も対戦ゲームで相手をしてくれることはなかった。
     しばらくしてメガドライブのぷよぷよを買うと、同級生と対戦して相変わらずボコボコにしていた。1-3積みで基本の5連鎖+α程度しかできなかったが、ド田舎ではそれでも十分に強かった。格ゲーで対戦することはなかった。
     自分が高校に行く頃になるとバイトで小遣い以外の収入もできたのでゲームセンターに足を向ける機会が増えた。ゲームセンターで遊ぶのも格ゲーではなく、ビートマニアやダンスダンスレボリューション、ポップンミュージックなどの音ゲーだった。この当時になるとほとんどの格ゲー筐体は対戦仕様であり、初心者が入ろうものなら経験者が間髪入れずに乱入し100円が1分程度で蒸発するので近づかなくなった。
     また、NEOGEOを兄が買っていたので自宅でゲームセンターそのままの格ゲーが遊べたのも大きいだろう。カプコンのゲームはないものの、サムライスピリッツ、真サムライスピリッツ、餓狼伝説スペシャル、龍虎の拳2と、SNKの名作格ゲーを(兄が購入していたので)コストゼロで遊ぶことができた。
     その後セガサターン、プレイステーション、ドリームキャスト、プレイステーション2(すべて長兄購入)とゲーム機をうつろい、自分で初めて買ったのは初代XBOX。この頃になると兄二人は働きに出ていて、次兄はほぼ完全にゲームから離れており、長兄は帰宅後にRPGやレースゲームなどやるものの毎日のように寝落ちしていた。当時は寝るなら布団に入って寝ろよと思っていたが、今では寝落ちしてしまうのがよくわかる。
     スト2の長兄との対戦のあと、ごくまれにゲームセンターで気まぐれに格ゲーにコイン投入して初心者狩りに遭うことを除外すると、対人戦に復帰するまでにはかなりの期間を置くことになる。
     XBOX360とPS3でストリートファイター4が発売されるまで。

