ゲームの想い出第二回「moon」(PS)の話
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ゲームの想い出第二回「moon」(PS)の話

2013-03-08 11:23





    ゲームの想い出第二回はPS moonです。現在は知る人ぞ知る系の作品のプレイ動画として、ニコニコ動画にプレイ動画として一斉に上がる様になってるので、マイナー、というよりは特定層に受けるコアなゲームかな、という印象。

    自分がゲームショップでこの作品を購入した当時、雑誌やCM等の前知識一切無く
    「なんかパッケージとゲーム紹介が変わった作品だなー」位の軽い気持ちで購入し、
    帰り道に立ち寄った喫茶店で説明書を取り出しいざ開いてみると、
    中にステッカーが付いてたり、ゲーム内のBGMをプレイヤー側で選択出来ると記載があったり、フランス人形風の奇っ怪なキャラデザの数々が掲載されてたりと、まだRPGの固定概念を持ってた自分は、その内容に軽いカルチャーショックを感じた事を覚えてます

    ゲームが気になるので帰宅して早速プレイしようとPSを起動すると、解像度の高いロゴ画面に「Love DE Lic」の文字。アスキー協賛でメインパブリッシャーとして本作品を発売し、その後、「UFO(PS) LOL(DC)」まで三作品制作する個性派ソフトハウスで、ファンにはよく知れたメーカーだったのですが、この時の自分はまだ制作側の事なんて当然よく理解してませんでした。

    ゲームを始めると、ぶっといテレビ枠の中で明らかにドラクエを意識したゲーム内ゲームが展開し「うわ~、これは失敗したかなー」と、不安を感じてると、FFっぽいボスキャラが出てきた所で女性の大声が聞こえ、FC風の画面から一転、パステル画風の不思議なムービーにトリップ。
    そこで、どうやら自分がプレイしてたよく分からないあのゲームは、少年がプレイしていたもので、これからようやく本編が始まるんだ、と、一先ずクソゲーを掴まされたという不安から解放され一安心した所、少年がいきなりテレビの中に引きずり込まれ、落ちた先はまたもやゲーム内ゲームという構図。

    しかし、画面は先ほどのファミコン風のチープな感じとはうって変わって、全体的に油絵の様なクレイメーションの様な不思議なデザインの世界に変貌

    そのゲーム内世界に落下した少年を動かし、画面を操作してると、この世界の中では少年の姿は見えないらしいという事に気づき、しばらくウロウロしてると、とある老婆の家に到着。

    この老婆はいわゆる盲目で目が見えないので、触覚で人を判断してるらしく、目には見えないけど触感のある少年の事を手触りで見つけ、国にせがまれ行きたくもない竜退治に向かわされた自分の子と勘違いしてる様、成り行きでその日はそのまま老婆宅に宿泊する事になった少年は、夢の中で首だけの不思議な生物に「この世界にちりばめられてるラブを探しに向かって」とお願いされます。

    そして、その妙な夢から目を覚ますと、老婆が用意してくれた服を頂戴し、かくして少年は肉体は無いけど服は見えるという、水木しげる風の奇怪な様相となって、夢の中で聞いたラブを探す為成り行きの旅に出る事になりましたとさ。



    と、まあ長くなってしまいましたが、導入部はこんな感じのストーリーです。
    かなり特殊ですので、興味がある方はニコニコにプレイ動画があるのでそちらをどうぞ。



    moonで特徴的なのは何といってもこの作品にしかないキャラデザインで、
    3Dとも2Dともつかない不思議な空間に、異国情緒漂う不思議なキャラボイスは、
    それだけで魅力的で、キャラの掛け合いを観てるだけで、
    ちょっとしたショートムービーを楽しんでるかの様な気分に浸れたのを覚えてます。

    また、ゲーム中手に入るMD(ムーンディスク)には
    実在のインディーズアーティストを多数起用したそうで、
    単なるBGMではなく単体で聴いても素晴らしい名盤が数多く、
    ゲーム中の音楽が気に入った私は実際にMD(ミニディスク)にライン録音して、
    自主制作のサントラを制作したりして繰り返し何度も聴き返してました。






    このゲームの発売当時のゲーム業界はFF7の大ヒットの影響で業界全体の経済状況がさながらバブル景気の様に膨らみ、スクウェアを始め、中小規模のソフトハウスが乱立してゲームを出す程の盛況をみせていたものの、良い事ばかりではなく、そのせいで、企業の引き抜きや人材の使い捨て他、無駄に規模を広げた広告戦略等、業界の風紀が全体的に荒れてしまい、moonの開発会社ラブデリックの西健一氏もそんな強引な企業体制が嫌になって、当時、開発スタッフとして所属していた絶頂期のスクウェアから独立したと記憶してます。

    自分がゲーム業界で本格的に働いた時期は、「01~06年頃」だったので
    既にそうした流れは消えつつあったんですが、
    ゲーム会社時代、私に良くしてくれた先輩がいわゆるその時期の業界経験者で、
    当時の苦労やコボれ話をよくしてくれたのを覚えてます。



    今こういうゲームを出そうとしても、恐らくはDLCアプリ等、規模をかなり縮小した形でしか開発出来ないでしょうし、また、ゲームの世界観を構築するに十分な材料は集まらないかなという印象。

    このmoonというゲームは、ゲーム業界の好景気にあって、非常にいいタイミングで企業の歯車から抜け出し、素晴らしい人材と能力を武器に、商業規模でやりたい事を貫いたゲームバブル期という特異な時代を象徴するアーティスト作品の一つだな、と、個人的には思います。

    そういえば、ラブデリックの西健一さんは、故飯野賢治氏のご友人で、iPhone向けにアプリを共同開発してます、飯野氏が亡くなったのを機に無料公開されているそうなので、興味がある方はダウンロードしてみては如何でしょうか。

    https://itunes.apple.com/jp/app/id288799326?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

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