2016年10月27日(木)日本武道館にて、声優・アーティストの三森すずこ(以下、みもりん)が『Mimori Suzuko Live Tour 2016“Grand Revue”』を開催した。みもりんはこれまで、テレビアニメ『探偵オペラ ミルキーホームズ』シャーロック・シェリンフォード、『ラブライブ!』園田海未をはじめ、多くのアニメ作品に出演し、人気を集めている。2015年には、第66回紅白歌合戦に声優ユニット『μ’s(ミューズ)』のメンバーとして出演するなどの実績を残した。2013年4月に『会いたいよ…会いたいよ!』でソロアーティストデビューを果たした彼女が、自身初の全国ライブツアーを7月から開き、各地で歌声とパフォーマンスを披露。そして、ツアーファイナルを音楽の聖地・日本武道館で2日間行った。みもりんが武道館ライブを通して、ファンに伝えたかった“夢”とはいったいなんだったのだろうか?
「三森すずこってどんな人?」という読者も少なくないかもしれない。みもりんは、テレビアニメのキャラクターに声を吹き込んでいる女性声優。もともとは舞台女優として活動しており、ミュージカルをはじめとする舞台役者として活躍していた。現在はアーティスト活動にも精を出しており、舞台の経験を活かした抜群の歌唱力とダンスで、観劇しているかのようなライブを展開している。今回はデビューして初となる全国ライブツアーを5都市6公演行っただけでなく、日本武道館公演も敢行し大成功を収めた。
ライブがはじまるや否や、会場に設置されたモニターに物語のプロローグが映し出され、今宵のステージの内容が紹介される。その後、メインステージの中央上空から大きなボックスが下りてきて、中からバンドメンバーとダンサーたちが姿を現した。まるで、おもちゃ箱から飛び出してきたおもちゃのような感覚を覚える。そう、今夜は”おもちゃのパーティー”が開かれるという、ファンタスティックな演出をオーディエンスに見せてくれるのだ。そのまま、ライブがスタートかと思いきや、ステージセットの扉からみもりんが登場し、おもちゃたちと一緒にパーティーへ参加することになる。オープニングナンバーの『TINY TRAIN TOUR』を皮切りに、全24曲のセットリストで日本武道館というパーティー会場を盛り上げた。
「みんなー! パーティーを楽しむ準備はオッケーかな!?」
みもりんの問いかけに武道館を激震されるかのようなオーディエンス全員の「みもりん!」コールが響きわたる。開始早々、一気に温度感が高まる観客の歓声。みもりんがステージから放つ歌声とダンサーたちと繰り広げるダンスパフォーマンスに驚いたファンもいたかもしれない。『会いたいよ…会いたいよ!』『FUTURE IS MINE』など、序盤から会場をヒートアップさせる楽曲をさく裂させた。その中でも、特に注目したいのがダンサーとのアンサンブルだ。8人のみもりんダンサーたちと息の合ったダンスとブレることのない歌声。“魅せる”ことを意識したステージングを目の当たりにした瞬間だった。みもりんのライブは、舞台経験を活かしたミュージカル調のステージになっており、毎回違う楽しさを体感させてくれる。ライブとミュージカルが相まって、武道館で踊る彼女の姿から舞踏会を連想するかのような優雅さが醸し出されていた。それはテーマパークのような遊び心いっぱいにあふれており、ライブへ”参加する”よりも、”観劇する”と表現した方が正しい。まさに演者たちが創作するパーティー会場が存在した。
MCに入ると、おもちゃの国の人々(オーディエンス)に挨拶を行う。しかし、次の瞬間に会場が暗闇に包まれ、次のストーリーへと進展。メインモニターにメッセージが映し出され、彼女のライブではなくてはならない赤色のフラッグが盗まれてしまう。フラッグを取り返しに、冒険の旅へ出かけるみもりん。『Traveling Kit』『ドキドキトキドキトキメキス♡』『せいいっぱい、つたえたい!』『ミライスタート』とアップテンポなリズムの楽曲を歌い、オーディエンスをあおっていく。ここで注目したいのが『ドキドキトキドキトキメキス♡』で披露したハンドダンスだ。細やかな両手の器用なパフォーマンスで、オーディエンスを圧倒させる。多彩なバリエーションのダンスに会場の熱気は上昇をしていくばかりだった。
勢いは止まることなく、『みんなでイエー☆オーッ!!』『サマーバケーション』とサマーソングを連続で歌い、場内のテンションを加速させていく。さらに、JUDY AND MARYのメンバーだった恩田快人作曲の『Shall we dance?』で爽快なアッパーチューンを奏でた。続けて『WONDER FLIGHT』『恋のキモチは5%』とキラーチューンを放ったかと思ったら、『My First Lesson』ではバラード曲を響かせるなど、多彩な声音でファンの鼓膜を揺らしていく。そこから一転、『Heart Collection』『Light for Knight』では、キレのある歌声で深刻さを表現。重々しい雰囲気のまま『Xenotopia』へ突入し、フラッグを盗んだ敵との一戦交える。その光景に、目を見開いてしまったオーディエンスの様子が伺えた。
ラストはステージを埋めつくすほどのダンサーたちが登場し、全員が乱れることのない統一したダンスを披露する。バトンやフラッグ演出に、会場の熱気も最高潮に達した。みもりんとファン、そしてダンサーの気持ちが一つになった場景が目に飛び込んでくる。夢にまで見た武道館でのライブを達際させたみもりんは、「夢だと思っていたら叶っちゃう。だから、夢は見ましょう! 大きな夢を持ちましょう!」とファンに向かって夢の大切さをコメントした。
夢はかならず叶うという保障はないけれど、大きな夢に向かって邁進する彼女の姿を見たら、夢を持たなければ成し遂げることができないのだとわかる。それでも彼女が夢を叶えることができたのは、応援してくれる人たちに対する感謝の気持ちを忘れないからではないだろうか? スタッフ、ダンサー、家族、ファンなど、彼女の背中を押してくれる人たちに対しての礼儀があったからこそ自分の夢に近づくことができたのではないだろうか? 彼女のライブは、“みんなに楽しんでほしい”という想いだけでなく、“大きな夢を叶えるための方法”も知ることができる。受け取り方は人それぞれかもしれないが、大切なことは“謙虚さ”を持ちつづけて、“何のためにがんばる”かだと思う。
MIMORI SUZUKO GRAND REVUE 10.27 セットリスト
M-01 TINY TRAIN TOUR
M-02 会いたいよ…会いたいよ!
M-03 FUTURE IS MINE
M-04 Traveling Kit
M-05 ドキドキトキドキトキメキス♡
M-06 せいいっぱい、つたえたい!(4sk’s ukiuki carnival remix)
M-07 ミライスタート(The LASTTRAK Happy Hard Soca Remix)
M-08 みんなでイエー☆オーッ!!
M-09 サマーバケーション
M-10 約束してよ…一緒だよ!
M-11 Shall we dance?
M-12 WONDER FLIGHT
M-13 恋のキモチは5%
M-14 My First Lesson
M-15 Heart Collection
M-16 Light for Knight
M-17 Xenotopia
M-18 ヒカリノメロディ
M-19 小さな手と観覧車
M-20 グローリー!
M-21 Fantasic FunfairEN-1 純情 Da DanDan
EN-2 スマイリウム
EN-3 ユニバーページ
公式ホームページ:http://mimorin.com/[リンク]
公式Twitter:https://twitter.com/mimori_suzuko[リンク]
公式ブログ:http://ameblo.jp/mimorisuzuko/[リンク]
※写真はオフィシャル写真を引用
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(執筆者: バラン野島) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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