    以後格ゲーについて批判的な内容になります。個人の感想であり、格ゲー全般の定義づけなどではありません。

    ・オンラインによる対人戦と私
     win95発売のころから日本でもインターネットが広く普及し始める。我が家でもそれは同様だった。PCに詳しい次兄がwin95搭載のPCを買い、詳しくない自分は起動に時間がかかるのを知らずに電源ボタンを連打してマザーボードを壊して弁償するなどしていた。数年後、winXPが主流となったころに自分もPCを買う。そこで初めてMMORPGに出会い、RO(ラグナロクオンライン)でBOTにブチ切れるのに疲れた自分は大航海時代オンラインに流れ、商会(ギルドやクランといったもの)のランク維持のための上納が面倒になったので足を洗った。ネットを介した向こうには生身の相手がいるので、人間関係は実際のものと変わらない部分もありそれに嫌気がさしたというのもある。
     それに前後して、XBOX360(以後箱○)でアイドルマスターが発売された。当時黎明期だったニコニコ動画でいわゆるごまえーのPVをみて、数日後に箱○と戦国無双2とついでを装ってアイマスを購入。戦国無双2ではおねねさまをメインキャラに据え、アイマスでは無事あずささんと律子Pに就任。
     MMOでオンラインプレイはめんどくさい印象だったのと、スト2の記憶で、箱○を買ってもオンラインプレイはほとんどしなかった。
     そんな状況を打破させたのはやはりストリートファイターだった。スト2をオマージュした「俺より強いやつは出てきたか」というキャッチコピー、アーケードと遜色ない移植に懐かしいキャラクター達、派手な演出に綺麗なグラフィック、そして持て余していた箱○のオンライン機能を使える対戦。MMOと違って格ゲーでの対戦は相手の家族がどうだの仕事がどうだの聞くことはまずない。煩わしさもないだろうということでアケコンとともにストリートファイター4を購入した。
     結論から言うとスト4シリーズではあまりネット対戦をしなかった。
     スト4は名前を変えてバージョンアップを繰り返し、その都度パッケージが販売された。途中からオンラインストアでのDL販売も始まったが、まだこの当時はパッケージでソフトを買いそろえていた。出るたびに買ってはいたものの、オンライン対戦はあまり参加しなかった。
     スト2当時はド田舎のごく一部で対戦しているだけだったし、ゲームセンターでしのぎを削っている相手とは戦わなかった。オンラインではそんな狭い世界から解き放たれて様々な相手と戦うことになる。ゲームセンターと決定的に違うのは、対戦前に相手の様子がうかがえないことだ。ゲームセンターであれば相手がどれくらいの腕前なのか確認してからコインを投入できるが、オンラインではそれができない。勝率などである程度レーティングされているのだろうが、それとて万全ではないし、いわゆるサブ垢や、ゲームセンターでの経験者が初プレイなどは見抜くことができない。
     自宅周辺で格ゲーの世界が閉じていた自分などはまったく歯が立つ世界ではなく、ネットで発信される攻略情報を見て追いかけるのが面倒になった。
     攻略を見るとフレーム単位(1秒を60分割した単位)の入力や操作が求められるのが散見され、スト4に実装されているトレーニングでもキャラによっては入力猶予が0フレームというミスがまったく許されないものがある。別にそれが必須テクニックになるというわけではないが、素人目にはよくわからないレベルのタイミングで入力の成否が判定されるのは大変なストレスだった。
     キーディスプレイ機能で自分の入力が画面端に表示されて確認できるのだが、入力が成立するフレームに対して遅いのか速いのかがよくわからない。キーディスプレイを見ると入力順に間違いはない。求められる入力が成立するまで何度もトレーニングモード(以下トレモ)で練習することになるが、自分にはそれが耐えられなかった。
     スト2やNEOGEOで遊んでいたときはすべてCPU対戦を通して操作に慣れてきた。そもそもトレモがなかったからだ。2P対戦モードはあったが時間を無制限にしても敵を倒すと終了になるため自分はトレモとして使うことはなかった。入力が難しい技もあったが、難しい技が連続することはまずなかったので長々と練習する必要もあまりなかった。
     遊びながら上達して強くなるのであって、強くなるために反復練習に専念するのはゲームなのだろうかと感じて、結局スト4シリーズは上達することなく終わった(PP1000程度が最大(PPは強さの指標のひとつ。数値が高いほど強いプレイヤー))。
     使用キャラがまことというのも若干難しい原因のひとつだったのかもしれないが、好きなキャラで遊べないなら遊ぶ意味がない。勝ちたいからプレイするのではなくて、遊びたいからプレイするのだ。
     遊ぶ前にキャラクターの動きを把握するためにトレモで動かしてみる。これはいい。コンボをしっかり出せるようになるまでフレーム単位のシビアな入力を練習する。これはどうなのか。それは遊びなのだろうか。
     スト2の3段コンボ程度であればCPU相手に戦いながら練習するのもまだわかる。シビアな入力が要求されるのは必殺技入力時の一回だけで済む。フレーム単位の入力を何度もこなしてやっと大ダメージを取ることができる調整というのは、万人が遊ぶためのものなのだろうか。
     格ゲーがうまい人、上達する人というのは、真摯にこれらの情報に向き合える人なのだと思う。強豪プレイヤーのツイッターをみるに、オンライン対戦に入るまでに数日間トレモしかやっていないという風に読み取れるものがある。ああ、これは自分には無理な世界だなと思った。
     
     勝ちたいのではなく、遊びたい。やるからには勝つ方がいいが。
     スト2で兄にカセットを投げさせ、ぷよぷよで同級生をぼこぼこにしていたが、それが楽しいかといえば首肯しかねる。勝つのはいいが、確実に勝つのが分かっている勝負は面白いものでもなかった。当然のように負けるのが確定している勝負も面白いものではない。先述の桃鉄のくだりがそれだ。
     勝つのか負けるのかわからない、最後の一撃をどちらが先に入れるのかという緊張感。最終的に負けたとしても、そんな勝負こそが自分の求めるものだった。
     スト4はまだマシな方だったが、コンボゲーと呼ばれるような他のゲームは念仏のような長いコンボを叩きこんで雀の涙のようなダメージを取り合うものもあり、当時ゲーム誌で攻略記事を読んで辟易していたものだ。
     上級者はそれなりの修練も積んでいるだろうからそれ自体は特にどうこう言うことはない。楽しむために努力しているのだから。ただ、楽しむための必要な知識が多いのではないかという気がする。
     スト2の頃はジャンプ攻撃、着地して通常攻撃、キャンセルして必殺技。コンボといえばせいぜいこの程度。フレーム云々は当然あるが、ダメージを取りに行く行動を覚えるハードルは低い。そしてなにより拘束時間が短い。
     格ゲー上級者は攻撃する場面がそれなりにある。だからこそ勝つわけだが、そうでない人は攻撃を食らう時間の方が長い。攻撃を食らっている時間というのは基本的に操作することができないので、遊びたい自分などにとっては操作不能の無駄な時間でしかない。3段コンボで終わるスト2の場合はこの時間が短くて済む。まあそのあと起き攻めが来るので相手の攻撃を凌ぐ必要があり、失敗するとまたコンボを叩きこまれるわけだが、そこには自分の操作する余地がある。
     自分が持っているコンボゲーには一試合に一度だけ敵のコンボを中断させる技があったりするが、成否に関係なく使ってしまえばそれまで。ガードに失敗すれば相手がミスしない限り空中に打ち上げられて10を超えるコンボを食らう自キャラを眺めるしかない。こちらの攻撃が刺さってもつながる技が決まっているのでコンボルートを覚えていないとまとまったダメージが取れない。
     自分が操作できる時間に対して、操作不能時間の方が圧倒的に長い。長兄はスト2当時にこんな気持ちを味わったのだろうか。

