我が子が寝ている隙に、ほんの僅かだが文章を書く仕事をしている。きっかけは、妊娠中ほぼ寝たきりだったことだった。
自宅安静を指示されていたので、トイレ以外はひたすら横になることしかできなかった。入院したこともある。起き上がるのも禁止されていたので、できることといえば携帯を眺めることくらいだった。
元々インドア派ではあるが、何ヶ月もそんな生活をしているとさすがに飽きる。何もしないことへの罪悪感と、もったいないなさすら覚えた。そこで、「どうせ携帯を眺めるなら、雀の涙でもいいからお金になることをしたい」と思ったのだ。
出産後は中断し、一年経ったので再開した。書くことが楽しく、これが意外とストレス解消にもなる。幸い、いくつかの仕事にも恵まれた。
最優先は子どもで、仕事をするのは子どもが寝ている時だけのつもりだった。だが、一旦始めるとどうもそうはいかなくなった。
締め切りに遅れたことはない。だが、十分間に合っている時でも、どうにも落ち着かずに焦ってしまう。
子どもがなかなか寝ない時は、特に焦っている。寝てくれないと、仕事をする時間の確保ができないからだ。起きている時に仕事するほどの余裕はまだない。「寝なかったどうしよう」と変に緊張してしまうと、それが子どもにも伝わる。ますます寝なくなるのだ。
仕事でなくても、「子どもが寝たら○○しよう」とは考えない方が良い。寝ないとイライラしてしまうからだ。勝手に期待してはいけないのだ。寝たら「ラッキー!じゃああれしよう!」の方が、お互いに楽なのかもしれない。
イライラしたり、ソワソワとはやる気持ちは、子どもにも伝わる。寝ない悪循環の出来上がりである。
全ては親であるわたしの都合で、子どもにとったら迷惑なことだろう。本人もきっと眠くて仕方がないはずなのに、寝られないのだから。自分のしたいことのために子どもを振り回しているような気がして、なんだか申し訳ない気持ちになってしまった。
ちなみに、何も用事がない時ほどあっさり寝てくれたりする。子どもが寝ない原因の全てではないが、こういうこともあるのだ。気持ちのコントロールは難しい。良い年をしていまだに下手な方だが、このままではいけないと反省した。
「子育ては親育て」とも言れている。また一つ勉強させていただいたな、と思った出来事だった。
※写真は筆者撮影
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(執筆者: 廉) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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