     オンラインプレイは先述の通り、相手が分からない。対戦前に相手の腕前が計れない。対戦中の相手のリアクションが分からない。対戦後の相手の表情が分からない。果たして、自分と戦った相手は戦ってみてどうおもったのだろう。笑っているのか怒っているのか泣いているのか楽しんでいるのか。特に不安になるのは自分が勝った場合だ。スト4は強い相手とマッチングする腕前ではないので比較的操作に慣れてないレベル帯の人と当たることが多かった。中にはPPの割りに妙に強い、おそらくは自分と同じような腕前の人もいれば、ガードの使い分けやコマミスを連発していると思しきいわゆる初心者と当たることがある。似たような腕前の人には初心者狩り野郎が!と思われているのかな、操作がおぼつかない相手はもうこんなゲームやるか!と思わせてしまったのかな、などと考えてしまう。これは今にして思うと長兄のカセット投げに端を発する物だろう。万年PP3桁なので、対戦相手になる人はそれくらいの人ばかりだった。せっかくのオンラインプレイだが、気持ちよく遊べる機会があまりなかった。が、これはこちらの事情によるものでゲーム側に責を求めることはできない。
     また、今は格ゲープレイを実況配信や動画投稿する時代であり、当然それらを目にすることがある。勝てば嬉しいが負ければ悔しい。必ず勝敗の分かれるゲームにおいて、敗者を笑ったり蔑んだり、相手のミスをあげつらう人がいることにショックを受けた。この人たちはそれを聞いた相手が格ゲーから離れることを考えないのだろうかと。家で自分ひとりで遊んでいるのならまだわかるが、それを誰でも見れる状態の映像にして全世界に向けて発信しているのだ。自分と対戦している相手が自分のことをそのように罵倒していたりするのかなと思うと、オンラインで遊ぶことは次第に減っていった。

    ネガ要素ここまで

    ・そしてKiller Instinctに出会う
     時間は進み、ゲーム機は箱○PS3からXboxoneとPS4の時代になる。
     Xboxoneを買った自分は、昔の兄と同じようにゲームを買うものの、プレイする時間が確保できずに少し遊んでは積むようになっていた。
     Xboxone日本発売と同時に遊べるゲームの中にKillerInstinct(以下KI)があった。どう見てもコテコテの洋ゲーである。基本無料の使用可能キャラが定期的に変わるスタイルで、有料でキャラクターをアンロックするシステム。コンボシステムは日本のものと比べると若干変則的だが、コンボアシストというものがあってガチャガチャ連打しているだけでも成立する。ここまでなら今時よくある格ゲーだが、このゲームの肝はコンボブレイカーというシステムだ。
     相手に攻撃を叩きこまれる。これまでの格ゲーであれば相手がミスするのを祈りながら弱攻撃を連打しつつ終わるのを待つしかない。しかしKIに実装されているコンボブレイカーは、待つのではなく自分の意思と読みで止める可能性を作り出す。
     相手が弱攻撃を放っている場合は弱パンチキック同時押し、中なら中パンチキック、強なら強パンチキックの同時押しでコンボブレイクが成立。ダメージゼロだが相手を吹き飛ばす攻撃を発して五分の状況に戻すことができる。上級者は自分が修練したコンボが中断されるので嫌がるだろうが、そうでない側とすればこれはありがたい機能。これまで操作できなかった時間に操作の余地がある。失敗すれば3秒間ブレイク不能のペナルティが課されるが、成功すれば止められるのだから。3秒の制限時間以外にコンボブレイカーの使用制限は存在せず、一試合中に何度でもブレイクできるので気兼ねなく挑戦できる。
     とはいうものの、敵がいま何の攻撃をしているのか、習熟していないプレイヤーが瞬時に判断できるものではないので、最初はほとんどギャンブルである。当然、敵側もブレイクしてくるので上級者は早々にこちらの攻撃を止めてくる。結果としてまとまったダメージを取るのは簡単というわけではない場合がある。
     そこで役に立つのがもうひとつのブレイク、カウンターブレイカーである。
     必死にこちらがコンボを叩きこもうとしても敵が最速でコンボブレイカーをしてくる。そんな時は敵がコンボブレイカーする瞬間を狙いすまして中パンチキックを同時押しする。すると攻撃していたキャラクターがコンボブレイカーのモーションに入る。ブレイクの受付時間内に敵がコンボブレイカーを入力するとカウンターブレイカーが成立。敵のコンボブレイカーを封じてさらに攻撃を続行できるシステムだ。コンボブレイカーを潰せる重要な手段ではあるが、カウンターブレイカー自体は攻撃ではないので、相手がコンボブレイカーをしてこなかった場合はみすみす攻撃を中断して隙を晒すことになり、そこから相手のコンボが叩き込まれる可能性がある。攻撃している側にも常に読み合いが発生しているのだ。
     コンボブレイカーだけだと結局上級者が初心者の攻撃を止めて一方的に攻める状況を生み出すだけに終わるが、カウンターブレイカーが存在することにより、何も考えずに最速で、同じタイミングでコンボブレイカーをするというわけにはいかなくなる。
     逆に攻撃している側であっても、相手にコンボブレイカーのタイミングを読ませないために攻撃のタイミングを微妙にずらしたりコンボの種類を組み替えたり、一工夫する必要がある。相手がいつコンボブレイカーするかを読んで入力するのか、しないと踏んで最後までコンボに徹するかの選択にも迫られる。
     ただ攻撃するだけでも入力に集中するだけでは済まない。食らっている側もコンボが完走するまで眺めているヒマなどない。ふたつのブレイクの存在が退屈な時間を解消しているのだ。
     
     しかし自分がKIにのめりこむまでにはまだ時間が必要だった。ブレイクシステムに気づくまでは凡百の格ゲーとの違いが分からない状態であり、Xboxoneが日本で発売された当時のKIはシーズン1で、使用可能キャラが8人。この中に自分の興味を引くキャラクターがいなかったのだ。KIにハマりだしたのはシーズン2になってから。薙刀を持ったHISAKOという当身キャラに出会うまで待たねばならなかった。
     コンボアシストとKI独自のコンボシステムのおかげで、トレモに何時間もこもることなくオンライン対戦に乗り込める。アシストをオフにすればより緻密なコンボルートをたどることができるが、オンにしていればでたらめにボタンを押しても攻撃が止まることがない、煩わしいコンボルートなど覚えなくていい。アシストオンでも十分に戦える懐の広さがKIの魅力の一つだ。
     スト4シリーズではPP3桁だった自分だが、KIではキラーティアと呼ばれるランクまで到達できた。
     KIのランクマッチ(以後ランクマ)はランクリーグという名前で、予選通過者、ブロンズ、シルバー、ゴールド、キラーの5種類に分類される。ランクマに入ると最初はまず予選通過者として10試合を戦う。勝敗に関係なく10戦経過するとブロンズティアとなり、勝つことで得られるポイントを1000まで貯める。1000になった状態でランクマ検索をすると昇格戦としてマッチングされ、そこで勝つとシルバーティアになる。そしてまた1000まで……というのを繰り返して最後にキラーティアに到達するわけだ。
     キラーティアはポイントの上限が撤廃され、一か月でリセットされる。一か月かけてポイントを稼ぎ、上位32名に星が付与されて、ゲーマータグの横に星の数が表示される。同じキラーティアでも星を持っていると強い人だと分かるのだ。一か月でリセットされるので今月は時間取れないからほどほどにするかとか、逆にがっつり試合して稼ぎに行くかとか、自分のスケジュールに合わせて遊ぶことができる。一か月のうちに一試合もしなかった場合はゴールドティアに戻されるので、一回くらいはランクマしておくといいだろう。
     トレモに籠らず、ガチャガチャ遊んでいるだけでもそれなりに上級者と渡り合える格ゲーKillerInstinct。まあ星持ちとかしっかり修練を積んでいる相手にはボコボコにやられるのは格ゲーゆえ仕方ないが、ブレイクシステムさえ理解すればアシストをオンにして誰でも楽しめる。アケコンに投資しなくてもパッドでしっかり遊べるように作られているので始めやすいし、Xboxoneとか買えねえよという場合でもsteamやwin10PCなら遊ぶことができる。win10であればXboxone版も買った扱いになるのでお得かもしれない。
     またこのゲームの特徴の一つに、シャドーラボというものがある。これはプレイヤーの動きを学習して徐々に強くなるAIシステムだ。シャドーラボでシャドー(自分の分身)になるキャラクターを設定した後は、試合後にシャドーラボに戦闘データを登録してシャドーに教育するかどうかの選択肢が出る。シャドーが覚えるのは強い部分だけではなく、ダメなところも覚えていくので手当たり次第にデータ登録していけばいいものではないのかもしれない。シャドーラボで登録したシャドーは、体力がなくなるまで連戦するシャドーサバイバルや、ガルゴスという悪いやつをやっつけるシャドーロードモードで敵として登場したり、フレンドのシャドーと直接戦って遊ぶこともできる。通常のオンライン対戦と違って戦うのは登録されたAIなので相手のプレイヤーがいない時でも遊ぶことができる。サバイバルとシャドーロードは1戦だけだが、直接相手を指定して戦う場合は2本先取の試合になるぞ。シャドーラボでは自分のシャドーの戦績を確認して、勝った試合や負けた試合のリプレイを見ることができる。負けた試合の場合はリベンジマッチをするか選択することができ、相手のシャドーにプレイヤーがリベンジを挑むことも可能だ。
     強いシャドーはもう人間が操作しているのと見分けがつかないほどに強く、それほどでもないAIの場合でもCPUのような動きをしないので気軽に疑似対人戦を楽しむことができる。

     さて、ここまでKIの良さを書いてきたが、残念ながら諸手を上げて喜べる部分だけではない。
     和製格ゲーではもう当たり前になっている待ち受けマッチングがない。ストーリーやトレモで遊んでいる間にオンライン対戦のマッチングができないので、わざわざランクマのマッチング画面まで行って対戦が成立するまで待たなければならない。特定メーカーだけの機能というわけではないようなので待ち受けが追加されるのを期待していたのだが、いまだに実装されない。
     シャドーと対戦しようとすると頻繁にロードに失敗する。以前はそんなことなかったのだが、シーズン3の途中からロード失敗になることが増えた。何度もリトライすればいずれロードが始まるが、当初予定されていたキャラクターと違うキャラクターで始まることもしばしばある。
     知名度がないので日本のプレイヤーが少ない。日本時間の夜にランクマを検索しても当たるのはだいたい海外勢。海外は時差の関係で早朝であったり昼間であったりするのでプレイヤーが少ない時間帯であり、間をあけずにマッチングすると同じプレイヤーと当たることが割とある。ランクマに関してはMSのXBOXLIVEと開発元のIron Galaxyの謎技術によって、対海外であっても目立ったラグを感じることなく遊べる場合が多いので、同じ人と当たりやすい以外で困ることはないが、複数のプレイヤーが集まるロビー対戦になるとそうはいかない。ラグが生じることもあれば、国内のプレイヤーであってもロビーに入れないことがあるので、何度も接続を試みる必要がある場合がある。
     steam版プレイヤーはXBOX&win10版プレイヤーとランクマッチで戦うことができない。win10版はXBOXLIVEの中で遊ぶことになるのでXBOX版プレイヤーと遊べるがsteam版はそれができない。PCという点では同じなのだが、介するネットワークが違うため仕方ないのかもしれない。また、ランクマッチができないだけなので、勝敗のポイントが関係ないエキシビションマッチやロビーマッチは普通に対戦できる。あくまで出来ないのはランクマッチのクロスプレイのみだ。
     目立った不満点はこんなものだろうか。
     
     KillerInstinctは現在シーズン3、登場キャラクターは総勢29名。DLC全部入りが税込み4320円。セール時を狙えばさらにお得に購入できる。
     わけのわからん洋ゲーにいきなり金出すのはちょっと……という人は基本無料なので試しにDLして無料開放されているキャラクターで遊ぶことも可能。一定期間で入れ替わるので待っていれば全キャラ体験することも無理ではないし、俺はこいつさえいればいいんだというひとは1キャラだけ課金して常時使うようにすることもできる。キャラクターの衣装などは基本的にプレイしてたまるポイントでアンロックできるので追加投資は必要ない。勝っても負けても入るポイントなので使い続けていれば誰でも衣装は開放できる。課金限定の衣装は金粉だったりして完全に開発会社へのお布施要素で、某ゲームのようにギャラリーモードでガン見したくなるようなものは一切ない。
     興味を持った人がいたらぜひ遊んでもらいたい格闘ゲームだ。


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